2020年は三菱スペースジェットにとって、最悪の1年でした。第一四半期こそ、モーゼスレイクでTCフライトが行われ、飛行試験10号機のテストフライトが行われたものの、新型コロナウイルス感染拡大に伴い外出禁止となって中断。その後、外出禁止が解除されても、再開されることはありませんでした。

 そして、秋には「しばらく立ち止まる」との表現で、開発中断を発表。さらには2021年度は三菱航空機の従業員やスペースジェット開発予算が20分の1に縮小されるなど、このままプロジェクトが終了してしまってもおかしくない状況にまで追い込まれています。

 しかし、このまま開発を断念してしまうと、二度と国産ジェット旅客機開発はないかもしれません。初飛行前からずっと応援してきた私としては、希望的観測も交えて、今後もスペースジェットを応援し続けていきたいと思っています。

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★三菱スペースジェット「再開は市場を見て」の苦しさ〜「MRJが世界を飛ぶ日」

  

三菱スペースジェット「再開は市場を見て」の苦しさ MRJが世界を飛ぶ日 平野純一 毎日新聞「経済プレミア」

 毎日新聞「経済プレミア」平野純一記者の「 MRJが世界を飛ぶ日」シリーズの最新記事「三菱スペースジェット『再開は市場を見て』の苦しさ」。

 国産初のジェット旅客機を目指す三菱航空機の「スペースジェット」は、新型コロナウイルスで航空業界が大打撃を受けたことで、開発を一時中断している。

 今後の事業の継続性について、親会社・三菱重工業の泉沢清次社長は5月10日、同社の21年3月期決算の記者会見で「事業環境と市場性などを複合的に見てやっていく。市場環境は非常に厳しいので、よく見極めながら進めていく」と苦しい胸の内を明らかにした。

 新型コロナの感染拡大はいつ収束するのか、その後の航空業界はどのような姿なのか、今は誰も見通せない。スペースジェットの開発は3年間中断の後に、また判断するというのが三菱重工の基本スタンスだ。

 このシリーズ記事も何作目でしょうか。平野記者も根気強く掲載してくれていますが、すでに「手詰まり」との見方が有力視されている三菱スペースジェットなので、このシリーズが知らないうちに連載終了になっていないか心配です。




★2015年初飛行組、三菱スペースジェットと対照的 ピラタスPC-24

  

FlyTeamニュース:2015年初飛行組、三菱スペースジェットと対照的 ピラタスPC-24

 FlyTeamが、「2015年初飛行組、三菱スペースジェットと対照的 ピラタスPC-24」というニュース記事を掲載。

 6年前の2015年の5月11日に、スイスのピラタス初のジェット機PC-24型機が初飛行したことを題材に、同じ年にやはり初飛行を行った当時の三菱リージョナルジェット「MRJ」、そしてこの年に量産初号機を納入した「ホンダジェット」の3機についてまとめた内容。

 PC-24は2010年代前半から開発スタート。2015年5月に初飛行し、2018年2月に初号機を納入。そのおよそ3年後の2021年1月、納入機数100機目を達成。客室の広さや快適性を確保しつつ、機体後部の大型貨物ドアを標準装備。乗客10人がゆったり搭乗できる小型ジェット機で、シートは個別に調整でき、機内にラバトリーも設置されている。フライト中にもアクセスできる手荷物エリア、ワードローブなどが備えられ、機能性では、初飛行時にもわずか600メートルほどで離陸し、その短距離での離着陸性能に優れている。

 三菱スペースジェットは多くの日本人が期待を賭けたものの、開発縮小に追い込まれている。旅客機とビジネスジェットは大きく違うため、比べるものではないものの、開発動向として明暗がはっきりとなっている。ホンダジェットは小型ジェットのカテゴリで世界一の納入機数を誇るまでに成長したが、その初飛行は2003年で納入へ漕ぎ着けるまで12年、さらにその前の開発段階も考慮すれば多くの時間が費やされている。

 ピラタスは1939年の設立。これまでPC-12などに代表されるプロペラ機を製造、その経験・ノウハウが注ぎ込まれ、STOL性に優れる機種という歴史・伝統を受け継ぐ初のジェットエンジン搭載機はこれまでのところ、開発に成功したと見える。日本の航空機開発も年月を費やしながら完成機のノウハウ蓄積が必要なのかもしれない。

 本当にそのとおりです。三菱重工も今までの経緯を総括し、夢をあきらめず前進してほしいと願うばかりです。




★三菱重工、スペースジェット損失1162億円

  

Aviation Wire:三菱重工、スペースジェット損失1162億円 21年3月期決算

 Aviation Wireが、「三菱重工、スペースジェット損失1162億円 21年3月期決算」という記事を掲載。以下はその一部。

 三菱重工が5月10日に発表した2021年3月期通期連結決算のうち、子会社の三菱航空機による「三菱スペースジェット(旧MRJ)」事業の損失は1162億円で、想定の損失額1200億円の範囲内に収まった。三菱重工は2020年10月にスペースジェットの開発凍結を表明しており、6度延期されている納期については10日も言及はなかった。

 10日にオンラインで会見した三菱重工の泉澤清次社長は、「三菱航空機の人員規模は4月の段階で200人弱。TC(型式証明)文書の作業をやっている」と現状を説明。今後のスペースジェット事業の継続性については、「事業環境と市場性を複合的に見てやっていくことになる」と述べるにとどめた。総受注は287機から20機減の267機。このうち、確定発注は153機にとどまり、黒字化は難しいとみられる。

 旅客機は一般的に20年程度は運航され、自衛隊などでは50年以上運用している機体もあるため、1機でも引き渡してしまうと部品供給などのサポート業務を長期間継続する必要がある。スペースジェットの場合、顧客への納入開始前に手じまいする方が、損失を最小化できる可能性が高い。

 ここまで莫大な損失を出したのですから、三菱スペースジェットとしての黒字化や収支は二の次でいいのではないでしょうか。それよりも次の航空機開発に備え、ちゃんとTCを取得し顧客に納入。旅客機としての実績を積んでほしいものです。




★スペースジェット“跡地”をワクチン会場に

  

メーテレ:スペースジェット“跡地”をワクチン会場に 三菱航空機が退去の名古屋空港ビル、愛知県が検討

ここが三菱航空機本社が入居していた名古屋空港ターミナルビル2階。

国内線ターミナルだった頃、こんな広かった記憶はないですね。

いやー、この「タイル壁画」懐かしい。

そして制限エリアに入る手前の出発ボードもそのまま。

 愛知県が5月1日、新型コロナウイルスのワクチンの接種会場として、県営名古屋空港のターミナルビルの一部を提供することを検討していることを明らかにしたため、地元TV局が映像付きのニュースを配信。その中から、メーテレがYouTubeにUPしたニュース映像を引用させていただきました。

 県営名古屋空港のターミナルビルでは、三菱航空機が国産初のジェット旅客機「スペースジェット」の開発事業を縮小し、ビルから退去したため、2階の大半などが空いています。

 空いたスペースは空調の設備が整っていることなどから、愛知県は夏場に向け、高齢者のワクチン接種会場として活用できるとみて、周辺の自治体と調整を進めています。

 愛知県では6月末までに県内すべての高齢者およそ190万人分のワクチンが供給される見通しです。県の担当者は「高齢者向けの接種の後も、要望があれば会場として提供を続けることを検討する」としています。

 ワクチン接種会場に使用するかどうかよりも、映像の中で三菱航空機本社が使用していて、今は空っぽになっているターミナルビル2階が映っていたので懐かしく拝見しました。

 1階の航空会社カウンターでチェックインし、エスカレーターで2階に上がると、最初に目に飛び込んで来るのが正面の大きな「タイル壁画」。そして、航空機に搭乗するために制限エリアに入る手前の出発ボードもそのまま残っていました。

 こんな広いスペースに、三菱航空機本社は何千人もの社員を配置していたのですね。私たちは3階へ上がる階段側から、少しだけ内部を見ることができた程度だったので、退去したあととはいえ、こんなカンジだったんだとあらためて認識しました。

 それにしても、メーテレニュースのタイトルですが、「スペースジェット“跡地”」ってちょっとひどくないですか。
  
  これ以前は2021年ページに移動しました。

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