2019年は大きなターニングポイントとなる1年でした。6月にMRJから三菱スペースジェットに改称することが発表され、それまでMRJ90と呼ばれていたモデルがM90、MRJ70はM100に変更。続いてカナダ・ボンバルディアのCRJ事業買収を発表。しかし、900か所以上の設計変更を受けた10号機が初飛行することはありませんでした。

 2020年は現在のスケジュールにおいては、量産機をANAへ納入することになっている極めて重要な年。このスケジュールが守られるのかどうか判断できませんが、1日も早く10号機を完成させてアメリカへ送り、型式証明取得へつなげてほしいところです。


★三菱がスペースジェットのオーバーホールを終え、規制当局の承認を目撃

  

日経アジアンレビュー「三菱重工の大幅に遅れた86人乗りの地域向けSpaceJet M90は、2008年から開発が続けられており、早ければ2021年に出荷される予定」

トラベルウォッチ「三菱重工、スペースジェット事業の損失で2020年度第1四半期は579億円の赤字。『通期は見通しの範囲』」

Aviation Wire「三菱重工、最終赤字579億円 スペースジェットは計画見直さず 20年4-6月期」

 日経アジアンレビューが「Mitsubishi finishes SpaceJet overhaul and eyes regulator approval(三菱がスペースジェットのオーバーホールを終え、規制当局の承認を目撃)」という記事を掲載。

 三菱重工は8月3日、航空機のユニットの抜本的な再構築を完了し、従業員の半数が辞任したことを受けて、スペースジェット旅客機の商用飛行認定を取得する作業を再開したと発表した。小澤久人最高財務責任者は、決算記者会見で、「エンジニアリングチームの下で、型式認証を効率的に取得する計画に取り組んでいる」と語った。

 型式証明を取得するための三菱の取り組みは、コロナウイルスが航空業界を襲った後、今年中止された。パンデミックにより、エンジニアは航空機で作業することができなくなった。それに続く世界的な景気後退により、三菱重工は、航空機の需要が停止し、航空機の需要を一掃するため、損失を生む旅客機プログラムを継続することを困難にした。

 4-6月の第1四半期に、三菱重工は、713億円(6億7,700万ドル)の営業損失を報告した。損失の一部は収益の15%の減少によるものであり、ユーティリティおよび航空機本体の発電機とボーイングの翼に対する世界的な需要の低迷を反映しているが、商用ジェットプログラムの三菱自動車の評価減によるもの。減価償却の規模はまだ決まっていないが、総額で約600億円(5億6600万ドル)の見込み。

 コロナウイルスのパンデミックにより三菱航空機での生産が中断したため、同社はM90設計が規制要件を確実に満たすように、過去数年間の3,900時間を超えるテストフライトの結果の検証に注力している。M90は、耐空性を宣言する前に、米国での最終的な試験が必要である。型式証明が取得されると、三菱はそれがM90と潜在的に新しいモデルの市場を再評価すると言う。

 この記事によると、スペースジェットM90の型式証明は、それほど遠くないうちに取得できる目途がありそうです。




★カレンダーは今日から8月、いよいよ夏本番ですが・・・

  

カレンダーは今日から8月。ようやくつまんないモックアップ内写真の7月が終わりました。

ニュースイッチ「三菱スペースジェット、試験飛行の開始時期が未定に…」

ダイヤモンド・オンライン「三菱重工スペースジェット、事業縮小どころか「完全手仕舞い」の大ピンチ」

 カレンダーは今日から8月。そして名古屋はようやく梅雨明け。スペースジェットカレンダーは、つまんないモックアップ内写真の7月が終わり、CG画像なのでしょうが、8月は3号機の飛行写真。昨日、日本経済新聞が年内は飛ばないと報じた直後なので、8月のカレンダーを複雑な気持ちで眺めています。

 ニュースイッチが「三菱スペースジェット、試験飛行の開始時期が未定に…」という記事を掲載。内容は昨日の日本経済新聞とほぼ同じで、型式証明取得に向けた試験飛行の開始時期を未定としたことがわかった。「2021年度以降」とする初号機の納入時期がさらに延びる可能性があるという内容。

 3月に初飛行した最新試験機「10号機」は型式証明に向け米国で今春にも試験飛行を始める見通しだった。親会社の三菱重工業の業績悪化で開発計画自体が見直しとなった。新型コロナウイルス感染症の拡大で同機の米国への移動(キャリーフライト)のめども立っていない。うーん、やはり若干、事実と異なっている気がします。

 ダイヤモンド・オンラインが「三菱重工スペースジェット、事業縮小どころか「完全手仕舞い」の大ピンチ」という、くだらない記事を掲載。サブタイトルに「様子見の事業縮小が命取り?三菱航空機に広がる『やるせなさ』」と書いているように、このままだと、国産ジェット機は終わりを迎えると内容。

 TC取得を遅らせる背景に、もちろん新型コロナによる航空需要激減があることは確かですが、もう1つ、ボーイング737MAXのTC再取得の動向を見極めている気がするのですけどね。3流週刊誌並みの記事には、あまり反応しないでおこうと思います。




★国産ジェットの試験飛行、年度内見送り 三菱重工、21年度の納入難しく

  

日本経済新聞「国産ジェットの試験飛行、年度内見送り 三菱重工、21年度の納入難しく」

 日本経済新聞が「国産ジェットの試験飛行、年度内見送り 三菱重工、21年度の納入難しく」という記事を掲載。

 三菱重工が開発中のスペースジェットについて、2020年度内に予定していた試験飛行を見送ることがわかった。新型コロナウイルスの影響などで試験地の米国に機材を運べていないため。商業運航に必要な証明の取得が遅れる見通しで、少なくとも21年度の航空会社への引き渡しは難しくなる。

 三菱航空機は量産を想定した最新の試験機を1月に完成。空域の利用条件や国際的な信頼性が高い米国での試験に向け今夏までに現地に機材を運び、国土交通省の証明を得るための試験を始める計画だった。だが、新型コロナの影響で経由地の渡航が制限されるなどし、移送できていない。

 試験飛行をいったん延期し、商用化に向けたコストや技術課題を精査する狙いもある。三菱重工は20年度中に試験を始めることは難しいと判断。同年度の予算に米国で試験機を飛ばす経費を盛り込むことを見送った。今回の試験見送りを受け、国産旅客機開発の先行きがさらに不透明になりつつある。

 久しぶりにスペースジェット関連のニュースがありましたが、とても残念な内容でした。これで年内、名古屋空港に行く気力すら失せました。しかし、この記事、若干引っかかる点があります。確か北米での飛行試験を凍結し、今後は名古屋空港で飛行試験するんじゃなかったでしたっけ?
  

これ以前は2020年ページに掲載しています