2019年は大きなターニングポイントとなる1年でした。6月にMRJから三菱スペースジェットに改称することが発表され、それまでMRJ90と呼ばれていたモデルがM90、MRJ70はM100に変更。続いてカナダ・ボンバルディアのCRJ事業買収を発表。しかし、900か所以上の設計変更を受けた10号機が初飛行することはありませんでした。

 2020年は現在のスケジュールにおいては、量産機をANAへ納入することになっている極めて重要な年。このスケジュールが守られるのかどうか判断できませんが、1日も早く10号機を完成させてアメリカへ送り、型式証明取得へつなげてほしいところです。

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★1兆円投下の三菱スペースジェット開発、失敗の研究…三菱重工と外国人の技術者が対立

  

ビジネスジャーナル:1兆円投下の三菱スペースジェット開発、失敗の研究…三菱重工と外国人の技術者が対立

 ビジネスジャーナルが、「1兆円投下の三菱スペースジェット開発、失敗の研究…三菱重工と外国人の技術者が対立」という記事を掲載。以下はその抜粋。

 三菱重工は米ボーイングなどに航空機部品を供給しているが、自力で航空機全体を設計・製造するノウハウはなかった。100万点にも及ぶ部品の調達や工程管理は、部品メーカーの発想では限界があった。自動車(完成車)の部品はおよそ3万点である。

 開発当初は自前主義にこだわったが、方針を転換。着手から10年が経過した2018年、カナダの航空機大手などから外国人技術者の“助っ人”を多数、集めた。しかし、「プライドの高い三菱重工側の技術者とそりがあわず、現場では対立が続き、開発はさらに遅れた」。

 三菱重工はMSJを成長事業と位置付け、火力発電設備などで稼いだ資金をつぎ込んできた。債務超過を解消するには増資などの金融支援が必要だが、下手するとエンドレスに資金を注ぎ込むことになりかねない。三菱重工本体の屋台骨を揺るがすことになる。「凍結という名の撤退は当然の帰結。むしろ遅すぎた」。

 航空機産業は裾野が広い。調達する部品の3割が国産になる予定だった。経産省には部品産業を育て、製造業の基盤を強化する狙いもあっただけに、開発が遅れた影響は大きい。MSJの量産が実現すれば、名古屋地区の航空機産業は1000億円規模で潤うとの試算もあったが、その期待は、急激にしぼんでしまった。

 「“日の丸航空機”にしないでボーイングの技術を借りて協業にしたほうが、よかったのではないのか。三菱重工と経産省は自信を持ちすぎた」との悲痛な声が漏れてくる。政府には開発を強く後押しした責任がある。支援を続けるのか、打ち切るのか。模範解答のない難問題だが、菅義偉政権の力量が試されることになる。

 記事が「失敗の研究」であるようなので、全体としては概ね事実であると思います。地元名古屋地区の航空機産業が大いに期待していたのも確かですし、おそらく「プライドの高い三菱重工側の技術者とそりがあわず、現場では対立が続き、開発はさらに遅れた」というのも、当たらずも遠からずでしょう。

 しかし、失敗を教訓に体制を再構築し、3900時間にも及んだTCフライトを総括。再びTC取得に挑戦する日が訪れることを、多くのスペースジェットファンは待っています。




★クリスマスプレゼントが届いたのに

  

三菱スペースジェットカレンダー2021が届きました。

 先日、メルカリで購入した「三菱スペースジェットカレンダー2021」が届きました。時節柄、自分へのクリスマスプレゼントといったところなのですが、届いたポスターカレンダーを広げて眺めているうちに、何だかうれしさよりもさみしさのほうが前面に出てきてしまいました。三菱航空機はどうしてこのタイミングでカレンダーを製作したんだろう?

 だって通常、製造メーカーのカレンダーって、主にカスタマー向けに製作するわけですが、開発凍結とも言われていて、セールスする相手すらいないわけです。じゃあ、有料か無料かは別として、手に入れた社員や関連会社の人たちはどう想って眺めているのか、すごく気になってしまいました。それでも三菱航空機があえてカレンダーを製作したのには、それなりのわけがあるに違いありません。じゃあ、そのわけとは?

 私が想像するに、これは社員への「ささやかなお礼のしるし」なのではないかということ。その根拠として、このポスターカレンダーは市販されていません。仮にこのまま10号機がTCフライトを行うことなく、スペースジェット開発プロジェクトが終了してしまうとすると、せめて社員にその「証」を残すべきと思ったのではないかと。考えすぎでしょうか?

 私は、志半ばにして会社を去っていく三菱航空機の社員の方々が、このポスターカレンダーを見て想うであろう「さみしさ」「無念さ」を想像すると、今はとても壁に貼って飾る気持ちになれないのです。




★スペースジェット凍結やコロナ禍で日本の航空機産業は危機に

  

ニュースイッチ:「『リーマン後を含めこんな状況は経験ない』。スペースジェット凍結やコロナ禍で日本の航空機産業は危機に

My four favorite Top Aviation Photos I took in 2020 Dreamlifter 777X ElectricCaravan SpaceJet’s(2020年に撮った私のお気に入りのトップ航空写真4枚 ドリームリフター、777X、エレクトリックキャラバン、スペースジェッツ)

 ニュースイッチが、「『リーマン後を含めこんな状況は経験ない』。スペースジェット凍結やコロナ禍で日本の航空機産業は危機に」という記事を掲載。

 「崖から落ちたよう。仕事は一時の半分。リーマン・ショックの後を含め、こんなに厳しい状況は経験がない」。ある航空機部品メーカーの社長は話す。ボーイングは大型機「777」なども減産。20年中の新規受注を期待していた新大型機「777X」の量産もいまだ始まっていない。

 一方、三菱重工はMSJの21‐23年度の開発費を、18‐20年度の約20分の1の200億円に絞る。飛行試験も中止。過去の試験飛行データの整理と再評価のみを続け、市場の回復を待つ。

 MSJは型式認証(TC)用の試験機「10号機」の初飛行に3月に成功していた。三菱重工は11月のサプライヤーへの説明会で「(MSJ事業を)やめるわけではない」と強調。カナダ・ボンバルディアの小型旅客機「CRJ」保守・販売サービス事業の買収を将来の事業化への布石と説き理解を求めた。それでも関係者には開発凍結は厳しい現実だ。

 部品各社は段階的に発注が減った20年と比べ「底から始まる21年はさらに厳しい」とみる。「需要が戻るには数年」が通説だ。部品各社は航空機以外の新規受注を模索する一方、「自助努力だけで日本の航空機産業を維持できるのか」との声も聞こえ始めている。

 ニュースイッチは日刊工業新聞ですので、航空業界として見た場合、このどん底から回復するのは、おいそれとはいかないと書かざるを得ないでしょう。

 Isaac Alexanderさんが、JetTipさんの「As the end of the year approaches, who'd like to share their(年末が近づくにつれ、誰が彼らを共有したいのか)」とのツイートに、「My four favorite Top Aviation Photos I took in 2020 Dreamlifter 777X ElectricCaravan SpaceJet’s(2020年に撮った私のお気に入りのトップ航空写真4枚 ドリームリフター、777X、エレクトリックキャラバン、スペースジェッツ)」と返信。

 Isaac Alexanderさんが選んだ2020年の4枚に、スペースジェッツつまり複数のスペースジェット写真を選んだのです。4機の飛行試験機が晴天下に並んだ写真は、確かに素晴らしいと思います。




★三菱重工「スペースジェット」凍結であがる悲鳴

  

東洋経済オンライン:三菱重工「スペースジェット」凍結であがる悲鳴 量産拠点の東海地区、協力会社の死活問題に

週刊東洋経済プラス:「独りよがり」から離陸できるか 三菱重工の隘路@

週刊東洋経済プラス:描けぬ「脱炭素時代」の成長戦略 三菱重工の隘路

Isaac Alexanderさんが「I didn't take this but I just love this photo from 2020. It was the setup for the first flight of Mitsubishi SpaceJet JA26MJ in Nagoya Japan. (私はこれを撮りませんでしたが、2020年からこの写真が大好きです。これは日本の名古屋での三菱SpaceJetJA26MJの初飛行のセットアップでした)」とツイート。

 スペースジェットの仕事は来るものだと思わないでほしい」。11月、名古屋市内に集められたスペースジェット開発に関わる協力会社の幹部たちは、三菱重工業の担当者からこう告げられた。

 三菱重工は10月30日、開発が遅れている国産初のジェット旅客機「スペースジェット」の開発を大幅に縮小することを発表。計画から事実上撤退することになった。三菱重工の泉澤清次社長は「開発状況と市場環境を踏まえて、M90(スペースジェット)の開発活動はいったん立ち止まる」と述べ、早期の事業化は困難であることを認めた。

 三菱重工のような大企業と違い、体力の劣る中小企業にとって新型コロナウイルスによる逆風は死活問題だ。仕事は大きく減少し、1週間に2〜3日しか工場を稼働できない企業もあるという。そこに、スペースジェット向けに当て込んだ投資負担ものしかかる。現在は各種の緊急融資や給付金でしのいでいるが、「年明けから資金繰りに窮するところも出てくる可能性がある」(地元関係者)という。

 今日は東洋経済がオンラインと週間東洋経済プラス双方で、三菱重工特集を掲載しました。上記はそのうち、東洋経済オンラインの「三菱重工『スペースジェット』凍結であがる悲鳴 量産拠点の東海地区、協力会社の死活問題に」の一部。果たして三菱重工は協力会社を見捨てるのでしょうか? 間違っても、それだけはあってはならないことだと思います。

 Isaac Alexanderさんが「I didn't take this but I just love this photo from 2020. It was the setup for the first flight of Mitsubishi SpaceJet JA26MJ in Nagoya Japan. (私はこれを撮りませんでしたが、2020年からこの写真が大好きです。これは日本の名古屋での三菱SpaceJetJA26MJの初飛行のセットアップでした)」とツイート。

 思えば、JA26MJが初飛行したのは、今年のことなんですよね。まさかこのあと、スペースジェットに悲劇が訪れることになるとは、この頃は想像すらしませんでした。




★三菱スペースジェットカレンダー2021ゲット!

  

Isaac Alexanderさんが「ありがとうございました。2021年のカレンダーポスターのための三菱航空機。このAVGeekはとても感謝しています! 来月私のオフィスに吊るします」とツイート。

さっそくメリカリ検索したら出品されていましたので、速攻で購入しました。

スペースジェットカレンダー2021は私がチェックした限りでは、メルカリ以外には出品されておらず、メルカリもすでに2品ともSOLD。欲しい方は新規出品があるか要チェックです。

まだ手元に届いていないので、出品者の写真を見て癒されることにします。

 今朝、いつものように何気なくTwitterをウォッチしていたら、Isaac Alexanderさんが「ありがとうございました。2021年のカレンダーポスターのための三菱航空機。このAVGeekはとても感謝しています! 来月私のオフィスに吊るします」とのツイートを発見。

 まさかこの瀕死の状態ともいえる状況で、三菱航空機が「スペースジェットカレンダー2021」を製作したとは驚きでした。これは何とか入手しなければと思い、ここ数年卓上カレンダーを購入してきたメルカリで検索したところ、幸運にも出品されていたので、内容など一切チェックすることになく「購入」しました。

 もうスペースジェットカレンダーは入手できないと思っていたので、情報をくれたIsaac Alexanderさんと、メルカリに出品していただいた方に感謝です。また、三菱航空機があえてこの最悪のタイミングで来年のカレンダーを製作したということは、「来年もある」との意思表示と思いたいです。




★テスト飛行3900時間 日の丸ジェット、事業化凍結

  

日本経済新聞:テスト飛行3900時間 日の丸ジェット、事業化凍結

モノショップが例の「田原救難隊」が誤りだったとツイート。

しかし、トップページのトピックスはそのまま。どうせ直すなら、もっとよくチェックしてくださいね。

 日本経済新聞が、「テスト飛行3900時間 日の丸ジェット、事業化凍結」という記事を掲載。記事の中で目を引いたのか以下の部分。

 迷走ぶりは、試験飛行の長さが端的に示している。新たな航空機は国から商業運航に必要な認証(型式証明)が必要だ。三菱側は安全性の確認をはじめ、試験飛行は2500時間程度と見込んでいた。すでに3900時間余を費やしても、なお認証取得のメドはたっていない。

 コロナ禍で最新の飛行試験機を米国の試験場に運ぶこともできずにいる。開発の再開について三菱重工の泉沢清次社長は「市場の回復時期を見て決める。状況次第だ」という。主力の90席クラスは定価で約50億円。現在の受注は300機ほどある。実際の値引きや受注キャンセルのリスクを考慮すると、仮に全機を納入できても1兆円規模の開発費を回収するのは難しいとみられる。

 ここまでマスコミ各紙にボロクソ書かれ、すでに凍結どころか事業廃止と決めつけているマスコミも少なくないと感じます。三菱重工が官僚よりも官僚であり、超エリート集団を自負し続けるのであれば、地を這ってでもスペースジェットを世に送り出してほしいです。

 三菱重工さん、ここまでケチがついたことでもありますし、どうせならもう1度、「MRJ」に戻しませんか?




★三菱航空機、スペースジェット開発の米国拠点を全て閉鎖

  

朝日新聞デジタル:三菱航空機、スペースジェット開発の米国拠点を全て閉鎖

読売新聞オンライン:MSJ量産化凍結の三菱航空機、来年度から従業員9割以上削減

航空ファン2021年2月号 希少な雑貨やマニア・コレクターグッズを探すならモノショップ

 朝日新聞デジタルが、「三菱航空機、スペースジェット開発の米国拠点を全て閉鎖」という記事を掲載。

 国産初のジェット旅客機「スペースジェット(旧MRJ)」を開発する三菱航空機は、米国にある飛行試験の拠点を来年春に事実上閉鎖することを明らかにした。すでに米国とカナダにある開発拠点2カ所を閉鎖済みで、残る海外拠点は米ワシントン州にある飛行試験拠点だけだった。

 この情報もかなり前に既出なので、今回正式に三菱航空機が認めたということなのでしょう。そして、読売新聞オンラインは、「MSJ量産化凍結の三菱航空機、来年度から従業員9割以上削減」という記事を掲載。

 こちらも既出情報ですが、「国内外の航空会社から約300機を受注しているが、納入の見通しが立っていないため、『お客様と対応を相談している』(三菱航空機)という」ところと、記事の内容よりも、懐かしのANAカラーの3号機写真に目が行きました。

 モノショップが「航空ファン2021年2月号」の販売PRツイート。第1特集で「三菱航空機MRJ/スペースジェット総括田原救難隊」という記事があるようです。

 10月30日、三菱航空機の親会社三菱重工業が「一旦、立ち止まる」と発表した国産ジェット旅客機MRJ/スペースジェットについて、そのプロジェクトの立ち上がりからおさらいし、総括する。どのようなコンセプトにもとづき、どんな新機軸を盛り込んでいたのか、どこでつまづいたのか、今後の再起の可能性など、多角的に解説する。

 読んでみたい内容ですね。それにしても、「田原救難隊」って何?




★三菱航空機 従業員を約20分の1に削減へ 開発費大幅縮小で

  

NHKニュース:三菱航空機 従業員を約20分の1に削減へ 開発費大幅縮小で

 NHKニュースが、「三菱航空機 従業員を約20分の1に削減へ 開発費大幅縮小で」という記事を配信。それによると、三菱航空機はスペースジェットの開発費を大幅に縮小することに伴い、来年4月以降、従業員をおよそ20分の1にあたる150人程度まで減らすなど、最小限の体制とする方針を固めた。人員の削減にあたっては原則としてグループ内で配置転換を行う。

 また、アメリカ・ワシントン州にある開発拠点についても、来年4月までに試験飛行などの活動をやめ、4機ある機体の保守や管理に限る方針を決めた。これによって、スペースジェットの開発は来年度以降、機体の安全性を担保する国の型式証明を取得するための手続きなどに限った最小限の体制となる。

 親会社である三菱重工の発表に沿った内容ですので、驚きを感じるものではありません。従業員が20分の1の150人程度まで少なくなるとなると、名古屋空港ビルの2階にある広大な本社フロアの中は閑散としますね。以前は空港ビルのあちこちで、携帯電話ばかり掛けていた外国人技術者たちに会うことも二度とないでしょう。




★明暗を分けた国産ジェット機事業 三菱%結を尻目にホンダジェットの鼻息

  

ENGINE WEB:明暗を分けた国産ジェット機事業 三菱%結を尻目にホンダジェットの鼻息

 ENGINE WEBという航空業界とは無縁のメディアが、「明暗を分けた国産ジェット機事業 三菱%結を尻目にホンダジェットの鼻息」という記事を掲載。

 冒頭から、「事実上の事業凍結を発表した三菱重工業の三菱スペースジェット。だがもうひとつの国産ジェット機、ホンダジェットの人気はいまだ収まる気配がない。明暗を分けた両者の違いとは?」というように、ホンダジェットを褒める内容であることが伺えます。

 記事の内容に齟齬はありませんが、ホンダジェットとて順風満帆にここまで来たわけではないことは、飛行機マニアには常識でもあります。ホンダジェットが 成功裏に進んでいることは確かですが、文末がまた少しイヤミ。

 「名機になる予想しか出来ない状況と言える。唯一の不満を挙げるとするなら就航すれば気軽に乗れるはずだったスペースジェットと違い「なかなか乗れる機会がない!」ということでしょうか?」。ちょっと褒めすぎでしょう。




★三菱スペースジェットの画像とアニメーションはプライムスタジオが作成

  

プライムスタジオは、三菱リージョナルジェットとその後のスペースジェットブランドおよびマーケティングプログラムをサポートするために、さまざまな画像とアニメーションを作成しました。

日本経済新聞:[社説]創業150年 三菱は再出発を

 「プライムスタジオは、三菱リージョナルジェットとその後のSpaceJetブランドおよびマーケティングプログラムをサポートするために、さまざまな画像とアニメーションを作成しました」とツイート。

 リンクの先の自社ウエブサイト内に三菱航空機ページがあり、三菱航空機株式会社とその代理店パートナーであるエーデルマンと協力して、プライムスタジオは高品質のアニメーションと画像を制作し、2019年パリ航空ショーのスペースジェットのリブランディングをサポートしました。と紹介されています

 なぜこのタイミングでプライムスタジオが、三菱航空機スペースジェットの画像とアニメーションはプライムスタジオが作成とツイートしたのかは不明ですが、3Gによるアニメーション技術というのはすごいですね。

 日本経済新聞が社説で「創業150年 三菱は再出発を」という内容を掲載していました。カット写真がスペースジェットだったので反応してみましたが、スペースジェットに関しては、読むに値する記事ではありませんでした。




★三菱重工、スペースジェット凍結では届かぬ「黄金比率」

  

日本経済新聞:三菱重工、スペースジェット凍結では届かぬ「黄金比率」

 日本経済新聞が、「三菱重工、スペースジェット凍結では届かぬ『黄金比率』」という記事を掲載。タイトルにスペースジェットが入ってたのでチェックしてみました。

 すでに1兆円を投じた同事業を「いったん立ち止まる」(泉沢清次社長)として事実上、凍結。今後3年間の予算を95%削減する。SJに代わる成長分野として再生可能エネルギーなどに2000億円を投じる。24年3月期に売上収益は4兆円規模を維持したまま、事業利益2800億円を稼ぎ、純利益1800億円を目指す新しい事業計画を掲げた。

 この計画を達成しても実現できそうにない指標がある。19年3月期から独自指標として設定している売上収益、総資産、時価総額をそれぞれ1対1対1の比率にする「TOP(Triple One Proportion)」だ。指標の導入を主導した小口正範・前最高財務責任者(CFO)は「適正な規模のバランスシートから良質な事業が生まれる。利益率が高まって株主還元が進み、時価総額が増える」と意義を説明していた。

 三菱重工自身も24年3月期までの事業計画期間中のTOP実現は掲げておらず、あくまで成長領域への種まきを優先する方針だ。小沢寿人CFOは「投資を拡大する成長事業の利益面での貢献はないものとして今回の計画をつくった」と話す。SJを凍結した今、市場の期待を取り戻すためには当面の利益確保にとどまらない成長ストーリーを打ち出していく必要がある。

 この記事を読むと、いかにスペースジェットが三菱重工のお荷物だったかということがよくわかりました。また、会社の財務体質が改善されない限り、開発の凍結解除は近くなさそうです。




★カレンダーは今日から12月・・・これが三菱スペースジェットカレンダー最後の1枚か?

  

三菱スペースジェットカレンダーもついに最後の1枚になりました。

47NEWS:国産ジェット事業「凍結は撤退に等しい」 あえぐ名門・三菱重工

 カレンダーは今日から12月。そして数年続いた三菱スペースジェットカレンダー(旧MRJカレンダー)も、これがおそらく最後の1枚。今年のカレンダーで最後になるとは、1年前は予想だにしなかったことです。

 47NEWSが「国産ジェット事業『凍結は撤退に等しい』あえぐ名門・三菱重工」なんていうタイトルの記事を掲載しましたが、いつしか型式証明を取得してマスコミたちを驚かせ、再び三菱スペースジェットカレンダーをデスクに飾れる日が来ることを、今は祈るしかありません。




★航空機再編の波、世界を襲う

  

日本経済新聞:航空機再編の波、世界を襲う

ダイヤモンド・オンライン:三菱重工のスペースジェット開発凍結は「コロナではなく財務」の問題だ 超楽チン理解 決算書100本ノック

 日本経済新聞のスペースジェット挫折糾弾記事「日の丸ジェットの挫折」の4回目は、最終回「航空機再編の波、世界を襲う」というタイトル。

 今までの3回は三菱重工を吊し上げるような内容でしたが、今回は世界的な航空機不況を取り上げていました。今回の記事は「日の丸ジェットの挫折」からは少し外れていて、何だか一貫性のなさが気になりました。日経記者もネタ切れでしょうか?

 ダイヤモンド・オンラインが「三菱重工のスペースジェット開発凍結は『コロナではなく財務』の問題だ 超楽チン理解 決算書100本ノック」という記事を掲載。

 有料記事なので全文は読めませんが、購読可能な最後の部分に、このタイミングで凍結を決めた理由として、事業環境の悪化は大きい。新型コロナウイルスの感染拡大により、ばら色の成長市場だと誰もが疑わなかった航空機市場は一転、どん底の市場と化した。

 しかし、だ。三菱航空機幹部は「コロナのせいにするのはおかしい。凍結はむしろ財務的な問題による」と説く。どういうことか。

 このつづきを読んでみたい気もします。




★三菱ジェット凍結の衝撃 部品会社「航空事業は縮小」

  

日本経済新聞:三菱ジェット凍結の衝撃 部品会社「航空事業は縮小」

 日本経済新聞のスペースジェット挫折糾弾記事「日の丸ジェットの挫折」の3回目は、「三菱ジェット凍結の衝撃 部品会社『航空事業は縮小』」。

 「開発を縮小します」。5月下旬、愛知県にある協力会社を三菱重工業の部長級が訪問。2021年3月期に事業子会社、三菱航空機の開発費と人員を半減させると伝えた。6度の納入延期の際にもなかった部長級の姿とおわびの言葉に協力会社幹部は先行きが一段と暗くなったことを悟った。

 三菱重工の協力会社の多くも08年ごろから「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発や製造を支援。地元は関連産業の飛躍を期待していただけに「事業化凍結」の衝撃は大きい。

 「MSJ向け部品の加工はかなわなかった」。自動車部品などを手掛ける旭精機工業社長の山口央は唇をかむ。16年に約20億円を投じ神戸市に航空機部品の加工工場を開設。納入延期が続く間は米ボーイング向けでしのいできたが、今後は「航空事業を縮小せざるを得ない」。

 それでも既に見切りをつける事例が出ている。愛知の別の協力会社はMSJ向け予算の計上を3年前にやめた。引き金は17年1月に突然伝えられた5度目の納入延期。人材の採用計画の見直しなどに追われ、主力の機械関連事業にも響いたためだ。

 「MSJ事業が再び動いても携われないかもしれない」。兵庫県の部品会社社長もこう漏らす。12年ごろに数千万円かけて加工設備などを増強。一時は年3〜4機分あった部品受注は18年ごろを最後に途絶えた。高い安全性が必要な航空機部品の生産には厳しい品質管理が不可欠。コストをかけ高度な生産体制を保つのは難しいという。

 MSJの停滞に加えて世界的な航空機需要の減少が続くと、関連する産業集積が弱体化する恐れがある。そうなれば三菱重工がMSJ開発を再び加速しようにも協力会社探しが難航しかねない。

 いつの時代でもどの業界でも、結局泣きを見るのは下請けなんですよね。これは三菱重工に限ったことではありませんが、先行投資として工場建設や工作機械購入をした中小の部品会社はたまったものじゃないです。




★「外国人への不満ばかり」三菱ジェット、開発現場に溝

  

日本経済新聞:「外国人への不満ばかり」三菱ジェット、開発現場に溝

WEDGE Infinity:国産ジェット機の開発凍結が航空機産業に与える影響とは? 三菱スペースジェットが凍結となった理由【後編】

 日本経済新聞のスペースジェット挫折糾弾記事「日の丸ジェットの挫折」の2回目は、「『外国人への不満ばかり』三菱ジェット、開発現場に溝」。

 「MSJの開発体制を大きく見直す」。半年前の5月29日、東京・丸の内の三菱重工本社。社長の泉沢清次は労働組合幹部にこう告げた。国内外で約2千人いた子会社、三菱航空機の従業員をほぼ半減するという荒療治だ。

 それでも通達を聞いた技術者たちはさばさばとしていた。そもそも現場に一体感は乏しかったのだ。「三菱重工の人と雑談すると外国人技術者の不満ばかりだった」。名古屋市の協力会社の幹部は振り返る。この溝が開発がさらに遅れる一因となった。

 海外技術者の大量採用が始まったのは納入延期が続いていた2016年。当時社長の宮永俊一が挽回に向け決断した。これで三菱航空機内の風景は一変した。打ち合わせ資料や社内を飛び交う公用語は英語となり、主導権は海外技術者が握った。

 それまで開発の主力は、名古屋航空宇宙システム製作所の出身者たち。同製作所は多くの経営幹部を輩出し、名門意識が強い。新体制への不満に言葉の壁も加わり、現場のコミュニケーションが滞った。

 18年4月以降、混乱に拍車がかかる。カナダの航空機会社から招いたアレックス・ベラミーを宮永が最高開発責任者に引き上げると、やがて2人は進捗状況などをチャットツールでやりとりするように。一方、19年4月に社長に就いた泉沢は別系統で開発部隊を指揮し、上層部で情報が共有されなくなった。

 泉沢が独自調査をもとに納期再延期の可能性を示すと、ベラミーが「そんなにかかるはずはない」と猛反発したこともある。エンジニアと経営陣。それぞれに断絶があっては開発が前に進むはずもなかった。

 この日本人社員たちの気持ちはわからなくもないです。私自信、三菱航空機が片っぱしから外国人エンジニアを採用していた当時、名古屋空港ビルのあちこちで携帯電話を掛けている外国人の多さに、思わず引いてしまいました。


 WEDGE Infinityの「国産ジェット機の開発凍結が航空機産業に与える影響とは? 三菱スペースジェットが凍結となった理由【後編】」が掲載されました。

 平和慣れした日本では防衛産業や防衛技術を高めることについて否定的な意見を目にすることも少なくないが、航空機産業に携わってみると防衛と民間が両輪として機能しなければ欧米、ロシア、中国などと台頭に渡り合えないことが痛いほどわかる。

 スペースジェットを機に多くの方が日本の航空機産業の重要性について理解を深めていただくことを心から願いたい。

 前編・後編通しての感想ですが、本文の長さのわりに、大した内容ではないということです。「そんなことはわっかとるわい」って言いたいです。




★「撤退の文化はない」 三菱ジェット、決断妨げた社風

  

日本経済新聞:「撤退の文化はない」 三菱ジェット、決断妨げた社風

共同通信の大塚圭一郎氏がエコノモーニングでどんなことを語ったのか聞いてみたかったです。

 日本経済新聞が新たなスペースジェット挫折の糾弾記事「日の丸ジェットの挫折」を開始。、その1回目は「『撤退の文化はない』 三菱ジェット、決断妨げた社風航空機産業の振興を目指した一大プロジェクトはなぜ頓挫したのか」。その舞台裏を追ったという内容。

 「開発をやめるべきだ」。取締役会では社外取締役を中心に声が上がっていた。投じた資金は1兆円を超えるが、売り上げは立たない。赤字が続き、財務は毀損。12年で時価総額は半分になった。「MSJに会社が潰される」(幹部)との危機感も広がっていた。

 そんな状況を一変させたのが新型コロナだ。人の移動が急減、航空機需要も蒸発した。これまでMSJの開発費を賄ってきた火力発電やフォークリフトなどの収益も落ち、猶予はなくなった。多くいる関係者への根回しが始まった。7月、三菱重工本社に航空機事業OBや関係者が集まった。泉沢は商業運航に必要な型式証明を取得する作業を続けると告げた。

 10月中旬には泉沢らは経産省幹部と向き合っていた。「撤退だけはだめだ。航空機産業がなくなるとの印象を与えることは避けてほしい」。民間企業の三菱重工に財務を毀損してまで続けろとは言えないが、国費を投じている以上、経産省にも譲れない一線があった。経産省の要望に対し、泉沢は「完成機事業をあきらめるとは言いません」と応じた。撤退ではなく、凍結とも休止とも言わない。立ち止まるという表現が固まった。

 中計発表の30日に向け、急ピッチで作業が進んだ。今後3年間の開発費は200億円。過去3年間の20分の1まで減らすが、型式証明の取得は目指す。国家プロジェクトとして「形」だけは残す必要があった。

 「立ち止まる」には型式証明さえとれれば、再び動き出せるとの思いもこもる。泉沢も「市場回復の時期を見極める」と含みを持たせる。ただ新型コロナで蒸発した航空機の需要が19年の水準に戻るのは24年までかかるというのが国際航空運送協会(IATA)の見通しだ。先は見通せない。

 三菱重工のスペースジェット挫折ニュースは、日本経済新聞にはうってつけの題材のようで、また新たな糾弾シリーズが始まったようです。




★毎日新聞「経済プレミア」の「三菱スペースジェット『残されたチャンス』とは」がYahoo!ニュースに掲載

  

毎日新聞「経済プレミア」の「三菱スペースジェット『残されたチャンス』とは」がYahoo!ニュースに掲載

週プレNEWS:ホリエモン×ひろゆき「三菱スペースジェット事業凍結、どうなる航空業界の未来」

週プレNEWS:ホリエモンが三菱スペースジェット事業凍結に「『ノウハウをためて、需要が戻ったら再チャレンジしよう』ってことじゃない?」

 毎日新聞「経済プレミア」が11月12日に掲載した「三菱スペースジェット『残されたチャンス』とは MRJが世界を飛ぶ日 平野純一」がYahoo!ニュースに掲載されました。期間限定ですが、記事全文を読むことができます。以下は本文の最終章。

 リージョナル機の生産は、カナダのボンバルディアが事実上撤退し、ブラジルのエンブラエルと三菱航空機しかなくなった。現行機の代替需要はいずれ必ず出てくるが、その時にリージョナル機を供給できるメーカーは2社しかない。鈴木氏は「コロナが収まれば市場は待っている」と話す。

 すでに三菱航空機を去った前開発責任者のアレックス・ベラミー氏はかつて「民間航空機をつくれる国は世界に多くないし、つくれる企業も多くない。いま日本と三菱航空機は、そのわずかな国と企業になろうとしている」と話していた。いまは苦しくても灯を消さずにいれば、未来は開けるのではないか。

 ぜひ、そうあってほしいと願うばかりです。きっと毎日新聞の平野純一記者もそう願って、この記事を書いたのでしょう。

 週プレNEWSの"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回のテーマは、三菱スペースジェット事業凍結について。

 経済紙や航空専門サイトでもない週プレNEWSが、ホンダジェットの共同オーナーでもあるホリエモンの対談を記事にしていて、読んでみると結構おもしろいんです。




★どうなる?モーゼスレイクの4機の飛行試験機

  

Isaac Alexanderさんが、過去の自身のツイートを引用して、4機の飛行試験機についてツイート。

 Isaac Alexanderさんが、過去の自身のツイートを引用して、「更新:不思議に思う人のために、三菱スペースジェットの飛行試験機の4機すべてが2020年5月末からモーゼスレイクのエアロテック格納庫内に保管されています。同社は彼らの最終的な運命がどうなるかについては述べていません」とツイート。

 彼らというのが、三菱重工や三菱航空機のことを指すのか、それとも三菱航空機に雇われていたエアロテック社のことを指しているのかわかりませんが、もともと飛行試験機たちは役目が終わるとスクラップになる運命ですし、900以上の設計変更を受ける前のMRJ時代の飛行試験機たちですので、保管に経費がかかるようなら、近いうちにアメリカ国内の飛行機の墓場へ移動されるかもしれませんね。




★三菱スペースジェットが再び「飛び立つ」日は来るのか 威信かけた「国家プロジェクト」の失墜

  

J-CAST ニュース:三菱スペースジェットが再び「飛び立つ」日は来るのか 威信かけた「国家プロジェクト」の失墜

 J-CAST ニュースが、「三菱スペースジェットが再び『飛び立つ』日は来るのか 威信かけた『国家プロジェクト』の失墜」という記事を掲載。

 その中の「新聞各紙はこぞって...」という2ページめの段落記事では、一企業のこととはいえ、「国家プロジェクト」の挫折とあって、11月5日までに大手紙で日経、朝日、毎日が社説で取り上げている。

 共通するのは見通しの甘さや過信だ。日経(11月4日)は「つまずく原因には自前主義への過信があったのではないか」、毎日(1日)は「原因は自らの技術力や管理能力への過信にあるのではないか」、朝日(5日)も「遅れの背景には、自社の技術力を過信し、社外のノウハウを十分に活用できなかったことがある」と、3紙口をそろえる。

 「航空機開発は年々高度化しており、開発費を軽減するために国際共同開発が潮流になりつつある」(日経)にもかかわらず、「当初から自主開発路線にこだわり、自社の人材で開発を進めようとした。型式証明の取得に手間取り、ノウハウを持つ外国人材主体に切り替えたが、遅れを取り戻せなかった」(毎日)ということだろう。

 そして3ページめの段落記事「三菱重工自体の業績も苦しく...」では、スペースジェットの開発費を生んできた三菱重工本体の業績も新型コロナで苦しい状況だ。2020年3月期はスペースジェットの損失計上で、営業損益は20年ぶりに295億円の赤字に転落し、2021年3月期も営業利益はゼロの見通し。

 米ボーイング向け航空部品事業なども需要の低迷が続き、中期計画では、固定費削減のため2023年度までに国内外で5000人規模の配置転換や人員削減を実施することも打ち出した。ガスタービンの高度化など脱炭素技術を中心に、次世代エネルギーなどに投資する考えだが、収益の柱に育てるには時間がかかる。スペースジェットの視界は、容易に開けそうにない。

 結局、何が言いたいのかよくわからないという印象しかない記事でした。




★国産ジェットを「1兆円空回り」に終わらせた三菱重工の変に高いプライド

  

PRESIDENT Online:国産ジェットを「1兆円空回り」に終わらせた三菱重工の変に高いプライド 6度の開発延期でも、反省の色なし

 PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)が、「国産ジェットを『1兆円空回り』に終わらせた三菱重工の変に高いプライド 6度の開発延期でも、反省の色なし」という記事を掲載。

 「半世紀の溝は埋められなかった」——。小型ジェット旅客機「スペースジェット」(SJ、旧MRJ)事業開発を凍結することになったとき、三菱重工の幹部は肩を落としながらこう漏らした。

 三菱重工が航空機製造の経験が薄いとは単純にはいえない。米ボーイングなどとは常に取引がある。しかし、納入するのは部品が主力で、約100万点にも及ぶ航空機製造で部品の調達や工程管理は、部品メーカーの発想では限界があった。

 「こんな狭いラゲッジスペースはあり得ない」「こんな堅いシートは使えない」。経産省の要請で初号機の受領を待つ全日本空輸(ANAホールディングス)の調達担当幹部はSJの立ち会いで何度も三菱重工の開発陣に声を荒らげた。「戦闘機を造っているんじゃないんだぞ」(同)。

 防衛省の戦闘機などの製造も請け負う三菱重工だが、予算や納期は民間航空機のほうがシビアだ。乗客のさまざまなニーズを反映させないといけない民間航空機の開発は「官公庁向けの航空機よりも数倍も手間がかかる」(同)ものだ。

 SJの開発では、三菱重工の技術者の「変に高いプライド」も開発の足を引っ張った。相次ぐ開発の延期に自前主義を捨て、打開を目指すべく着手から10年が経過した2018年、カナダの航空機大手などから外国人の技術者を多数集めた。しかし、三菱重工の技術者とそりが合わず、現場で対立が続いた。

 日当10万円を超える「お雇い外国人」を雇ったものの開発のスピードは上がらず、相次ぐトップの交代で現場の士気は落ちていった。

 何となくリアルな情景が目に浮かぶようですが、新たな情報はないですね。




★「誰も責を負わない」開発 三菱スペースジェット失敗の本質

  

日経クロステック(xTECH):「誰も責を負わない」開発 三菱スペースジェット失敗の本質

毎日新聞「経済プレミア」:三菱スペースジェット「残されたチャンス」とは MRJが世界を飛ぶ日 平野純一

 日経クロステック(xTECH)が、「『誰も責を負わない』開発 三菱スペースジェット失敗の本質」という記事を掲載。

 歯切れの悪い会見だった。2020年10月30日、三菱重工がオンラインで中期経営計画「2021事業計画(2021〜2023年度)」を発表。注目はもちろん、事前に「事業凍結」の情報がリークされた小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ、以下スペースジェット)」事業の先行きである。報道陣が懸命に食い下がる中、とうとう最後まで同社取締役社長の泉沢清次氏からこの問いに対するはっきりとした回答が得られなかった。

 本当に立ち止まるだけならば、新型コロナウイルス感染症の収束後に量産に向けて開発を再開させると捉えるのが普通だろう。しかも、泉沢社長は「この(立ち止まっている)間、再開のための事業環境の整備に取り組む」とも発言したのだ。

 これまで三菱重工は多額の資金を投じ、スペースジェットの開発を進めてきたが、今後は投資額を圧縮する。開発を断念したわけではなく、型式証明文書の作成作業は継続する。ただし、大きな費用がかかる飛行試験は行わない。これからは従来とは異なり、あらかじめスケジュールを設定して開発を進めることをやめ、開発を大幅にスローダウンさせる。その先にある量産についてまでは考えることができていない。

 三菱重工がスペースジェットの開発凍結を発表してから続く、報道各社による「三菱重工バッシング」記事は、もうそろそろ収束かと思っているのですが、まだ、ネタは尽きないようです。




★国産ジェット開発支援を 愛知県の大村知事が経産省に要望

  

SankeiBiz:国産ジェット開発支援を 愛知県の大村知事が経産省に要望

WEDGE Infinity:なぜ国産ジェット機は開発凍結に至ってしまったのか? 元経産官僚が解説(前編)

 SankeiBizが「国産ジェット開発支援を 愛知県の大村知事が経産省に要望」という記事を掲載。

 愛知県の大村秀章知事は11日、長坂康正経済産業副大臣と会談し、三菱重工業が事業凍結を決めた国産初のジェット旅客機「スペースジェット」について、運航に必要な「型式証明」を早期に取得し、開発が完了するよう国の支援を求めた。

 愛知県にはスペースジェットの開発拠点や多くの航空機部品メーカーがある。大村氏は「これで終わりではあまりにも寂しい」と訴え、新型コロナウイルス収束後を見据えた取り組みを要望した。長坂氏は「三菱重工の事業再開に向けた方針を聞き、どのような支援ができるか連携して検討したい」と述べた。

 大村知事って、コロナ対策のときもピントのずれたようなことばかり言っていましたが、また変なこと言ってるようです。そもそも三菱重工は「これで終わり」などとは言っていないし、何もできない国に何をしてもらうと言うのでしょうか。

 WEDGE Infinityが、「なぜ国産ジェット機は開発凍結に至ってしまったのか? 元経産官僚が解説(前編)伊藤慎介(株式会社rimOnO 代表取締役社長)」という記事を掲載。

 SpaceJetことMRJプロジェクトには、私が経産官僚時代であった終盤の2011〜2013年に航空機武器宇宙産業課の課長補佐として深く関与した。あなたが500億もの税金を、ドブに捨てた張本人なんですね。




★今日は旧MRJの初飛行記念日 しかしその5年後、まさかの事態が待っていました

  


  2015年11月11日午前9時30分過ぎ、ナゴヤタワーが「ジュリエット・アルファ・ツーワン・マイク・ジュリエット、クリアド・フォー・テイクオフ」を告げローリング。


  私たちのいる神明公園付近ではすでに上昇しかけていました。大勢の観衆が見守るなか、MRJは大空に舞い上がりました。


 今まで地上を走行する姿しか見てこなかったので、こうして大空にはばたくMRJを見てすごく感動してしまいました。


 上空で待機していた三菱社有機と航空自衛隊のT-4に見守られながら、MRJはぐんぐんと上昇を続けていきました。


 初飛行を見届けたMRJファンからは、惜しみない拍手が沸き上がっていました。


  午前11時ちょっと過ぎ、突然ナゴヤタワーに「ジュリエット・アルファ・ツーワン・マイク・ジュリエット・フォーメーション、リクエスト・ランディング」と交信してきました。

 なぜ「フォーメーション」かというと、離陸時と違い随伴機とともに3機編隊でファイナルアプローチしてきたからです。

 3機編隊はそのままファイナルアプローチ。待ち兼ねた飛行機マニアたちのシャッター音が一斉に響き渡りました。私はMRJ1機のみを狙うことに決めました。


  私のいた丘の上から見てちょうと真横を通過するとき、雲が切れて機体全体に太陽が当たりました。正直こんな美しい写真が撮れるとは思ってもいませんでした。

 そして随伴機はオーバーヘッドで通過し、MRJ1機のみがファイナル。

 うーん、タッチダウンの瞬間に雲で太陽が陰ってしまったのが残念!


 見事なランディングを決めたのち、予定どおりスラストリバーサを使わず減速。本日の初フライトは大成功だったようです。本当によかった!

THE PAGE:政府全面支援の国産スペースジェットの開発凍結 1兆円以上を投じたのに挫折したのはなぜ?

 今日は旧MRJの初飛行記念日。あのときの感動は今も忘れることはありません。しかし、あれから5年。いまだに世界の空を舞うことなく、TCすら取得できていないなど、当時誰が予想したでしょう?

 Yahoo!ニュースの「THE PAGE」が、「政府全面支援の国産スペースジェットの開発凍結 1兆円以上を投じたのに挫折したのはなぜ?」という記事を掲載。

 世界の航空業界は米国が支配しており、米航空当局の型式証明を取得できるのかですべてが決まります。米国で安全基準をクリアできれば、ほぼ自動的に各国でも型式証明を取得できると考えてよいでしょう。しかしながら、米国も日本と同様、行政組織はいわゆるお役所仕事となっており、独特の慣習やルールがあります。

 三菱は物理的に機体を開発することはできましたが、米国の型式証明の取得がスムーズに進まず、これによって6度も納入を延期するという事態となりました。事態を重く見た三菱は、米国の型式証明に明るい外国人技術者を大量採用しましたが、あまりにもタイミングが遅すぎました。何度も納入を延期している間に、ライバル社の機体が登場し、スペースジェットの競争力は低下。仮に取得ができても採算を確保するメドが立たなくなってしまいました。

 いくら技術に自信があっても、政府の規制は乗客の安全に関わるものであり、ルールや慣習に従わなければなりません。三菱サイドにこうした業務を軽視する風潮があった可能性は否定できないでしょう。

 まあ、そういうことも要因のひとつでしょうが、やはり失敗の最大の要因は「官僚よりも官僚的な三菱重工の会社体質」にあると言っていいのではないでしょうか。




★三菱重工の「国産ジェット凍結」より“ボーイング・ショック”のほうがヤバい理由

  

週刊エコノミスト Online:三菱重工の「国産ジェット凍結」より“ボーイング・ショック”のほうがヤバい理由

 週刊エコノミスト Onlineが、「日の丸航空機産業の危機:三菱重工の「国産ジェット凍結」より“ボーイング・ショック”のほうがヤバい理由」という記事を掲載。Yahoo!ニュースでアクセスが多かったので、チェックしてみました。

 10月22日、共同通信社から「国産ジェット旅客機の開発、事実上凍結へ」という記事が配信され、一部のメディアを中心に波紋が拡がったが、冷静に考えれば驚くことではない。三菱航空機と三菱重工業による日本初の大型民間ジェット機「三菱スペースジェット(MSJ、旧名MRJ)」の開発は、すでに今年の春先から事実上の凍結状態にあるからだ。

 10月29日に決算会見を行った三菱重工は開発費や人員を大幅に削減すると発表したが、完全撤退には言及しなかった。むしろ最大の懸念材料は、MSJではなく、三菱重工の収益源になっているボーイング向け機体部品の大幅な減産だ。

 ボーイング自体、大型機の777と777Xを21年に月産5機から2機まで引き下げる。中型機の787も20年内に同14機から10機まで落とし、21年はさらに6機へと減らす計画だ。この影響は、三菱重工業1社にとどまらず日本の航空機産業全体に及ぶ。

 一方、以前から問題となっていたMSJはこれまで苦難の連続だった。15年に初飛行に成功したが、初体験ばかりの開発は苦難の連続で、17年から19年までの3年間における設計変更と改良は900カ所を超えた。米国での試験飛行は、ワシントン州からの活動中止命令により、1機も飛べない状況にあるからだ。需要先のエアライン業界は前述したとおり最悪の状況にある。

 コロナ禍により身動きが取れなくなった三菱重工業は、既存の試験機を保管する一方、仕掛りの試験機および量産準備機の製造を中止する。当面は膨大な試験データの解析に集中し、開発費は18〜20年度の3700億円から、21〜23年度は200億円までへらし、3000人の配置転換も行うと決めた。

 ただし、まったく明るい展望がないわけではない。コロナ禍を契機に高まる小型機指向、さらにはライバルのエンブラエル社の迷走−−などが復活を後押しするはずだ。この世界的危機を耐え忍べば好機が訪れる。航空機の開発はもともと20年単位で考える業界であることを忘れてはなるまい。

 今私たちが期待するのは、まさにこの記事の最後の内容に集約されています。杉江さん指摘の機体の性能については市場が判断することなので、まずは型式証明を取得して、来るべく時に備えてほしいと願うばかりです。




★杉江弘「機長の目」 三菱重工、正気を失った経営が原因

  

Business Journal:シリーズ・杉江弘「機長の目」 総額1兆円投下のスペースジェット、開発失敗で凍結…三菱重工、正気を失った経営が原因。

 Business Journalの「シリーズ・杉江弘『機長の目』 総額1兆円投下のスペースジェット、開発失敗で凍結…三菱重工、正気を失った経営が原因」。以下はその中の印象に残った部分。

 失敗の原因をまとめてみると、まず三菱が国産の軍用機などのノウハウだけで米国での型式証明が取れると思い込んでいたことだ。日本の工業製品のJIS規格では、現代の複雑化した高度のハイテク機の型式証明を米国で取得するのは困難であり、それを補うために米国やカナダから精通した技術者を早くから技術陣に加える必要があった。

 スペースジェット開発に加わりテストパイロットの任に当たったのは元自衛隊のパイロットであり、民間エアラインの経験はない。そのためスペースジェットの最高巡航高度が3万9000フィート(エンブラエルは4万1000フィート)、巡航速度はマッハ0.78(同0.82)と性能に劣る点についても改善の必要性をアドバイスできなかったと推察する。実はこの性能の差は大したことがないように思われるが、エアラインパイロットにとっては非常に大きい差といえる。 

 今日、最高巡航高度は4万1000フィート(ちなみにジャンボ機では4万3000フィート)以上が常識であり、乱気流を避けるため私自身もエンブラエル機でしばしば高高度を飛行した。スペースジェット開発の失敗の原因は、この例のようにライバルのエンブラエルの研究不足にあった。

 その背景にあるものは、ブラジル製のエンブラエルに日本が負けるはずはないと過信していたことだ。そのためプラット&ホイットニー(PW)製のギアードファン・エンジン搭載で燃費を向上させて勝負できるとして、エンブラエルの詳しい情報を得ず、エンブラエルの設計はドイツ人が深くかかわっていたことも軽く見ていた。

 私はエンブラエル機が日本に導入された2009年から3年間乗務していたので、警鐘を鳴らしてきたが、技術陣には届かなかったようだ。そして時間がたつ間にエンブラエルも同じPW社のエンジンを搭載するようになり、スペースジェットの「売り」は完全に消え去ったといって良い。

 スペースジェットのプロジェクトには国も支援し、その額は500億円ともいわれている。いわば官民一体となって国産初のジェット旅客機の開発製造に臨んできたものだ。しかし、国民の税金を投入して三菱側に計画を丸投げして損失を出した責任をどうとるのか。さらに国は後ろ盾になってANAやJALに導入させようとして、大幅な値引きをもって両社の事業計画に導入を組み入れさせたという。

 それによってANAはローンチカスタマーとなり世界で先駆けて導入することを決め、JALは現有に加え今後増強するエンブラエル全機をスペースジェットに置き換えるという事業計画を決めたのである。

 なぜ、これまでリージョナルジェットとして定着したエンブラエル機をスペースジェットに置き換える必要があるのか。パイロットや整備士の訓練も一からやり直す必要がある。しかし、誰がどう考えても性能や安全性で優り、アフターケアの体制も充実し、自らも実績のあるエンブラエル機を全機、スペースジェットに置き換える必要があるのか。これは正気の沙汰とは思えないのである。

 私は、このような理不尽な計画は国の意向なしではありえないと思っている。しかも、ある意味良い機会なので事業計画を修正してエンブラエル機の運用を続けていくという判断を期待する。

 言い過ぎかもしれないが、公の場で当初から問題点と改善点の提案をしながら事業の失敗を予測していたのは、不肖私ぐらいではないか。識者のなかには、三菱重工の体質やマーケットの事情から批判の目を向ける方々もいたが、スペースジェットとエンブラエルやCRJの航空機そのものの性能や安全性について評論した方は、私の知る限り皆無である。これらについての指摘は何もパイロットでなくても、正確な分析を加えれば不可能ではない。

 多くの識者やそれを使うメディアが、当初から開発製造における問題点を指摘していれば、これほどまでに損失を拡大させ、再起不能と思わせる結末にはならなかったと思うが、いかがであろうか。

 以前から、スペースジェットに超批判的なコメントを連発していた杉江さんですので、今回の記事も超が3つつくほどの辛口。でも、国交省を敵に回してでも、羽田の都心ルートの危険性を訴え続け、SNSでは航空マニアたちからボコボコにされながらも、持論を展開されるたくましさからして、杉江さんのおっしゃっていることが、おそらく正しいのだと思います。




★MRJが世界を飛ぶ日 三菱スペースジェット開発遅れ「技術の過信」がアダに

  

毎日新聞「経済プレミア」:MRJが世界を飛ぶ日 三菱スペースジェット開発遅れ「技術の過信」がアダに

日本経済新聞:機体需要が低迷、リストラ加速 航空産業業界早わかり

マネー現代:三菱重工、旅客機開発凍結が物語る日本製造業の「ゲンバ」崩壊

MRJのハイスピードタクシー、機首上げ映像ですね。ちょうど5年前の11月7日でしたか。懐かしい。
 

【再掲】2015年11月7日、初飛行前最後の高速走行試験かな・・・機首上げに感動しました!


 前日に機首上げの走行試験を行ったというニュースが流れ、きっとすごい人が展望デッキに集まるだろうと思っていましたが、予想通り今まで見たこともない数のMRJファンが集まりました。


 前日の機首上げ走行試験で、もういつでも飛行できると三菱航空機がコメントしたそうなので、翌日のこの日も走行試験を行ってくれるのか不安でしたが、午前10時過ぎタクシーアウトしました。

 ちょうどFDAの午前のターンアラウンドにかかってしまったので、W-1で5分以上待機しました。

 そして午前10時30分、ナゴヤタワーから「クリアド・フォー・ミッション」の許可をもらってローリング開始。


 およそ800〜900メートル滑走したところで機首を上げ、もういつでも離陸できる状態であることを私たちに披露してくれました。そして展望デッキに集まった大勢のMRJファンから歓声が湧き上がりました。


 今までの走行試験の時と違い、私たちの前を過ぎるまでスピードを落とすことなく滑走。今日のMRJはまるで私たちに「どう、すごいだろう」って誇らしげに囁きかけているみたいでしたよ。

 今回も1回の試験を行っただけで「ミッション・コンプリート」と交信し、17番スポットに戻って行きました。

 あいにく天気は曇り空でしたが、気分はすがすがしい晴天の1日になりました。


  およそ30分後、タラップが用意されL1ドアが開き、パイロットのみなさんが降機してきました。私たちにすばらしいプレゼントをありがとうございました♪

最後のハイスピード・タクシーそして機首上げコンプリート
 

 毎日新聞「経済プレミア」のシリーズ連載記事「MRJが世界を飛ぶ日 三菱スペースジェット開発遅れ『技術の過信』がアダに」。

 三菱重工の泉沢清次社長が10月30日、スペースジェットの「開発中断」を発表した時、「スペースジェットの技術については、それなりの評価をいただいていると考えている」と述べた。

 エンブラエルのライバル機と比べると、スペースジェットの性能は勝っている。乗客数がほぼ同じスペースジェット「M90」とエンブラエル「E175−E2」では、重さはスペースジェットが約10%軽く、離陸に必要な滑走路の距離も300メートル短い。

 しかし、エンブラエルの「E2」は2013年に開発を始め、そのシリーズの「E190-E2」は5年後の18年に「型式証明」を取得した。「E2」は元々ある「E」ジェットの発展形で、ベースとなる機体があるため、5年で取れたとはいえる。だが、開発を始めて12年たっても型式証明を取れないスペースジェットは、やはり時間がかかりすぎの批判は免れないだろう。

 良い機体は作れたとしても、型式証明は取れない――。そこに航空機メーカーとしての彼我の差を思い知ったのが、三菱航空機の12年間の歴史でもある。

 有料記事のため、この先を読んでいませんが、タイトルが「技術の過信がアダに」ですから、今回も三菱重工のプライドの高さがアダになったと言いたいのでしょう。


 日本経済新聞は「機体需要が低迷、リストラ加速 航空産業業界早わかり」を配信。この記事ですが、文は短くイラスト「日経業界地図」で解説するという内容。

 コロナ危機の前までは民間航空機市場は当面、拡大が見込まれていた。だがコロナの影響で旅客需要が戻るのは2024年までかかるとの見通しも出ている。なかなか厳しいですね。


 マネー現代「三菱重工、旅客機開発凍結が物語る日本製造業の「ゲンバ」崩壊」は、サブタイトルに「日本人技術者の力、見る影もなし」を掲げているように、外国人技術者に依存せざるを得なくなった日本の製造業の「ゲンバ(現場)」の崩壊を象徴しているという内容。

 そして、外国人技術者は日本人プロパー社員よりも高給で迎え入れられたことも、日本人プロパーの不満の根源だったという。日本人技術者だけでは航空機開発は難しいという判断で外国人技術者を大量に入れたはずだったが、現場は最後まで「型式証明の取得ぐらいなら日本人だけで十分」と、日本の技術力の高さを信じた。
 
 結局は高額の給料でヘッドハンティングしてきた外国人技術者たちが、高いプライド集団である三菱重工の日本人社員の反感を買ったということですね。


 今日、11月7日は5年前の2015年に、当時のMRJが初飛行前の最後のハイスピードタクシー&機首上げを行った日でした。今日のrikizo misonoさんのツイートが的を得ているだけに悲しいです。




★三菱スペースジェット、なぜ事業凍結に陥ったのか…3年連続世界首位のホンダとの決定的な差

  

ビジネスジャーナル:三菱スペースジェット、なぜ事業凍結に陥ったのか…3年連続世界首位のホンダとの決定的な差

SankeiBiz:国費500億円つぎ込むも、誤算続きの国産ジェットに未練「ここまで来たのだから…」

読売新聞オンライン:「コンコルド効果」と「国の威信」…隘路の三菱スペースジェット

Fliegerfaust:三菱、リージョナルジェットプログラムを停止 - ボーイングはスペースジェット/MRJを買収するか?

 ビジネスジャーナルが、「三菱スペースジェット、なぜ事業凍結に陥ったのか…3年連続世界首位のホンダとの決定的な差」という記事を掲載。

 国産初の“日の丸ジェット旅客機”と、多くの日本人が期待していた、このプロジェクトは、なぜ中断(三菱重工業は「開発活動は一旦立ち止まる」と表現)する事態に陥ってしまったのだろうか。

 仮にコストパフォーマンスに優れた旅客機を開発できても、旅客機の販売においては外交力などが重要になると聞き、強い外交力を擁するアメリカのボーイング、旧植民地に対して現在でも強い影響力を有するヨーロッパのエアバスと比べると、日本企業の場合、確実に不利な立場に立ってしまうとも思っていた。

 そんななか、三菱重工が国産旅客機の開発に着手するというニュースを聞いた時には、「もちろん日本人として、うまくいってほしい。しかし、大丈夫なのだろうか?」と、期待と不安が混在していた。ひょっとすると、モノづくり大国である日本に旅客機メーカーがないのは問題であると、一部の政治家や経済産業省などが強く主導し、三菱重工はこうした声に引っ張られているだけなのか?」とも勘ぐってしまった。さらに、開発される機体は最新の設計技術により、機内は広く、燃費もいいと謳われていたが、競争優位性に直結する独自技術のようなものはあまり見当たらなかった。

 一方、本田技研工業(ホンダ)の小型ジェット機である「ホンダジェット」は3年連続で世界首位という快挙を達成している。「ホンダジェット」は独自に開発したエンジンを機体から離して主翼上面に配置することにより、広いキャビンスペースの確保、騒音や振動の低減、高燃費を実現している。

 さらに、速度、高度、航続距離などでもトップクラスのパフォーマンスとなっている。こうした商品力に加え、ビジネスジェットの主たる市場となるアメリカに開発当初から根を下ろしてプロジェクトを進めたことも大きな成功要因のひとつとして指摘されている。

 三菱スペースジェット開発の中断の直接的な理由は、コロナかもしれない。しかしながら、当初2013年に設定されていた納期は6度も延期され、いまだ実現していない。この点に関しては、経験やノウハウ不足による「型式証明」の取得の遅れが、しばしば指摘されている。その後、こうした問題を解消すべく、本拠地をアメリカに移し、経験豊かな外部スタッフを採用するなどしたものの、あまりうまく機能していないという話も聞こえてくる。

 確かに、旅客機ビジネスにおいて開発の遅延はよくある話だが、現時点で7年遅れており、当初想定していた他社の旅客機に対する強みが今後も有効に機能するのか、大いに危惧される。

 何かにつけてホンダと比較される三菱重工。これは機体云々というよりも、航空機製造に取り組む会社組織の違いを比較したもの。よく、機体サイズが違うので、ホンダジェットと比較すること自体がナンセンスというコメントを目にしますが、実はサイズやカテゴリーは関係ないんです。藤野さんひとりで開発を続けたホンダと、お抱え社長が次々と交代していき、誰がリーダーなのかわからなかった三菱航空機というべきでしょう。

 SankeiBizの「国費500億円つぎ込むも、誤算続きの国産ジェットに未練『ここまで来たのだから…』」と、読売新聞オンライン「『コンコルド効果』と『国の威信』…隘路の三菱スペースジェット」は、どちらも「恨み節」的記事。読売新聞は三菱重工のスペースジェット開発を、「コンコルド効果」と称していました。

 Fliegerfaust(フリーガーファウスト)が、「三菱、リージョナルジェットプログラムを停止 - ボーイングはスペースジェット/MRJを買収するか?」を掲載。

 スペースジェット/MRJの買収が決まれば、世界の航空市場に再参入する日本の野望に打撃を与える。ボーイングはがスペースジェット/MRJを買収?という、ちょっと興味のあるタイトルですが、残念ながら有料記事で内容まではわかりませんでした。




★モーゼスレイク・フライトテストセンター閉鎖へ

  

日本経済新聞:三菱重工、ジェット機試験場閉鎖へ 海外拠点なくなる

中日新聞:米飛行試験拠点の閉鎖検討 三菱ジェット商業化遠のく

日経ビジネス電子版:三菱重工、「無謬性経営」が招いたスペースジェット挫折

日本経済新聞:[社説]開発の力が落ちていないか

 三菱重工が三菱航空機のモーゼスレイク・フライトテストセンターの閉鎖を検討しているようです。日本経済新聞は「三菱重工、ジェット機試験場閉鎖へ 海外拠点なくなる」。中日新聞は「米飛行試験拠点の閉鎖検討 三菱ジェット商業化遠のく」と、若干のニュアンスの違いはありますが、閉鎖ニュースを配信しました。以下は日経記事の抜粋。

 三菱重工は「三菱スペースジェット(MSJ)」の試験飛行を行う米国の拠点を閉鎖する方針を決めた。2016年に開設し、型式証明の取得に向けた飛行試験を行ってきたが、事業化の凍結に伴い、米国での試験を当面見合わせるため。既に欧米の他の拠点は閉鎖を決めており、今回の試験拠点の閉鎖で、MSJで稼働する海外拠点はなくなる。

 閉鎖するのは、事業子会社の三菱航空機がワシントン州に持つモーゼスレイク・フライトテスト・センター。16年に飛行試験の拠点としてワシントン州の国際空港内に設けた。現在、エンジニアなど数十人程度の従業員がいるとみられる。閉鎖に伴い、従業員も減らす方針。

 三菱重工業は5月、MSJの納入延期や新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、三菱航空機の米国本社とカナダの事務所に加え、欧州の1拠点の閉鎖を決めた。今回の試験拠点の閉鎖で、海外の拠点をすべて閉鎖する。

 この閉鎖は一時的なものともで言い訳するのでしょうか?そして、4機の飛行試験機の運命は?


 日経ビジネス電子版が、「三菱重工、『無謬性経営』が招いたスペースジェット挫折」という記事を掲載。

 「旅客需要の本格的回復は24年前後になる」。泉沢社長はスペースジェット事業化への大前提となる市場回復は少なくとも4年は見込めないと言及。先行きは視界不良で、スペースジェットの実情はほぼ撤退に近い。にもかかわらず、「いったん立ち止まる」と曖昧な表現で濁し、将来的な再開すらにおわすのはどうしてなのか。

 そこには重工内に失敗をそれとは認められない「無謬(むびゅう)性経営」があるとしたら言い過ぎだろうか。官僚制の特徴を表す言葉として使われることもあり、おごりや全能主義から間違いを直視できず抜本的な軌道修正が効かない状態を指す。こうした考えが広がった企業は、小さな間違いの正当化に無駄なエネルギーや時間を費やし、小さな穴埋めが重なって収拾がつかなくなる。

 「TC取得についてアドバイスが欲しい」。15年末に米国連邦当局よりTCを取得した小型ビジネスジェット「ホンダジェット」。3〜4年前、ホンダの開発担当者は国交省の官僚から要請を受け、三菱重工の取得作業の進め方に対して助言をした。だが、その場に重工の関係者はいなかった。

 「重工さんは今日はいらっしゃらなかったんですか」。ホンダ社員がそう聞くと官僚はこう答えたという。「誘って素直に助言をいただきに来られるなら、今ごろTCを取得できているんじゃないでしょうか」。つまり重工には、官僚から見ても、「自分たちのやっていることは間違っていない」と思い込んでいる社員もいたということだ。

 その当時、三菱重工幹部はある講演で、ジェット旅客機は1機100万点の部品を使い、3万点の自動車の約30倍あることを理由に、「航空機産業は製造業の頂点にある付加価値が非常に高い産業だ」と豪語したこともある。軍用機を開発製造している三菱重工が民間航空機について自動車メーカーにヒントを教えてもらうわけにはいかない──。強烈な自尊心が生んだ自社内のプレッシャーも頭を下げられない集団にしてしまった。

 こんなことがあったのですね。日経ビジネスの記者は、いつか三菱重工が失敗したら記事にしてやろうと思っていたのでしょう。以前から、官僚よりも官僚と言われていた三菱重工ですが、ここまでくるとスペースジェットが絵に描いた餅に見えてきてしまいました。


 日本経済新聞が「[社説]開発の力が落ちていないか」を掲載。

 スペースジェットは三菱重工の技術者中心に開発着手したが、「日の丸旅客機」にこだわるあまり完成機に仕上げる工程管理の力を欠いたと言わざるを得ない。途中から経験ある外国人技術者を加えるなど修正を試みたが、従来の開発陣との連携は進まなかった。司令塔となる事業会社のトップが度々代わるなど一貫しない体制も混乱を招いたようにみえる。

 総合重工業や総合電機は改めて総花主義を見直す必要がある。注力する事業の選別を大胆に進め、強い分野をより強くする企業連携を、国境を超えて進める必要がある。既存市場での優位を守るだけでなく、技術革新が生み出す新たな市場で先行するための戦略も欠かせない。

 日経の社説なので、こういう記述になるのでしょう。今の三菱重工は経済新聞各社の餌食ですね。




★MRJが世界を飛ぶ日 三菱スペースジェット中断「このまま飛べないのか」

  

毎日新聞「経済プレミア」 MRJが世界を飛ぶ日 平野純一 :三菱スペースジェット中断「このまま飛べないのか」

ニュースイッチ:「スペースジェット」で大リストラ、三菱重工に成長事業は残っているのか?

NHK東海ニュース:中経連「MSJ開発の継続を」

  毎日新聞「経済プレミア」平野純一記者のシリーズ「MRJが世界を飛ぶ日」、「三菱スペースジェット中断『このまま飛べないのか』」が掲載されました。

 三菱重工は、航空当局から安全性の承認を得る「型式証明」の取得作業は続けるとしている。その意味では、まだ諦めたわけではない。ただ、開発を担う三菱航空機は体制を極限まで縮小する。

 三菱航空機は20年度、600億円の予算で開発を行っている。この額は前年の半分で、1700人いた社員を900人程度まで削減。400人いた外国人技術者も半分以上が社を去った。主に欧米系の人材が少なくなり、元はブラジルの航空機メーカー・エンブラエルに勤めていた技術者が多く残っているという。21年度は、開発費がさらに前年の10分の1程度になるため、追加の人員削減は必至だ。続きが読んでみたいです。

 ニュースイッチは、「『スペースジェット』で大リストラ、三菱重工に成長事業は残っているのか?」を掲載。

 三菱重工はMSJの開発などに伴う損失に加え、コロナ禍が直撃して厳しい状況に直面している。21年3月期連結業績予想(国際会計基準)の事業損益で500億円の黒字を見込むが、これは風力発電分野の株式譲渡などによるものだ。

 本業の航空・防衛・宇宙部門が950億円の赤字の見込みで特に厳しい。他部門も含めて立て直しが急務だ。確かにいつTC取得できるか先が見えないスペースジェットの開発に、多額の資金を投入し続けられる状況ではなさそうです。

 NHK東海ニュースが「中経連『MSJ開発の継続を』」を配信。中部経済連合会の水野明久会長は、国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」の開発費が大幅に縮小されることについて、「状況が変わればすぐに再開できるよう準備をしておくことは大切だ」と述べ、開発の継続に期待を寄せました。

 また、地域経済に与える影響について、水野会長は「他の会社の航空機の需要も繰り延べになっていて、この地域で製造している航空機の部品関係に大きな影響が出ているのは事実だ。非常に厳しい状況にあるが、持ちこたえる努力を官民で協力してやらなければいけない」と述べました。

 地元経済界はまだ見捨てていないので、足下の関連会社が逃げてしまわないうちに、TC取得だけは完結してほしいものです。




★三菱スペースジェットは「失敗」か?ハーバード視点で見た期待と課題

  

ダイヤモンド・オンライン:三菱スペースジェットは「失敗」か?ハーバード視点で見た期待と課題

航空新聞社:三菱重工、「スペースジェットは一旦立ち止まる」

SankeiBiz:「スペースジェット」事業凍結 失敗の本質はコロナではなく三菱重工の“おごり”

Twitterで久しぶりにモーゼスレイク・グラントカウンティ空港の今を見ることができました。

 三菱重工がスペースジェットの事実上の凍結を発表して数日経過したこともあり、報道各社の記事にも変化が出始めました。

 ダイヤモンド・オンラインが、「三菱スペースジェットは『失敗』か?ハーバード視点で見た期待と課題」という記事を掲載。ハーバードで教材となったホンダジェットや三菱グループの事例をもとに、スペースジェットが抱える今後の課題と展望について解説。なかなかおもしろい内容ですので、オススメの記事です。

 航空新聞社は「三菱重工、『スペースジェットは一旦立ち止まる』」という記事を掲載。三菱重工の泉澤清次社長が10月30日にウェブ記者会見で発表した内容についての記事ですが、「現在は設計を機体レベルで精査・確認を行う作業を行なっている。さらには3900時間を超える飛行試験データを検証中」であること。その上で、「開発状況と市場環境を踏まえて、現在行なっているM90開発活動は一旦立ち止まる。

 この間、再開のための事業環境整備に取り組み、型式証明文書作成プロセスは継続していく」として、開発作業は”立ち止まる”ものの、型式証明取得に向けた作業を継続していくことを強調。飛行試験などは当面行わないので、開発作業は大幅にスローダウンする」との見方を示し。「このなかでこれまでに得たデータをもとにTC文書作成などの作業を実施していく」と話した。

 この内容からではあまりよくわかりませんが、がむしゃらに飛ばしていても仕方がないので、何が問題なのか、どう改善すればいいかをあらためて検証するということでしょうか。

 SankeiBizの「『スペースジェット』事業凍結 失敗の本質はコロナではなく三菱重工の“おごり”」では、三菱重工は高学歴のエリート技術者が集まる名門だ。そのプライドもあり、自前の技術者だけで運航に必要な「型式証明」の取得作業を進めた。「国の戦闘機を造っているのだから大丈夫」。こうした楽観論が社内の多数派だった。だが型式証明のルールを欧米勢が握る民間機の世界は、そう甘くなかった。

 航空機産業に詳しい作家の前間孝則氏は「航空機開発には強いリーダーシップが求められる」と解説する。事業凍結の責任を「特定の個人に課すものではない」(泉沢社長)と曖昧にする企業体質との開きは大きい。三菱重工の関係者は「コロナのせいじゃない。三菱重工のおごりだ」と失敗の本質を喝破した。

 なかなか厳しい指摘ですね。

 最後に、Twitterの写真ツイートで、現在のモーゼスレイク・グラントカウンティ空港を見ることができました。空撮のようで、駐機スペースは200機以上のB737MAXで埋め尽くされていました。

 その中にはスペースジェットがいないことはわかっていても、もしかしたらハンガーから出されていないか、つい探してしまいました。




★ANA片野坂HD社長「影響は軽微」 三菱スペースジェット、納期「説明いただいていない」

  

カレンダーは今日から11月。しかし、思いのほか気持ちの重い11月になってしまいました。

Aviation Wire:ANA片野坂HD社長「影響は軽微」 三菱スペースジェット、納期「説明いただいていない」

乗りものニュース:「スペースジェット」は何だったのか かつて実用化の国産旅客機「YS-11」との違いは?

SankeiBiz:三菱重工、日の丸ジェットの夢頓挫 「ものづくり」への信頼失墜

 カレンダーは今日から11月。スペースジェットカレンダーが私の卓上を飾るのも、残すところあと2か月になりました。まさか凍結発表したのに、2021年カレンダーを出すとは思えないですからね。

 Aviation Wireが、「ANA片野坂HD社長『影響は軽微』 三菱スペースジェット、納期『説明いただいていない』」という記事を掲載。

 ANAを傘下に持つANAホールディングスの片野坂真哉社長は10月31日、三菱重工が30日に開発凍結を発表したジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」について、納入遅れの影響は軽微であるとの見方を示した。一方で、6度もの延期で2021年度以降としている納期については、「説明をいただいていない」と述べるにとどめた。

 31日に三重県内で会見した片野坂社長は、「認可を取る志はまだお持ちだと伺っており、航空機を作っていく道のりは厳しいと実感している。具体的な次のステップの説明はまだ受けておらず、その先の計画について説明いただいていない。飛行機を最初に発注した会社として、気持ちの上では応援させていただいている」と述べた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響による需要減退を受け、片野坂社長は「全体的に航空機の稼働を後ろにずらしている」として、「影響は軽微。もともと21年は厳しいと認識している」と語った。

 30日に第2四半期決算を発表したJALの菊山英樹専務執行役員は、スペースジェットについて「確定的な案内を頂戴していない」と状況を説明しており、三菱重工はANAとJAL双方に今後の明確なプランを説明していないことが露呈した。

 ローンチカスタマーであるANAの社長に、納期遅れどころか一時凍結を事前説明していないとは・・・。




★国産、夢のまま… スペースジェット凍結、東海の関係者落胆

  

中日新聞10/31朝刊:国産、夢のまま… スペースジェット凍結、東海の関係者落胆


中日新聞10/31朝刊:スペースジェットを凍結 三菱重工発表、予算20分の1に


中日新聞:三菱重工業 2021事業計画説明会(スペースジェット関係分を抜粋)

日本経済新聞:三菱重工、国内3000人配置転換 国産ジェット事実上凍結

日本経済新聞:幻の新規需要「1000億円」 三菱ジェット凍結を表明

 三菱重工が2021事業計画説明会でスペースジェットの事実上の開発凍結を発表した翌日、中日新聞が2つの関連記事と2021事業計画説明会(スペースジェット関係分を抜粋)を掲載。以下は「国産、夢のまま… スペースジェット凍結、東海の関係者落胆」記事の抜粋。

 国産旅客機が羽ばたく日は、かなたに遠のいた。三菱重工がスペースジェット事業の凍結を明らかにした30日、開発拠点の東海地方に落胆が広がった。ただ、将来的に航空需要が戻った際は事業再開を検討する方針で、元技術者らはわずかな可能性を信じたいとの思いを漏らした。

 愛知県の大村秀章知事は同日の記者会見で「いったん立ち止まるということだが、もう一度足場を固めた上でコロナ収束後にすぐに事業を再開できるよう、しっかり取り組んでもらいたい」と求めた。中部地方は航空宇宙産業の国内最大の集積地。「アジアナンバーワンの拠点を目指す県の方針は変わらない。この地域の飛行機産業を引き続き支える」と強調した。

 名古屋空港内に県が開設した「あいち航空ミュージアム」の菊池学運営部長は「半世紀ぶりに名古屋空港発の国産旅客機が復活すると期待していたが…」と残念がった。同空港では1962(昭和37)年、戦後初の国産旅客機YS11が初飛行に成功。今年3月のSJの試験飛行では、滑走路を一望できる同館の展望デッキに多くの見物客が集まった。「みんな、カメラを手にワクワクした表情を浮かべていた。またこの光景が戻ってくることを願っている」と夢見た。

 開発はいったん立ち止まりをする」。三菱重工が30日にオンラインで開いた記者会見で、泉沢清次社長は手元の資料に目を落としながら、スペースジェットの事業化凍結を明らかにした。2021年度以降としていた初納入の時期や、撤退の可能性を問われると「新たな(納期の)設定はしていない」「事業展開は状況次第。TC(型式証明)取得の作業は継続する」と厳しい表情を崩さなかった。


 日本経済新聞も関連記事を2つ掲載。「三菱重工、国内3000人配置転換 国産ジェット事実上凍結」では、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な航空需要の急減や、脱炭素の流れを受けた石炭火力発電事業の縮小などを見据え、コスト削減を急ぐ。

 国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット」について泉沢清次社長は30日、「開発活動はいったん立ち止まる」とし、事業化に向けた試験飛行や量産を当面、凍結する方針を明らかにした。24年3月期までの3年間の開発費などは200億円と、過去3年間の約20分の1とする。

 立ち止まって、凍結しても3年間で200億円もかかるんですね。

 「幻の新規需要「1000億円」 三菱ジェット凍結を表明」の記事の最後に、スペースジェット事業は6度の納入延期でサプライヤー間の期待はしぼんでいた。ただ思惑通り進んでいれば恩恵は甚大だった。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの長尾尚訓主任研究員は、「月10機以上の量産なら、1000億円規模で中部の生産額を上積みできた」と試算する。MSJ凍結とボーイング不振の「ダブルパンチ」でもがく中小の悩みは尽きない。

 なるほど、だから幻の新規需要1000億円というタイトルなんですね。ただ、それは単なる皮算用とも言えますが・・・。




★三菱重工、スペースジェット開発の事実上凍結を発表 「いったん立ち止まる」

  

三菱重工が「2021事業計画(FY2021〜2023)」を発表。

トラベル Watch:三菱重工、スペースジェット(SpaceJet)の開発を「いったん立ち止まる」。資金配分計画を「3700億円」から「200億円」に削減 泉澤社長が会見

Aviation Wire:三菱スペースジェット、開発凍結 泉澤社長「一旦立ち止まる」、納期見えず

名古屋テレビ【メ〜テレ】:スペースジェット開発の事実上凍結を発表 三菱重工「いったん立ち止まる」

FlyTeam ニュース:三菱重工、スペースジェット開発を凍結 飛行試験も実施せず

TBS NEWS:三菱重 スペースジェット事業を凍結、新型コロナ 航空機需要低迷

日本経済新聞:三菱重工、5000人削減・配転 旅客機事業の凍結発表

朝日新聞デジタル:スペースジェット開発費、200億円に大幅減 三菱重工

 三菱重工は10月30日、オンラインで会見を開き、2020年度第2四半期決算概要・2021(2021〜2023年度)事業計画について、取締役社長 CEOの泉澤清次氏と取締役執行役員 CFOの小澤壽人氏が説明を行なった。

そのなかで、三菱航空機が開発を進める国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット(SpaceJet)M90」について、開発活動は「いったん立ち止まる」と表現。資金配分計画でスペースジェットは、2018〜2020年度の「3700億円」に対し、2021年〜2023年度は「200億円」に削減する。

「立ち止まる」という表現については、TC(型式証明)の取得に向けた作業などは継続するものの「多額の資金を投下して、納入時期などスケジュールありきで進めることは控える。飛行試験などは当面行なわず、人員の規模は適正な規模で進めていく」という意味だと説明。

 2月の段階で量産初号機の引き渡し予定時期を「2021年度以降」と計画変更していたが、「お客さま(ANA[全日本空輸]など)については、本決定についてご説明をし、進め方については誠意を持ってご相談させていただく」としている。

 泉澤社長は、「飛行機という技術について、開発が遅れるなかではありますが約3900時間という飛行をしていて、大きなインシデントもなく進められている。飛行機についてはそれなりの評価をいただき、ある程度の飛行機ができたと思っている。

 しかし、お客さまを乗せる飛行機としてTCを取得するためには、単純に技術だけでなく、知見が必要だった。そのあたりが十分でなかったと反省している」とプロジェクトについて評した。

 結局、事前に共同通信はじめ報道各社がニュースとして配信したとおりの内容だったと言えます。最も正確に伝えていたのが「NHK」と「朝日新聞」だったでしょうか。

 この発表内容は折り込み済と言えるので、「まあやっぱりか」くらいの感想しかありませんでしたが、今朝、日本経済新聞が配信した「三菱ジェット、ホンダジェットと明暗分けた『鉄則』」のほうが興味深かったですね。




★三菱ジェット、ホンダジェットと明暗分けた「鉄則」

  

日本経済新聞:三菱ジェット、ホンダジェットと明暗分けた「鉄則」

 全く知見のない状態からスタートしたホンダが、30年もの月日をかけて15年に事業化できた背景には、ある不文律が存在するのだ。「飛行機作りにはジーザス・クライストが必要だ」

 飛行機の「神」。つまり全権を握る存在が不可欠という意味だ。これはホンダジェットの開発リーダーである藤野道格氏が、飛行機設計のノウハウをたたき込まれた米ロッキード(現ロッキード・マーチン)の技術者から教わった言葉だ。ロッキードには「神」がいたという。それがケリー・ジョンソン氏。通称、JCケリーだ。

 ホンダの場合、藤野氏が30年間、一貫してジェット機開発のリーダーとして君臨してきた。藤野氏はJCケリーの哲学を取り入れるため、2つのルールを自らに課した。一つは、無駄な全体会議を廃し自分に情報が集まるようにする。もう一つは「一度決めたら蒸し返さない」だった。ホンダジェットの開発は米国で進められたが、東京の本社は社長が代替わりしても口出し無用を貫いた。

 翻って三菱重工はどうか。08年に開発が始まってから約10年で、三菱航空機の社長を5人もすげ替えてきた。迷走が顕著となってきたのは、15年に4代目社長として森本浩通氏が就任した頃からだろう。森本氏は火力発電プラントの海外営業が長い。直前も米国法人の社長としてニューヨークに駐在していた。つまり全くの門外漢だ。

 「突然、宮永さんに通告された時は正直、冗談かと思いましたよ」と当時回想していたが、無理もない。13年に三菱重工の社長に就任した宮永俊一氏にとって森本氏の起用は、独立心が強くプライドが高いことで知られる航空・防衛部門をけん制する狙いがあった。

 森本体制で15年11月に初飛行に成功したが、その1カ月後に主翼の強度不足という致命的な欠陥が発覚し、4度目の納入延期に追い込まれる。すると宮永氏はわずか2年で首をすげ替えた。後任には航空・防衛畑の水谷久和氏を据えた。名航にとっては「大政奉還」と言えたが、これがさらなる迷走を助長した。

 宮永氏は16年11月にMRJ事業をCEO直轄体制に切り替えると、外国人技術者の活用を拡大した。18年にはカナダ・ボンバルディア出身のアレクサンダー・ベラミー氏を開発トップに任命。ベラミー氏の下で外国人の専門家は次々と採用された。実質的に現場の権限を名航から奪ったのだ。

 ただ、ベラミー氏はもともと認証取得作業のための専門家として雇われた技術者だ。名航とお雇い外国人チームの「2つの三菱ジェット」をまとめきる力はなかったようだ。6度目の納入延期となり、ベラミー氏は20年6月、わずか2年で退任を余儀なくされた。

 結局、三菱スペースジェットは、三菱重工内の大企業病に侵されたと言えるのかもしれません。




★SJ凍った翼 13年目の決断(5) 審査する側も手探り

  

中日新聞10/30朝刊:SJ凍った翼 13年目の決断(5) 審査する側も手探り

NHKニュース:国産初のジェット旅客機 開発費10分の1に縮小へ 三菱重工

財経新聞:三菱・スペースジェットはどこへ?「画期的な造り方技術」の裏付けを・・

 中日新聞が10月26日から5回連載している、「SJ凍った翼 13年目の決断」の最終回。タイトルは「審査する側も手探り」。

 三菱航空機が型式証明(TC)を得るために試行錯誤していたころ、同じ問題を前に悩んでいたのが国土交通省だ。TCを航空機に与えるかどうかを審査する側である国交省もまた経験不足。どんな試験であれば機体が安全だと証明でき、TCを与えられる基準と言えるのか、暗中模索していた。

 審査をする側と受ける側の双方が手探りで進むTCの審査。三菱重工の取引先企業の幹部は明かす。「国交省や三菱航空機は常に審査の内容に自信がなく、『この試験はやった方がいいか』などと何度も米国側に聞きに行っていた」「確認すると『安全性のためにはやった方がいい』と言われ、試験は増えるばかりだった」。

 米国の連邦航空局(FAA)は検査に立ち会うなど、「シャドーイング」と呼ばれる影の検査で、国交省に助言しながら、審査能力が信頼に値するかを見極めようとした。影響力は大きく、FAAの意向を受け、三菱航空機と国交省の間で一度は合意した設計や試験方法について「全てご破算になったこともあった」(三菱航空機関係者)と振り返る。

 「航空機は安全性が何より重要」(業界関係者)とはいえ先の見えないTCの取得に下請けや三菱の関係者からは「国交省の作業が遅い」「FAAの嫌がらせだ」などの声が上がり、いら立ちが募ることもあった。TC審査の難しさは、項目が常に変化する点にもある。世界のどこかで航空機事故やトラブルがあるたび安全基準が見直され、項目は増える。新たに見直された審査基準が初めてスペースジェットで適用されることもあった。

 三菱重工は今後もTC取得を目指す考えは変えていない。スペースジェットの開発体制が大幅に縮小されたことで道のりはさらに厳しくなったが、プロペラ機「YS11」以来となる国産旅客機を再び誕生させるという意義はなおあり、TCが取得できれば日本の航空産業にとって大きな実績にもなる。そしてスペースジェットが世界の空を飛ぶ姿をいつか見たいと待ち望む人は今も少なくないはずだ。

 経験不足とは、かくも惨い運命を辿ることになるという教訓のように感じます。

 NHKニュースが「国産初のジェット旅客機 開発費10分の1に縮小へ 三菱重工」という記事を掲載。
 
 国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」について、三菱重工業は新型コロナウイルスの影響で需要の回復が見通せなくなっていることなどから、「いったん立ち止まる」として開発費を年間100億円程度と従来のおよそ10分の1に縮小する方針を固めた。

 関係者によると、三菱重工は子会社の三菱航空機が開発を進めているスペースジェットについて、来年度以降、年間の開発費を100億円程度に抑える方針を固めた。昨年度の開発費は1000億円規模だったが、およそ10分の1の水準にまで縮小することになる。ただし、機体の安全性を証明する「型式証明」の取得に向けた作業は続けるという。

 三菱重工はこうした方針を30日発表する今後3年間の経営計画に合わせて説明する方針で、国産初のジェット旅客機で日本の航空機産業を育成するプロジェクトとしても期待を集めてきたスペースジェットの開発は厳しい事態に追い込まれる。

 年間100億もかけても、開発継続できないものなんですね。




★SJ凍った翼 13年目の決断(4) 審査基準を独自解釈

  

中日新聞10/29朝刊:SJ凍った翼 13年目の決断(4) 審査基準を独自解釈


M&A Online:三菱重工「航空機凍結」で買収したボンバルディア事業はどうなる

 中日新聞が10月26日から5回連載している、「SJ凍った翼 13年目の決断」の第4回。タイトルは「審査基準を独自解釈」。

 TCの取得に、三菱航空機がてこずった理由にTCの審査基準を独自に解釈したことがある。ある社員は随所に過不足が生じていたことを証言する。「過度に安全性にこだわる箇所があった一方、国際的にみれば実は重要な部分で、明確な根拠もないのに一定の水準にとどめた設計があった。審査を通らない要因となった」。こうした勘違いの典型的な事例が、2017年1月に発表した5度目の納入延期の引き金となった「電気配線の問題」だった。

 TCは航空機メーカーが自由に設計できるようにとの配慮から、安全基準を満たすための具体的な方法が明示されていないことが、取得を難しくさせている背景にある。大手の米ボーイングや欧州のエアバスは、基準を満たすための設計や証明方法の経験の蓄積があるが、途中の段階まで、ほぼ日本人だけで開発を進めた当初の三菱航空機には「安全であること」を説明する技術が圧倒的に不足していた。

 結局、配線の修正に伴い、同社は新しい設計で試験機を造り直すことを余儀なくされた。計器類など900か所以上を改良。さらに配線の品質のばらつきや図面の間違いなどトラブルが続き、6度目の納入延期に結び付いた。

 この問題は確かに「お粗末」と指摘されても仕方ない事案。ただ、審査する国土交通省も、もう少し何とかならなかったのかと思いますけどね。

 M&A Onlineが、「三菱重工『航空機凍結』で買収したボンバルディア事業はどうなる」という記事を掲載。三菱重工が「開発の凍結を決定した事実はありません」とのコメントを発表したが、それでも「凍結」報道は止まらないで始まり、コロナ禍の最悪のタイミングでボンバルディアを5億5000万ドルで買収したこと。

 買収の前提だったスペースジェット事業からの撤退となると、ボンバルディアのためだけの子会社を傘下に置く意味はなくなる。撤退が決まれば、MHIRJを売却せざるを得ないだろう。しかし、三菱重工が買収額に匹敵するのれん代を減損損失として計上する以上、高値での売却はまず無理。航空需要が冷え込む中、現行のCRJ販売・保守サービスも赤字となるのは避けられず、たとえ無償でも引き取り手が現れないのではないかとの懸念すらある。

 もう一つはスペースジェット事業から撤退し、子会社の三菱航空機を売却することだ。そう簡単に買い手は見つからないだろうが、ボンバルディア機の販売・保守を手がけるMHIRJ売却よりは望みはある。そもそも三菱航空機を抱え込み続けること自体が、三菱重工にとっては大きなリスクだ。三菱重工は2020年10月30日に発表する中期経営計画でスペースジェットについて何らかの言及をすると見られている。報道されている「凍結」という現状維持ではなく、三菱航空機の売却という選択肢もある。

 ついに、三菱航空機の売却まで言及ですか。




★SJ凍った翼 13年目の決断(3) 海外技術者、生かせず

  

中日新聞10/28朝刊:SJ凍った翼 13年目の決断(3) 海外技術者、生かせず

ニュースイッチ:三菱国産ジェット事業凍結、サプライヤーは冷ややか「もう終わった話」

毎日新聞「経済プレミア」:MRJが世界を飛ぶ日 スペースジェット「細々と継続」という三菱重工の判断 平野純一 ・経済プレミア編集部

 中日新聞が10月26日から5回連載している、「SJ凍った翼 13年目の決断」の第3回。タイトルは「海外技術者、生かせず」。

 今回は5度目の納入延期が発表された2017年ごろ、海外から数百人もの外国人技術者たちが三菱航空機にスカウトされた。ボーイングやブラジルの小型機メーカー・エンブラエルなどで経験を積んだ面々。その中に、後にスペースジェットの最高開発責任者となるアレクサンダー・ベラミー氏がいた。カナダのボンバルディアで小型機の型式証明(TC)取得を手掛けた「航空機のプロ」だ。

 三菱航空機は、世界標準を知る専門家として、外国人技術者たちを各部門のリーダー格に据えた。彼らに期待したのは、旅客機開発のノウハウが乏しい組織をうまくまとめ、国際基準に沿った設計にまで昇華させる役割だった。

 外国人を招いたことでコストも上昇した。外国人技術者の人件費は一人当たり数千万円とされる。開発費が膨らむ要因になった。昨年末、スペースジェットの開発は「最終段階」に差し掛かった。5度目の延期以降、取り組んだ設計変更箇所は900か所以上。ベラミー氏は「道筋に光が見えてきた」と手応えも見せていた。

 だが結局、予定には間に合わず三菱重工は今年2月に6度目の延期を発表。新型コロナウイルスの影響で経営が悪化した三菱重工は6月、三菱航空機の人件費などの開発予算を前年度の半分に削る決断を下した。約2000人いた従業員は半数ほどに減り、ベラミー氏を含む外国人技術者の多くが三菱航空機から去っていった。

 そんなこともあったなあと、回想させられる今日の記事でした。もう、過去のことになってしまいましたね。

 ニュースイッチが、「三菱国産ジェット事業凍結、サプライヤーは冷ややか『もう終わった話』」という記事を掲載。この中で気になったのは、サプライヤーの反応/事業凍結「やっぱりか」という部分。

 スペースジェットの事業凍結への印象を、ある協力企業の社長はこう打ち明ける。三菱重工は5月にスペースジェットの開発体制の縮小を発表。同月末には部品生産工場での派遣社員の契約を延長せず、量産体制も解いた。同社長は「この時点で凍結と理解していた」と話す。別の協力企業の幹部も「量産計画が中止になった時点で終わった話」と冷ややかだ。

 08年の三菱航空機設立以降、中部地区を中心に金属加工メーカーの多くが関連需要の拡大を期待した。当時はまだ珍しく高価な5軸制御加工機を勢い込んで導入した中小企業も少なくない。しかし初号機の引き渡し計画は6度延期され、いまだゴールは見えない。「設備の減価償却が進んでしまった」と苦笑する。量産自体にも「単価が安く本当はやりたくない」との声があった。

 なるほどという記事です。毎日新聞「経済プレミア」の「MRJが世界を飛ぶ日 スペースジェット『細々と継続』という三菱重工の判断」は有料記事なので、Yahoo!ニュースに掲載されるまで待つことにします。




★SJ凍った翼 13年目の決断(2) 格下扱い、調達で誤算

  

中日新聞10/27朝刊:SJ凍った翼 13年目の決断(2) 格下扱い、調達で誤算

中日新聞経済部公式アカウントのツイート

FNNプライムオンライン:「日の丸ジェット」の飛ぶ日は…三菱スペースジェット事業の「2つの誤算」相次ぐトラブルとコロナ

 中日新聞が10月26日から5回連載している、「SJ凍った翼 13年目の決断」の第2回。タイトルは「格下扱い、調達で誤算」。

 今回はボーイングからB737のコクピットを使ったらどうかと打診を受けたが、独自で造ることにこだわる「自前主義」のために断り、自前で造ることにしたが、ボーイングやエアバスに多くの部品を供給している海外の有力なメガサプライヤーから格下扱いを受けたという苦労話。

 そして、部品調達の難航は、国から安全性のお墨付きを得る型式証明(TC)取得にも影響した。TC審査では、個々の部品について部品メーカー側が「性能は正しく、安全」ということを試験データに基づいて示す必要があるが、スペースジェットは国産といいながら実は部品の7割は海外製。

 時にメガサプライヤーを相手に新たな試験データの提供を求める必要もあり、さらに時間を要することになった。開発にかかる費用や時間は膨らみ続け、当初描いた計画は大きな変更を余儀なくされた。こんなところでしょうか。

 FNNプライムオンラインが、「『日の丸ジェット』の飛ぶ日は…三菱スペースジェット事業の『2つの誤算』相次ぐトラブルとコロナ」という記事を掲載。

 記事は3部構成で、日の丸ジェット「三菱スペースジェット」に事業凍結の危機、誤算その1 …相次いだ設計変更や生産上のトラブル、誤算その2…新型コロナで飛行機を買う側に大打撃という構成ですが、目新しい情報はありませんでした。




★SJ凍った翼 13年目の決断(1) 国産の夢 迷走の果て

  

中日新聞10/26朝刊:SJ凍った翼 13年目の決断(1) 国産の夢 迷走の果て

中日新聞経済部公式アカウントのツイート

 中日新聞が10月26日から5回に渡り、「SJ凍った翼 13年目の決断」を連載開始。今日はその第1回で、タイトルは「国産の夢 迷走の果て」。

 これまで1兆円規模の開発費が投じられてきたスペースジェット。国の支援も約500億円規模に達する。開発の最終段階でコロナ禍に見舞われたのは非運とはいえ、迷走の果ての最後の一押しだったにすぎない。地元企業や国内外の航空関係者を含め、多くの人たちの期待を集めたプロジェクトはなぜここまで難航したのか。凍結という決断へ向かった経緯をひもとく。

 中日新聞がどのような意図でこの連載を始めたのかわかりませんが、地元下請会社の悲哀を代弁するつもりなのかもしれません。そして、5回めとなる予定日が、三菱重工が発表するとしている10月30日。どのような結末を迎えるのか・・・。




★どちらが真実か?・・・大本営発表は10月30日

  

三菱重工公式プレスリリース「 SpaceJet事業に関する一部報道について」

トラベル Watch:三菱重工、SpaceJet事業凍結報道にコメント

航空新聞社:三菱重工、スペースジェット「開発凍結の決定事実なし」


中日新聞10/24朝刊記事:開発拠点・豊山町に動揺 スペースジェット凍結へ、愛知県は支援継続


中日新聞10/24朝刊記事:未完の翼、技術面で苦戦 SJ凍結へ「失敗認めぬ三菱重のプライド」

日本経済新聞:三菱ジェット、1兆円空回り 凍結まで6度延期

日本経済新聞 名古屋編集部:手詰まりのサプライヤー、三菱ジェット「量産に10年」

メ〜テレ:スペースジェットの開発が事実上“凍結” 初飛行から5年…道のりは遠く

SankeiBiz:苦渋の決断、国の航空産業育成に打撃 国産ジェット事実上凍結

朝日新聞デジタル:三菱重、スペースジェット事業化困難に 開発費また削減

ひとつぼしさんのツイート。全く同感です。

 三菱重工は、10月22日に国産ジェット旅客機「SpaceJet(スペースジェット)」事業を凍結するとの報道があったことについて、同社や子会社の三菱航空機が発表したものではないとのコメントを発表。

 三菱重工では、「SpaceJet事業については、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も踏まえ、引き続き開発スケジュールの精査を行うとともに、現下の当社グループを取り巻く厳しい状況を考慮した適正な規模の予算で開発を推進しております。こうした中で、様々な可能性を検討していることは事実ですが、開発の凍結を決定した事実はありません」とコメント。その上で、10月30日の2020年第2四半期決算とあわせて、同事業を含めた次期事業計画を公表するとしています。

 しかし、日経などの経済紙を中心に、すでに凍結を前提とした「総括」記事を掲載しているところもあって、「いったいどっちが本当なんだ!」と思っている人も大勢いることでしょう。おそらく今回の共同通信社をはじめとする「凍結」報道の根拠は、NHKと朝日新聞が伝えた「開発費のさらなる削減」ではないかと思われます。

 ただ思うのは、今まで同じことを何度繰り返したかということです。一部マスコミが情報をリーク報道し、日経などが追従。その後、三菱重工が「当社が発表したものではない」と否定するも、決算発表などでは、マスコミ報道どおりの発表をする。もういい加減やめてほしいです。今回は10月30日の決算発表の席で、全面否定することを期待しています。




★来年度以降も開発費削減継続が凍結報道の根源か?

  

日本経済新聞:三菱重工が国産ジェット凍結 開発遅れ、需要も低迷

Avation Wire:三菱スペースジェット、開発を事実上凍結へ 需要蒸発と完成度不足

NHK WEB:「三菱スペースジェット」開発費さらに削減 納入不透明な状況

中日新聞:三菱重工、スペースジェット凍結へ コロナで需要消滅、巨額開発費重荷に

中日新聞:「日の丸ジェット」甘すぎた見通し

ニュースイッチが過去記事を引用したツイート

 共同通信の速報に続き、国内多数のメディアが続々とスペースジェット凍結のニュースを配信しました。

 これらの記事によると、30日に発表される中期経営計画で方針を示すことになっているようですが、その内容はNHKが伝えた「開発費のさらなる削減」と推測されます。今までに公表されているのは、2020年度の開発費を前年度の半分に削減というところまでだったので、2021年度以降も引き続き、予算を削減するということなのでしょう。これが「凍結」記事の根拠と思われます。

 また、ニュースイッチが過去記事を引用してツイートしていましたが、あえてペースダウンしているというのは、あながち間違いではないと感じます。しかし、TC取得は遅らせないほうがいいと思いますね。新たな安全基準が求められるようになる可能性は否定できないからです。

 ほかに気になるのは、Avation Wireが報じた「一方、Aviation Wireの取材では、設計変更を反映した最新の飛行試験10号機(登録記号JA26MJ)の完成度が低く、米国へ持ち込むレベルに達していないことがわかった」という内容です。残念ながら今回の記事は有料なので、全文を読むことができないのですが、これが事実だとしたら、今後再々設計した試作機を再度製作することになるかも。6号機と10号機は何だったの?ってことになります。




★三菱国産ジェット、事実上凍結へ 開発費巨額に、コロナで需要消滅

  

共同通信社:三菱国産ジェット、事実上凍結へ 開発費巨額に、コロナで需要消滅

 共同通信社が「三菱国産ジェット、事実上凍結へ 開発費巨額に、コロナで需要消滅」という記事を掲載。

 三菱重工業が国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)の開発費や人員を大幅に削減し、事業を事実上凍結する方向で最終調整していることが22日、複数の関係者への取材で分かった。

 新型コロナウイルスの流行が直撃し、納入先の航空会社の需要回復が当面見込めないと判断した。巨額の開発費を投じ、官民で約半世紀ぶりの国産旅客機を目指したが、ノウハウ不足で6度納期を延期していた。国の産業政策にも大きな打撃となりそうだ。

 30日に発表する中期経営計画で詳細を説明する。今後は航空需要の動向を見ながら、事業を再開させるかどうかを検討するとみられる。

 今までほとんどガセネタのなかった共同通信の記事なので、これは事実なのでしょう。ここで言う「凍結」が事実上の撤退となるのか、それとも需要が回復するまでの一時的なものに留まるのか、後者であることを願うばかりです。




★カレンダーは今日から10月、また何もニュースのない1か月が過ぎました

  

カレンダーは今日から10月。しかし、相変わらず新しい情報は全くなし。

 カレンダーは今日から10月。今月のスペースジェットカレンダーは、機内のモックアップ写真。今年のスペースジェットカレンダーは機内写真の月が何か月かあり、このモックアップ写真を見ていると、何だか無性に切なくなります。

 エアアジアジャパンが事業の断念か長期休止を検討していることが明らかになりました。スペースジェットはLCC向けではありませんが、こうして1社また1社と航空会社が消えていくことに、例えようのない寂しさを覚えます。




★時間と空間がスペースジェットを助けたか?

  

Aviation Week「三菱のSpaceJetプログラム(アフターマーケットを含む)の見通しと、ボンバルディアのCRJプログラムの購入が何を意味するかを分析する」

 Aviation Week Networkが、「Have Time And Space Helped SpaceJet?(時間と空間がSpaceJetを助けたか?)」という記事を掲載。以下はその翻訳の抜粋。

 2008年に三菱がリージョナルジェットプログラムを開始したとき、ビジネスケースは疑わしいものだった。現存する製造業者のエンブラエルとボンバルディアは、何千もの機体の設置ベースでリージョナルジェット市場を独占し、ライバルのスホーイスーパージェットの飛行試験はすでに進行中であり、中国に近いARJ21プログラムにはかなりのリソースが注がれていた。

 12年早送りし、それらの課題の多くは消滅している。エンブラエルはボーイングによる買収中止、ボンバルディアはもはや民間航空機を製造せず、三菱はそのCRJプログラムを取得し、スーパージェットはロシアの外に、そしてますます内にフロップし、ARJ21は中国以外ではほとんど関心を集めていない。

 しかし、この競争の破壊にもかかわらず、三菱SpaceJetの場合はこれまでと同様に希薄。COVID-19による航空業界の混乱は、これの1つの理由だが、パンデミックの前でさえ、日本のリージョナルジェットプログラムは、複数の遅延と限られた注文書に取り組んでいた。

 三菱航空機は現在、M90の287の注文とオプションを発表している。これらのうち、163件は確定受注だが、すでにキャンセルしたTrans Statesと同じスコープクローズ問題に直面しているSkyWestからの100件が含まれる。つまり、大きな疑問符がその順序にかかっている。

 このような状況を考えると、なぜ三菱がSpaceJetプログラムを完全に廃止しなかったのか、多くの人が不思議に思っている。また、2020年6月30日までの3か月間でSpaceJetプログラムが710億円(6億7,000万ドル)の損失をほぼすべて負担したことから、三菱航空機の親会社である三菱重工の財務部門も同意する可能性がある。

 三菱航空機は、M90の飛行試験を中止し、米国のワシントン州モーゼスレイクの試験場を閉鎖したが、リージョナルジェットの型式証明取得に向けて引き続き取り組んでいる。

 今後予測できない結果の1つは、米国労働組合によるスコープクローズ条項の制限の緩和である可能性がある。そして、それが起こらなくても、米国外には、エンブラエルと三菱の両方が販売を望んでいる大きな市場が残っている。それができない場合、日本企業はM100の開発を再開することもできる。

 しかし、長期的には独自の課題がある。三菱がSpaceJetの開発をさらに拡大するほど、飛行の環境への影響に対する社会的態度の変化は言うまでもなく、超高速鉄道や電気航空機などの新技術との衝突に近づく可能性がある。

 電気航空機はまだ実証されていないコンセプトだが、90席のM90は、航空宇宙技術者が電力プラントを使用する民間旅客機に可能性があると考えるものもいる。

 久しぶりに三菱スペースジェットを特集した記事を見つけたのでチェックしてみましたが、「分析」というほど掘り下げた内容でもなく、また、新たな展開を見い出せる内容もありませんでした。




★カレンダーは今日から9月ですが、新しい情報も全くなく

  

カレンダーは今日から9月。しかし、新しい情報は全くなし。

Flightradar24の5機の飛行試験機の飛行記録がすべて非表示になってしまいました。

 カレンダーは今日から9月。スペースジェットカレンダーは、今月もCG画像なのでしょうか、3号機の飛行写真。最近は新しい情報も全くないので、カレンダーを見ていても新鮮味がありません。

 三菱重工が年内の飛行試験を行わないと発表しているので当然ですが、日米ともFlightradar24の飛行記録は更新されず、90日間分しか見られないシルバー会員の私のアカウントでは、5機の飛行試験機の飛行記録が、すべて非表示になってしまいました。




★三菱、スペースジェットのデータを研究して潜在的な利益を得る

  

World of Aviation「Mitsubishi studying SpaceJet data for potential return(三菱、スペースジェットのデータを研究して潜在的な利益を得る)」

日本経済新聞「三菱重工のMRJ技術者、スタートアップで大空に再挑戦」

 World of Aviationが、「Mitsubishi studying SpaceJet data for potential return(三菱、スペースジェットのデータを研究して潜在的な利益を得る)」という記事を掲載。以下はその翻訳。

 三菱航空機は、SpaceJetリージョナルジェットプログラムの飛行試験データを調査して、潜在的な飛行復帰に備えている。企業の広報担当者は、開発プログラムを再構築するイニシアチブが現在も継続していることを確認した。技術者は、財政上の問題によりテスト飛行が中止される前に行われた3,900時間の飛行からデータを収集。

 そして三菱重工は、ワシントン州モーゼスレイクの主要な飛行試験基地を閉鎖した。データは現在、プログラムの目標と期待に応じてレビューおよび分析されている。

 日本の航空機メーカーは、飛行試験が再開されたときに型式認証を達成するための最も効率的な計画を確実に立てることを目指している。しかし、特定の日付はまだ三菱航空機によって明らかにされていない。

 「再編が完了したら、型式認証を達成するための計画を再構築する。組織再編の一環として行われた人事異動は、新しい方向性と焦点をサポートし、この危機に耐えるためにリソースを再編成するための適切な組織構造を構築することを目的としている。しかし、商業用航空機の廃墟となった市場では、新しいジェット旅客機への関心はほとんどなくなっている。

 なかなか厳しい内容ですが、これが三菱重工とスペースジェットの置かれている正しい現状でしょう。

 もう1つ、日本経済新聞が「三菱重工のMRJ技術者、スタートアップで大空に再挑戦」という記事を掲載。岸元三菱航空機副社長が「空飛ぶクルマ」に挑戦という内容なのですが、三菱重工のエンジニアは、型式証明が必要な旅客機でなければ、F2後継機だろうが、空飛ぶクルマだろうが任せておけといったところでしょうか。




★旧MRJ、開発中止の観測も…技術者間の対立で開発現場混乱、親・三菱重工の経営圧迫

  

ビジネスジャーナル「旧MRJ、開発中止の観測も…技術者間の対立で開発現場混乱、親・三菱重工の経営圧迫」

 ビジネスジャーナルが「旧MRJ、開発中止の観測も…技術者間の対立で開発現場混乱、親・三菱重工の経営圧迫」という記事を掲載。この記事でも最後のページ部分が言いたいところなのでしょうが、ここまできて、スペースジェットの型式証明取得を断念したら、F2後継機どころじゃないことになると思います。

 スリーダイヤの三菱は、国家とともに歩んできた歴史がある。苦境の三菱重工に政府が救済の手を差し伸べた。河野太郎防衛相は7月31日の記者会見で、航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる次期戦闘機の開発体制に関して、開発を主導する中核1社と単独契約する方式を採用すると発表した。三菱重工を選定する方向で調整しており、10月にも契約を締結する方向だ。中核企業が機体の設計を担い、開発スケジュールを統括する。

 F2後継機の開発費は1兆円規模の巨大プロジェクトだ。インテグレーター、つまり司令塔に三菱重工がなる。だが、ここでもスケジュール遅れが生じたり、もし開発に行き詰まったりしたら、司令塔としての存在意義が問われかねない。国の防衛計画も狂う。三菱重工にとっても社運を賭けたプロジェクトとなる。

 三菱重工は、国産初の民間小型ジェット機・三菱スペースジェットから、国産戦闘機の開発に乗り替える。こうしたさまざまな状況から、三菱スペースジェットが離陸することはないだろうとの見方が広がっている。




★三菱の国産ジェット旅客機に梶山経産相が「できる限りの支援」

  

TBS NEWS「三菱の国産ジェット旅客機に梶山経産相が『できる限りの支援』」

 TBS NEWSが「三菱の国産ジェット旅客機に梶山経産相が『できる限りの支援』」というニュースを配信。梶山経済産業大臣は、これまで納期を6度延期している三菱の国産初のジェット旅客機について、「できる限りの支援をしていきたい」と述べた。

 「しっかりと初号機を納入をさせる方針のもとに、できる限りの支援をして参りたいと思っておりますので」(梶山弘志経産相)

 愛知県の大村知事とテレビ会議形式で会談した梶山経済産業大臣。大村知事が三菱の国産初のジェット旅客機が新型コロナウイルスの影響もあり、大変厳しい状況だとして支援を求めたのに対し、梶山大臣は「できる限りの支援をしていく」と応じた。

 何か単なるリップサービスにしか思えないのですけど、これが天下のTBS NEWSになった経緯が気になります。だって、地元中日新聞は全く報じていないのですから。




★コロナで需要消滅、開発費半減…三菱スペースジェットの開発現場で一体何が起こっているのか

  

週刊エコノミスト Online「コロナで需要消滅、開発費半減……三菱スペースジェット(旧MRJ)の開発現場で一体何が起こっているのか」

 毎日新聞 週刊エコノミスト Onlineが「コロナで需要消滅、開発費半減……三菱スペースジェット(旧MRJ)の開発現場で一体何が起こっているのか」という記事を掲載。記事の内容は「本誌初出 暗雲の三菱スペースジェット 経験不足に戦略も二転三転=松木悠 20200728」とのことなので、新たな情報は見当たりません。この記事でも最後の部分が筆者の言いたいことでしょう。

 相次ぐ納入延期は、製造現場をも疲弊させている。昨年11月には、スペースジェット向けに炭素繊維複合材の尾翼部品を手掛ける東レが、部品加工から撤退することが明らかになった。それでも、「大手は交渉の余地があるからいい」と、ある中部地域の中堅部品メーカーからは嘆き節が漏れる。三菱重工グループとの取引が多い中堅・中小企業にとっては、やめるにやめられない状況にまで陥っている。

 三菱重工の泉沢清次社長はスペースジェットの今後について、「グループ全体の厳しい状況を考慮した適正な規模の予算で(開発を)推進したい」と語る。ただ、スペースジェットへの累積投資額は1兆円規模に膨らんでおり、体制縮小によって開発が遅れれば、投資回収の見込みはさらに遠のく。暗雲から抜け出せる気配はまだ見えない。




★三菱スペースジェット「おカネがなくて飛べない」

  

毎日新聞経済プレミア「三菱スペースジェット『おカネがなくて飛べない』」

 毎日新聞経済プレミア「MRJが世界を飛ぶ日」シリーズの最新ニュース、「三菱スペースジェット『おカネがなくて飛べない』」(8月7日公開)の内容が、毎日新聞のLINEニュースで全文を読むことができるようになりました。記事の内容はおおむね想像どおりでしたが、今回のミソは本文最終章の「ワールドドリームチームでなくなった」でしょう。

 三菱航空機の人員削減は「正社員は配置転換などに応じてもらい、契約社員は契約の終了をお願いする形で進めている」という。最高開発責任者を務めていたアレックス・ベラミー氏が6月末で退任したのが象徴的だったが、今後も毎月の月末を区切りに、退職、異動などで削減が続くという。

 そのような中、ベラミー氏退任後の7月初め、三菱航空機のホームページの幹部紹介欄にちょっとした変化があった。6月末まで紹介していた幹部社員は22人。そのうち外国人社員はベラミー氏をはじめ13人。日本人は水谷久和会長、丹羽高興社長以下9人で外国人の方が多かった。それが7月以降は日本人ばかりの6人となった。

 水谷氏はかつて、「三菱航空機には多くの外国人技術者が国籍関係なく集う。われわれはワールドドリームチームだ」と語っていた。しかし現在のホームページが示すように、少なくとも表看板は「ワールドドリームチーム」ではなくなってしまった。

 コロナ禍で漂流するスペースジェット。再び日本人中心に縮こまってしまった三菱航空機。開発の行く手はまだ見通せないでいる。




★三菱がスペースジェットのオーバーホールを終え、規制当局の承認を目撃

  

日経アジアンレビュー「三菱重工の大幅に遅れた86人乗りの地域向けSpaceJet M90は、2008年から開発が続けられており、早ければ2021年に出荷される予定」

トラベルウォッチ「三菱重工、スペースジェット事業の損失で2020年度第1四半期は579億円の赤字。『通期は見通しの範囲』」

Aviation Wire「三菱重工、最終赤字579億円 スペースジェットは計画見直さず 20年4-6月期」

 日経アジアンレビューが「Mitsubishi finishes SpaceJet overhaul and eyes regulator approval(三菱がスペースジェットのオーバーホールを終え、規制当局の承認を目撃)」という記事を掲載。

 三菱重工は8月3日、航空機のユニットの抜本的な再構築を完了し、従業員の半数が辞任したことを受けて、スペースジェット旅客機の商用飛行認定を取得する作業を再開したと発表した。小澤久人最高財務責任者は、決算記者会見で、「エンジニアリングチームの下で、型式認証を効率的に取得する計画に取り組んでいる」と語った。

 型式証明を取得するための三菱の取り組みは、コロナウイルスが航空業界を襲った後、今年中止された。パンデミックにより、エンジニアは航空機で作業することができなくなった。それに続く世界的な景気後退により、三菱重工は、航空機の需要が停止し、航空機の需要を一掃するため、損失を生む旅客機プログラムを継続することを困難にした。

 4-6月の第1四半期に、三菱重工は、713億円(6億7,700万ドル)の営業損失を報告した。損失の一部は収益の15%の減少によるものであり、ユーティリティおよび航空機本体の発電機とボーイングの翼に対する世界的な需要の低迷を反映しているが、商用ジェットプログラムの三菱自動車の評価減によるもの。減価償却の規模はまだ決まっていないが、総額で約600億円(5億6600万ドル)の見込み。

 コロナウイルスのパンデミックにより三菱航空機での生産が中断したため、同社はM90設計が規制要件を確実に満たすように、過去数年間の3,900時間を超えるテストフライトの結果の検証に注力している。M90は、耐空性を宣言する前に、米国での最終的な試験が必要である。型式証明が取得されると、三菱はそれがM90と潜在的に新しいモデルの市場を再評価すると言う。

 この記事によると、スペースジェットM90の型式証明は、それほど遠くないうちに取得できる目途がありそうです。




★カレンダーは今日から8月、いよいよ夏本番ですが・・・

  

カレンダーは今日から8月。ようやくつまんないモックアップ内写真の7月が終わりました。

ニュースイッチ「三菱スペースジェット、試験飛行の開始時期が未定に…」

ダイヤモンド・オンライン「三菱重工スペースジェット、事業縮小どころか「完全手仕舞い」の大ピンチ」

 カレンダーは今日から8月。そして名古屋はようやく梅雨明け。スペースジェットカレンダーは、つまんないモックアップ内写真の7月が終わり、CG画像なのでしょうが、8月は3号機の飛行写真。昨日、日本経済新聞が年内は飛ばないと報じた直後なので、8月のカレンダーを複雑な気持ちで眺めています。

 ニュースイッチが「三菱スペースジェット、試験飛行の開始時期が未定に…」という記事を掲載。内容は昨日の日本経済新聞とほぼ同じで、型式証明取得に向けた試験飛行の開始時期を未定としたことがわかった。「2021年度以降」とする初号機の納入時期がさらに延びる可能性があるという内容。

 3月に初飛行した最新試験機「10号機」は型式証明に向け米国で今春にも試験飛行を始める見通しだった。親会社の三菱重工業の業績悪化で開発計画自体が見直しとなった。新型コロナウイルス感染症の拡大で同機の米国への移動(キャリーフライト)のめども立っていない。うーん、やはり若干、事実と異なっている気がします。

 ダイヤモンド・オンラインが「三菱重工スペースジェット、事業縮小どころか「完全手仕舞い」の大ピンチ」という、くだらない記事を掲載。サブタイトルに「様子見の事業縮小が命取り?三菱航空機に広がる『やるせなさ』」と書いているように、このままだと、国産ジェット機は終わりを迎えると内容。

 TC取得を遅らせる背景に、もちろん新型コロナによる航空需要激減があることは確かですが、もう1つ、ボーイング737MAXのTC再取得の動向を見極めている気がするのですけどね。3流週刊誌並みの記事には、あまり反応しないでおこうと思います。




★国産ジェットの試験飛行、年度内見送り 三菱重工、21年度の納入難しく

  

日本経済新聞「国産ジェットの試験飛行、年度内見送り 三菱重工、21年度の納入難しく」

 日本経済新聞が「国産ジェットの試験飛行、年度内見送り 三菱重工、21年度の納入難しく」という記事を掲載。

 三菱重工が開発中のスペースジェットについて、2020年度内に予定していた試験飛行を見送ることがわかった。新型コロナウイルスの影響などで試験地の米国に機材を運べていないため。商業運航に必要な証明の取得が遅れる見通しで、少なくとも21年度の航空会社への引き渡しは難しくなる。

 三菱航空機は量産を想定した最新の試験機を1月に完成。空域の利用条件や国際的な信頼性が高い米国での試験に向け今夏までに現地に機材を運び、国土交通省の証明を得るための試験を始める計画だった。だが、新型コロナの影響で経由地の渡航が制限されるなどし、移送できていない。

 試験飛行をいったん延期し、商用化に向けたコストや技術課題を精査する狙いもある。三菱重工は20年度中に試験を始めることは難しいと判断。同年度の予算に米国で試験機を飛ばす経費を盛り込むことを見送った。今回の試験見送りを受け、国産旅客機開発の先行きがさらに不透明になりつつある。

 久しぶりにスペースジェット関連のニュースがありましたが、とても残念な内容でした。これで年内、名古屋空港に行く気力すら失せました。しかし、この記事、若干引っかかる点があります。確か北米での飛行試験を凍結し、今後は名古屋空港で飛行試験するんじゃなかったでしたっけ?




★7月13日、JQ7002が出てきた

  

2020年7月13日、JQ7002(飛行試験11号機)が三菱エプロンに出てきたようです。

 2020年7月13日、JQ7002(飛行試験11号機)が三菱エプロンに出てきたようです。アルティアさんがツイートしてくれたのですが、ほかに誰もツイートしていないのはなぜ?

 これだけしか情報がないので、何を書いても推測になるのですが、このあとすぐにハンガーに戻されてしまったのではないかと思っています。

 だとしたら、何のために三菱エプロンに引っ張り出されたのでしょうね?だって、今日はこのあと天気が悪くなることがわかっていたのですから。




★開発7年遅延の三菱スペースジェット、絶望の先には、米国市場独占の可能性も

  

ビジネスジャーナル「開発7年遅延の三菱スペースジェット(旧MRJ)、絶望の先には、米国市場独占の可能性も」

 ビジネスジャーナルが、「開発7年遅延の三菱スペースジェット(旧MRJ)、絶望の先には、米国市場独占の可能性も」という記事を掲載。コロナ危機はスペースジェットにピンチをもたらした一方で、実は将来的に大きなチャンスをもたらす可能性がある。

 全世界のリージョナル・ジェットの航空機需要の約7割が、北米の需要である。スコープ・クローズは、大手航空のパイロット組合が、委託運航するリージョナル・ジェットの大型化が自分たちの職域を侵すと考えたためにつくられた。コロナ危機によって米国大手航空会社の人員整理がパイロットに及ぶのは必至であり、スコープ・クローズが緩和される可能性は遠のいた。

 スペースジェットのライバルであるエンブラエルの新型機E175-E2は、この協定の重量制限を大幅に超えており、米国市場には適合しない。従ってこの協定が現状のまま続く限り、使用可能性のある新型機材としてはM100しかない。競合するエンブラエルの旧型機E170やE175は、燃費性能も大きく劣り魅力は薄い。もしM100が完成すれば、米国という最大の市場を席捲できる可能性を秘めているといっても過言ではない。

 エンブラエルはボーイングと「ボーイング・ブラジル-コマーシャル」という名称の商用機部門の合弁会社を設立する予定であった。これが実現すれば、エンブラエルのリージョナル・ジェットが強大なボ−イングの販売網に乗ることになり、大きな競争力を得て、三菱にとっての脅威になると見られていた。

 ところが、折からのコロナ危機によりボーイングが自らの存続のための資金確保を優先せざるを得なくなり、結果としてこの新会社への42億ドルの出資計画を撤回してしまった。合弁が破談となったエンブラエルは新たなパートナーを模索中であるが、いまだ展望がみえていない。コロナ危機が三菱のライバルの勢いを削いだ格好だ。

 M90の確定発注機数の167機には米国スカイウエストの100機も含まれるが、前述の通りM90は米国では飛行できないため、実態は67機にしかすぎない。このままでは、戦後初の国産航空機YS11の生産数の182機にも遠くおよばない。つまり、ANAやJALを中心に日本で100機程度しか運航しないガラパゴス・ジェットとなりかねない。

 三菱がなすべきことは、コロナ危機下の航空業界を模様眺めしているのではなく、とにかくM90の型式証明を1日も早く取得することだ。そして、米国スカイウエストからM100への切り換え製造の要請を取り付け、可能な限り早くM100をローンチすることである。ピンチは、チャンスである。

 全くそのとおりです。




★コロナ苦境「スペースジェット」開発トップ刷新の意味

  

毎日新聞経済プレミア編集部の「コロナ苦境「スペースジェット」開発トップ刷新の意味」がYahoo!ヘッドラインに載りました。

財経新聞「三菱スペースジェット納入問題! (3) 開発の遅れと今後のペースダウンに整合性はあるのか」

財経新聞「三菱スペースジェット納入問題! (4) 航空会社の経営が逼迫している!」

 毎日新聞経済プレミア編集部が6月28日掲載した「コロナ苦境「スペースジェット」開発トップ刷新の意味」が、Yahoo!ヘッドラインに載りました。

 これは言わずと知れたベラミー氏の実質クビに関する記事なのですが、結局のところ超エリート集団を自負する三菱重工から出向している三菱航空機の社員が、いくら海外で実績があるとはいえ、次々とヘッドハンティングして自分たちの何倍もの報酬を受け取っていることが気に食わなかったのでしょうか。

 それでも結果を残せば違ったのかもしれませんが、結局コロナがなかったとしても6度目の納期延期は避けられなかったのですから、総責任者であるベラミー氏が更迭されたのはうなずけます。

 財経新聞が「三菱スペースジェット納入問題! (3) 開発の遅れと今後のペースダウンに整合性はあるのか」、「三菱スペースジェット納入問題! (4) 航空会社の経営が逼迫している!」の2つの記事を掲載したのでリンクしておきます。




★三菱スペースジェット、未完のまま撤退の可能性も

  

ビジネスジャーナル「三菱スペースジェット(旧MRJ)、未完のまま撤退の可能性も…開発の指揮系統が混乱」

Aviation Wire「三菱航空機、過去最大5269億円の最終赤字 再び債務超過 20年3月期」

財経新聞「三菱・スペースジェット、開発の行方は (3) サプライチェーン構築と維持」

あおちぃさんが飛行試験機一覧を作ってくれました。

 ビジネスジャーナルが、「三菱スペースジェット(旧MRJ)、未完のまま撤退の可能性も…開発の指揮系統が混乱」という記事を掲載。一部を抜き出すと以下のとおり。

 三菱重工業は6月26日、東京都内で株主総会を開いた。スペースジェットの開発方針をめぐり、工場側と本社に溝が拡大。18年、宮永俊一会長(当時は社長)がベラミー氏をトップに据える体制に変えたが、わずか2年で、再度修正を迫られた。

 ベラミー氏ら外国人主体の推進部隊とは別に、19年に社長に就任した泉澤氏を中心とした航空機の事業部が発言力を増し、指揮系統が2つになった。意思疎通がうまくいかず、これが開発の遅れの一因となった。株主からスペースジェットの開発遅延の理由を問う声が上がり、担当役員は「国産初のジェット旅客機なので経験不足は否めない」と釈明した。

 三菱航空機について、米ボーイングの傘下入りを提案する株主もいたが、担当役員は「あらゆる生き残り策を考えている」と述べるにとどめた。国産初のジェット旅客事業の継続には暗雲が漂っていることを見せつけた総会だった。泉澤社長の賛成率は96.59%。スペースジェットの幕引きをはかる可能性もあると指摘されている。

 内容はこんなところで、いつかどこかのメディアが「撤退(の可能性)」というタイトル記事を書くと思っていましたが、それがビジネスジャーナルだったということになります。何の根拠もないのに、よくこんなタイトル付けるものだと感心しました。

 Aviation Wireが「三菱航空機、過去最大5269億円の最終赤字 再び債務超過 20年3月期」、財経新聞が「三菱・スペースジェット、開発の行方は (3) サプライチェーン構築と維持」を掲載したのでリンクしておきます。

 また、あおちぃさんが飛行試験機一覧を作成してツイートしてくれました。見やすくていいですね。ただ、M100はMRJ70と全長が異なるので、もし、M100の開発が再開されたとして、元MRJ70用の10008と10009をM100用に転用するかどうかは微妙です。




★三菱航空機、赤字5千億円超

  

Yahoo!ニュース「三菱航空機、赤字5千億円超」

NHKニュース「三菱航空機 債務超過4646億円 スペースジェット開発コスト影響」

財経新聞「三菱・スペースジェット、開発の行方は (2) Y-X計画とボーイングの圧力」

財経新聞「三菱・スペースジェット、開発の行方は (1) YS-11から続くアメリカ利権との格闘」

 三菱航空機が1日開示した2020年3月期決算は、前期の最終損益は5269億円の赤字(前の期は23億円の黒字)で、同社として過去最大。納期延期が6度続くなど開発が遅れる中、これまでの開発費に伴う損失を計上。負債が資産を上回り、債務超過額は4646億円になった。

 1日の官報に決算公告が掲載され、最終赤字と債務超過はともに2年ぶり。航空需要減少や業績悪化を受け、三菱重工は5月、21年3月期のスペースジェットの開発費を前期比半分以下の約600億円とする方針を表明した。

 報道機関によって、表現の違いはあるものの、どの記事も2年ぶりの債務超過という内容。これは昨年度は親会社である三菱重工が債務を引き受けただけで、昨日や今日始まったことではありません。1機も製品がないんですから、赤字に決まってますよね。ただ、どうしたら1年でそれだけお金かかったのか、内訳が知りたいです。

 財形新聞の記事はサラリと目を通しておく程度に留めておいて、日本紙飛行機協会の「MRJペーパーグラインダー」に注文しました。今頃「MRJ」と、旧名称を堂々を使っているのも何ですし、「この時期かよ」ってくらい、タイミング悪しですよね。




★カレンダーは今日から7月 三菱航空機の新体制スタート

  

カレンダーは今日から7月。早いもので、もう今年も半分終わってしまいました。

財経新聞「三菱・スペースジェット、開発の行方は (1) YS-11から続くアメリカ利権との格闘」

 カレンダーは今日から7月。7月1日といえば、三菱航空機が新体制に移行し、開発責任者に日本人のエース技術者「川口泰彦氏」が就任する日。トップが替わったくらいで、すぐにスペースジェット事業が軌道に乗るとは思えませんが、まずは旧MRJ90であるスペースジェットM90の型式証明を取得してほしいですね。できることならもう一度、三菱リージョナルジェット「MRJ」に戻してほしいです。

 財経新聞の「三菱・スペースジェット、開発の行方は (1) YS-11から続くアメリカ利権との格闘」は、今まで何度となく比較されてきた国産初の旅客機YS-11開発秘話。著者のことがよくわかりませんが、YS-11の関係者のようですね。スペースジェットもそろそろ、YS-11と比較さるのを卒業してほしいです。




★三菱航空機・開発トップのベラミー氏、かなわなかった意思疎通

  

日経ビジネス「三菱航空機・開発トップのベラミー氏、かなわなかった意思疎通」

日本経済新聞「新型コロナ三菱重工の国産ジェット、エース投入も人員半減」

 日経ビジネスと日本経済新聞が30日、揃って三菱スペースジェット関連記事を掲載。日経ビジネスは「三菱航空機・開発トップのベラミー氏、かなわなかった意思疎通」。

 記事を要約すると、で、「スペースジェット」の開発責任者を務めていたアレクサンダー・ベラミー氏(40)が6月30日、ひっそりと会社を去った。M100は事実上の開発凍結となり、計画を率いていたベラミー氏はお役御免となった。

 組織面での混乱は、19年4月に宮永氏が三菱重工の会長となり、泉澤清次社長が就任したことに遠因があった。ベラミー氏が宮永氏を頼ったことで、泉澤氏のラインへの情報伝達がスムーズにいかない問題が発生したのだ。宮永氏は泉澤氏との連携を密にしたが、結果的に、ベラミー氏を中心とするエキスパートが「新たな縦割り組織」となってしまった。

 スペースジェットの予算は600億円と前期から半減。「型式証明だけなら日本人だけで十分」とある関係者は話す。そして「ベラミー氏と協議し、合意の上での退任となった」。ただ、事情に詳しい複数の関係者は「ベラミー氏は事実上のクビ」と指摘する。「ベラミー氏はもともと飛行試験の担当にすぎず、エキスパートも大したことはなかった」。信頼関係の構築が及ばず、そんな声が社内に広がっていた。

 やはり、三菱重工というガリバー企業には大企業病が蔓延っているようです。そして、日本経済新聞は「新型コロナ三菱重工の国産ジェット、エース投入も人員半減」。

 三菱重工が進める「スペースジェット」の開発が7月1日、新体制に移る。これまでの外国人主体の開発をやめ、日本人のエース技術者を登用して商用化に向けた追い込みを急ぐ。ただ開発人員が半減するなど、日の丸ジェットのフライト実現に向けた環境は厳しいまま。

 川口氏は三菱重工の航空畑でエースが担当するとされる戦闘機の技術者出身だ。これまで35年に渡って航空機の開発に携わっており、防衛省や国交省との人脈も深い。日米共同開発のF2支援戦闘機やF15戦闘機の近代化改修などに関わった。

 旅客機のシステム設計は戦闘機に比べても複雑とされ、今後の型式証明の取得でもこうしたノウハウが欠かせないという。戦闘機の開発をしながら自ら旅客機のプロジェクトにも手を上げていた。16年に三菱航空機に移った後も米国の試験飛行拠点の副センター長として、型式証明を取得するための試験を現場で指揮してきた。

 こちらの記事は、7月1日からベラミー氏に代わって指揮をすることになる「川口泰彦氏(58)」を特集。オールジャパンに戻すことで、社内の意思疎通をよくするといった内容ですが、果たしてそうカンタンに改善するものでしょうか。




★27日早朝、11号機がJQ7002に変更されて塗装工場から空港内へ

  

27日早朝、JQ7002になった11号機が、塗装工場から空港内制限エリアへ。

たまちょすキーさん、どうやってここから撮影したのでしょうか?

塗装工場から一気に2度道路を横切っての移動が確認されたのはこれが初では?

普通の人から見たら、そういう感覚でしょうね。

確かに11号機が2号機になったと言えます。

 6月27日(土)早朝、先日最終組立工場から塗装工場への移動が目撃されていたJA27MJだった機体が、垂直尾翼のMRJ90を剥がして、機体レジをJQ7002に変更されて出てきました。その後、空港アクセス道路を横切り、最終組立工場の敷地へ移動し、その後今度は空港内道路を横切って、制限エリア内へ移動しました。

 これで最終組立工場内には完成した旧MRJ試験機は1機もなくなり、おそらく三菱重工名古屋航空システム製作所内にある旧MRJハンガーに移動したものと思われます。旧MRJハンガー内には、飛べない5号機と10号機、それに7号機と11号機の4機が収まっているものと推測され、今後これら4機がどうなるのか気になるところ。

 10号機の飛行試験再開は?5号機は飛ばないままのか?そしてJQレジに変更された7号機と11号機は?秘密主義の三菱重工が、発表するはずもないですね。




★国産旅客機「計画見直す」と陳謝 三菱重工、株主総会で

  

共同通信「国産旅客機「計画見直す」と陳謝 三菱重工、株主総会で」

時事ドットコム「スペースジェットの遅れ陳謝 株主総会で三菱重工社長」

 三菱重工は26日、東京都内で定時株主総会を開いた。泉沢清次社長は小型旅客機スペースジェット(旧MRJ)の開発が遅れていることを陳謝。新型コロナウイルスの感染拡大で航空業界が甚大な影響を受けているとして「開発スケジュールを見直している」と説明した。

 株主からはスペースジェットの開発遅延の理由を問う声があり、担当役員が国産初のジェット旅客機で「経験不足は否めない」と釈明した。子会社で開発主体の三菱航空機について、米ボーイングの傘下入りを提案する株主もいたが、担当役員は「あらゆる生き残り策を考えている」と述べるにとどめた。

 三菱重工の定時株主総会で、泉沢清次社長がスペースジェットの開発遅れを陳謝したそうですが、相変わらず明確な開発ビジョンは見えてこないです。そんな中で三菱航空機のボーイング傘下入りを提案した株主って何者でしょう。この提案の意図するところも見えませんけどね。




★日・EUが航空協定に署名 「スペースジェット」輸出時の安全証明が簡素化

  

毎日新聞「日・EUが航空協定に署名 『スペースジェット』輸出時の安全証明が簡素化」

 毎日新聞が「日・EUが航空協定に署名 『スペースジェット』輸出時の安全証明が簡素化」という記事を掲載。

 政府は23日、日本・欧州連合(EU)の航空当局が新たに開発された航空機や航空機部品の安全性を証明(型式証明)した場合に輸出相手国の証明を免除する「日EU航空安全協定」に署名したと発表した。署名は22日付。

 日本で開発した航空機を欧州の航空会社が購入する場合、現状では日本と相手国で二重に数百項目に及ぶ安全審査の型式証明を取る必要があるが、協定で相手国での証明は不要になる。日本は国産初のジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)の輸出を後押しする狙いがあったが、新型コロナウイルス感染拡大による航空需要減で開発は遅れている。

 この航空協定署名ニュースも数年前にすでに合意と報じられた内容なので、ようやく日本とEUで署名したとも言えます。国際間での話なので、利害関係が衝突することもあるでしょうから、これだけの期間を要したということなのでしょう。




★部品メーカー「本当はやりたくない」の本音/三菱重工は投資余力があるのになぜ?

  

ニュースイッチ「三菱スペースジェット開発縮小、部品メーカー「量産はやりたくない」の本音」

ニュースイッチ「『MSJ』開発費・人員ともに半減、三菱重工は投資余力があるのになぜ?」

 ニュースイッチが2日連続で三菱スペースジェット関連記事を掲載。20日は「三菱スペースジェット開発縮小、部品メーカー「量産はやりたくない」の本音」、そして19日は「『MSJ』開発費・人員ともに半減、三菱重工は投資余力があるのになぜ?」。

 部品メーカーの悲哀については以前からしばしば記事になっていて、工場作ったのに発注が来ないとか、部品単価の値引きを迫られたなど、決してうれしくない状況であることは間違いありません。どの部品メーカーも、ほかの産業からの受注で、何とか食いつないでいるのが現状のようですから。

 19日の記事については、もうあちこちのニュースで報じられていることで、スペースジェットの早期受領を求めていた航空会社も、航空需要がコロナで吹っ飛び、調達を急ぐ必要がなくなった。量産が始まれば契約した分は購入する義務がある。今後の業績悪化が明白な中、キャンセル料さえ避けたいのが本音。ただし、こうなったのも結局は、開発遅れが背景にあるとも言えます。




★6月19日深夜、11号機と思われる機体の目撃情報

  

6月19日深夜、最終組立工場から塗装工場への目撃情報。11号機と思われます。

Aki-001さんは「JA11MJ?」とコメントされていますが、果たしてこの機体のレジはどうなるのでしょう?

日本経済新聞掲載資料で再びおさらい。

 6月19日深夜、最終組立工場から塗装工場への目撃情報がありました。この機体ですが、製造していたMRJ90は残すところあと1機で、11号機と呼ばれている機体であることは明らか。塗装工場へ向かった目的は垂直尾翼のMRJ90ロゴを消して、仮レジをペイントするためでしょうか。

 Aki-001さんは自身のツイッターで、「JA11MJ?」とコメントされていますが、ちょっと前に一度「JA27MJ」とペイントされていた飛行試験7号機が「JQ7001」にリペイントされてしまったことを踏まえると、この機体も「JQ7002」になる可能性も捨てきれません。

 これで三菱重工が最終組立工場内で製造していた設計変更に対応した機体3機が姿を見せたことになるので、今後は10号機(JA26MJ)の飛行試験再開、JQ7001(旧JA27MJ)と今回の機体の3機の動向に注目することになります。




★渡邊光太郎著「三菱スペースジェットが勝てるこれだけの理由」

  

JBpress(Japan Business Press)「三菱スペースジェットが勝てるこれだけの理由 今やライバルは1社、生き残れば市場独占の可能性も」

著者である「渡邊光太郎氏」がご自身のツイッターでリツイート。ただし、リツイートは1度だけにされたほうがいいと思います。

 JBpress(Japan Business Press)が、「三菱スペースジェットが勝てるこれだけの理由 今やライバルは1社、生き残れば市場独占の可能性も」という記事を掲載。著者は「渡邊光太郎さん」という方で、先日の「コロナに負けず踏ん張れ、三菱スペースジェット 三菱の苦境、実は苦労したホンダ世界一の実態」に続く三菱スペースジェットの記事第2弾。

 今回の記事もなかなか読みごたえがあり、内容もよく研究されていると思います。特にM100を市場に出せば、北米を独占できる可能性があることは、紛れもない事実。親会社の三菱重工もそれは十分わかっているはずなので、会社の経営状態を改善し、社内の「アンチ三菱スペースジェット派」を黙らせることができれば、10年後20年後の北米の空は、三菱スペースジェットM100が凌駕しているかもしれません。

 これは記事本文とは関係ありませんが、渡邊光太郎さん、JBpressのツイートをご自身のツイッターでリツイートするのはいいですが、何回もリツイートするのはいかがなものかと思います。せっかくのすばらしいコメントがバラバラになってしまうので、リツイートは1度だけにして、あとは「返信をツイート」されると、コメントがバラバラにならずに読みやすくなりますよ。




★中日新聞「しぼむ期待、SJ苦境 開発体制縮小へ」

  

中日新聞「しぼむ期待、SJ苦境 開発体制縮小へ」

Aviation Wire「三菱航空機、海外拠点縮小も「スペースジェット」変えず 7月新体制、川口氏がチーフエンジニア昇格」

 中日新聞6月16日朝刊に、「しぼむ期待、SJ苦境 開発体制縮小へ」という記事が掲載されました。中日新聞購読者はすでに読んでいることと思いますが、エリア外などの理由で記事に目を通すことができない人のために、要点をまとめておきます。

 国産ジェット旅客機「スペースジェット(SJ、旧MRJ)」を開発中の三菱航空機が開発体制を縮小する。たび重なる開発の遅れに、新型コロナウイルスの影響による親会社・三菱重工の業績悪化などが追い打ちをかけた格好。これまで海外から技術者を集めるなど投資を拡大してきたが、今後は最低限の規模を維持する戦略に転じざるを得なくなった。

 「信頼を回復するためにはわれわれが成果を出すしかない。学んだことを生かして前に進む」。昨年末、名古屋市内で開いた会見でアレクサンダー・ベラミー最高開発責任者はこう話し、SJ開発の進展に手応えを見せていた。しかし、わずか半年で状況は一転。6月末で退任することとなった。

 MRJは事業化した当初は国産にこだわり、日本人のみで開発に挑んできた。だが、数年前からベラミー氏以外にも外国人技術者を大量採用。旅客機開発や商用化に必要な型式証明(TC)取得の技能を得るため、海外の航空機メーカーでの経験が豊富な外国人技術者の知見を活用する狙いだった。結果的に人件費は高騰し、研究開発費の大半を外国人技術者の人件費が占める事態に陥った。

 三菱航空機は今後も開発を続ける意向を強く示しているものの、展望は描けずにいる。開発の最終段階に入っている90席級のM90に経営資源を集中する一方で、北米の主力機種として構想を描いた70席級のM100は計画を凍結したままだ。巨大市場とにらむ北米では、航空会社とパイロットの間の労使協定により地方路線でM90は運航できない。三菱航空機はM90を基に開発した小型で運航に制約のないM100を23年に市場投入することで受注につなげるはずだったが、開発がM90だけにとどまれば、事業としての成長は見込めない。

 航空業界に詳しい橋本安男桜美林大客員教授は「M100は北米を独占できる可能性のある機体だっただけに凍結するのは本当にもったいない」としながらも、三菱重工の判断を「これまでは鷹揚にお金を出してきたが、これ以上お金を出せない。最低限の開発を維持し、とりあえずM90を世に出し実績にしたいということだろう」とみている。




★三菱航空機が体制の大幅縮小と指揮系統の見直しを正式発表

  

三菱航空機「今後の運営方針及び役員人事のお知らせ」

日本経済新聞「三菱航空機、体制の大幅縮小を発表 指揮系統も見直し」

ロイター「三菱航空機が人員半減と拠点集約で体制縮小、開発責任者を刷新」

Flight Global「Mitsubishi Aircraft reiterates commitment to M90 certification(三菱航空機、M90認定への取り組みを改めて表明)」

 三菱航空機は15日、スペースジェットの開発体制を大幅に縮小すると正式発表した。そして、自社の公式ウェブサイトに、「今後の運営方針及び役員人事のお知らせ」というトピックを掲載。発表内容を要約すると以下のとおり。

 国内の1600人を含む、グループの従業員2000人を半分程度にするほか、設計や営業を行う欧米の拠点を閉鎖。従業員は今後、他の事業部門などに配置転換する。航空機の開発をとりまとめる運営体制も大きく見直す。最高開発責任者のアレックス・ベラミー氏が6月末で退任。米国で型式証明などの取得に必要な試験拠点の副所長を務める川口泰彦氏が7月1日付でチーフ・エンジニアに就く。

 ベラミー氏はカナダのボンバルディアの出身で、三菱航空機は開発強化にむけて18年以降、ベラミー氏をトップとする外国人主導の開発体制を敷いたが、わずか2年で修正を迫られた。背景にあるのは2つの指揮系統が並立し、意思疎通がスムーズにいかず、開発の遅れに影響してきたことを改善する。

 やはり、社内の2つの指揮系統が問題だったようです。それに高額で次々にハンティングしてきた外国人エンジニアたちも、おそらく期待していた戦力にならなかったのでしょう。名古屋空港ビル内でも、あちこちで仕事中に電話やスマホしている外国人エンジニアが目立っていましたからね。

 このニュースは海外でも即座に報道され、Flight Globalは「Mitsubishi Aircraft reiterates commitment to M90 certification(三菱航空機、M90認定への取り組みを改めて表明)」という記事を掲載。冒頭で三菱航空機は、SpaceJetリージョナルジェットプログラムの認証取得への取り組みを繰り返し、上級管理職を再編成しましたとコメント。日本のマスコミとはちょっと違った見方をしています。




★アレクサンダー・ベラミー氏退任、川口泰彦氏が7月1日付でチーフ・エンジニアに

  

共同通信「国産初のジェット、人員半減へ 海外拠点閉鎖、三菱航空機」

Why Did Mitsubishi Furlough the SpaceJet? (なぜ三菱はSpaceJetを休止したのですか?)

財経新聞「三菱スペースジェット納入問題! (1) 機体完成の見通しが立てられない」

財経新聞「三菱スペースジェット納入問題! (2) 型式証明を取っても、量産能力はあるのか」

 共同通信が「国産初のジェット、人員半減へ 海外拠点閉鎖、三菱航空機」という記事を掲載。三菱航空機が、業績の悪化に伴い進めている体制縮小の全容が12日、分かったという内容で、約2千人の従業員を半分以下に削減し、海外拠点は米西部ワシントン州の試験拠点1カ所を除いて全て閉鎖。開発責任者も刷新する。週明けにも新体制を公表する。

 ここまでは既知の情報ですが、最高開発責任者のアレクサンダー・ベラミー氏が退任し、米試験拠点で勤務経験がある川口泰彦氏が7月1日付でチーフ・エンジニアに就き、開発を主導する。ベラミー氏はカナダの競合ボンバルディアで勤務経験があり、2016年に入社。安全認証取得に向けた作業を推進していた。ついにベラミー氏が失脚したのですね。

 Why Did Mitsubishi Furlough the SpaceJet?(なぜ三菱はSpaceJetを休止したのですか?)1974年以来の日本初の民間航空機は、飛行試験が中止され、生産が停止されたため、つまずきを迎えました。AviationWeekの編集者が、その存続について、そしてこれがエンブラエルに利益をもたらすかどうかについて話し合います。英語のリスニングに自信のある方はぜひ聞いてみてください。

 財経新聞「三菱スペースジェット納入問題! (1) 機体完成の見通しが立てられない」。これも以前からよく話題になっている内容ですね。仮にボーイング737のコクピットを使っていたとしたら、じゃあ今のつまづきがなかったかというと、そんなたやすい問題ではないはず。まあ、外野がごちゃごちゃ言うのはカンタンということです。

 そして「三菱スペースジェット納入問題! (2) 型式証明を取っても、量産能力はあるのか」については、今後、部品供給会社との摩擦は発生するかもしれませんが、まずは量産を開始してからでいいのではないでしょうか。




★渡邊光太郎著「コロナに負けず踏ん張れ、三菱スペースジェット」

  

JBpress(Japan Business Press)「コロナに負けず踏ん張れ、三菱スペースジェット 三菱の苦境、実は苦労したホンダ世界一の実態」

著者である「渡邊光太郎氏」がご自身のツイッターでツイート。

そのとおりですね。

あとは三菱重工が財政面で耐えられるかでしょう。

2は賛同できますが、1は果たしてそうでしょうか?

投稿されたタイミングが悪すぎたのだと思います。

それはなによりです。

 JBpress(Japan Business Press)が、「コロナに負けず踏ん張れ、三菱スペースジェット 三菱の苦境、実は苦労したホンダ世界一の実態」という記事を掲載。著者は「渡邊光太郎さん」という方で、ご自身のツイッターで「産業の調査、研究をしています。航空産業、素材産業、自動車産業、ロシアの産業が専門です。重工→自動車→複合材→シンクタンク JBPress、月刊エアライン等に記事を書かせていただいています。航空宇宙ネタ、産業ネタ、ロシアネタをつぶやきます」と自己紹介。

 記事はなかなか読みごたえがあり、内容もよく研究されていると思います。ホンダジェットとの比較も、バランスが取れていていいのではないでしょうか。三菱スペースジェットが大空に羽ばたくことができるかどうかは、一筋縄ではいかない「三菱重工」というガリバー企業の財力にかかっているのではないかと思いますね。




★残るライバルは1社だけ、開発費半減の三菱スペースジェットは飛べるのか

  

日経クロステック「残るライバルは1社だけ、開発費半減の三菱スペースジェットは飛べるのか」

Aerobuzz「Mitsubishi Aircraft rapatrie SpaceJet en quarantaine au Japon(三菱航空機がSpaceJetを日本に隔離するために帰還)」

 日経クロステックが「残るライバルは1社だけ、開発費半減の三菱スペースジェットは飛べるのか」という記事を掲載。

 記事は冒頭で三菱重工が新型コロナの影響で開発費を半減したこと、エアライン各社の業績悪化が機体販売を直撃するのは明らかで、三菱重工も他事業の収益も大きく悪化しており、スペースジェットへの投資削減はやむを得ない状況で始まっている・・・。残念ながら記事の2ページ目以降は有料記事なので、ここまでしか読むことはできませんでした。

 もう1つ、Aerobuzzが「Mitsubishi Aircraft rapatrie SpaceJet en quarantaine au Japon(三菱航空機がSpaceJetを日本に隔離するために帰還)」という記事を掲載。翻訳してみると、三菱重工は2020年5月22日、北米の航空事業の3分の2を閉鎖する意向を発表した。1週間前、日本の航空機メーカーが2020年6月1日にボンバルディアのCRJ部門を買収する間、M100の開発は中断されたで始まっていますので、ほかの多くの記事とほぼ同じ内容。

 そして、スペースジェットは結果を封印する。北米の戦略的選択。ボンバルディアの戦略的選択。MHI RJ Aviation Groupが誕生。SpaceJetの将来は?と続いていますので、興味のある方は翻訳して閲覧してください。ただし、新しい情報は見当たりません。




★三菱、SpaceJetを日本へ帰還  

  

Aerospatium「Mitsubishi rapatrie le SpaceJet au Japon(三菱、SpaceJetを日本へ帰還)」

Flight Global「Mitsubishi closes CRJ acquisition despite SpaceJet uncertainty(SpaceJetの不確実性にもかかわらず三菱はCRJの買収を終了)」

毎日新聞「経済プレミア」「苦境の『三菱スペースジェット』コロナ禍で“冬眠”へ MRJが世界を飛ぶ日」

 Aerospatiumが「Mitsubishi rapatrie le SpaceJet au Japon(三菱、SpaceJetを日本へ帰還)」という記事を掲載。航空輸送危機の結果、三菱はSpaceJetプログラムでの作業を日本に送還し、1年間の予算を削減することで、その危険を減らすことにした。

 多くのアナリストが、パンデミック後の将来は単一の通路と地域のルートにあると信じていても、この市場も衰退している。エアバスがA220に記録したキャンセルと、ボーイングがエンブラエルとのブラジルでの提携からの撤退を目撃する。SpaceJetで10年以上この市場に参入しようとしている三菱航空機の場合、空が晴れるまで不要なリスクを負わないことをお勧めする。

 もう1つ、Flight Global「Mitsubishi closes CRJ acquisition despite SpaceJet uncertainty(SpaceJetの不確実性にもかかわらず三菱はCRJの買収を終了)」。三菱重工はボンバルディアからCRJプログラムを取得し、リージョナルジェットのサービスとサポートに焦点を当てた新しい事業体グループを形成した。

 日本の三菱重工は、最近、三菱航空機のSpaceJetプログラムの年間予算を半減させたにもかかわらず、5億5000万ドルの購入を完了した。これは、CRJ契約が成立するかどうかについて疑問を投げかけた。

 Aerospatiumはフランス語なので、カナダのサイトではないかと思います。ここで「日本へ帰還」と記載されていますが、これは機体を日本へ戻すという意味ではないと思われます。

 Flight Globalの内容は、世界中でスペースジェットを応援する人たちが、おそらく同じ疑問を持っているでしょう。しばらくは静観するしかありません。

 毎日新聞「経済プレミア」「苦境の『三菱スペースジェット』コロナ禍で“冬眠”へ MRJが世界を飛ぶ日」は、経済プレミア編集部・平野記者によるシリーズ記事。有料記事なので後半が読めませんが、コロナ禍によるスペースジェットの開発予算半減について、「冬眠」という表現でまとめられています。




★スペースジェットの三菱のオプション

  

リーマンニュースのスコット・ハミルトン「Mitsubishi’s options for the SpaceJet(スペースジェットの三菱のオプション)」

「Mitsubishi'nin yeni uçağı SpaceJet'in geleceği tehlikede. (三菱の新しい航空機、スペースジェットの未来は危機に瀕しています)」。ツイートの内容よりも、ANAカラーの3号機写真が懐かしくてリンクしました。

 リーマンニュースのスコット・ハミルトンが6月2日、「Mitsubishi’s options for the SpaceJet(スペースジェットの三菱のオプション)」という記事を投稿。以下はその翻訳。

 三菱重工は昨日、ボンバルディアCRJプログラムの買収を完了した。受注残のCRJが15件あるが、買収の目的はMHIにSpaceJetのグローバルな製品サポートシステムを提供することであった。

 三菱重工は先月、SpaceJet M100の開発を無期限に中止すると発表した。三菱重工はM100の市場需要を再評価するとしている。SpaceJet M90の飛行試験は中止された。TCのためにM90のオフィスは「検証」を進めると述べている。 SpaceJetプログラム専用の米国とカナダの施設は閉鎖されている。日本の名古屋にあるSpaceJetに専念する労働力の約半分が削減されている。

 495機のM100のMOUに署名し、約200機のMRJ90(M90の以前のブランド)を確約注文している顧客は、不安定な状況にある。サプライヤは不安定な状況にある。三菱重工が彼らとコミュニケーションをとることができなかったため、大量の質問が残り、回答がなかった。

 三菱重工の動きは、エンブラエルがリージョナルジェットスペースを独占する方法を明らかにする。ただし、MHIが独自にSpaceJetプログラムを再開する場合、または別の会社と提携して新しい旅客機の開発に取り組む場合を除く。

 リーマンニュースは、ボーイングとエンブラエルのジョイントベンチャーが崩壊したときに、これによりMHIとボーイングがMRJプログラムの以前の関係を更新および拡大する機会がもたらされたと述べた。三菱重工が直面している可能性をいくつか紹介する。

概要
1.SpaceJetを完全に終了する。
2.SpaceJetを再起動する。
3.ボーイングがMRJプログラムをサポートする契約を復活させ、それをSpaceJetに更新する。
4.以前の契約を復活させて拡大し、開発SpaceJetとボーイングによる共同マーケティングを強化する。
5.MHIとボーイングの間の数十年にわたる関係を大幅に拡大および強化する、まったく新しい協力協定を作成。リーマンニュースはこれをSpaceJetと737 MAXに代わるまったく新しい航空機のファミリーを含むと見ている。
6.拡張された幅広い合意には、新しい「NMA Lite」の開発も含まれる可能性がある。
7.最後に、エンブラエルコマーシャルアビエーションでJVを購入または作成する。

 私は経済に強くないので、あくまでも飛行機ファンとしての見解になりますが、新型コロナによって苦しいのは三菱重工だけでなく、ボーイングもエンブラエルも同じこと。

 このうち、ボーイングは737MAX関連でも相当なダメージを負っているので、エンブラエルとの合弁を解消したあとに、三菱と組むことは考えにくいし、メリットが見当たらない。

 残るエンブラエルについて、ボンバルディアがそうであったように、新型機を開発するだけの体力がないとしたら、エンブラエルと組むというのは、双方にとってまんざらでもない気がします。




★MHIRJスタート、Flightradar24でもCRJがMitsubishiに

  

6月1日からCRJの航空機タイプがMitsubishi CRJという表記になり、CRJ700を日本国内で使用しているアイベックスのフライトで確認することができました。

カウントダウンを続けていたMHIRJのウェブサイトが・・・

日本時間の午後9時過ぎについに0になり・・・

新会社MHIRJのウェブサイトがスタート。

運命って残酷ですね。スペースジェット量産引き渡しがさらに遅れるというのに・・・。

MHI RJ Aviation ULC「Join us as we start the opening chapter of the MHIRJ story(MHIRJストーリーのオープニングチャプターを始めたら、ぜひご参加ください)」

Aviation Wire「三菱重工、CRJ新会社「MHIRJ」発足 ボンバルディアから買収完了」

Mitsubishi struggles to realize its jet globalization plans - Nikkei Asian Review(三菱はジェットのグローバリゼーション計画の実現に苦労している-日経アジアレビュー)

Asian Aviationのツイート「Mitsubishi struggles to realize its jet globalization plans Financial woes hit SpaceJet program while low demand hits Bombardier deal(三菱はジェットのローバリゼーション計画の実現に苦労している 需要の低さがボンバルディアとの契約に影響を与える一方で、財政難がSpaceJetプログラムに影響を与える)」

 6月1日にボンバルディアからCRJ部門を買収した新会社MHIRJが発足し、日本時間の午後9時過ぎにMHIRJのウェブサイトがスタート。Flightradar24でもCRJの航空機タイプがMitsubishiに変更になりました。

 日経アジアレビューが「Mitsubishi struggles to realize its jet globalization plans(三菱はジェットのグローバリゼーション計画の実現に苦労している)」という記事を掲載。

 東京-三菱重工は、航空業界の激変の際に自社の商用ジェットプログラムを軌道に乗せる日本企業の能力に疑問が高まる中、月曜日にカナダのボンバルディアの商用ジェット事業を統合することにより、航空の野望におけるマイルストーンをマークする。

 三菱重工がボンバルディアのサービスセンターのグローバルネットワークを5億5000万ドルで購入したのは、航空機整備事業の足がかりを確保し、自社開発の次世代の地域航空機の三菱スペースジェットファミリーに12年間メンテナンスプラットフォームを提供するためであった。しかし、コロナウイルス危機の短期的な課題がその財政に重くのしかかっているため、大幅に遅れたプログラムに資金を提供するMHIの能力は新たな精査の下にある。

                         中略

 ボーイングのコアサプライヤーでもあるMHIは、少なくとも長期的にはSpaceJetプログラムに引き続き取り組んでいると語っている。同プログラムを監督している名古屋を拠点とする三菱航空機の広報担当者は、「統合するにあたり、開発したコアコンピテンシーを維持しながら、冗長性を削減することを望んでいる」と語った。

 ボンバルディアの買収は完全に帳消しにされる必要があるということは、MHIの財政的課題を強調している。世界の26,000のジェット旅客機の60%がパンデミック時に着陸しているため、新しい航空機やメンテナンスサービスの需要はほとんどない。つまり、整備の必要はない。ボンバルディアの世界中のサービスセンターのネットワークは、130人のオペレーターが飛行する1,250機のジェット機を修理し、維持している。

 航空分析会社のCiriumのデータによると、世界の旅客機のトラフィックは4月1日以降、前年同期比で約80%減少している。

 6月1日にボンバルディアから買収したCRJ部門をMHIRJとして組織化した三菱重工。肝心のスペースジェットの開発を凍結なんてことになったら、それこそCRJ部門を買収した意味もないです。




★カレンダーは今日から6月

  

カレンダーが6月になりました。スペースジェットカレンダーの6月は3号機のクライミング写真。

現時点でFlightradar24に残っている1号機(JA21MJ)の飛行ログ

2号機(JA22MJ)

3号機(JA23MJ)

4号機(JA24MJ)

10号機(JA26MJ)

Flight Global「SpaceJet waiting game plays on at Mitsubishi(スペースジェット待機ゲームで三菱がプレイ)」

Jon Ostrowerさん「Mitsubishi made 963 individual changes - big and small - to its regional jet design. The cockpit has transformed for the model it is now trying to certify.(三菱は、リージョナルジェットの設計に大小を問わず963個の個別の変更を加えました。 コックピットは、現在認証しようとしているモデルに合わせて変わりました)」

 カレンダーが6月になりました。スペースジェットカレンダーの6月は3号機のクライミング写真もしくはCGによる合成。これが朝日なのか夕日なのかわかりませんが、薄っすらと赤っぽい太陽光線を受けているのがきれいです。ただ、6月に限ったことではありませんが、今年のスペースジェットカレンダーには親近感が湧きません。それどころか、だんだんと遠い存在になっていくようにすら感じます。

 海外では三菱重工と三菱航空機はモーゼスレイクでのTCフライトは当面行われないという流れの認識のようなので、日本の10号機を含め、5機の飛行試験機のFlightradar24の飛行ログをペッタンしておきます。私はシルバー会員なので、そろそろ古いログが表示されなくなるかもしれません。それにしても1号機が5月に5度飛んだのは、いったい何だったのでしょう?

 Flight Globalが「SpaceJet waiting game plays on at Mitsubishi(スペースジェット待機ゲームで三菱がプレイ)」というフライト国際意見記事を掲載。全文は登録しないと読めないので省略しますが、冒頭で「日本のことわざによると、真の忍耐は耐え難いものを受け入れること。そのため、三菱航空機の親会社である三菱重工がその気質を確実に発揮したと言える」という記述。これは「成らぬ堪忍するが堪忍」のことだと思いますが、日本語のことわざを英訳するのって難しいですね。

 それともう1つ、サキノさんからThe Air CurrentのJon Ostrowerさんによる「Mitsubishi made 963 individual changes - big and small - to its regional jet design. The cockpit has transformed for the model it is now trying to certify.(三菱は、リージョナルジェットの設計に大小を問わず963個の個別の変更を加えました。コックピットは、現在認証しようとしているモデルに合わせて変わりました)」というツイートを教えていただきました。

 今まで公開されていたコクピット写真の多くは、エアショーで機内公開された3号機のものでしたので、こうしてMRJとスペースジェットを比較してあるものを見たのは初めて。これほどの変更を施す必要があったということにも驚いています。




★三菱スペースジェット‐今日私たちが知っているように‐死んでいます...

  

FliegerFaust「三菱スペースジェット‐今日私たちが知っているように‐死んでいます...」とツイート。

The Air Currentの元記事「The Mitsubishi's SpaceJet — as we know it today — is dead」

財形新聞「三菱スペースジェット開発中止か 三菱航空機の人員削減でしぼむ期待」

Woodys Aeroimagesさんのツイート「今日、米国を拠点とするMRJ/SpaceJet航空機の4つすべて。写真撮影のために格納庫から出されました」

 FliegerFaustがThe Air Currentの「The Mitsubishi's SpaceJet — as we know it today — is dead」 (三菱スペースジェット‐今日私たちが知っているように‐死んでいます...)」を引用した記事を掲載。一部を翻訳してみると以下のような内容でした。

 三菱重工の北米における日系企業の新たな市場開拓の意向は撤回された。その目的である次世代のリージョナルジェットの作成は、無期限に保留されている。

 三菱航空機または三菱重工の民間航空機ユニットであるMITACは、北米とヨーロッパでの事業を閉鎖する準備ができていると同社は先週金曜日に確認した。MITACの国際的な存在感を手放したことで、その親会社は航空機部門を再吸収し、既存のM90に無期限の一時停止を残した。

 海外の航空系情報サイトでは、三菱重工はスペースジェットの開発をやめ、北米から撤退する勢いの記事ばかり掲載していますが、まだ三菱重工からの正式発表はないし、日本国内で流れている情報では、北米で飛行試験を続けるため、モーゼスレイク・フライトテストセンターは規模を縮小するものの、今後も残すという内容になっています。どうして海外ではそのような情報になっているのでしょうか。

 財経新聞は「三菱スペースジェット開発中止か 三菱航空機の人員削減でしぼむ期待」という記事を掲載。特に目新しい情報はなく、こちらもタイトルにあるように「開発中止」になるのかという危惧を記事にしたもの。

 特に印象的なのが、記事の最後の部分。「このままでは、国産旅客機復活の夢が絶たれるかもしれない。日本は航空機産業もままならず、いったいどの産業で生きていくのであろうか?日本の翼の夢を絶たれたことは、飛行機マニアの関心事で終わることではない」。

 それと現地時間の5月28日、Isaac Alexanderさんがモーゼスレイクに行き、モーゼスレイク・フライトテストセンターからツイートしたのは、三菱航空機が何らかの撮影会を開催したもののようです。こういうときこそ、公式ツイッターアカウントがツイートすべきなんですけどね。




★Isaac Alexanderさんがモーゼスレイクへ「これらのMRJ/SpaceJetが休止状態に入るのを見て悲しい」

  

4機の三菱スペースジェットすべてが今日出ています。 JA21MJ JA22MJ JA23MJ JA24MJ 4機すべてが2020年の残りの間、格納庫に保管されます。

これらのMRJ/SpaceJetが休止状態に入るのを見て悲しい。

Isaac Alexanderさん、Goodbyeなんかじゃありませんよ。

TERAさんのツイート「2020-05-27 スペースジェット 次撮るチャンスはあるんだろうか…。」

日本経済新聞「新型コロナMSJの開発縮小、中小翻弄『進むほど負担・損失に』」

 Isaac Alexanderさんが現地時間の5月28日モーゼスレイクに行き、三菱航空機のモーゼスレイク・フライトテストセンターをリポート。「4機の三菱スペースジェットすべてが今日出ています。JA21MJ JA22MJ JA23MJ JA24MJ 4機すべてが2020年の残りの間、格納庫に保管されます。」「これらのMRJ/SpaceJetが休止状態に入るのを見て悲しい」。全く同感です。

 そしてTERAさんが「2020-05-27 スペースジェット 次撮るチャンスはあるんだろうか…。」と、5月27日の夜に行われた飛行試験7号機と思われる機体のトーイング写真をツイート。このツイートにも激しく同意します。この先のことが全く見通せないので、今後私たちがスペースジェットに遭遇できる回数は減ってしまうのでしょうか?10号機のテストフライトはいつ再開されるのでしょうか?

 日本経済新聞が、「新型コロナMSJの開発縮小、中小翻弄『進むほど負担・損失に』」という記事を掲載。三菱重工がスペースジェットの開発体制を大幅に縮小することに関連し、度重なる設計変更などで、部品供給や機体の組み立てを請け負う中部の航空機サプライヤー各社の苦悩を記事にしたもの。

 記事で印象に残ったのが、「サプライヤーがMSJに心血を注げたのは、目先の実利よりも国内航空機産業の復権プロジェクトに参画しているという誇りが大きい」という部分。小型リージョナルジェット機開発は、国家プロジェクトと言っても過言ではなかったんですよね。




★JA27MJがJQ7001になって空港内制限エリアへ移動

  

昨夜27日午後10時30分頃、以前JA27MJだったと思われる機体の、最終組立工場から空港内制限エリアへの移動が行われました。

こちらは動画のツイート。それにしてもなぜJA27MJをJQ7001に変更したのでしょうか?もう飛ばさないということなのでしょうか?

元JALのグレートキャプテンで現在は航空評論家の「杉江 弘氏」が「三菱スペースジェットの失敗」を2日連続でツイート。

 日本時間の27日午後10時半頃、真っ白なJQ7001というレジのスペースジェット試験機が、最終組立工場から空港内制限エリアへ移動しました。現在製造中の機体は7号機(JA27MJ)しかないはずなので、この機体は5月20日に最終組立工場から塗装工場へ移動する目撃情報のあった7号機であると推測します。

 仮にこの機体が三菱重工名古屋航空機製作所内の旧MRJハンガーに移動したとして、これから何をするのでしょうか?日本の航空機の登録レジはJAで始まることが決まっているので、国内専用の試験機用JQレジに変更する理由がわかりません。もう渡米しないから?それとも飛ばさないということなのでしょうか?またひとつ、大きな不安と疑問ができてしまいました。(5/30記述修正)

 元JALのグレートキャプテンで現在は航空評論家の「杉江 弘氏」がTwitterで、「三菱スペースジェットの失敗」をシリーズで解説。前日に引き続き再びツイート。前日は三菱スペースジェットのウリのなさを徹底的に挙げられていましたが、今回はJALやANAがスペースジェットを導入することへの否定的意見を述べられていました。

 杉江さんがおっしゃっていることもわからなくもないのですが、何もそこまで言わなくてもというレベル。よほど名古屋空港時代の三菱航空機社員たちの高飛車な態度が気に障っていたのでしょう。それか、現役のパイロット仲間たちの声を代弁しているのかもしれません。

 昨日はTwitterは文字数制限に引っ掛かりまくっていましたが、今回のツイートはどれもちゃんと文字数制限内でツイートされていました。




★杉江 弘氏「三菱スペースジェットの失敗」

  

元JALのグレートキャプテンで現在は航空評論家の「杉江 弘氏」が「三菱スペースジェットの失敗」をシリーズで解説とツイート。

この日は計15回のツイートでした。杉江さん、文字数オーバーが多いですよ!


ビジネスジャーナル2019年8月26日掲載の「杉江弘・機長の目」「三菱スペースジェット(旧MRJ)、中国製やブラジル製に勝る“ウリ”が何ひとつない」 

 元JALのグレートキャプテンで現在は航空評論家の「杉江 弘氏」がTwitterで、「三菱スペースジェットの失敗」をシリーズで解説とツイート。内容は以前、ビジネスジャーナルに投稿した「三菱スペースジェット(旧MRJ)、中国製やブラジル製に勝る“ウリ”が何ひとつない」と被るものが多かったです。

 先日に引き続き、どうしてまたツイートする気になったのかわかりませんが、パイロット目線で、かつ三菱航空機と同じ名古屋空港ビルに拠点を置いていたJ-AIRのキャプテンでもあった方ならではの超辛口コメント。ツイートで杉江さん自身もビジネスジャーナルの記事を紹介されていたので、以前リンクしたツイートを再度ペッタンしておきます。

 杉江さんへ Twitterは文字数制限がありますので、ちゃんと文字数を数えて投稿していただけると助かります(^_^;)。




★三菱航空機、北米2拠点を閉鎖 数百人規模を削減

  

日本経済新聞「三菱航空機、北米2拠点を閉鎖 数百人規模を削減」

リーマンニュースのスコット・ハミルトン氏「三菱スペースジェット撤退はエンブラエルにとって数ヶ月で最高のニュース」

 日本経済新聞が「三菱航空機、北米2拠点を閉鎖 数百人規模を削減」という記事を掲載。要約すると、三菱重工は「スペースジェット」事業を手がける子会社の三菱航空機が北米に持つ3拠点のうち、2拠点を閉鎖する方針を決めた。閉鎖により数百人規模の人員を減らす計画。国内の開発体制の縮小に合わせて海外も見直しを急ぐ。

 閉鎖するのは三菱航空機がワシントン州レントンに持つ米国本社と、カナダのケベック州で設計などの機能を持つ事務所の2か所。ワシントン州モーゼスレイク・フライトテストセンターは残すが、試験を実施する人員などは大幅に減らす。

 米国本社とカナダの事務所はスペースジェットの運航開始を見据え、2019年に開設したばかり。閉鎖する2か所のオフィスには数百人程度の従業員がいるもよう。日本などへの配置転換も計画しているが、地元の雇用にも影響しそう。日経もここまで書いたということは、北米2拠点閉鎖は事実のようです。

 そして、リーマンニュースのスコット・ハミルトン氏「三菱スペースジェット撤退はエンブラエルにとって数ヶ月で最高のニュースです」とツイート。そしてリーマンニュースの記事の要約は以下のとおり。

 三菱重工のスペースジェットプログラムからの意外な撤退は、悩みの種のエンブラエルにとって数ヶ月で最高のニュース。これにより、ブラジルの製造業者にプレッシャーがかかり、ボーイングがオルターでそれを破った後、提案された合弁事業から離れて再編成する時間を与える。

 三菱重工の行動により、エンブラエルは76-100席のアリーナと新しい飛行機を独占した。M90 SpaceJetは、E175-E1や苦労しているE175-E2の実行可能な競争相手ではない。エンブラエルの競争相手は、独自の中古ジェット機と中古ボンバルディアCRJ-700/900になる。こんなところです。

 三菱重工はスペースジェット事業からの撤退などとは一度も言っていないのですが、海外ではすでに「開発途中で撤退」と決めてかかっているようです。だとすると、つい先日買収したばかりのCRJ事業は、いったいどうするつもりと思っているのでしょうか?




★三菱、SpaceJetの予算を大幅に削減し、数百人の雇用を削減、ワシントンの事業を閉鎖

  

シアトルタイムズ「三菱重工はワシントンで何百もの人員を削減、日本へのすべての活動を統合し、問題のあるSpaceJetプロジェクトの米国での事業を閉鎖」

なごやんさんのツイート・・・そう思っても不思議ないところまで来ましたね。

シアトル日本語情報サイトもシアトルタイムズの記事を引用してツイート。

ロイター「三菱航空機、スペースジェットの米拠点閉鎖 開発予算縮小で」

 シアトルタイムズが「三菱、SpaceJetの予算を大幅に削減し、数百人の雇用を削減、ワシントンの事業を閉鎖」という記事を掲載。翻訳すると以下のとおり。

 三菱重工は「日本へのすべての活動を統合し」、問題のあるスペースジェットプロジェクトの米国事業を閉鎖することで、ワシントン州で数百人の雇用を削減すると発表した。

 同社の広報担当ジェフドロネン氏は、「予算命令により、三菱航空機は海外拠点を閉鎖し、本社を日本の本社に統合する」とメールで述べた。「これは米国の従業員の大半に影響を与えます」。

 レントンにある米国の三菱航空機本社は閉鎖され、モーゼスレイクでの飛行試験作戦は中止されると彼は言った。モーゼスレイクで飛行していた4台の試験機が保管され、5番目の飛行試験機(最初は新しい構成で更新)は、1か月前の計画どおりに米国に飛ぶことはせず、日本に残す。

 ドロネン氏によると、三菱はモーゼスレイクに4機の飛行試験機を保管し、維持するために「小さな乗組員」を確保する予定。三菱はまだ予算削減の詳細を検討しており、影響を受ける従業員の正確な数や解雇パッケージが提供されるかどうかは明らかにしなかった。ドロネン氏は、経営陣は「今後数週間でこの情報を従業員に直接提供する」と語った。

 三菱はSpaceJetプログラムを正式にキャンセルしていないが、その将来は今深刻な疑いがあるに違いない。

 木曜日に計画について説明された会社の関係者は木曜日に三菱重工によって計画された急な予算削減を達成することが最優先であると言った。それが終わった後、経営者は飛行機の認証に必要な分析と検証活動を継続することを望んでいると彼は言った。

 フライトテストが再開された場合、いつモーゼスレイクに戻るかは不明。ドロネン氏は、日本では5番目の飛行試験機でいくつかの飛行試験が実施されており、そこで飛行試験を完了することができる可能性があると述べている。しかし現時点で、三菱は明確な計画を立てていない。

                         中略

 三菱は、来年度のSpaceJet予算は5億6000万ドルに削減されると語った。野心的な計画は、実現されなかった。

 航空機は2008年に三菱リージョナルジェットとして発売され、洗練されたまったく新しいデザインと広々とした客室で、目標は5年後に就航することであった。 初期の後退の後、日本で2015年に飛行試験を開始し、次に2016年に飛行試験をワシントン東部のモーゼスレイクに移した。

 昨年6月のパリでは、三菱はSpaceJetとして飛行機のブランドを変更し、より小さなM100バリアントの構造を完全に再設計してコンセプトを刷新した。しかし、2月には、M90バージョンの認定が遅れ、航空会社サービスへの参入がさらに1年遅れて、プログラムは別の挫折を受けた。

 コロナウイルスのパンデミックによって引き起こされた大規模な航空の低迷は、ジェット機の運命を復活させるという三菱重工の希望を最終的に打ち消したようだ。

Aviation Wire「三菱重工、スペースジェット大幅見直し 人員削減や量産停止、海外拠点再考も」

中日新聞「三菱航空機、人員半減も SJ量産機製造を中断」

 いっぽう、Aviation Wireの記事によると、人員半減や量産機の製造中断に加え、米国の開発拠点閉鎖も含めて検討しており、将来的な開発中止も視野に含めた大幅な見直しを進めている。

 名古屋空港内に本社を置く三菱航空機の社員数は、開発やマーケティングなど約1500人。半数の社員を三菱重工の他部署へ移すことを前提に、組織再編を進めるとみられる。米ワシントン州にある米国の飛行試験拠点「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」も見直しの例外ではなく、閉鎖の可能性も含めて検討していくもよう。

 型式証明(TC)を国から取得時に使う飛行試験10号機(登録記号JA26MJ)を、3月14日に初飛行させた。開発段階で発生した配線や電子機器などの設計変更が900か所以上にのぼり、2016年以降に実施した機器の配置や配線、配管、空調ダクト、ワイヤーハーネス、システムなどの変更を反映した。

 しかし、関係者によると10号機でも不具合を十分につぶしきったとは言い切れず、このまま試験を継続した場合、2021年には納入が間に合わない可能性が出てきているという。

 シアトルタイムズのように、モーゼスレイクの閉鎖は決定事項ではなく、閉鎖の可能性も含めて検討となっています。しかし、10号機がまだ完成形でないとすると、これは大変なことになりそうですね。




★三菱重工 国産ジェット開発計画 大幅見直しへ、人員を半減 量産も停止

  

NHKニュース「【速報 JUST IN 】三菱重工 国産ジェット開発計画 大幅見直しへ」

日本経済新聞「三菱航空機、人員を半減 スペースジェット量産も停止」

杉江 弘さんのツイート「三菱スペースジェット 国産初のジェット旅客機と期待されてきた旧MRJ,スペースジェットの開発が事実上止まった。一度は試作機の90人乗りを諦め70人乗りに開発を変更したが、今回それも中止と発表。2021年の初号機納入もなくなり完全に事業は失敗に終わった」

杉江 弘さんのツイート「初の国産ジェット旅客機と来されたのにまたしてもYSー11と同じ運命になるのではと私は以前から指摘してきたがそれが本当になりつつある。その原因については私のビジネスジャーナルの連載記事を読んでいただきたいが世界のマーケットを甘くみていたことに尽きる」

杉江 弘さんのツイート「私は前からスペースジェットには世界のマーケットで通用する売りがないと指摘してきたが、マスコミなどは初の日の丸ジェットともてはやしてきた。機材の内実も知らないで宣伝してきた責任は重い、今でも失敗の理由は分からないのではないでしょうか。カギはエンブラエル機」

杉江 弘さんのツイート「パイロットから見てスペースジェットはライバルと言われてきたエンブラエル機と比べ、最大巡航高度が低く、速度も遅い。つまり使い勝手が良くないのでアメリカなどの航空会社からの受注が取れなかったのが失敗の原因である」

杉江 弘さんのツイート「スペースジェットの敗北は簡単に言うと、三菱が国産軍用機での製造技術でアメリカでの耐空証明をしとくできると過信していたことに尽きる。耐空証明を取るための調査も不十分で慌てて米国のスタッフを入れたがすでに時は遅かったのである」

Isaac Alexanderさんが5月12日以降行われていない飛行試験について、今後を不安視するツイート。

 三菱重工は、国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」の開発計画を大幅に見直す方針を固めた。

 型式証明の取得に向け飛行試験を行っている90席クラスのM90は、量産機の製造を先送りし、今後主力として開発を予定していた70席クラスのM100は、当面開発を見合わせる。これによって「2021年度以降」としていた初号機の納入時期は一段と不透明になる。

 また、開発を手掛ける子会社の三菱航空機の人員を半減させる方針を決めた。1500人程度の人員を段階的に減らす。度重なる開発の遅れに加え、新型コロナウイルスの感染拡大で航空機の需要が見通せなくなっているため。

 このニュースを受け、元JALのグレートキャプテンで、現在は航空評論家の杉江弘さんがTwitterにツイート連発。杉江さんは以前からMRJ事業、というか三菱重工の「甘さ」を指摘し続けていました。そして今回のニュースに対して、「完全に事業は失敗に終わった」とツイートされていました。

 これが本当に事業の失敗となる場合、引き金は新型コロナかもしれませんが、6度もの納期延期さえなければ、すでに量産機が世界の空を羽ばたいてたことは間違いないわけですので、「会社として甘すぎる」と杉江さんは言いたいのでしょう。

 私はこれでスペースジェット事業が終わったとは思っていませんし、今回の三菱航空機の人員整理についても、M90のTC取得に目途がたち、世界中から高額でヘッドハンティングしてきた技術者を削減するものではないかと推測しています。

 終身雇用が基本の日本と違い、欧米では契約雇用が主流ですので、今回M100の開発凍結で人件費削減のための措置であると考えます。

 気になるのは、杉江さんが指摘している「パイロットから見てスペースジェットはライバルと言われてきたエンブラエル機と比べ、最大巡航高度が低く、速度も遅い。つまり使い勝手が良くないのでアメリカなどの航空会社からの受注が取れなかったのが失敗の原因である」という点ですね。




★なぜこのタイトル記事にスペースジェットの写真があるのかと・・・

  

朝日新聞「企業のマスク作り、性差別はない? 幹部が釈明の事態も」

 今朝の朝日新聞デジタルに「企業のマスク作り、性差別はない? 幹部が釈明の事態も」というタイトルの記事が掲載され、そこに三菱スペースジェットの写真が載っていたのです。

 一瞬、誤植なのかと思って閲覧したところ、三菱重工業の子会社で、ジェット旅客機を開発中の三菱航空機(愛知県、国内約1700人)では、社員が布マスクを手づくりしている。同社によると、総務や経理を担う事業支援グループから在宅勤務中にできる業務として提案があった。そこで、希望した同グループの社員と業務委託先の企業に協力を求め、4月下旬までに計約200枚を作製。社内で無料で配っているという。

 三菱航空機は取材に、マスクをつくった社員数や1人あたりの作製枚数などは明らかにしていない。男性もつくっているが、一部の社員には女性だけが依頼されていると受け取られたようだという。「性別や国籍、役職などいっさい関係なく希望者を募った。在宅勤務の本格化で職場が混乱するなか、説明が不十分なまま誤った情報が伝わってしまった」(広報)としている。

 ふーん、なるほどそういうことですか。でもなぜ、朝日新聞は三菱航空機を取材したのでしょうか?もしかして、飛行機作らず、マスク作ってるのかよ・・・っていう、いやみ記事なのでしょうか?




★日本時間5月20日深夜、7号機が塗装工場へ

  

日本時間5月20日(水)深夜、飛行試験7号機(JA27MJ)の目撃情報がありました。

 日本時間5月20日(水)深夜、久しぶりに飛行試験7号機(JA27MJ)の目撃情報がありました。きちょーさんがTwitterにツイートした時刻が23時21分なので、おそらく23時頃に最終組立工場を出て空港アクセス道路を横断し、塗装工場へトーイングされたものと推測します。

 6号機のときは塗装工場への移動は行われず、最終組立工場内でカッティングシートを張り付けて完成だったので、7号機は何らかの塗装が施されるものと思われます。私が本命と思っているのは、迷惑をかけまくっているANAへのお詫びを兼ねて「ANAカラー」ですが、さて、どんなカラーリングになるのでしょうか?




★三菱重 スペースジェットに「新たな一手」 激動する世界の航空産業地図はどう変わる?

  

乗りものニュース「三菱重 スペースジェットに「新たな一手」 激動する世界の航空産業地図はどう変わる?」

 スペースジェットが雲一つない晴天に舞い上がる日はいつ訪れるのでしょうか?

 乗りものニュースが、「三菱重 スペースジェットに「新たな一手」 激動する世界の航空産業地図はどう変わる?」という記事を掲載。軍事ジャーナリストの竹内 修氏が執筆されたもので、三菱重工が6月1日付で新たな子会社「MHI RJアビエーショングループ」を設立し、業務を開始すると発表したことを「新たな一手」として取り上げたもの。

 記事は概ね、三菱重工とスペースジェットに好意的な内容ですが、新型コロナの影響で世界のメガキャリアが次々と機材を手放している現状において、果たして三菱スペースジェットは本当に生き残れるのか?そう思わせる記事の内容でした。




★三菱スペースジェット「コロナ三重苦」で大逆風

  

毎日新聞経済プレミア「三菱スペースジェット「コロナ三重苦」で大逆風」

AIRGWAYS「Mitsubishi reduce desarrollo SpaceJet(三菱、SpaceJet開発を削減)」

こまさんのツイート「MRJ」RTなんていりません。早く名称戻してください…激しく同意します。

 毎日新聞経済プレミア編集部が5月14日に掲載した有料記事「三菱スペースジェット「コロナ三重苦」で大逆風」が、Yahoo!ヘッドライトに掲載され、全文を読むことができるようになりました。

 毎日新聞経済プレミア編集部の三菱スペースジェット記事は、毎回かなり厳しい論調で書かれており、今回も「コロナ三重苦で大逆風」というタイトル。海外のサイトでしたが、ちょっと前にはボーイングとエンブラエルの資本提携破談などで、コロナが追い風になるとの記事もあったので、このギャップの大きさを実感しているところです。

 もう1つ、アルゼンチンのAIRGWAYSが、「Mitsubishi reduce desarrollo SpaceJet(三菱、SpaceJet開発を削減)」という記事を掲載。南米アルゼンチンは親日国であり、日本からの移民も多く暮らしていることが関係しているのか、この記事、何とページの後半は日本語なんです。

 この記事は日本向けに発信したものではないと思いますが、海外のそれも地球の裏側の南米アルゼンチンの航空系サイトが、日本語を掲載していたことに驚きました。




★早く形を示せ、三菱のスペースジェット

  

BLOGOS「早く形を示せ、三菱のスペースジェット − ヒロ」

MHI ralentit le développement du SpaceJet(三菱重工がスペースジェットの開発を遅らせる) - Les Ailes du Québec(ケベックの翼)

SpaceJet program from Mitsubishi in danger(危機に瀕している三菱のスペースジェットプログラム) – WingMag(ウィングマグ)

 BLOGOSにカナダ在住のヒロという方の「早く形を示せ、三菱のスペースジェット」が掲載されました。私も個人的にこの方の主張に激しく賛同しましたし、多くの日本人が同じ思いを抱いていると思うのです。今の三菱スペースジェットに対する風当たりの強さは、その気持ちの裏返しでしょう。

 ・・・個人的にはここまで来たら何が何でも飛ばしてもらわねばならないと思っています。これは三菱グループだけの問題ではない、日本の技術力の意地だと思っています。

 スペースジェットの型式証明が取れないということはほかの会社がまねようと思ってもそう 簡単にできないともいえます。ボーイングのMAXの行方が見えないのもそれぐらいハードルが高い世界であって、そこを超えてこそ、雲を突き抜け、眩しい太陽を浴びながら輝く機体が躍動できるというものです。

 まさにその通り。もはやスペースジェットにライバルはいません。三菱重工と三菱航空機の敵は、「己自身」ではないでしょうか。




★現地時間5月12日(日本時間13日早朝)、1号機が1時間半のフライト実施

  

現地時間5月12日(火)午前10時31分から午後0時03分まで、1号機がフライト実施。

赤い流星さんの前日の10号機写真ツイート。神明公園からでしょうか。

スペースジェットの正面からのフォルムは精悍ですよね。 ただ、最新のエアバスA350やA220などのような未来的なデザインでないのが、設計の古さを感じさせます。

いやー、それにしてもこの写真は魅せられます。すばらしい。もう1度ペッタン。

 現地時間の5月12日(火)、日本時間では13日早朝ですが、1号機が1時間半のフライト実施。午前10時31分にRWY4からエアボーン。今日は高度5,000ftに維持しながらヤキマ上空を2度通過。その後、高度を15,000ftまで上昇したものの、午後0時03分にRWY4へタッチダウン。飛行時間はちょっと短めの1時間32分でした。

 三菱重工が開発予算の半減とM100の開発検討の見合わせを発表したわけですが、予算のほうはM90のTC取得の目途がたったと思えば、それほど驚くことではないのですけど、ライバル不在と思われる70席級のM100開発をいったん見合わせるというのは、三菱重工が今後、スペースジェット事業をどうしようとしているのか、やや疑問をもって受け止めました。

 月刊エアラインのツイートにもあったように、航空業界の状況が変化する中で、三菱重工の泉澤社長は現在行なっているM100の検討作業は一旦中断して方向性を再考すると説明したそうなので、M100の計画を中止するという意味ではないと受け止めてよさそう。つまり、新型コロナのあとの航空機需要をしっかり把握したうえで、いつ市場に投入するかを見極めるということなのでしょう。

 それに、開発2機目となるM100では、旧MRJから何度も納期延期を繰り返したテツを、2度と踏みたくないでしょうからね。




★日本時間5月12日、10号機が4日ぶりにフライト

  

2020年5月12日(火)午前10時08分、10号機が4日ぶり、12回目のフライトに出発。


離陸後、高度10,000ftで遠州灘のテストエリアへ向かい、38,800ftで延々とフライト。


今日はRWY16へのアプローチに際して、名古屋市内を南東から北西へ。まるで東海道本線の上空をトレースしているようでした。


着陸は午後3時07分、この日の飛行時間は4時間59分でした。

今日のMT4692さんは、W1横の水門近くで離陸動画と写真、両方を撮影されたようです。

午後から薄曇りになってしまったのが残念。

それでもこの写真はすばらしい。

 日本時間の5月12日(火)、10号機が4日ぶり12回目のフライトを実施。午前10時08分にRWY34からエアボーン。いつものように離陸後すみやかに右旋回し、豊田、岡崎、蒲郡上空を飛んで渥美半島へ。

 今日は高度を10,000ftに維持したままで飛行試験空域である遠州灘へ向かい、そこで高度を38,800ftまで上昇し、エアスピードを変化させながらもトライアングル状に延々と飛んでいました。そして飛行時間が4時間になったところで、ようやく高度を下げて帰投開始。

 名古屋空港は午後から使用滑走路がRWY16になっていたこともあって、いつもと違い名古屋市内上空を南東から北西へ。まるで東海道本線の上空を飛んでいるようなルートを飛び、岐阜市の手前まで飛んだところでUターンしてVOR Aでファイナルアプローチ。着陸は午後3時07分で、この日の飛行時間は4時間59分でした。

 今日のフライトの特徴は、何と言っても遠州灘で延々とトライアングルルートを飛び続けたことでしょう。飛行区域が制限されていることも影響していることは確かですが、これほど同じコースをグルグル飛び続けるには、それなりのわけがあるのでしょう。そして今日も、ファイナルアプローチ時にRATを出していました。




★三菱スペースジェット、70席M100見直しも 北米市場に不透明感、開発費は半減

  

Aviation Wire「三菱スペースジェット、70席M100見直しも 北米市場に不透明感、開発費は半減」

Aviation Wire「三菱重工、事業損失295億円 20年3月期、20年ぶり赤字転落」

日本経済新聞「三菱スペースジェット、深まる窮状 今期の開発費半減」

中日新聞「三菱重がスペースジェット予算半減へ 20年ぶり本業で赤字295億円」

 三菱重工が5月11日に開催したオンラインでの2019年度決算説明会で判明したスペースジェット事業について、もう少しまとめておこうと思います。

 三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「三菱スペースジェット(MSJ、旧MRJ)」の開発費について、今年度は前年度の半分にあたる600億円程度に圧縮する方針。また、北米市場向けの70席クラス「M100」は検討作業を見合わせ、新型コロナウイルス収束後の市場動向を見極める。

 11日にオンライン会見を開いた三菱重工の泉澤清次社長は、「航空機事業を取り巻く環境が変化している。M90のスケジュールは精査していきたい」と述べた。また、機体の安全性を証明する「型式証明(TC)」を国から取得時に使う飛行試験10号機(登録記号JA26MJ)のモーゼスレイクへのフェリーフライトが新型コロナウイルスの影響で遅れており、時期は未定。

 M90は今年3月末時点の総受注は287機あるが、このうち売上が現時点で見込める確定受注は163機。残るオプションと購入権の124機を受注できるかは、スペースジェットの仕上がり次第だが、初号機を受領予定のローンチカスタマーであるANAなどを傘下に持つANAホールディングスは、確定発注15機とオプション10機の最大25機を発注したが、度重なる納入遅延により代替機を手配済み。

 JALも32機発注済みで、すべて確定発注。納期は2021年を予定しており、JALも影響を受ける可能性が高まってきた。このままいくと、当初の納期から10年遅れの2023年になることも現実味を帯びてきたといえる。

 一方、M100は三菱重工と三菱航空機で事業化に向けた検討段階で、正式な開発着手には至っていない。M100の市場投入は2023年を計画していたが、北米市場で経年機を置き換える需要の動向などを見極める考え。




★三菱重工、スペースジェット開発費半減へ、本業20年ぶり赤字 航空機開発の損失響く

  

日本経済新聞「三菱重工、スペースジェット開発費半減へ コロナ影響」

中日新聞「三菱重工業、本業20年ぶり赤字 航空機開発の損失響く」

時事ドットコム「スペースジェット、70席級開発凍結 新型コロナで予算半減―三菱重工」

月刊エアラインが再び三菱スペースジェットに関するツイートを発信。

 三菱重工がオンラインで2019年度決算説明会を開催。新聞報道などから、説明会で明らかになった内容をまとめました。

 2020年3月期連結決算は、開発中の小型機「スペースジェット」の損失計上が響き、本業のもうけを示す事業損益が295億円の赤字だった。本業のもうけが赤字になるのは、00年3月期以来20年ぶり。新型コロナウイルスの影響を受ける21年3月期は事業損益、純損益ともにゼロの見通し。

 20年3月期はスペースジェット関連の開発費などで約2600億円の損失。ただ、会計上、将来の税金還付を見込んで「繰り延べ税金資産」を計上したため、純利益は前期比21.0%減の871億円となった。

 開発中の「スペースジェット」の2021年3月期の開発費用を前期比で半減の約600億円に減らす方針。スペースジェット事業の開発費用は20年3月期で約1200億円だったが今期は半減する。

 開発費を大幅に減らす背景は、初号機である90席クラスの開発の主要工程を前期までに終えたことに加え、新型コロナの感染拡大で航空機需要が不透明になっていることが大きく影響している。

 また、米国での需要の中核と目される短胴型のスペースジェットM100については現在フィジビリティスタディの段階だが、航空業界の状況が変化する中で、M100の検討作業は一旦中断して方向性を再考すると説明した。

 スペースジェット事業はこれまで累計で1兆円近い開発投資を投じた。90席クラスは設計変更などによるトラブルや、商業運航に必要な型式証明(TC)取得の遅れで損失が大きく膨らんでいる。70席クラスの開発やTCの取得などで、今後も年間1000億円以上の投資がかかる見通しだった。

 「2021年度以降」としているスペースジェットM90の納入開始時期について、新型コロナの影響により飛行試験機10号機を米国に持ち込めない状況、また装備品メーカーも工程見直しを余儀なくされており、より詳細なスケジュールは現時点で見通せないとした。




★現地時間5月8日、1号機が4日連続のフライト実施

  

現地時間の5月8日(金)午前10時36分、1号機がRWY4からエアボーン。


今日のフライトは高度15,000ftでモーゼスレイク近郊を約2時間飛んでいました。


途中、ヤキマ空港でローアプローチもしくはゴーアラウンド実施。


着陸前に一度、RWY4上空をローパスしたのち左旋回し、さらにスリーシックスティーしてからタッチダウン。

 現地時間の5月8日(金)午前10時36分、1号機がRWY4からエアボーン。これで飛行試験再開後、4日連続のフライトになりました。今日は高度15,000ftでモーゼスレイク近郊を約2時間飛行。途中、ヤキマ空港でローアプローチもしくはゴーアラウンド実施したのちモーゼスレイクへ戻り、着陸前に一度、ローパスしたのち左旋回、さらにグルリとスリーシックスティーしてからタッチダウン。

 今日のフライトでは着陸時間と着陸空港が表示されませんでしたが、Flightradar24の飛行ログでは午後0時40分くらいなので、今日の飛行時間は2時間04分くらいだったと推測されます。今日のフライトの特徴は、ヤキマ空港でローアプローチもしくはゴーアラウンドしたことと、着陸前にかなりの急旋回をしてスリーシックスティーしたことでしょう。




★日本時間5月8日、10号機が2度のフライト実施

  


日本時間の5月8日(金)午前11時13分、10号機が4月24日以来、2週間ぶりのフライト実施。今日は初めてRWY16でエアボーン、午後3時12分に着陸するまで3時間59分のロングフライト。


そして午後3時57分にこの日2度目の離陸。今度は上がったあとすぐに左旋回し、わずか21分のショートフライトで、午後4時18分にタッチダウン。

今は名古屋空港の展望デッキが閉鎖されているので、みなさん苦労して撮影されたようです。

使用滑走路がRWY16だったこともあり、通常は撮影できないアングルの写真が目立ちました。

この写真はW9からラインナップアンドウェイトしたときのものでしょうか。

月刊エアラインさんもツイート。

そしてさすがIsaac Alexanderさん。遠く離れた日本でのフライトもチェックしてツイート。

エアフロントオアシスから撮影した離陸動画がYouTubeに投稿されました。

こちらはいつもYouTubeに投稿してくれるMT4692さんの動画。航空館boonや神明公園はビデオ撮影するには障害物が多くて調子が悪いんですよね。

 日本時間の5月8日(金)午前11時13分、10号機が4月24日以来、2週間ぶりのフライト実施。今日は初めてRWY16でエアボーンし、午後3時12分に着陸するまで3時間59分のロングフライトでした。

 と、いつもならこれで終わるところですが、今日はこのあと2度目のフライトを行ったのです。午後3時57分に同じくRWY16からエアボーン。今度は上がったあとすぐに左旋回し、わずか21分のショートフライトで、午後4時18分にタッチダウン。

 10号機が1日に2度のフライトを行ったのはこれが初。2度目のフライトは、1度目のフライトで収集したデータに問題でも見つかって、再チェックのために飛んだといったところでしょうか。

 今、名古屋空港の展望デッキは、FDAが全便運休していることに伴って閉鎖中なので、いつもと違うアングルでの写真ツイートが目立ちました。

 それと、Flightradar24のデータなのですが、1度目のフライトの際、離陸空港情報がなく、離着陸時刻がUTCになっていたのに、Twitterに投稿されたスクショ写真では離陸空港であるNKMが表示されているんです。不思議です。




★三菱重工、CRJ事業の新会社MHIRJ設立 6月稼働でボンバルディアと合意

  

現地時間の5月7日(木)は、1号機が午前10時08分から午後0時までフライト実施。

Aviation Wire「三菱重工、CRJ事業の新会社MHIRJ設立 6月稼働でボンバルディアと合意」

航空新聞社WING「三菱重工、CRJ継承でMHI RJアビエーショングループ発足へ グループ3社で1400名規模、スペースジェット事業のCS能力獲得」

日本経済新聞「三菱重工、最大700億円減損 今期、ボンバル事業買収で」

Aviation Wire「三菱スペースジェット、米国での飛行試験再開」

 現地時間の5月7日(木)は、1号機が午前10時08分から午後0時までフライト実施。今日もストールを連続して行ったようですが、昨日と違い急な機首上げによるストールからの回復確認ではないかと思います。これだけストールを繰り返すと、パイロットも相当つらいでしょうね。お疲れさまでした。

 三菱重工とカナダのボンバルディアは5月7日、「CRJ事業」継承について、6月1日を契約締結日にすることで合意。新たに設立する三菱重工の完全子会社「MHI RJ アビエーショングループ(MHIRJ)」の下で同日から業務を開始。これに伴い、三菱重工は2021年3月期に500億〜700億円程度の減損損失を計上する見通と発表。

 今回の契約で、三菱重工はCRJシリーズの保守、カスタマーサポート、改修、マーケティング、販売機能、型式証明を継承。カナダのケベック州ミラベルとオンタリオ州トロント、米国のウェストバージニア州ブリッジポートとアリゾナ州ツーソンのCRJに関するサービスやサポートの主要拠点が含まれる。予備部品は、米シカゴと独フランクフルトの部品供給拠点から供給が継続される。

 MHIRJの本社は、これまでボンバルディアがCRJ事業を展開してきたミラベルに置き、グループは、カナダのMHI RJ アビエーションULC、米国のMHI RJ アビエーションInc、ドイツのMHI RJ アビエーションGmbHの3社で構成。ボンバルディアに勤務していたスタッフ約1400名規模が入ることになるという。

 ボーイングとエンブラエルの資本提携は破談に終わりましたが、三菱重工とボンバルディアのCRJ事業継承は、予定通り進むようです。

 もう1つ、Aviation Wireが掲載した「三菱スペースジェット、米国での飛行試験再開」によると、三菱航空機によると、2016年以降に実施した設計変更を反映した飛行試験10号機(JA26MJ)を使った飛行試験を日本国内で続けている。県営名古屋空港内に構える本社のスタッフは、新型コロナウイルス感染症の感染予防のため在宅勤務をメインにしており、分割シフトで出社して対応しているという。

 3月に初飛行した10号機は、国が機体の安全性を証明する「型式証明(TC)」取得時に使う機体。天候に恵まれ飛行回数を稼げる米国のMFCへ持ち込む計画だが、米国などへの渡航制限が解除されるまでに時間がかかることから、飛行試験は当面日本で実施していく。

 当面日本で実施する飛行試験は、JCABのパイロットが操縦するTCフライトなのでしょうか。そして10号機には飛行試験機のトレードマークともいえる「スタティック・プレッシャーコーン」は装着しないのでしょうか。




★現地時間5月6日午後、1号機が本格的なTCフライト再開

  

現地時間の5月6日(水)午後1時33分、1号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22からエアボーン。


飛行時間が1時間を過ぎたところで、何度か高度20,000ftからのストールをチェック。


着陸は午後3時36分で、飛行時間は2時間03分でした。

 現地時間の5月6日(水)午後1時33分、1号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22からエアボーン。昨日。ワシントン州政府から飛行試験の再開許可が出たということで、昨日は機体チェックなのか1時間の短時間フライトでしたが、今日は本格的なフライトになっているようです。

 離陸後しばらくば高度16,000ft付近を静かに飛んでいましたが、飛行時間が1時間を過ぎたところで、何度か高度20,000ftからのストールをチェック。果たして今日のフライトを操縦しているのは、三菱航空機のテストパイロットなのか、それともJCABもしくはFAAの審査官なのか、そんなことを考えながら私はFlightradar24をウォッチしていました。




★現地時間5月5日午後、1号機が42日ぶりにフライト実施

  

現地時間の5月5日(火)午後2時03分、1号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーン。


モーゼスレイクでのフライトは3月23日以来、42日ぶり。


着陸前に1度ローパスし、午後3時07分にRWY22にタッチダウン。

今日の飛行試験再開情報はIsaac Alexanderさんのツイートでした。「更新:モーゼスレイクの三菱航空機USAがワシントン州上空でのSpaceJet JA21MJの飛行試験を再開」。いつもながら、Isaac Alexanderさんの情報アンテナはすばらしい!

三菱航空機が飛行試験を再開 米拠点、ワシントン州政府が許可 − 共同通信

 現地時間の5月5日(火)、ようやくモーゼスレイクでの飛行試験が再開されました。この日飛んだのは1号機で、現地時間の午後2時03分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーン。約1時間のフライトを行ったのち、いったんRWY22上空をローパスし、現地時間の午後3時時07分、RWY22にタッチダウン。

 長かったですね。ようやく、ようやくですよ。数日前からアメリカでの経済活動が再開されたとのニュースが流れ始めたので、ワシントン州の外出規制もそろそろ解除になるのではと期待していました。航空業界は今、新型コロナウイルス感染拡大による影響から、どん底を味わっている真っただ中。せめてスペースジェットがTCフライトを行うことで、暗いムードを払しょくしてほしいです。




★日本時間5月6日午前1時30分過ぎ、こんな深夜に10号機がFlightradar24に現る

  

5月6日深夜1時30分過ぎ、Flightradar24に10号機がTEST1234で現れました。

もう少し拡大してみたところ、三菱重工敷地内にある旧MRJハンガー付近でした。

明らかに飛んでいないのに、飛行高度が100ftとなっていて、ほんの少し動きました。

本日の情報は「えんじさん」のツイートでした。こんな時間によくFlightradar24をウォッチしていてくれましたね。

 日本時間の2020年5月6日(水)午前1時34分から40分までと午前1時43分から46分まで、Flightradar24に10号機がTEST1234で現れました。場所は名古屋空港に隣接する三菱重工名古屋航空システム製作所(名航)内の旧MRJハンガー付近。

 これが10号機自体が発したものなのか、機体から取り外されたADS-Bトラポンからなのかは不明。わかっていることは、明らかに飛んでいないのに、飛行高度が100ftになっていることと、出発空港としてNKMが表示されていること。

 ゴールデンウイーク期間中のそれも深夜に、どんな作業をしていたのかわかりませんが、三菱航空機のエンジニアさん、本当にごくろうさまです。今回はたまたま、ネットに情報が上がっていたので、Flightradar24のプレイバックでチェックできましたが、もしかしたら今回以外にも、連日作業は行われているのかも。それにしてもなぜ深夜に?




★ボーイング・エンブラエル合弁会社の崩壊は三菱航空機に新しい機会を与える

  

ボーイング・エンブラエル合弁会社の崩壊は三菱航空機に新しい機会を与える − FliegerFaust

ボーイングとエンブラエル間の合意の崩壊は、ボーイングと三菱の間の新たな合意への道を開く − DCAFlyer

 航空情報サイト「FliegerFaust」が、ボーイング・エンブラエル合弁会社の崩壊は三菱航空機に新しい機会を与えるという記事を掲載。以下はその翻訳。


 リーマンニュースのスコット・ハミルトン著

 ボーイングとエンブラエルのジョイントベンチャーの崩壊により、別の機体会社との別のボーイングの合意にかかわる大きな雲が取り除かれた。

 ずっと前に、ボーイングと三菱航空機は、当時のMRJプログラムについてサポート契約を締結。三菱航空機はMRJのためにボーイングからマーケティングとサービスのサポートを受けることになっていた。エンブラエルとボーイングが合併、買収、または合弁事業について話しているというニュースが浮上した瞬間から(目標は時間とともに変化した)、三菱航空機との協定の将来について疑問が生じていた。


・ボーイングは三菱航空機との合意は尊重されると述べたが、懐疑論は続いた。
・MRJおよびその後のSpaceJetは、以前のエンブラエルの機種と競合することになる。
・回復のコンセンサス3-5年。
・ボーイング・エンブラエル合弁会社の崩壊により、三菱・ボーイングは彼らの協力的合意を再確認し、強化することができる。

 同じリーマンニュースの記事を引用した「ボーイングとエンブラエル間の合意の崩壊は、ボーイングと三菱の間の新たな合意への道を開く」というDCAFlyerさんのツイートもありました。それもなぜかスペイン語。

 忘れていましたが、そう言えば以前、三菱航空機はボーイングから、MRJの販売とサービスに関してサポートを受ける協定に締結していました。ボーイングがエンブラエルを実質買収することになっていたので、この話は立ち消えになっていたように報じられていましたが、スコット・ハミルトンさんは、三菱航空機に新たな機会を与えると述べているようです。




★ステイホーム週間企画の飛行機塗りコン結果発表

  

最優秀賞こそ逃したものの、BlueimpulseYさんの「三菱スペースジェット ソラシドエア」が「優良賞」受賞。


そしてもう1点、musuka_purosupiさんの「三菱 スペースジェット 聖火輸送機塗装」が入選。

受賞とは無関係ですが、白銀RYU@予定は未定さんの「ボーイングデモカラー風」をIsaac Alexanderさんがリツイート。Isaac Alexanderさんの情報収集アンテナはすごいですね。

今は名古屋空港の展望デッキが閉鎖中なので、目撃情報が少なかったのですが、ゴールデンウイーク期間中にも関わらず、昨日10号機が三菱エプロンに出ていたようです。

これが何のツイートなのか、よくわかりませんでした。

 つまんないゴールデンウイーク進行中ですが、昨夜ホタテサンチームがステイホーム週間企画の飛行機塗りコンの結果発表を行いました。

 最優秀賞は「B747-400 警視庁ジャンボ」で、残念ながら三菱スペースジェットを描いたものではありませんでしたが、次点の「優良賞」にBlueimpulseYさんの「三菱スペースジェット ソラシドエア」が選ばれました。私もこのソラシドエアはすばらしいと思っていたので、順当な結果と言えるでしょう。

 スペースジェットではもう1点、musuka_purosupiさんの「三菱 スペースジェット 聖火輸送機塗装」が入選。私はこのツイートを発見できていなかったのですけど、実現したらいいなあと思いましたね。スペースジェット関連で入選したのは以上2点で、全体的にユニークな発送で書かれたものが高評価だったようです。このあたりはグラフィックの技術とも関係してくるので、一概に良い悪いとは言い難いところでもあります。

 昨日はゴールデンウイーク期間中にも関わらず、10号機が三菱エプロンに出されていたようです。現在、名古屋空港とあいち航空ミュージアムの展望デッキは閉鎖中なので、目撃情報が少なかったのですが、エルクさんがはるか彼方から動画を撮影してツイートしてくれました。




★カレンダーは今日から5月、しかし散々なゴールデンウイーク進行中

  

カレンダーは今日から5月。今月も合成っぽい3号機飛行写真。

4月を振り返る・・・私は外出自粛で1度も名古屋空港に出かけませんでした。

早くコロナが収束して、自由に出かけられるようになってほしいです。

しかし、緊急事態宣言による外出自粛期間は延長されそう・・・。

 5月になりました。それに合わせるかのように、日中の気温が高くなってきました。これからの季節、空港の展望デッキで撮影する場合、熱中症対策が必要なのですが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、どこの空港でも運航便が激減。名古屋空港においても、唯一の定期便を運航しているFDAがまさかの全便運休中。こんな散々なゴールデンウイークが今まであったでしょうか?

 アメリカ・モーゼスレイクでの飛行試験も、外出規制中につき中断。アメリカでの新型コロナウイルス感染拡大がいつ収束するのか。そして北米三菱航空機では感染者は出ていないのか?試験への影響は?何も発表はないので、今は静観するしかありません。名古屋の部隊は今のところ、飛行試験を中断している様子はなく、ゴールデンウイーク期間が終了したら、また10号機の試験飛行が再開されるものと思われます。

 さて、月刊エアライン6月号に、スペースジェット10号機の垂直尾翼からグルグルを剥がした理由が載っていて、試験データの精度確保のため(電波の干渉を防ぐ)ためとのこと。しかし、10号機には飛行試験の必須アイテムともいえる「スタティック・プレッシャーコーン」がまだ装着されていないのに、試験データの精度確保というのも変な話です。いつになったら装着するのでしょうか?




★ステイホーム週間企画、飛行機塗りコン開催中

  

ステイホーム週間企画の「#家でオリジナル塗装」に三菱スペースジェットが登場。

東亜国内航空カラーのスペースジェット。レトロなカンジになりますね。

日本エアシステムに社名変更したあとのレインボーカラーバージョン。

こちらはIBEX。すごい精悍な顔つきです。

そしてソラシドエア。個人的にはすごく似合っていると思います。

これはすごい!エアコリョになったスペースジェット、見てみたいですね(^O^)。

ん?スターラックス航空ってもう飛んでるんでしたっけ?

こんなのもありました。

へー、実際に存在したら見てみたいです。

私、実はココが本命と思っていたのですが、残念ながら誰も着色してくれなかったのです。

これは737の塗り絵をスペースジェットにしてしまったもの。悪くないです。

航空機の安全審査簡素化へ 日本とEUが協定、輸出弾み狙う − 共同通信

 今年のゴールデンウイーク期間は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年とは違い「ステイホーム週間」として外出を控えるように国や自治体が依頼していますが、その賛同企画で、企業ウエブサイトでもお子様向けの塗り絵やゲームなど、いろいろなコンテンツが追加されているようです。

 Twitterにも「#家でオリジナル塗装」というハッシュタグができて、何名かの腕利きのイラストレーターが塗り絵となる白絵をツイートしています。そんな中、ホタテ㌠飛行機塗りコン開催中さんが「#家でオリジナル塗装 三菱 space jetを描きました。自由にお使いください。」とスペースジェットの塗り絵を投稿。すでに数名の方が見事に着色してツイートされています。

 東亜国内航空のスペースジェットって、すごいですよね。何せYS-11を運航していた航空会社です。現存していたら国産航空機を2代に渡って運航することになるのですから。モデルプレーンで発売されたら、つい買っちゃいそうです(^_^;)。

 IBEXとソラシドは現行エアラインだけあって、スペースジェットにも非常にマッチしていますね。IBEXはボンバルディアの70人乗りCRJ700を使用しているので、近い将来、本物を見ることができそう。ソラシドは現在B737-800を使用しているので、サイズ的にどうか微妙ですが、個人的には非常に似合っていると思いました。

 エアコリョはおそらく実現しないでしょうけど、主に旧型のツポレフを使用しているので、サイズ面では悪くないチョイス。仮にエアコリョからオファーがあったとして、果たして日本国政府は北朝鮮に国産ジェット機を売る気があるか?と、勝手なことを思ってしまいました。

 もう1つ、共同通信が「航空機の安全審査簡素化へ 日本とEUが協定、輸出弾み狙う」という記事を掲載。日本政府とEUは、新開発した航空機の安全性を自国の航空当局が確認した「型式証明」があれば、輸出相手国の審査を簡素化できる航空安全協定に署名する方針を決めた。

 長い期間が必要な審査の短縮が見込まれ、政府は、三菱航空機が開発中の国産初のジェット旅客機スペースジェットの早期輸出に弾みをつけたい考えというもの。何か以前にも同じニュースを読んだ記憶があるのですが、勘違いでしょうか。




★2020年4月25日、Flightradar24にJA26MJ登録完了、ボーイングとエンブラエルの事業統合中止

  

ようやくFlightradar24のデータベースに10号機(JA26MJ)が登録されました。

データベースには過去のフライトログは表示されないものの、試しに24日のフライトをPlayBackで表示させてみたところ、ちゃんと10号機写真と機体データが表示されました。

日本経済新聞 電子版「ボーイング、エンブラエルとの事業統合中止」

 2020年4月25日、ようやくFlightradar24のデータベースに10号機(JA26MJ)が登録されました。残念ながら過去のフライトログは表示されないものの、試しに24日のフライトをPlayBackで表示させてみたところ、ちゃんと10号機写真と機体データが表示されました。AGE (Mar 2020) Brand new というのがカッコイイです。

 機体データのうち、航空機の型式は「MRJ90STD」、型番号も「MRJ9」のまま。これはおそらく、JCABへの型式変更申請をまだ行っていないということなのでしょう。つまり、10号機の機体には「M90」とは書かれていますが、登録型式的にはMRJ90のままということになります。考えてみれば、今、必死に型式証明を取得しようとしているのも、MRJ90ですもんね。

 もう1つ、ボーイングは25日、ブラジルの航空機大手エンブラエルとの事業統合を中止すると発表。2018年にボーイングがエンブラエルの商用機部門を傘下に収めることで合意していたが、新型コロナウイルスの影響で業績が悪化するボーイングが条件見直しを要求し、交渉がまとまらなかったとみられる。

 これは三菱スペースジェットにとって、また1つ新型コロナウイルス感染拡大の影響が追い風になる可能性が出てきたことになります。新型コロナが終息しても、世界経済は元には戻らないと言われています。航空需要も例外ではなく、以前のような旺盛な需要は戻って来ない可能性もあります。

 その場合、世界の航空会社は現在保有している機材よりも、小型で経済性の優れた航空機を購入する可能性が高いですし、アメリカの大手航空会社のパイロット組合が自分たちの仕事を守るために、スコープクローズ協約の拡大に合意するとも思えないからです。

 新型コロナ終息後のリージョナルジェット市場は、意外にも三菱スペースジェットが他社を凌駕しているかもしれません。




★日本時間4月24日、10号機が9回目のフライト実施、RATを出してランディング

  

日本時間4月24日午前8時30分過ぎ、10号機がフライトラインにトーイングされてきました。

1時間ほど経過したのち、パイロットが搭乗開始。

午前9時50分、タラップカーが離れ出発準備完了。

午前10時23分、名古屋空港のRWY34からエアボーン。

今日はセントレアへは向かわず、まっすぐ太平洋上へ。

遠州灘沖まで出たところで高度を30,000ftに上昇。

その後は高度と速度を上げ下げを継続。

着陸は午後2時15分、今日の飛行時間は3時間52分でした。

今日は目撃情報が少ないのですが、マイティさんのツイートによると、着陸時に「RAT(ラムエアタービン)」を出したようです。

H.Futamuraさんは初スペースジェットでしたか。よかったですね。

セトリートさんのツイート。離陸撮影できてよかったですね。

 2020年4月24日、10号機が9回目のテストフライト実施。今日は朝から自宅にいたので、名古屋空港のライブカメラでウォッチしていました。午前8時30分過ぎに、トーバーレストラクターに引っ張られて15Aスポットに到着。1時間ほど機体チェックを行ったのちに、パイロットが搭乗。残念ながらしばらく自宅を離れていたので、スポットアウトはウォッチできませんでしたが、午前10時23分に無事エアボーン。

 今日は無線交信を聞いていたので、10号機が離陸後サウスイーストへVFRで飛行することがわかりました。離陸後あまり高度を上げずに4,500ftほどで愛知県を南下。先日のようにセントレアへ向かうのかと思ったのですが、そのまままっすぐ太平洋上へ飛んで行きました。

 今日はお昼までは自宅でウォッチできたのですけが、午後からどうしても済ませなくてはいけない用事をするため外出していたので、残念ながらアプローチの無線交信と着陸後のライブカメラ映像を見ることはできませんでしたが、Flightradar24の飛行データによると、今日も遠州灘沖で高度と速度を上げ下げを継続。着陸は午後2時15分、飛行時間は3時間52分でした。




★日本時間4月22日、10号機が初のナイトフライト、そしてPARアプローチでタッチダウン

  

日本時間の4月22日午後4時53分、10号機が名古屋空港のRWY34からエアボーン。 今日のFlightradar24は出発地情報が出ず、離陸時間がUTC時間で表示されていました。

今日は今までのフライトと違いセントレアへ。

高度325ftまで降下したところで再び上昇開始。おそらくILSの電波に乗って降下し、ミストアプローチを行ったのでしょう。

そして伊勢湾上空でレフトターンし、いつもの太平洋上へ。

日没時間を過ぎても飛び続け、午後8時になったところでナゴヤGCAとコンタクト。

いやー、まさかスペースジェットがPARアプローチをするとは思いもしませんでした。そして、エアバンドレシーバーでしっかり無線交信を聞くことができました。「オン・コース、オン・グライドパス」、「ジュリエット・アルファ・ツーシックス・マイクジュリエット・クリアド・トゥ・ランド」。

「ワンマイル・フロム・タッチダンウン、ガイダンス・リミット」。ええ?高度500ftでガイダンス・リミット?以前は302ftまでガイダンスできたのに・・・。

タッチダウン後、エンド・オブ・ランウエイまで行き、戻ってきました。

これは名古屋空港のライブカメラ映像。ちょっと粗いですがはっきり確認できます。

そして最近のフライトラインである15Aスポットへ。

まぐろ屋さんがこの日の離陸写真を投稿。

ヤマさんはISOをいくつまで上げたのでしょうか?

マイティさんは着陸動画をUP。

きりしまさんの写真はクリアですね。

ぺんた✈さんもなかなかすばらしい。

デュラムセモリナさんは、みなさんと反対側から撮りましたね。

ぺんた✈さん、こちらの写真もすばらしい。

ちょろこんささんの写真もグッド!

みなさん寒かったでしょう、よくがんばって撮られたと思います。

それに引きかえ、セントレア公式ツイッターは何ですか?スカイデッキ閉鎖中なので、せめてあなた方くらい写真を撮ってUPしてほしかったですね。325ftまで降下したんですから。

 2020年4月22日、10号機が8回目のテストフライト実施。それも午後4時53分に離陸し、午後8時32分に着陸という本格的なナイトフライトを行いました。

 おまけに今日は、離陸後いったんセントレアへ向かい、ILSアプローチで降下したのち、ミストアプローチで再上昇。セントレアとはこれでお別れしていつもの太平洋上へ。ここでは39,000ftから9,000ftまで幅広くアップダウンを行い、午後8時になったところで、ナゴヤGCAとコンタクト。まさかまさかのPARアプローチ。

 久しぶりに聞いたPARアプローチがスペースジェットとは、これは私はラッキーだったと思いました。今日は北西の風が強く、ずっと「レフトオブコース」を飛行。東山動植物園上空で「ジュリエット・アルファ・ツーシックス・マイクジュリエット・クリアド・ツー・ランド」。

 そして「1マイル・フロム・タッチダウン」となったところでガイダンス・リミット。以前、ここが県営ではなく、国交省の管制官がいた頃のGCAはRWY34側では302ftまでガイダンスしていたので、自衛隊にスイッチしてからGCAレーダーの性能が落ちたのでしょうか?

 タッチダウン後はエンドオブランウエイまで滑走。いつものように15Aスポットに戻ってきました。この時間、名古屋空港の展望デッキも閉鎖になっているので、今日はみなさんエアフロントオアシスから撮影されたようです。今日は風も強く気温も低かったので、きっと寒かったことでしょう。みなさん、お疲れさまでした。




★三菱航空機公式ウェブサイトがコロナウイルス関連の2つのレポートを公開

  

コロナウイルス終息後、米国リージョナルエアラインが大手エアライン向けに担う重要な役割

米国リージョナル航空業界へのCOVID-19の影響 − 現状および将来

 三菱航空機公式ウェブサイトが、新型コロナウイルス関連の2つのレポートを同時公開。1つめは「米国リージョナル航空業界へのCOVID-19の影響 − 現状および将来」で、もう1つが「コロナウイルス終息後、米国リージョナルエアラインが大手エアライン向けに担う重要な役割」。

 1つめの「影響、現状、将来」では、三菱航空機として現在および今後に与える影響について、業界の理解を促進すべく、私たちの見解を共有。リージョナル航空は、航空業界全体と比較して回復力が強いことが示されており、過去の壊滅的出来事においても、リージョナル航空は困難な時期における希望と強さを示していると分析。

 2つめのレポートはCourtney Miller氏が「The Air Current」の中で、このパンデミックの中で明らかになった、商業航空業界における興味深い新事実について述べたことを引用。COVID-19の影響は、逆説的に、リージョナルエアライン(特に独立系のリージョナルエアライン)の立場を相対的に強くしていると記載。

 また、大手エアラインがオフバランスシートの手段を通じてネットワークのカバー範囲を維持していくことが、独立系のリージョナルエアラインに相対的に安定した立場を継続的にもたらす可能性がある、これは大手エアラインの機材では縮小した市場キャパに対応できないが、独立系のリージョナルエアラインがその穴を埋める役目を果たすということでしょう。

 どちらの記事も、三菱スペースジェットの将来に不安はないという自信の表れと受け止めることができそうです。




★日本時間4月21日、10号機が2週間ぶり7回目のテストフライト実施

  

日本時間の4月21日午後0時31分、10号機が名古屋空港のRWY34からエアボーン。

今日も今までと同様、太平洋上で高度とエアスピードを上下させてフライト。

そしてランウエイチェンジした名古屋空港上空をローアプローチしてライトターン。

そして、もう1度VOR Aでファイナルアプローチ。

タッチダウンは午後5時12分、飛行時間は4時間41分でした。

これがローアプローチの際の上空通過写真のようです。

愛知県にも緊急事態宣言が出ていることもあって、今日は目撃情報が少なかったです。

そんななかでもあおちぃさんがしっかり写真ツイートしてくれました。

そしてtomo#533さんがW2から滑走路を離脱するシーンをツイート。

skullさん「空活 RJNA JA26MJ 夕刻に艶やかな機体ライン」。日が長くなりました。

MT4692さんがYouTubeに動画公開。

 2020年4月21日、10号機が2週間ぶりに7回目のテストフライト実施。今日の離陸は午後0時31分で、いつもと同じように名古屋空港のRWY34からエアボーンしたのち比較的小回りして、豊田、岡崎、蒲郡上空を通過したのち、渥美半島を横切って太平洋へ。

 今日も太平洋上で飛行高度とエアスピードを激しく上下させていました。また、今日はVOR Aでアプローチしたのち、一度ローアプローチもしくはゴーアラウンドで上昇。ライトターンののち、再びVOR Aでファイナルアプローチし、午後5時12分にタッチダウン。飛行時間トは4時間41分でした。

 2週間ぶりに10号機が飛びました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、愛知県にも緊急事態宣言が出ているので、もしや飛行試験が中断しているのではと心配していましたが、まだそこまでには至っていないようです。ただし、みなさんが「ステイホーム」を守っているのでしょう。今日はTwitterへのツイートが非常に少ない1日でした。




★今はこうならないことを祈るばかり

  

milkyhtさんのツイート 「アメブロを更新しました。『【三菱航空機】新型コロナで納入7度目の延期確定?!』」

 milkyhtさんが自身のアメブロで『【三菱航空機】新型コロナで納入7度目の延期確定?!』という記事を掲載しツイート。アメリカにおける新型コロナウイルス感染拡大の様子や三菱スペースジェットの現状を簡略にまとめられています。

 三菱スペースジェットが新型コロナウイルスで救われるのかさらに窮地に追い込まれるのか、今は何とも言えませんが、今回の「コロナ禍」が航空業界に及ぼした影響は計り知れないので、終息後も需要回復にはかなりの時間を要するというのが一般的な見方。

 そのため、保有機材を小型・省エネ化する動きが起きるのではとの見方から、三菱スペースジェットに追い風が吹くと考えている航空アナリストがいるようです。その需要が何年続くかわかりませんが、一過性であるとすると、TC取得がこれ以上遅れることになると、その需要を取りこぼすことになりかねないですね。




★日本時間4月16日、10号機が3日連続でフライトラインに留まる

  

せとりーとさんのツイート「今日のSpaceJet10号機/JA26MJ 昨日及び一昨日とは異なり昼頃に登場 14時過ぎにトーイングされて撤収」

 日本時間4月16日(木)、今日も10号機は昼頃にフライトラインになっている15Aスポットに出されたものの、午後2時過ぎにトーイングされて撤収。愛知県にも緊急事態宣言が出て以来、名古屋空港からツイートしてくれる方も減ってしまいました。

 今日はセトリートさんのみがツイートしてくれていて、ツイート後半で「午前中から出ていた昨日、一昨日は自分が撮影後に三菱のフェンス前へ移動して夕方に撤収していたようですが、これはどういうことでしょう」と書かれています。

 昨日はもしかしたらフライトキャンセルだったのかもしれませんが、今日は単にエプロンに出しただけとも考えられます。背景がよくわかりませんが、「飛ばない」のならいいものの、「飛べない」と深刻です。




★日本時間4月15日、10号機が2日連続でフライトキャンセル?

  

Aviation Wire「三菱スペースジェット10号機やJAL 787国内線仕様最終号機 国交省の航空機登録20年3月分」

MT4692さんのツイート「spacejetが飛行時の場所に居ますのでテスト飛行する可能性がありますね。」

せとりーとさんのツイート「今日のSpaceJet10号機-JA26MJ FDA7号機(イエロー)に見守られながら()エンジンを回していましたがまたもや飛ばず…。 昨日のリプレイを見てる感じがしました 何が起きているのでしょう...」

MT4692さんのツイート「spacejetテスト飛行がキャンセルになりました」

 Aviation Wireが、「三菱スペースジェット10号機やJAL 787国内線仕様最終号機 国交省の航空機登録20年3月分」という記事を掲載。

 「国土交通省航空局(JCAB)によると、2020年3月の航空機登録は、予約登録受付が5機、新規登録が8機、移転登録が18機、変更登録が3機、抹消登録が7機で、予約登録の取り下げはなかった。

 新規登録では、三菱航空機が開発中の「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の飛行試験10号機(登録記号JA26MJ)や、日本航空(JAL/JL、9201)のボーイング787-8型機の国内線仕様4号機(JA849J)などが見られた…」といった内容。ようやく10号機はJA26MJとして登録されたようです。

 日本時間の4月6日(水)午前、飛行試験10号機(JA26MJ)が最近のフライトラインである15Aスポットに出されるも、昨日に引き続きエンジンを回しただけでフライトを行いませんでした。

 Twitterにあげられた情報では、フライトはキャンセルになったと書かれていましたが、これが10号機からATCに対してもしくは三菱小牧に対して「キャンセル」という交信を行ったのかは未確認なので、本当にキャンセルになったのか、もともとここでエンジンを回すだけの予定だったのかはわかりません。

 もし本当に2日連続でフライトをキャンセルしたとなると、これはあまりいい状況ではないということになります。ただでさえモーゼスレイクでは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、テストが中断されているところなので、これで名古屋の10号機に問題が発生でもしようものなら、本当に大変なことになります。




★果たして地元名古屋での飛行試験回数は本当に増えるのでしょうか?

  

日本の三菱重工グループは、ワシントン州モーゼスレイクのフライトテストセンターの活動を一時停止した後、地元でより多くのSpaceJetフライトテストを実施し、米国でのCOVID-19拡散との戦いを支援。三菱の窮屈な地区には438人の労働者がいます。

せとりーとさんのツイート「今日のSpaceJet10号機-JA26MJ 1週間ぶりの飛行に期待しましたが飛ばず…。 ホンダジェット(JA86GR)との国産ジェットコラボが撮れたのはよかったかな…?

S&Sさんのツイート「アメブロを更新しました。『SpaceJet 1週間ぶりに…飛ばなかった』」

 Andrew McIntoshという航空ジャーナリストが、「Japan's MHI_Group eyes more SpaceJet flight tests at home after suspending MosesLake WA state Flight Test Center activities to help fight COVID-19 spread in U.S. Mitsubishi has 438 workers in cramped quarters here(日本の三菱重工グループは、ワシントン州モーゼスレイクのフライトテストセンターの活動を一時停止した後、地元でより多くのSpaceJetフライトテストを実施し、米国でのCOVID-19拡散との戦いを支援。三菱の窮屈な地区には438人の労働者がいます)とツイート。

 リンクされている記事には、「The regional jet maker has put all ground and air testing on hold, reduced its staff at the Mitsubishi Flight Test Center in the Central Washington town and implemented a series of new best practices to counter the spread of COVID-19.(リージョナルジェットメーカーは、すべての地上および飛行試験を中止し、ワシントン中心部の町にある三菱フライトテストセンターのスタッフを削減し、COVID-19の蔓延に対抗するための一連の新しいベストプラクティスを実装しました)と掲載。

 モーゼスレイク・フライトテストセンターには438人ものスタッフがいるのですね。それと、地元愛知県も緊急事態宣言を出しているため、果たして思惑通りに試験ができるかどうか・・・。




★三菱スペースジェットがコロナウイルスに乗って回復に到着したと見られている

  

三菱のスペースジェットがコロナウイルスに乗って回復に到着したと見られている

flykei@在宅ワーカーさんのツイート 「SPACEJETは窓まで文字が被ってるんだな」

flykei@在宅ワーカーさんのツイート 「もし今のSPACEJETのデザインを生かすならばこんな感じがいいな〜 流れるような感じで、大きくSPJとか入れて」

 フライトグローバルが、「Mitsubishi’s SpaceJet seen as riding out coronavirus, arriving upon recovery(三菱のスペースジェットがコロナウイルスに乗って回復に到着したと見られている)」という記事を掲載。

 記事はフライトグローバルのアカウントを取得して、サインインしないと全文が読めませんが、表示されている部分を翻訳すると、「最近数週間で世界的な航空旅行の需要は急落しましたが、2人の航空宇宙アナリストが自信を持って新興企業を立ち上げた三菱航空機は、リージョナルジェットであるスペースジェットの認証と引き渡しの計画を成功させます」という内容。

 これは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全世界で航空需要が低迷し、世界中の航空各社が機材の小型化へ舵を取るだろうと、2人の航空宇宙アナリストが言っているという内容。この記事、世界各国でリツイートされていて、新型コロナウイルスが終息しても、かつてのようには戻らないというのが、経済アナリストの共通の認識のようですね。

 flykei@在宅ワーカーさんが、ゆかいなツイートをされました。1つめは「SPACEJETは窓まで文字が被ってるんだな」という内容で、SPACEJETの文字が一部窓にかかっていて、あまりよくないということなのでしょう。

 2つめのは、「もし今のSPACEJETのデザインを生かすならばこんな感じがいいな〜流れるような感じで、大きくSPJとか入れて」とツイートし、SPJというオリジナルロゴをあしらい、垂直尾翼にSPACEJETロゴを入れた力作。

 個人的な感想になりますが、ボディに青と赤のラインを入れると、何となく中国のエアラインぽく見えてしまいます。それに3文字にするなら、MSJのほうがいいのではないでしょうか。




★日本時間4月10日未明、7号機がTEST1234を発信 モーゼスレイクはコロナで試験中断

  

日本時間の4月10日午前1時過ぎから午前4時前まで、Flightradar24が最終組立工場内からTEST1234のADS-B信号を表示。(写真ははめ込みです)

もう少し拡大してみると、最終組立工場の南端付近に表示されました。

中日新聞4月10日朝刊「スペースJ、新型コロナで米の試験を中断 開発への影響懸念」

朝日新聞のツイート スペースジェット、米国での試験できず 外出制限が影響

航空新聞社WINGのツイート スペースジェット、モーゼスレイクで飛行試験できず 新型コロナ影響、飛行試験センターの活動が限定的に

昨日、Aviation Wireが最近三菱スペースジェットの記事を掲載してくないと書いたのを読んでくれたのでしょうか?

 日本時間の4月10日午前1時過ぎから午前4時前まで、Flightradar24が最終組立工場内からTEST1234のADS-B信号を表示。これは間違いなく飛行試験7号機(JA27MJ)でしょう。こんな深夜になぜADS-Bのトラポン信号を発信する必要があったのかわかりませんが、7号機がほぼ完成している証でもあります。

 先日の目撃情報では、垂直尾翼にMRJとマーキングされたホワイトボディーのままだったので、今後三菱重工名古屋航空システム製作所(名航)内のハンガーに移される前に、お色直しを受けるのかどうか、そして私たちの前に姿を現すのはいつになるのか・・・。待ち遠しいです。

 いっぽうで、4月10日の中日新聞朝刊に「スペースJ、新型コロナで米の試験を中断 開発への影響懸念」という記事が載りました。

 内容はアメリカ・モーゼスレイクでの飛行試験が中断していることが分かった。開発は「最終段階」に入っているが、3月下旬から現地では外出制限がとられており試験が中断しているという。早ければ4月にも最新試験機を米国に移し試験する予定だったが、米国への移送も時期の調整が必要になった。そのため、日本側での飛行試験を増やすことを検討している。

 最近モーゼスレイクでのフライトが行われないと思っていたら、やはりコロナの影響だったのですね。新型コロナウイルス感染拡大の影響が、三菱スペースジェットのTC取得スケジュールにも影響を及ぼしているようです。愛知県が10日に独自の非常事態宣言を出したことで、今後、日本での飛行試験も中断されるかもしれません。




★三菱航空機の丹羽新社長「M90の型式証明の早期取得に向け全力を尽くす」と就任挨拶

  

月刊エアライン編集部のツイート 三菱航空機の丹羽新社長が「スペースジェットM90の型式証明の早期取得に向け全力を尽くす」と就任挨拶。

こまさんが10号機写真を使って、海外エアラインバージョンのM90写真を作成。

この写真を↑のように変身させちゃうんですからすごいです。

 月刊エアライン編集部が、三菱航空機の丹羽新社長が「スペースジェットM90の型式証明の早期取得に向け全力を尽くす」と就任挨拶。最新の飛行試験機FTA-10は本日時点で6回のフライトを実施し「早期に米国へとフェリーしたい」。写真は4月7日、6回目の試験から帰投するFTA-10。*3/18のFTA-10初飛行の模様は発売中の5月号にて。とツイート。

 最近、非常に有望な情報源であったAviation Wireが、三菱スペースジェットの情報を取り上げる回数が減ってしまったと思います。残るは「月刊エアライン」ですので、次回の6月号にも期待することにします。

 少し前になりますが、こまさんがおもしろいツイートしてくれていましたので、ご紹介します。こうして海外のエアラインの現役塗装にしてみると、意外に似合うことに驚きです。




★日本時間4月7日、10号機が5時間11分のロングフライト実施、洋上用HFアンテナ外される

  

日本時間の4月7日午前10時56分、10号機が名古屋空港のRWY34からエアボーン。

太平洋上での軌跡を見やすくするため、背景を変更することにしました。

タッチダウンは午後4時07分で、飛行時間は5時間11分でした。

今回が6回目のテストフライト。飛行時間も5時間を超え、そろそろフェリーフライトのリハーサルでしょうか。

いい写真ですね。すばらしいの一言に尽きます。

着陸後はホンダジェットとツーショット。

今日のベストツイートははみんぐばーどさんのコレ。

赤い流星さんがW1でホールドショートする写真をツイートしてくれました。

 2020年4月7日、10号機が6度目のテストフライト実施。今日の離陸は午前10時56分で、いつもと同じように名古屋空港のRWY34からエアボーンしたのち今までよりもやや大回りして、豊田、岡崎、蒲郡上空を通過したのち、渥美半島を横切って太平洋へ。

 今日も太平洋上での飛行時間が非常に長く、高度38,500ftを維持しながらエアスピードを激しく上下させていました。タッチダウンは午後4時07分で、この日の飛行時間トは5時間11分ものロングフライトでした。

 今日のフライトでは、スターボードサイドにあったHFアンテナが外されていたのを、はみんぐばーどさんが写真ツイート。すでに洋上航行の際のATCとの交信は、衛星を使用して行う時代になっているので、HFアンテナはもはや不要になったというのが正解ではないかと思います。




★昨日の10号機のファイナルアプローチですが

  

これが昨日の10号機のファイナルアプローチルートですが・・・

「STAR」の「VOR A」チャートを見事にトレースしていました。

RWY16使用時の南からのトラフィックが、名古屋空港上空をオーバーヘッドし、こんな見事な「VOR A」を描くのは、そうそう見ることはないと思います。

 昨日の10号機のファイナルアプローチルートですが、「STAR(標準計器着陸方式)」の「VOR A」チャートを見事にトレースしていました。通常はアプローチコントロールの管制官がトラフィックをウォッチしながらレーダーベクターするので、こんな正確に「STAR」のコースを描いて飛ぶことは稀。

 これも昨日の10号機のテストフライトにおけるチェック項目で、管制官によるレーダーベクターを断り、あえて遠回りして計器着陸を試したのでしょうか。だとすると、いよいよアメリカへのフェリーフライトが近いと思われます。もしかして今週旅立つかも・・・。




★日本時間4月4日、10号機が4時間40分のロングフライト実施

  

日本時間の4月4日午前10時57分、10号機が名古屋空港のRWY34からエアボーン。

今日は3日連続のフライトであるとともに、4時間40分のロングフライトになりました。

今日は午後からランウェイチャンジしたため、名古屋空港上空をいったん通過して北上し、ライコーを通過して「VOR A」でファイナルアプローチ。

タッチダウン後、W2まで滑走し戻ってきました。

エルクさん、今日は空港ビルの展望デッキでは撮影されなかったのですね。

今日は休日ということもあり、多くの方がTwitterに写真を投稿してくれたので、みなさんの投稿写真を時系列に並べました。

15Aスポットを出発しW1へ向かってタクシング。

ローリング開始。なかなかステキな写真ですね。

これぞ名古屋空港というアングルでの写真ですね。

うまく流し撮りできてますね。

今日はランウエイチェンジしたことで、名古屋空港上空を南から北へオーバーパス。

そして4時間40分ものロングフライトを終えてファイナルアプローチ。小牧城とのツーショットも見事です。

RWY16だと機首部分にも太陽光線が当たってきれいですね。

神明公園からアプローチ写真が撮れる季節ですね。

そしてRWY16へタッチダウン。

W2から滑走路を離脱。

なかなか見られないアングルでの撮影ですね。

15Aスポットへ戻って行きました。

ふにゃふにゃさんの動画は神明公園の展望台からでしょうか。

いちごそばさんのADS-B受信ログのツイート。いちごそばさんの受信地点が不明ですが、航空機からの電波は200kmくらいは飛んでるみたいですね。

 2020年4月4日、10号機が3日連続5度目のテストフライト実施。離陸は午前10時57分で、いつもと同じように名古屋空港のRWY34からエアボーンしたのち右旋回し、豊田、岡崎、蒲郡上空を通過したのち、渥美半島を横切って太平洋へ。

 今日は太平洋上での飛行時間が非常に長く、アメリカへのフェリーフライトに必要な飛行時間を飛んでいたのでしょうか。その後、太平洋上から戻って来たのですが、名古屋空港の使用滑走路がランウエイチェンジしRWY16に。そのため、名古屋空港上空をいったん通過して北上し、ライコーを通過して「VOR A」でファイナルアプローチ。

 タッチダウンは午後3時35分で、長めに滑走路に留まって、W2から戻ってきました。この日のテストフライトは4時間40分ものロングフライトでした。今日は休日ということもあり、多くの方がTwitterに写真を投稿してくれたので、みなさんのツイートを時系列に並べてみました。




★日本時間4月3日、10号機が4度目のフライトでRAT試験、そしていよいよJA27MJが

  

日本時間の4月3日午前11時45分、10号機が名古屋空港のRWY34からエアボーン。

今日は2日連続のフライトということではないでしょうが、昨日よりもずっと飛行時間は短かったようです。

タッチダウンは午後1時54分で、飛行時間は2時間08分でした。

今日の10号機はRAT(ラムエアタービン)の試験を行ったもよう。

回ってる、回ってる!

そろそろ渡米も近そうですね。

これは初めて見ました。いちごそばさん、すごいですね。

そして最終組立工場前のエプロンでは7号機(JA27MJ)の目撃情報がありました。

日本経済新聞掲載資料でもう1度おさらい。

 2020年4月3日、10号機が4度目のテストフライト実施。離陸は午前11時45分で、着陸は午後1時54分。飛行時間は2時間08分でした。今日の10号機はRAT(ラムエアタービン)の試験を行ったようなので、いよいよ渡米が近づいたといったところでしょうか。

 今日はもう1つ、ビッグニュースがありました。それは最終組立工場前のエプロンで、7号機(JA27MJ)の目撃情報がありました。以前三菱航空機が公開したリリース写真の際と同じ、ホワイトボディに垂直尾翼にMRJ90と描かれた姿のまま。どうするのでしょうね、このままの外観で渡米するのでしょうか?




★時事ドットコムが三菱スペースジェット(旧MRJ)写真特集

  

時事ドットコムが三菱スペースジェット(旧MRJ) 写真特集を掲載。

42枚のアーカイブ写真が閲覧できますが、やはり初飛行の写真がいちばんです。

この写真は新聞の一面に載ったんじゃなかったでしょうか。

進空する際、多くの取材ヘリが飛んでいましたっけ。

そして1時間40分ほどの初飛行を終えて戻ってきた際の写真。この歩道橋は安全のために通行止めになりました。

あれからもう4年半経ったのですね。ようやく設計変更された10号機がテストフライトを始めたところ。どうしてこうなってしまったのでしょうか。

 時事ドットコムが三菱スペースジェット(旧MRJ)写真特集を掲載。42枚もの新聞報道などに使われたMRJ時代の写真を閲覧することができます。数枚の写真をお借りしましたが、やはり2015年11月11日の初飛行ですね。このときは本当にすごい時代になった、これから名古屋空港に行くのが楽しみで仕方ないと思ったものです。




★日本時間4月2日、10号機が3度目のテストフライト

  

日本時間の午前10時47分、10号機が名古屋空港のRWY34からエアボーン。

今日は太平洋上の飛行試験区域で37,000ftまで上昇。飛行時間も今までで最長。

名古屋空港へのファイナルアプローチの途中、おそらくホールドの指示があったのだと思いますが、岡崎上空で「メイク360」を2度行っていました。

そして午後2時19分、名古屋空港のRWY34にタッチダウン。飛行時間は3時間31分のロングフライトでした。

あおちぃさんが着陸後すぐに写真をツイート。

しかし、さすがに新年度早々の平日なので、目撃ツイートも少なめ。

新年度が始まって2日目、社会人は今が一番休めない時期ですから仕方ありません。

 2020年4月2日、10号機が3度目のテストフライト実施。離陸は午前10時47分で、いつものように右旋回して長久手から豊田方面を飛んで、蒲郡から三河湾をオーバーパス。渥美半島から太平洋へ。今日は飛行試験空域で37,000ftまで上昇。何度もアップダウンと加減速を繰り返し、来た時とほぼ同じコースを飛んで愛知県上空へ。

 途中、岡崎上空でおそらくホールドの指示があったのだと思いますが、「メイク360」を2度行っていました。そして午後2時19分、名古屋空港のRWY34にタッチダウン。飛行時間は3時間31分のロングフライトでした。やはり新年度になるのを待っていたようです。昨日は雨が降ったので、今日が実質的には新年度最初のフライト日和ということなのでしょう。

 今日のフライトでもまだ、スタティック・プレッシャーコーンを装着していないので、やはり名古屋でのテストフライトは、アメリカへのフェリーフライトに耐えられるかをチェックするだけなのではないでしょうか。だとすると、名古屋でのテストフライトはもう、何度も行われないかもしれません。




★カレンダーは今日から4月

  

カレンダーは今日から4月。新年度のスタートでもあります。

あおちぃさんのユニークなツイート。さて、どこが違うのか???

私にはアンテナの数と塞がれた窓の位置くらいしか違いがわからなかったので、写真をお借りしてもっと比較しやすくしてみたのですが・・・。

 カレンダーは今日から今日から4月。スペースジェット・カレンダーの4月は、3号機の飛行シーンの後方からの写真。実写がCGかわかりませんが、10号機が渡米すると、このカラーリングが2機になるんだなあと思って見ていました。

 あおちぃさんが、非常にユニークなツイートをしてくれました。10号機が姿を現してから、従来の飛行試験機との外観の違いについて、前傾がきつくなったのではとか、いろいろみんなが研究成果を述べ合っています。

 そこにあおちぃさんが1号機から3号機をほぼ同じアングルで並べた写真と、10号機の写真の2枚をUPしてくれたのですが、正直言って、私にはアンテナの数と塞がれた窓の位置くらいしか、違いを見つけることができませんでした。

 そこで写真をお借りして、10号機も1号機から3号機の下にくっつけてみたのですが、やはりよくわかりませんでした。どこが違うんだろう・・・すごく気になります。




★三菱スペースジェットANAへの納入はいつ?

  

毎日新聞経済プレミアが3月21日に掲載した「三菱ジェット『新試験機初飛行』ANAへの納入はいつ?」が、3月28日になってYahoo!ヘッドラインニュースに掲載され、ようやく全文を読むことができるようになりました。

エルクさんのツイート とうとう ここのMRJの文字も消されちゃいましたね…。名古屋に詳しくない方のために補足すると、これは最終組立工場のゲートです。

 毎日新聞経済プレミアが3月21日に掲載した「三菱ジェット『新試験機初飛行』ANAへの納入はいつ?」が、3月28日になってYahoo!ヘッドラインニュースに掲載され、ようやく全文を読むことができるようになりました。

 この記事での注目点は、三菱航空機は、10号機と同じ仕様の試験機を現在あと2機製造中で、できれば2機とも試験飛行に投入する考えのようだ。残りの試験飛行を1機で行うより複数機で行った方が、型式証明取得までのスピードを上げられる。「2機のうち1機はそう遠くなく完成する」。これはJA27MJ(飛行試験6号機)のことですね。どんなカラーリングで姿を現すのでしょうか?

 そして、三菱航空機はすでに米国に送っている4機の試験機で計3500時間以上の試験飛行を行い、一般に型式証明取得に必要とされる2500時間を大きく超えている。これが初めて臨む型式証明取得の苦しさということなのか。総飛行時間をどれだけ積み上げれば型式証明取得にたどり着けるのか、まだ明確なゴールは見えてこない。

 結局のところ、記事のタイトルにもなっている量産初号機のANAへの納入時期について、試験10号機を米国に送り込んだ時点で、ANAへの納入時期は示される。10号機をいつ米国に送り込めるのかと、さらに追加で投入できる試験機の機数や時期から計算すれば、型式証明をいつごろ取得可能と想定しているかは、おおよそ明らかになるだろう。

 ここにたどり着くわけですが、ええ?合計7機でTCフライト実施ですか?というか、これら3機が投入されたら、旧設計の1号機から4号機は、もうTCフライトには不要になるのではないでしょうか。




★3月28日土曜日も三菱エプロンで機体チェック

  

3月28日(土)、今日も10号機は三菱エプロンで機体チェック。

エルクさんが写真に続き、動画をUPしてくれました。

 3月28日(土)、10号機は今日も三菱エプロンのブラストフェンス前で機体チェックを受けていたようです。エルクさんが写真に続き、動画もUPしてくれたので、何となく今日の機体チェックの内容をうかがい知ることができます。今日はAPU作動で操縦系のチェックでしょうかね。それこそが、設計変更の中心部分でもあります。

 そして、給油も終えたようですので、3度目のテストフライトも近そうです。ただし、垂直尾翼にはまだスタティックプレッシャーコーンをが取り付けられていないので、名古屋では飛行試験は行わず、単に試験飛行を行ったのちに、モーゼスレイクへ旅立つのかもしれません。




★やはり年度末だからなのでしょうか

  

エルクさんのツイート 今朝はMSJが久しぶり?に この場所にいますね。

ぺんた✈️さんのツイート スペースジェットは外に居ました

MT4692さんのツイート SPACE JETの垂直尾翼の渦巻き模様が無くなったのは何故!

エルクさんのツイート MSJ、今日は夜遅くまで外で頑張ってますね。お疲れさまです。

エルクさんのツイート 今朝もMSJは三菱エプロンにいますね。もしかして昨夜から徹夜だったのかな?

 3月26日は日本、モーゼスレイクとも、大きな動きはありませんでした。モーゼスレイクについては、日本よりも16時間遅れて26日になったので、このトピックを書いている時点では、まだ半日残ってはいますけど。
 
 名古屋空港に隣接する三菱エプロンでは、前日に引き続き10号機が機体チェックを受けたようです。詳細は不明。10号機はすでに2度のテストフライトを行ったのに、なぜ今、三菱エプロンで羽を休めているのか?渡米した4機の飛行試験機たちが初フライトを行ったあとは、不具合の見つかった1号機のときを除けば、ガンガン飛んでましたから。

 そう考えると、10号機は「飛ばない」のか、「飛べない」のか。飛ばないとすると考えられる理由はふたつ。1つは「年度末」だからで、もう1つは「新コロナウイルス感染拡大の影響」。どちらもあまり考えにくいのですが、後者であるとやっかいですね。

 じゃあ、飛べないとすると、何が考えられるのか?2度のフライトで不具合が発見され、現在その対策を検討中とかでしょうか。そうではなく、今は設計変更か所のリチェックを行っているのだと信じたいです。




★10号機の垂直尾翼のぐるぐる模様と金帯がスターボードも剥がされる

  

3月25日、三菱エプロンで10号機がチェックを受けたようですが、天津つばめさんがトーイングされてきた10号機写真をツイートしてくれました。


モーゼスレイクでは現地時間の23日以降、飛行試験は確認できていません。Flightradar24に残っている最後のデータは、24日の2号機のチェック。

 今週は三菱スペースジェット情報があまりない日が続いています。モーゼスレイクでは23日のテストフライト以降、24日の2号機の地上チェックが確認できただけ。これがアメリカにおける新型コロナウイルス感染拡大の影響なのか、それとも単に次のフェーズに移行するための準備なのかは不明。

 日本では今は年度末ですが、まさか今年度のテストフライト予算が枯渇したなんてことはないでしょうね?
 
 昨日は名古屋空港に隣接する三菱エプロンで、10号機が機体チェックを受けたようです。詳細は不明ですが、天津つばめさんがツイートしてくれたトーイングされてきた10号機写真では、21日の2度目のフライト時にはポートサイドのみ剥がされていた垂直尾翼のぐるぐる模様と、胴体端部の金帯がスターボードも剥がされていました。

 三菱スペースジェットのイメージでもあるぐるぐる模様をあえて剥がしたということは、これが飛行試験に何らかの影響を及ぼしたということなのでしょう。まだ10号機にはスタティックプレッシャーコーンを取り付けられていないので、このあたりが理由なのかもしれません。




★現地時間3月23日、1号機と4号機がフライト 新型コロナはスペースジェットの追い風になるか?

  

現地時間23日午前11時45分、4号機がRWY22からエアボーン。


4号機のフライトはシカゴ・ロックフォードから帰還して以来、4日ぶり。


今日の4号機は離陸後1時間半はモーゼスレイク近郊を10,000ft以下で飛んでいましたが、飛行時間がちょうど1時間半になったところでステップアップクルージング開始。38,000ftまで上昇してシアトルの西に広がるオリンピック国立公園上空へ。


そして飛行時間も3時間を過ぎた午後2時前にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港上空を2,350ftでローアプローチ。一度360度ターンして再びファイナルアプローチし、午後2時58分にRWY22にタッチダウン。


4号機が試験を終えてから約1時間後の午後3時50分、1号機がRWY22からエアボーン。


1号機は離陸後15,000ftまで上昇しておよそ1時間飛んだのち、トリ・シティーズ空港上空を何度かローアプローチ。


そして、すっかりあたりは暗くなっているであろう午後6時27分に、モーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22にタッチダウン。飛行時間は2時間37分でした。

Isaac ✈ Alexanderさんのツイート The likelihood of a Mitsubishi Aircraft SpaceJet flying over the stadium for the opening and or closing ceremonies has increased dramatically.(開会式や閉会式のためにスタジアムの上を飛ぶ三菱航空機スペースジェットの可能性は劇的に高まっています)

 現地時間23日午前11時45分、4号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22からエアボーン。最近はRWY4からの離陸が多かったので、RWY22による南西方向への離陸は久しぶり。また、深夜から機体チェックを行っていた4号機ですので、今日から新たなチェックに入ったのかもしれません。

 今日の4号機は離陸後1時間半はモーゼスレイク近郊を10,000ft以下で飛んでいましたが、飛行時間がちょうど1時間半になったところでステップアップクルージング開始。38,000ftまで上昇してシアトルの西に広がるオリンピック国立公園上空へ。

 そして飛行時間も3時間を過ぎた午後2時前にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港上空を2,350ftでローアプローチ。一度360度ターンして再びファイナルアプローチし、午後2時58分にRWY22にタッチダウン。飛行時間は3時間13分でした。

 4号機が試験を終えてから約1時間後の午後3時50分、1号機がRWY22からエアボーン。15,000ftまで上昇しておよそ1時間飛んだのち、トリ・シティーズ空港上空を何度かローアプローチ。

 そして、すっかりあたりは暗くなっているであろう午後6時27分に、モーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22にタッチダウン。飛行時間は2時間37分でした。

 Isaac Alexanderさんが、「The likelihood of a Mitsubishi Aircraft SpaceJet flying over the stadium for the opening and or closing ceremonies has increased dramatically.(開会式や閉会式のためにスタジアムの上を飛ぶ三菱航空機スペースジェットの可能性は劇的に高まっています)」とツイート。

 これはChristine Brennanさんの「BREAKING: Veteran IOC member Dick Pound says the Tokyo Olympics are going to be postponed. (ブレイキング:ベテランIOCメンバーのディック・パウンドは、東京オリンピックは延期されると言います)」をリツイートしたもので、開発遅れで納期延期をしているスペースジェットですが、東京オリンピックが延期されることになれば、開会式や閉会式のためにスタジアムの上を飛ぶ可能性は劇的に高まってると。

 Isaac Alexanderさんはガセネタをツイートする方ではないので、彼がこう推測すると、何だか本当にそうなるような気がしてくるのです。いっぽうでは航空需要の世界的低迷で、キャンセルを受けるのではと書いているマスコミもいるので、あまり手放しでは喜べない状況ではあります。




★現地時間3月23日未明、2号機と4号機がハンガーで機体チェック?

  

現地時間23日午前4時前後、2号機がハンガー内で機体チェック。


4号機は深夜1時から断続的にTEST1234で機体チェック。

朝日新聞デジタル編集部のツイート スペースジェット背水の飛行試験 コロナで新たな試練も

財経新聞・最新ニュースのツイート 三菱スペースジェット10号機初飛行 新型コロナ感染拡大で仮発注キャンセルか

三菱重工さん、このツイートはいくら何でも遅すぎませんか?

なごやんさんのツイート SPACEJETの濫觴(らんしょう)

 現地時間22日は日曜日だったこともあり、飛行試験は行われませんでした。しかし、日付が23日に替わった深夜から、2号機と4号機がハンガー内でチェックを受けているのが、Flightradar24にバッチリ表示されていました。何のチェックかわかりませんが、明らかに飛んでいないのに、飛行高度が1,400ftと表示されるなど、機体のチェックというよりは、トラポンやシステムのチェックといったところでしょうか。

 今日Twitterをチェックしていて、スペースジェットの10号機の初飛行と、新コロナウイルスによる影響から、今後試練が訪れると言った記事が目立ちました。これらは憶測の域を超えないので、あえて内容はご紹介しません。興味のある方はリンク先をチェックしてみてください。

 三菱重工公式ツイッターアカウントが、「mitsubishiairct has completed its maiden flight for the SpaceJet M90 Flight Test Vehicle 10, bringing the aircraft one step closer to obtaining type certificate.(三菱航空機は、SpaceJet M90飛行試験10号機の初飛行を完了し、型式証明書の取得に一歩近づきました)」とツイート。10号機の初飛行は3月15日だったわけで、それから1週間も経ってからこのツイートはいかがなものでしょうか?

 最後になごやんさんのツイート「SPACEJETの濫觴(「らんしょう)」をご紹介。濫觴とは物事の起こり。始まり。起源。という意味だそうです。なごやんさん、すごいことばをご存じですね。私はお恥ずかしながら、意味どころか読むこともできませんでした(汗)。




★現地時間3月21日、1号機が2日連続で2度のフライト実施 ファンボロー航空ショー2020中止

  

現地時間21日午前11時04分、1号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーン。


今日のフライトでは、高度12,500ft前後を維持しながらも、小刻みにアップダウンしながら飛び続けていました。


そして午後2時04分、モーゼスレイク・グラントカウンティ空港RWY22にタッチダウン。飛行時間は3時間ジャストでした。


その後、午後3時46分に再びRWY4からエアボーンし、この日2度目のフライトを実施。


2日連続の2度のフライトになりましたが、昨日と違い2度目も47分間飛んでいました。


午後4時33分にRWY22にタッチダウン。2度のフライトおつかれさまでした。

久しく実機を見ていない1号機ですが、今どんな状態なのでしょう?

ファンボロー国際航空ショー 2020の中止が決定。新型コロナの影響で − Travel Watch

シカマアキ✈さんのツイート 最近、青い飛行機がポツポツあって、なぜ青いの?という疑問が解消された! フライトレーダー 弱点改善へ - Yahoo!ニュース

 現地時間21日は、1号機が2日連続のフライト実施。今日の1号機は午前11時04分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーンし、モーゼスレイク近郊をずっと飛んでいたのですが、高度12,500ft前後を維持しながらも、小刻みにアップダウンさせていました。どんなチェックを行っていたのでしょうか?

 そして、飛行時間が3時間近くなってきたところでディセンディング開始。そのままレレフトターンでモーゼスレイク・グラントカウンティ空港RWY22にタッチダウン。着陸時間は午後2時04分、飛行時間は3時間ジャストでした。

 その後、午後3時46分に再びRWY4からエアボーンし、この日2度目のフライトに出発。2日連続の2度のフライトになりました。それも今日は昨日と違い2度目も47分間飛んで、午後4時33分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港RWY22にタッチダウン。休日前の残業フライトといったところでしょうか。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響から、Farnborough Internationalは現地時間の3月20日、2020年7月20日から24日に開催を予定していた「ファンボロー国際航空ショー」を中止すると発表。やむを得ない流れですが、今年はスペースジェットのデモフライトが見られないと思うと残念です。

 もう1つ、昨日のYahoo!ニュースに、「フライトレーダー24の「青い飛行機」って何? 人気サービスが「弱点」改善へ」という記事がありました。大ファンであり尊敬するプロカメラマンのシカマアキさんがツイートされていたので、ツイートから記事のリンクをさせていただきました。

 私も最近、北米大陸でのスペースジェットのフライトをチェックしていて、大西洋上や太平洋上にブルーのアイコンの航空機がたくさん表示されることが気になっていました。衛星を利用してデータを送信した航空機がブルーで表示されるそうで、これまではデータを地上のアンテナから受信しており、洋上を飛ぶ航空機はカバーしにくい傾向があったが、これまでの弱点が改善されることになりそうと紹介されていました。

 これは大変すばらしいことだと思います。それと、洋上での交信というと、以前はHF周波数帯で遠く離れた海の向こうの管制官と交信していたものですが、今は衛星を使っているのですね。時代の進化はこんなところにも。




★2020年3月21日、10号機が2度目のテストフライト実施

  

晴天の3月21日、10号機が15Bスポットへトーイングされてきました。

そしてエンジンスタート。

Aki-001さん、今日飛んでよかったですね♪私も行けばよかった(涙)。

エルクさんの離陸動画ツイート。

健太朗さんの離陸写真は展望デッキからの最高のカットですね。

CASTTEL41さんの離陸写真は神明公園からでしょうか。

今日の10号機のFlightradar24の飛行データ。離陸は午前11時11分。今日も私のオリジナルで10号機写真をはめ込みました。使わせていただいたのは、私が今日のベストショットと思った写真です。

しるふぃさんのファイナルアプローチ写真。

そしてこちらはマイティさんのファイナルアプローチ写真。

これぞ「ちひろさん」というナイスフォトです。いや、10号機もよくぞこの位置でタッチダウンしてくれたという着陸でしたね。

ハ・メパムさんの流し撮りも見事です。

エイブラムズ³さんの写真はむちゃくちゃ色がきれいですね。

着陸は午後0時55分、飛行時間は1時間43分でした。

今日も初飛行とほぼ同じコースを飛んできたようです。まだ、Flightradar24に飛行ログが出ないのが残念。

今日の話題の中心はコレですね。

Aki-001さんもおつかれさまでした♪

 2020年3月21日(土)、10号機が2度目のフライト実施。今日は朝からTwitterに10号機が出てきているとの情報をツイートしてくれていたので。用事さえなければ行きたかったところでした。せっかくの休日フライトでしたからね。

 今日の10号機は11時11分に名古屋空港のRWY34をエアボーン。離陸後右旋回しながら上昇し、豊田から豊橋上空を飛んで太平洋へ。その後は太平洋上の試験区域でテストフライトを行い、午後0時55分に名古屋空港RWY34へタッチダウン。飛行時間は1時間43分でした。

 10号機の飛行時間ですが、13日初飛行が1時間47分、今日の飛行時間も1時間43分と、2回とも2時間に満たないのです。飛行試験の時間は2時間が標準と以前にチーフテストパイロットの安村さんがおっしゃっていたことがありましたので、わずかな時間ではありますが、2度のフライトがいずれも2時間に満たないのが気になっています。

 また、Twitterでみなさんがツイートされていましたが、スペースジェットのイメージでもある垂直尾翼の金色のグルグルがポートサイドのみ消されていました。また、青色の外側の金帯もなくなっていたようですが、これはいったいなぜなのでしょうか?三菱航空機日本公式ツイッターアカウントさん、解説よろしくお願いします。




★現地時間3月20日、1号機が11日ぶりのフライト実施

  

現地時間20日午前11時18分、1号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーン。


1号機のフライトは3月9日以来、11日ぶり。この間でまた、ソフトウェアのアップデートを受けていたのでしょうか?


離陸後12,000ft前後でモーゼスレイク近郊をずっと飛び続けていました。


そして午後1時21分に離陸したのと逆向きのRWY22にタッチダウン。飛行時間は2時間02分でした。


今日の1号機は着陸後も約30分ほど、RWY22エンド側の誘導路で何かやっていたのでウオッチしていたところ・・・


午後1時44分にRWY4をローリングし再びエアボーン。そして、2,800ftまで上昇したところで旋回してRWY22にタッチダウン。これはいったい何だったのでしょうか?

Aki-001さんが18日に行われた10号機の初飛行をエアフロントオアシスから動画撮影されていました。こちらは離陸動画。

そして着陸。エアフロントオアシスからの動画は今までなかったので、ご紹介させていただきました。

18日の10号機初飛行のFlightradar24飛行データですが、まだ10号機写真がなかったので、私が加工して入れてみました♪

 現地時間20日午前11時18分、1号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーン。1号機のフライトは3月9日以来、11日ぶり。今日の1号機はモーゼスレイク近郊を12,000ft前後で飛行し、午後1時21分に離陸したのと逆向きのRWY22にタッチダウン。飛行時間は2時間02分でした。

 ところが着陸後も約30分ほど、RWY22エンド側の誘導路で何かやっていたのでウオッチしていたところ、午後1時44分にRWY4をローリングし再びエアボーン。そして、2,800ftまで上昇したところでUターンし、午後2時01分にRWY22にタッチダウン。これはいったい何だったのでしょうか?

 Aki-001さんが18日に行われた10号機の初飛行をエアフロントオアシスから動画撮影されていました。エアフロントオアシスはRWY34へのファイナルアプローチをウォッチするには最適。しかし、動画では一瞬で通過してしまうため、あまりここで離着陸を動画撮影される方がいないので、Aki-001さんの動画ツイートをご紹介します。




★現地時間3月19日、4号機がシカゴ・ロックフォードから帰還

  

現地時間(東海岸時間)19日午前10時32分、4号機がシカゴ・ロックフォード空港を離陸。


そして高度28,000ftまで上昇してミネアポリス上空を通過。


そのままアメリカ大陸を横断飛行し、西海岸時間の午後0時01分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港に着陸。


飛行時間は3時間28分、飛行距離は2,443kmでした。

Surrounded By Global Bad News, Mitsubishi Launches New SpaceJet Testing! (グローバルな悪いニュースに囲まれて、三菱は新しいスペースジェットのテストを開始!)− FliegerFaust

 現地時間の3月19日、4号機が遠征地のシカゴ・ロックフォードから戻ってきました。東海岸時間の午前10時32分にシカゴ・ロックフォード空港を離陸し、高度28,000ftまで上昇してミネアポリス上空を通過。そのままアメリカ大陸を横断飛行し、西海岸時間の午後0時01分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港に着陸。飛行時間は3時間28分、飛行距離は2,443kmでした。

 今回のシカゴ・ロックフォード遠征は、中1日挟んで2泊3日間という短いものでした。確か三菱航空機とシカゴ・ロックフォード空港は、飛行試験の実施で提携しているはずなので、もっと長期間テストが行われるのかと思っていました。また、今回の遠征がTCフライトなのか、社内テストなのかも不明。

 FliegerFaustが「Surrounded By Global Bad News, Mitsubishi Launches New SpaceJet Testing!(グローバルな悪いニュースに囲まれて、三菱は新しいスペースジェットのテストを開始!)」とツイート。

 記事はリーマンのサイトを引用したもので、「株式市場は世界中で破綻し、ボーイング、エアバス、エンブラエルの株はそれぞれ下落していますが、三菱航空機は珍しい朗報です。リージョナルジェットのスペースジェットM90の飛行試験10号機は、日本での初飛行で昨日離陸しました」と紹介。

 10号機の初飛行は世界中で話題になっているようで、Twitterでもハッシュタグをつけて検索すると、ものすごい数のツイートにヒットします。新型コロナウイルスによる影響で、最悪の時期とも言える航空業界なので、10号機の初飛行成功ニュースは、数少ない明るい話題なのでしょう。




★現地時間3月18日、4号機がシカゴ・ロックフォードからインディアナ州エバンズビルへ

  


現地時間(東海岸時間)の18日午前10時に4号機がシカゴ・ロックフォード空港を離陸し、1時間のフライトでインディアナ州エバンズビル・リージョナル空港着陸。



ここは今まで1度も飛行試験機が着陸したことのない空港だと思います。


そのわずか17分後の午前11時18分に離陸し、今度は38,900ftまで上昇しグルグルとダッチロールのような飛行をして、午後1時12分にシカゴ・ロックフォード空港に着陸。

3月19日の中日新聞朝刊記事(中日新聞プラスのスクリーンショット)

Isaac Alexanderさんが10号機のYouTube動画をツイート。この人、ほんとすごいですね。どうやって探しているのでしょう?

三菱航空機の最新試験機、愛知上空を飛行 性能確認で − 日本経済新聞

 現地時間(東海岸時間)の18日午前10時に4号機がシカゴ・ロックフォード空港を離陸し、1時間のフライトでインディアナ州エバンズビル・リージョナル空港着陸。

 インディアナ州エバンズビルというのは五大湖の南にあり、グーグルマップで見る限り、特に特徴のある地域ではないように思えました。私の記憶の限りでは、ここは今まで1度も飛行試験機が着陸したことのない空港だと思います。

 そして、そのわずか17分後の午前11時18分にエバンズビル・リージョナル空港離陸し、今度は38,900ftまで上昇してグルグルとダッチロールのような飛行を行い、午後1時12分にシカゴ・ロックフォード空港に着陸。復路の飛行時間は1時間53分で、往路の約2倍の時間をかけて飛んでいました。

 名古屋でも10号機の飛行試験が始まり、アメリカ西海岸時間のモーゼスレイクに加え、東海岸時間のシカゴ・ロックフォードで飛行試験が行われるようになったので、ホームページに記事を書く際、GMT+9の日本時間と、GMT-5の東海岸時間、GMT-7の西海岸をそれぞれ現地時間で掲載するのが大変で、うれしい悲鳴を上げています。




★2020年3月18日、三菱航空機、三菱スペースジェット飛行試験機(10号機)の初飛行を完了

  

ついに10号機が記念すべき初飛行。今日は三菱航空機日本公式ツイッターアカウントが速報をツイート。

自社社員に向かっておめでとうございますって、ちょっと不思議なコメントですね。

公式ツイッターアカウントならではの写真です。

ヤマさん、すばらしい写真ですね。

✈Ryu✈NKM-QGUさんは神明公園からの撮影でしょうか。

まぐろ屋さんもナイスフォトです。

Aki-001さん、今日お仕事お休みでしたか・・・うらやましいです。

MT4692さんが離着陸動画をツイート。

そして、ししもも@広々空間さんは着陸動画をツイート。

Flightradar24の今日の10号機の飛行データ。まだ飛行ログはありません。

なごやんさんが興味深いツイートをされていました。

三菱航空機さん、これはいかがなものかと思いますが・・・

そして10号機の初飛行に合わせるかのように、最終組立工場と歩道橋のリペイント完了。

 2020年3月18日(水)、10号機がついに初飛行。今日は三菱航空機公式ウェブサイトで速報を出しましたので、見ることが出来なかった私のつまらないコメントではなく、三菱航空機の公式コメントを掲載します。

「三菱航空機、三菱スペースジェット飛行試験機(10号機)の初飛行を完了」

 名古屋発―三菱重工グループ内の三菱航空機は3月18日(水)(日本時間)、三菱スペースジェットM90の最新かつ型式証明可能な形態(Certifiable Aircraft)である10号機の初飛行を完了しました。

 試験機は、14時53分(日本時間)県営名古屋空港を離陸後、太平洋側の飛行試験空域を利用し、飛行状態における基本的な機体性能の確認を行い、約2時間の飛行試験の後、16時40分(日本時間)、県営名古屋空港に着陸いたしました。10号機の初飛行が完了したことにより、当社が全力で取り組む日本初の民間ジェット旅客機に対する型式証明飛行試験は、試験完了に向け最終フェーズに入りました。

 当社三菱航空機の水谷久和社長は、「今年1月に三菱重工から三菱航空機に引き渡された10号機が、無事初飛行を達成できたことを大変嬉しく思います。機体の開発にあたり、サポートして頂いている皆様、長きに渡り応援して頂いているすべての皆様に、改めて深く感謝申し上げます。当社は型式証明の取得に向けて引き続き全力で取り組んで参ります」と述べました。

 最高開発責任者であるアレックス・ベラミーは「本日の初飛行完了を受けて、当社は、三菱スペースジェットM90の最終的で型式証明可能な形態での型式証明飛行試験を開始するという、大きな一歩を踏み出しました。今回の成果は、チームの努力、組織改革の成果、そして2016年以降に実施された改良を反映したものであり、私たちはこの成果に対して強い誇りを持っています。スペースジェットM90プログラムの型式証明取得に向けた更なる前進を期待しています」と述べました。

 また、本初飛行にあたりパイロットを務めた瀬浩義操縦士は初飛行完了後、「三菱スペースジェットの最新試験機の改良結果を大いに実感することができました。機体の完成度は高く、スムーズかつ安全なフライトになりました」とコメントしました。

 今後、10号機は国内での飛行試験を継続し、準備ができ次第、米国での飛行試験拠点「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」にフェリーし型式証明の最終フェーズの飛行試験を実施する予定です。

 飛行情報
・機体:JA26MJ(10号機)
・離陸時間: 14:53 (日本時間)
・着陸時間: 16:40 (日本時間)




★現地時間3月17日、午後から4号機がフェリーフライト 目的地はシカゴ・ロックフォード

  

現地時間の17日午後1時29分、4号機がRWY4からエアボーン。


離陸後ほぼ真東に飛行し、高度27,000ftでクルージング。


この先にあるのは五大湖。行先はシカゴ・ロックフォードでしょうか?


正解!東海岸時間の午後6時28分にシカゴ・ロックフォード空港着陸。


東海岸は飛行機だらけなので、4号機のアイコンが埋まってしまいました。

Isaac Alexanderさんがrikizo misonoさんの動画ツイートを絶賛。

 現地時間3月17日午後1時29分に4号機がRWY4からエアボーン。最近にしては珍しく遅い時間からの離陸でした。そしてほぼ真東に飛びながら27,000ftに到達したところでクルージング。27,000ftはスペースジェットがクルージングで最もよく利用する高度。

 残念ながら、私が出勤する時間までには目的地に到着しませんでしたが、飛行ルートから察すると、この先にあるのは五大湖なので、今日のディスティネーションはシカゴ・ロックフォードだろうと推測していましたが、その通り、東海岸時間のの午後6時28分にシカゴ・ロックフォード空港着陸。飛行時間は2時間58分でした。

 Isaac Alexanderさんがrikizo misonoさんの動画ツイートを絶賛。rikizo misonoさんの動画ツイートは本当にすばらしいです。私もビデオ撮影しますが、こんな手ブレのない、スローな映像を撮影することはできません。

 いつも思うのですが、モーゼスレイク・グラントカウンティ空港には、飛行機マニアがいないのでしょうかね。毎日Twitterを中心にチェックしているのですが、スペースジェットのツイートは皆無。モーゼスレイクにもrikizo misonoさんのようなすばらしい動画撮影してくれる方が現れてほしいです。




★2020年3月17日、10号機がハイスピードタクシー実施?・・・その後トラブル?

  

名古屋空港では10号機が初めてハイスピードタクシーを行ったようです。

しかし、今日の地上走行試験はその1回のみ。もしかしてトラブル発生?

きれいな写真ですね。

rikizo misonoさんの動画ツイート。同じことを思っている方は多いはず。

いよいよ、MRJ歩道橋も化粧直しでしょうか?

 2020年3月17日(火)、名古屋空港では10号機が3日連続で地上走行試験実施。今日は午前に1度だけ、ハイスピードタクシーを行ったもよう。ただし、MT4692さんの動画ツイートを見ると、ハイスピードタクシーというよりは、フルブレーキングテストだったのではと思われます。

 気になるのはこの1回のみで、この日の地上走行試験を止めてしまったこと。午前中にフルブレーキングを行った際、何かトラブルが発生して、そのあとのチェックをキャンセルしたのではないかとも考えられます。明日以降の動向に注目。

 今日もrikizo misonoさんの動画ツイートをご紹介。今日のツイートは、スペースジェットと同じクラス、強力ライバルのエンブラエルE170、175との比較。寸法はほとんど同じなのに受ける印象が違うという内容。胴体の断面形状が違うからなのですけど、私を含めrikizo misonoさんと同じことを思っている方は大勢いることと思います。

 三菱重工の元MRJ最終組立工場と塗装工場をつなぐ通称「MRJ歩道橋」が、いよいよ化粧直しされるようです。ここも真紅のグルグルになるのでしょうか?




★現地時間3月16日、3号機と4号機が同時にフライト 3号機はポートランド国際空港着陸

  

現地時間3月16日、3号機と4号機が同時にフライト。



3号機は午前11時09分に離陸し、43分のフライトでポートランド国際空港着陸。


ポートランド国際空港着陸後、エンジンをシャットダウンすることなく、午後0時32分に離陸。途中ヤキマ上空をローアプローチしたのちモーゼスレイクに戻り、午後2時09分に着陸。


4号機は現地時間の午前10時14分に離陸し、アイダホ州の山間部へ。


アイダホ州のツインフォールズからボイシという町の上空を何度も旋回。

昨日の10号機のタクシーチェックをあおちぃさんがブログで紹介。

10号機の前傾がネットで話題になっていましたが、あおちぃさんが同アングル写真で比較。単なるカラーリングの違いからくる錯覚のようです。

 現地時間3月16日は3号機と4号機が同時にフライト。3号機は午前11時09分に離陸し、43分のフライトで午前11時51分にポートランド国際空港着陸。

 着陸後もエンジンをシャットダウンすることなく、午後0時32分に離陸。途中ヤキマ上空をローアプローチしたのちモーゼスレイクに戻り、午後2時09分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港着陸。

 4号機は現地時間の午前10時14分に離陸し、アイダホ州の山間部へ。そして、ツインフォールズからボイシという町の上空を何度も旋回し、5時間以上飛んでいました。

 名古屋空港で15日から始まった10号機の地上走行試験は、みんなが待ち望んでいたことに加え、ちょうど春休みにかかったこともあって、多くの航空機ファンがTwitterにツイートしてくれています。今日はそのうち、あおちぃさんのツイートをリンクさせていただきました。

 10号機の前傾姿勢が話題になっていますが、こうして2枚の同一アングルでの写真を比較すると、単なる目の錯覚であることがわかりますね。




★2020年3月16日、名古屋空港では今日も10号機が地上走行試験実施

  

名古屋空港では今日も10号機が地上走行試験を実施。

今日は午前中から精力的に行われたようです。

rikizo misonoさんの動画ツイート。いつもながらすばらしい映像です。

そして午後から再び地上走行試験実施。

今度はスラストリバーサーを使用したもよう。

三菱航空機日本公式ツイッターアカウントが観覧の自粛を要請。

 2020年3月16日(月)、名古屋空港では今日も10号機が地上走行試験が行われました。残念ながら私は仕事だったので見ていませんが、大勢のスペースジェットファンがTwitterにツイートしてくれました。今日は午前と午後に分かれて行われ、午前にはW2からインターセクションしてW9までロースピードタクシー実施。午後からはスラストリバーサーを使用したブレーキテストが行われたようです。

 私は普段からrikizo misonoさんのツイートが好きで、今日も独特なスロー映像を撮影されていました。そして、「小牧です。MRJ改めスペースジェット、驚きの日曜からテスト開始の翌日。先輩の話ではバックアップコンピューターの搭載場所はじめ100項目近いダメ出し対応で操縦席は別物になっているらしいです。なんだかんだ言ってもみんな応援しているのよ、ああ、それと今はまだ飛びませんよ滑走試験だけです」と粋なコメントを添えられていました。

 そして、三菱航空機日本公式ツイッターアカウントが、新型コロナウイルスの感染対策で、空港周辺での観覧を自粛するよう要請。屋外ですし、それほど密着するとも思えないので、そこまでする必要はないように思えますけどね。




★現地時間3月15日、4号機がワーム・スプリングスをフライト

  

現地時間3月15日午前11時05分、4号機がRWY4からエアボーン。


今日はオレゴン州のワーム・スプリングスへ向かい、マウント・フッド国立公園とオチョコ国有森林公園の上空を、8,000ft前後でずっと飛び続けていました。


着陸は午後4時10分で、飛行時間は5時間を超えました。今日のテストフライトの目的は何なのでしょうか。

 現地時間3月15日、4号機がサンデーフライト。午前11時05分にRWY4からエアボーン。すぐに左旋回しながら上昇し、15,000ftまで上がったところでヤキマ上空を通過。今日はオレゴン州のワーム・スプリングスへ向かい、オレゴン州で一番高いマウント・フッド(3429m)が見えるマウント・フッド国立公園とオチョコ国有森林公園の上空を、8,000前後でずっと飛び続けていました。

 今日のフライトの目的ですが、この地域はポートランドの東に連なる山脈の東側に位置し、オレゴン州で一番高いマウント・フッド(3429m)よりも低い高度で延々と飛んでいたところをみると、山脈を超えてくる不安定な気流における飛行性能の確認なのかもしれません。




★2020年3月15日、10号機が初地上走行試験実施

  

3月15日(日)、ついに10号機が初めて地上走行しました。

名古屋空港の15Bスポットからタクシーアウト。
 

そして展望デッキ前を通過。1号機の初地上走行のときに比べたら、もういつでも飛べそうなスピードで転がり始めました。

W1からラインナップアンドウェイト。

そしてしばらく静止したのちゆっくり動き始めました。

初地上走行を日曜日に行うなんて、三菱航空機も粋な計らいするものですね。

いやー、感動ですが、やはりMRJのハウスカラーのほうが似合っていると思います。

W6から滑走路を離脱し・・・

再びW1を目指してタクシング。

おかげで再び展望デッキ前を通過。

この日は結局4回地上走行を行いました。

今度はW4から滑走路を離脱し・・・

展望デッキ前を北向きにタクシング。これも私たちへのサービス?考えすぎかな?

次のマイルストーンはいよいよ初飛行ですね。

もうそんなに遠くないように感じました。

その日が待ち遠しいですね。

さっそく三菱航空機日本公式ツイッターアカウントが、今日の地上走行試験実施をツイート。いやー、10号機の虹のツーショット。すばらしい写真です。

Twitterにも非常にたくさんのツイートがありましたので、一部をご紹介します。

今日は多くの飛行機ファンも駆けつけていました。

みんなこの日を待っていましたからね。

これはエアポートウォークの展望からでしょうか?

いいですね。展望デッキ専門の私には撮れない写真です。

エアポートウォーク駐車場からでしょうか。コクピットと目線が近くていいアングルです。

ちひろさんにしてはやや地味な写真をツイートしましたね。

へー、ホイールキャップが付いているのですか。気づきませんでした。

エルクさんが動画をツイート。こちらはエンジンスタート。

いやー、エルクさんの動画、すばらしいです。

いつ撤収するのかわからず帰ってきたのですが、意外に早くトーイングが行われていました。

 2020年3月15日(日)、ついに10号機(JA26MJ)が転がりました。この日は朝から名古屋空港の15Bスポットに10号機が出されていたので、いよいよだなというのがわかりました。そしてエンジンスタートののち、タクシーアウト。私たちのいる展望デッキ前を通過しW1へ。

 1号機が初めて転がったときは、いつ止まってしまうかと心配になるほどノロノロでしたが、今日の10号機はもう何度もフライトしている機体のように、実にスムーズにタクシング。W1からラインナップアンドウェイトし、しばらくの静止ののちにゆっくりと滑走路を動き出しました。

 今日の10号機は計4回の地上走行を行いました。Twitterには「低速走行」とツイートしている方もいましたが、私は今日、すでに中速走行を行ったと思っています。今後は高速走行(ハイスピードタクシー)を1度するのか、それともいきなりファーストフライトするのか、いずれにせよ、今週中にも次のステップが待っていると想像しています。




★現地時間3月13日、4号機がオチョコ国有森林公園方面にフライト

  

現地時間の午前9時58分、4号機がRWY4からエアボーン。


離陸後しばらくは4,000ftを飛行していましたが、順次高度を上げながらオレゴン州のオチョコ国有森林公園方面へ。


オチョコ国有森林公園上空を22,000ftで飛んだのち、再び高度を下げながら戻って行きました。着陸は午前11時55分、飛行時間は1時間57分でした。

4号機が戻って来る頃、モーゼスレイク・グラントカウンティ空港のハンガーに、3号機がTEST1234で現れました。

 現地時間の3月13日、4号機がフライト実施。午前9時58にRWY4からエアボーン。離陸後しばらくは4,000ftを飛行していましたが、順次高度を上げながらオレゴン州のオチョコ国有森林公園方面へ。

 オチョコ国有森林公園上空でUターン。22,000ftまで上昇したのち、再び高度を下げながら戻って行きました。着陸は午前11時55分、飛行時間は1時間57分でした。飛行試験にはいくつかのコースがあるようですが、オレゴン州のオチョコ国有森林公園方面へのフライトは珍しいのではないかと思います。

 今日は4号機以外のフライトは確認できませんでしたが、現地時間のお昼ごろにハンガー内に3号機がTEST1234で現れました。1号機と2号機の動静は不明ですが、3号機は新たなチェックに向けての準備中のようです。




★現地時間3月12日、3号機と4号機が同時にフライト

  

現地時間3月12日午前10時22分と29分に、3号機と4号機が続けてエアボーン。


現地時間の午前10時22分に離陸した3号機は高度を上げながらスポケーン上空を通過し、モンタナ州のクートネイ国立公園付近で旋回。この日はそのままモーゼスレイクに戻り、現地時間の午後0時09分、RWY22にタッチダウン。飛行時間は1時間45分でした。


4号機はモーゼスレイク近郊を旋回したのち、アイダホ州のネ・ペルセ国立歴史公園まで飛んでUターン。午後1時11分にRWY22にタッチダウン。飛行時間は2時間42分でした。

 現地時間の3月12日、3号機と4号機が同時にフライト実施。この日の2機は連続して離陸。先に離陸したのは3号機で、午前10時22分にRWY4からエアボーン。続いて午前10時29分に4号機が同じくRWY4からエアボーン。

 先に離陸した3号機は高度を上げながらスポケーン上空を通過し、モンタナ州のクートネイ国立公園付近で旋回。この日はそのままモーゼスレイクに戻り、現地時間の午後0時09分にRWY22にタッチダウン。飛行時間は1時間45分でした。

 あとで離陸した4号機はモーゼスレイク近郊を旋回したのち、アイダホ州のネ・ペルセ国立歴史公園まで飛んでUターンし、午後1時11分にRWY22にタッチダウン。飛行時間は2時間42分でした。

 ブルームバーグが3月12日、ボーイング」に倒産の危機が迫っていると報道。生産停止中の「737MAX」の生産再開に備えるため、138億ドル(約1兆4300億円)の融資枠を確保していたが、今週中にも使い切ってしまうというもの。

 ただし、米国の巨大企業・ボーイングが、そう簡単に倒産するとは思えません。アメリカでは、倒産法にあたるチャプター11がすぐに適用されるため、債務者主導による債務整理や経営再建が比較的簡単に進むと続けています。

 これは当然の流れですが、エンブラエルの買収に影響を及ぼす可能性はありますよね。体力が弱っているときに、あえて新機種となるリージョナルジェットをラインナップすることを求めるかどうか。もしかしてボーイング社の危機が、三菱スペースジェットにとって、追い風になるかもしれません。




★SpaceJet M90の最初のフライトが間もなく実施

  

現地時間3月11日午前11時11分、3号機がRWY22からエアボーン。


3号機のフライトは1週間ぶり、今日は2時間18分のフライトでしたが、ずっと12,500ftを維持して飛んでいました。

SpaceJet M90の最初のフライトが間もなく実施

三菱航空機、最終試験飛行 新型コロナで公開中止

なごやんさんのツイート MRJの終焉

 現地時間の3月11日、3号機がフライト実施。3号機が飛んだのは3月4日以来、1週間ぶり。今日の3号機はRWY22から離陸し、高度12,500ftをずっと維持しながら、モーゼスレイク近郊を旋回し続けていました。

 カナダのLes Ailes du Québecが「Le premier vol du SpaceJet M90 pour bientôt(SpaceJet M90の最初のフライトが間もなく実施)」という記事を掲載。フランス語なので、翻訳をほぼ全文掲載します。

 三菱航空機が開発中のSpaceJet M90の最初の飛行がまもなく行われることを確認しています。実際にFTV-10になるデバイスは、M90の構成を持つ最初のデバイスになります。COVID-19のため、三菱航空機は初飛行のメディアイベントを開催しません。同社は初飛行後にプレスリリースと写真を発行すると述べています。

 2019年6月に、三菱航空機がリージョナルジェットプログラムの大規模な再編を発表したことを思い出してください。 SpaceJetに改名されたこの機種には、M90とM100の2つのバージョンが含まれます。この機会に、三菱は新しい荷物室で内部を完全に修正しました。M90は76人から92人の乗客を乗せることができ、型式証明される最初の機体となります。

 モントリオールSpaceJetデザインオフィスは、この航空機の型式証明をサポートするために取り組んでいます。また、SpaceJetサイトはフランス語で提供されていますが、これはこの業界では珍しいことです。

 やはりこの記事からも、設計変更を受けた機体をスペースジェットM90と呼んでいるようです。これでいよいよ「MRJ」という名称ともお別れです。そして、日本経済新聞が「三菱航空機、最終試験飛行 新型コロナで公開中止」という記事を掲載。こういう時期なので、盛大に公開するのは慎むということでしょうか。

 でも、空港へ行く人は絶対数いるわけですし、マスコミも取材するに決まっているので、要はプレスリリースせずに実施するということなのでしょうね。果たしてその日はいつなのか?




★さよならMRJ

  

現地時間3月9日午前11時38分、4号機がRWY4からエアボーン。


20,000ftから35,000ftへ上昇し、アイダホ州のネ・ペルセ国立歴史公園まで飛んでUターン。午後0時46分に離陸したのと逆向きのRWY22にタッチダウン。飛行時間はかなり短めの1時間08分。


その後、現地時間午後1時28分に、1号機がRWY4からエアボーン。


順次高度を上げながらスポケーン上空を通過し、モンタナ州のクートネイ国立公園手前でUターン。この日はそのままモーゼスレイクに戻り、現地時間の午後2時25分にRWY22にタッチダウン。



最終組立工場の「MRJ」の文字も消され始めました。

 現地時間の3月9日、1号機と4号機がフライト実施。先に飛んだのは4号機で、現地時間の午前11時38分にRWY4からエアボーン。モーゼスレイクにも春が来たのか、最近は北東向きの離陸が多くなりました。

 そして20,000ftから35,000ftへ上昇し、アイダホ州のネ・ペルセ国立歴史公園まで飛んでUターン。午後0時46分に離陸したのと逆向きのRWY22にタッチダウン。飛行時間はかなり短めの1時間08分でした。

 その後、現地時間午後1時28分に、1号機がRWY4からエアボーン。順次高度を上げながらスポケーン上空を通過し、モンタナ州のクートネイ国立公園手前でUターン。そのままモーゼスレイクに戻り、現地時間の午後2時25分にRWY22にタッチダウン。1号機もわずか58分の短いフライトでした。

 名古屋空港に隣接する旧MRJ最終組立工場の巨大扉にペイントされていたMRJハウスカラーとMRJロゴが消され始めました。すでに本社玄関のロゴはスペースジェットに変更されているので、最終組立工場も時間の問題と思われていました。今後ここにあの「ぐるぐる」をペイントするのでしょうか?




★現地時間3月7日、1号機が4時間のフライト Twitterには10号機のトーイング写真が

  

現地時間3月7日午後0時06分に1号機がRWY4からエアボーン。


高度35,000ftを3時間以上クルーズしながら、エアスピードを上下させ続けていました。


そして現地時間の午後4時12分、RWY22にタッチダウン。飛行時間は4時間05分でした。

3月6日の10号機が三菱エプロンにトーイングされるシーンがツイートされました。

機体への太陽光線の当たり方からして、午後から出てきたようですね。

K.Fujiwara_namekoさんが自身のブログを更新。「三菱スペースジェットを拝んできた。 - 滑子航空機,覚書」。この日の10号機の動きを詳細にレポされています。

最終組立工場のMRJカラーも、ついに剥がされ始めたようです。

 現地時間の3月7日、2日連続で1号機がフライト実施。今日も昨日に引き続き、モーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーン。離陸時間は午後0時06分で、離陸後モーゼスレイク近郊を低空旋回したのち、高度を35,000ftまで上昇しクルージング。

 今日の1号機は、高度35,000ftを維持しながら、エアスピードを300ktから500ktまでの間で何度も加減速。やはり国産組立エンジンの推力チェックのようなことを行っていたのではと推測しています。

 そして35,000ftでクルーズして約3時間後にディセンディング開始し、現地時間の午後4時12分にタッチダウン。飛行時間は4時間05分でした。

 Twitterに3月6日(金)の10号機(JA26MJ)写真がツイートされました。10号機の写真はもう珍しいありませんが、三菱重工名古屋航空システム製作所(名航)内から三菱エプロンのブラストフェンス前にトーバーレストラクターでトーイングされて出てくるシーンのツイートは、これが初めてではないかと思います。。

 このツイート写真を見たとき、私は初めてMRJの実機を見たときのことを思い出しました。それは2015年1月12日(月・祝)のことでしたので、あれから早や5年経ったのですね。報道機関がボロクソ書くのもうなずける事実です。




★現地時間3月6日、1号機と4号機がフライト

  

現地時間3月6日午前8時50分に4号機がRWY4からエアボーン。


今日の4号機は高度を上げ下げしながら1時間46分のフライト実施。

着陸した4号機がハンガーに戻るのと入れ替わりに1号機がラインナップアンドウェイト。


そして現地時間の午前10時56分に1号機がRWY4からエアボーン。


今日の1号機は離陸後、高度35,000ftまで一気に上昇。その後もエアスピードを変化させながらも高度を維持。4時間21分のロングフライトでした。

 現地時間の3月6日は1号機と4号機がフライト実施。先に飛んだのは4号機で、現地時間3月6日午前8時50分にRWY4からエアボーン。高度20,000ftで西へ向かい、オリンピアという町の西で低空旋回したのち方向転換。その後モーゼスレイク近郊に戻って旋回したのち、午前10時36分に離陸したのと同じRWY4にタッチダウン。

 着陸した4号機がハンガーに戻るのと入れ替わりに1号機がRWY4にラインナップアンドウェイト。そして午前10時56分エアボーン。今日の1号機は離陸後、高度35,000ftまで一気に上昇。その後もエアスピードを変化させながらも高度を維持。1号機は国産組立エンジんを搭載しているので、エンジンの動作チェックが目的でしょうか。




★現地時間3月5日、4号機が太平洋まで3時間のフライト

  

現地時間3月5日午前7時20分に4号機がRWY22からエアボーン。


今日はずいぶん早くから飛んだと思ったら、久しぶりに太平洋まで足を延ばしていました。


そして離陸した時とは逆向きにRWY4にタッチダウン。着陸は午前10時24分、飛行時間は3時間04分でした。

  現地時間の3月5日午前7時20分、4号機がRWY22からエアボーン。昨日、1か月ぶりにフライトを再開したばかりの4号機が、今日は早朝からフライト実施。離陸後一気に28,000ftまで上昇したのち西へ向かい、太平洋に出たところで10,000ft近くまで降下。洋上で何度もかなりの急旋回を繰り返したのち、37,000ftまで上昇して帰路へ。

 モーゼスレイク近郊に戻ったのちも12,000ft付近を維持してフライトし、風向きが変わったのか、あえてテールウインドを選んでいるのかわかりませんが、現地時間の午前10時24分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4にタッチダウン。今日の4号機はかなり色んなことをチェックしたのではないでしょうか。




★現地時間3月4日、3号機がヤキマ方面へ、4号機が1か月ぶりのフライト

  

現地時間3月4日午後1時08分に3号機がRWY22からエアボーン。



今日はあまり高度を上げずにヤキマへフライト。着陸は午後2時18分。


ヤキマ空港着陸からわずか30分後に再び離陸。


モーゼスレイクを通過しスポケーン上空で引き返して午後4時39分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港へ戻ってきました。



また、午後4時49分から、4号機が2月1日以来のフライト実施。

 現地時間の3月4日午後1時08分、3号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22からエアボーン。いつもよりも少し遅めの離陸になりました。そしてあまり高度を上げずにヤキマ方面へフライト。どこへ行くのかと思ったらヤキマ空港へ着陸。

 そのわずか30分後にヤキマ空港を離陸し、高度15,000ft前後でモーゼスレイク上空を通過。いったんスポケーン上空まで飛行したのち、午後4時39分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22にタッチダウン。今日はどんな項目をチェックしたのでしょうか。

 また、今日は午後4時49分から午後5時51分までの1時間、4号機がフライト実施。4号機が飛んだのは2月1日以来のこと。1か月以上ハンガーに入っていたので、部品交換とか、何か大きな改修をうけたのかもしれません。

 昨日は1号機が「飛行機の墓場」と呼ばれているヴィクターヴィルから無事帰還し、ここ数日の心配事がなくなって一安心。いったい1号機は何の目的でヴィクターヴィルにステイしていたのでしょうか。三菱航空機公式ツイッターアカウントさん、リポートよろしくお願いします。




★現地時間3月3日、1号機が「飛行機の墓場」から帰還 2020年2月のテストフライト回数を総括

  

現地時間3月3日午前10時08分に3号機がRWY22からエアボーン。今日は一気にエンルート想定高度の23,000ftまでクライミング。


今日の飛行コースは過去にも数回飛んだことのある「ソルトレークシティ」から「グレートフォール」を経由するデルタフライト。現地時間の午後2時ジャストにモーゼスレイク・グラントカウンティ空港RWY22にタッチダウン。


そして今日はもう1つ、うれしいニュースがありました。それは1号機が「飛行機の墓場」と呼ばれているヴィクターヴィルから無事帰還したのです。


ヴィクターヴィルの離陸は現地時間の午後2時01分、モーゼスレイクに戻って来たのは午後4時38分。飛行時間は2時間38分でした。

いやー、無事帰還してくれたのが、本当にうれしいです。


2月1か月間の1号機の飛行回数はヴィクターヴィルまでのフライトを含め7回。


2号機は計3回。最後に飛んだのが2月3日だったので、ちょうど今日で丸1か月間消息不明状態。


3号機は計23回。現在、TCフライトの中心になっているのは3号機。


そして4号機が最も少ない1回。2号機と4号機はどこか改修を受けているのでしょうか。

 現地時間の3月3日は、3号機が24,000ftでエンルート想定のテストフライトを実施。午前10時08分にRWY22からエアボーンし、一気に上昇。今日はいつもスペースジェットがエンルート高度として飛ぶ27,000ftより少し低い24,000ftで飛んでいました。

 飛行コースは過去にも数回飛んだことのある「ソルトレークシティ」から「グレートフォール」を経由するデルタフライト。そして、現地時間の午後2時ジャストにモーゼスレイク・グラントカウンティ空港RWY22にタッチダウン。飛行時間は3時間52分でした。

 そしてもう1つ、1号機が飛行機の墓場」と呼ばれているヴィクターヴィルから無事帰還しました。ヴィクターヴィルに飛んだ理由はわかりませんが、何はともあれ、モーゼスレイクに無事戻ってきたことが何よりうれしいのです。

 今日は2020年2月の1か月間に行われた飛行回数をチェックしてみました。1号機はヴィクターヴィルまでのフライトを含め7回。この回数がそのまま国産組立エンジンでの飛行回数になるわけですが、24日に「飛行機の墓場」と呼ばれているヴィクターヴィルに飛んだことが気がかり。

 2号機は計3回。最後に飛んだのが2月3日だったので、ちょうど今日で丸1か月間消息不明状態。3号機は計23回。現在、TCフライトの中心になっているのは3号機ということになります。そして4号機が最も少ない1回。2号機と4号機はどこか改修を受けているのでしょうか。4機の飛行回数を合計すると全34回となり、結構な回数を飛んだように感じます。




★SPACE JET いつ飛ぶのかな?

  

現地時間3月2日午後0時34分に3号機がRWY22からエアボーン。


今日は離陸後1時間以上、比較的低い高度でモーゼスレイク近郊を飛び続けていました。

三菱エプロンで連日のようにチェックを受けている10号機ですが、今のところ進展は見受けられません。

設計変更を受けた機体に何か問題が見つかっているのでしょうか。

三菱航空機日本公式ツイッターアカウントのツイート

 3月ってあっという間なんですよね。1月と2月も短く感じますが、やはり3月の短さは特筆すべきものがあります。年度末ということもあって、残った仕事を片付けているうちに、気づくと終わってたといったところでしょう。

 6度目の納期延期を発表してしまった三菱スペースジェットではありますが、現在、三菱エプロンでチェック中の10号機が渡米しないことには、いつまで延期になるのかも発表できない状況であるのに、その10号機が飛ぶどころか転がる気配もありません。

 名古屋空港で旧MRJのエンジンランナップを見たことがある方はご存じだと思いますが、GTFエンジンをフルパワーで回すと、まるで恐竜の鳴き声のような独特なハーモニーを醸すのです。しかし、10号機ではいまだに確認されていないですので、まだその段階にも至っていないということなのでしょう。スペースジェットの遅い春は、いったいいつ訪れるのでしょうか。

 三菱航空機日本公式ツイッターアカウントのツイート「米国三菱航空機がスポンサーを務めたイベント「Ikebana & Technology」が、アメリカ・シアトルにて開催されました。日本の伝統的な文化である生け花と革新的なテクノロジーを融合させたこの文化交流イベントをサポートでき光栄に思います」。

 この内容ですが、三菱航空機公式ツイッターアカウントが現地時間の2月28日に「生け花国際シアトル支部、在シアトル日本国総領事館、および日本フェアの生け花と技術の文化交流イベントを支援することに興奮しました」という内容でツイートしたもの。

 いつもながら、(米国)三菱航空機のツイッターアカウントと、三菱航空機日本公式ツイッターアカウントって、三菱重工の縮図のような関係ですね。同じトピックでもツイート時期はバラバラだし、それぞれの国向けの翻訳版とも言い難い。この2社って、情報発信について、もっと強調できないものなのでしょうかね。




★カレンダーは今日から3月、スペースジェットの開発費は年間1000億円?

  

カレンダーは今日から3月。今年のスペースジェットカレンダーはCGと機内モップアップが多いのでつまらないです。

毎日経済プレミア 三菱重工「格下げ」スペースジェット6度目延期が響く

 カレンダーはもう3月。現在世界中で「新型コロナウイルス」が広がっていて、あのSARSのときの比ではない影響が出ています。航空業界も致命的な被害を受けていますので、早く終息させないと、日本だけでなく世界経済が大変なことになってしまいます。

 毎日経済プレミアが、「三菱重工『格下げ』スペースジェット6度目延期が響く」という記事を掲載。私たち航空ファンにはあまりなじみのない企業の格付けに関するニュースで、国産初のジェット旅客機「スペースジェット」の開発の遅れにより、S&Pグローバル・レーティングは2月19日、三菱重工の長期発行体格付けを「A−(シングルAマイナス)」から「BBB+(トリプルBプラス)」に1段階引き下げたというもの。

 三菱重工の格付けにはあまり興味がないのですが、後半部分の「S&Pの吉村真木子主席アナリストが、スペースジェットの開発費は年間1000億円程度が必要と見ている。以前は20年半ばが納入予定だったため、開発費も20年度は減ると見込んでいたが、納入が21年度以降となったことで、20〜21年度の2年程度は引き続き1000億円程度の開発費が必要・・・」という部分に目が行きました。

 スペースジェットの開発費は年間1000億円もかかっているのですか。確かにまだ1機も納めていないので、売り上げが「0円」であることはわかりますけど、年間1000億円ということは、1日あたり2.7億!三菱航空機に何名の社員がいるんでしたっけ?試験機飛ばすのに、そんなにお金がかかるのでしょうか?

 何にせよ、新型機の開発には莫大な費用がかかり続けるのですね。これではボンバルディアが撤退し、エンブラエルがボーイングに買収されてしまうのも納得です。




★現地時間2月28日、3号機がスポケーンをローパスして2時間18分のフライト

  

現地時間2月28日午前10時29分に3号機がRWY4からエアボーン。


いつものテストフライトコースを飛び、その後スポケーンへファイナルアプローチ。


スポケーン国際空港に着陸するのかと思いましたが、2,500ftでローパス。


そのまま現地時間の午後0時48分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22にタッチダウン。


しばらくの間、エンドオブランウエイにホールドしていたので、もう1度上がるのかと思ったのですが、10分ほど経過したところでFlightradar24から消えてしまいました。

ニュースイッチ「日本で組み立てしたエンジンで「MSJ」が飛んだ!」

三菱航空機公式ツイッターアカウント「生け花国際シアトル支部、在シアトル日本国総領事館、および日本フェアの生け花と技術の文化交流イベントを支援することに興奮しました」

 現地時間の2月28日午前10時29分、3号機がRWY4からエアボーン。今日はどこへ飛ぶのかとウォッチしていたところ、いつものテストフライトコースを飛び、スポケーンへファイナルアプローチ。久しぶりにスポケーン国際空港に着陸するのかと思いましたが、2,500ftでローパス。

 その後、いったん10,000ftまで上昇したものの、そのまま現地時間の午後0時48分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22にタッチダウン。しばらくの間、エンドオブランウエイにホールドしていたので、もう1度上がるのかと思ったのですが、10分ほど経過したところでFlightradar24から消えてしまいました。どうだろう?まだ時間が早いので、もう1回あるかも。

 ニュースイッチが「日本で組み立てしたエンジンで「MSJ」が飛んだ!」という記事を掲載。27日に三菱航空機がリリースした国内組み立ての初号エンジンを搭載し、飛行に成功というニュースですが、私はこれがそんな大きな出来事とは思っていませんでした。だって所詮、ライセンス生産したに過ぎないわけじゃないですか。私がちょっとうがった見方でしょうか?

 三菱航空機公式ツイッターアカウントが「生け花国際シアトル支部、在シアトル日本国総領事館、および日本フェアの生け花と技術の文化交流イベントを支援することに興奮しました」とツイート。生け花は日本の伝統文化ですので、日本企業が外国に進出し、日本の伝統文化で現地の方々と交流するのはすばらしいことと思います。

 個人的には、生け花の写真よりも、スペースジェットのテスト風景写真のほうがはるかに見たいですけどね(^_^;)。




三菱航空機が「PW1200G」の国内組み立て初号エンジンを搭載し飛行に成功を発表

  

三菱航空機日本公式ツイッターアカウントのツイート「JA21MJが国内初組み立てのGTF PW1200Gエンジンを搭載し空へ」。


これがそのときのFlightradar24の飛行データ。現地時間の2月14日午後3時46分から午後4時02分までの16分間、1号機がADS-Bを搭載後、初のフライトでした。フライトナンバー「5573」にはどんな意味があったのでしょうか。

Isaac Alexanderさんが「三菱航空機は、日本で組み立てられたピュアパワーエンジン PW GTF PW1200Gエンジンで初飛行を完了しました。 2020年2月14日にSpaceJet JA21MJでモーゼスレイクから飛行しました」とツイート。

ken-mrjさんのツイート「休みで暇だったからドライブ行ってきた。ソープレイクまでドライブしてその帰りに飛行機を見てきた‼ ハ️ンガーに半分入ってるのは747、その奥にスペースジェット、さらにその奥は737-MAX(´∇`) やっぱり飛行機はいい(*≧∀≦*)」

Matt Hartmanさんのツイート「Mitsubishi Spacejet VCV 02-26-20。これは26日にヴィクターヴィルに飛んだ1号機写真」。このあとどうなっているのでしょうか?

三菱エプロンの10号機はやはり夜を徹しての作業だったようです。

昨日も夜を徹しての作業だったようですね。みなさん、おつかれさまです。


現地時間2月27日午前10時19分に3号機が離陸。今朝はモーゼスレイク・グラントカウンティ空港で何度かローアプローチもしくはゴーアラウンド実施。


一度、レウィストン・ネッズパースカウンティ空港へ向かいローパス実施。モーゼスレイクに戻って来てからも再びローアプローチ。着陸は午後1時08分で飛行時間は2時間50分でした。

 三菱航空機が日本時間の27日、「『PW1200G』の国内組み立て初号エンジンを搭載し飛行に成功」を発表。リリースには国内組み立て初号エンジン「Pratt & Whitney GTF™ PW1200G」を開発中の「三菱スペースジェット」に初めて搭載し飛行を実施。飛行は、同社の1号機(FTV1)に搭載され、アメリカの飛行試験拠点「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」にて行われた。

 初回の飛行は、現地時間の2月14日(金)に行われ、三菱航空機の飛行試験チームがエンジンの基本機能(通常飛行)を確認し、エンジン及び機体の性能を確認した。その後の飛行で、エンジンと機体の双方の性能が確認できた。今後数週間で、国土交通省と米国連邦航空局が実施している型式証明(TC)飛行試験に参加する予定。と紹介されています。

 その際のフライトは、現地時間の2月14日午後3時46分から午後4時02分までの16分間で、1号機がADS-Bを搭載後、初のフライトでした。フライトナンバー「5573」にはいったいどんな意味があったのでしょうか。

 これをすぐにIsaac Alexanderさんが、「日本で組み立てられたピュアパワーエンジン PW GTF PW1200Gエンジンで初飛行を完了。 2020年2月14日にSpaceJet JA21MJでモーゼスレイクから飛行した」とツイート。

 昨日はこのニュース以外にも、ken-mrjさんが「休みで暇だったからドライブ行ってきた。ソープレイクまでドライブしてその帰りに飛行機を見てきた‼ ハ️ンガーに半分入ってるのは747、その奥にスペースジェット、さらにその奥は737-MAX(´∇`) やっぱり飛行機はいい(*≧∀≦*)」と、珍しくモーゼスレイクフライトテストセンターの写真を投稿。

 また、Matt Hartmanさんが「Mitsubishi Spacejet VCV 02-26-20」をツイート。これは26日にヴィクターヴィルに飛んだ1号機写真で、こちらも非常にレアな写真です。みなさん、「いいね」してあげてください。

 もう1つ、26日に目撃された三菱エプロンの10号機は、27日も朝から夜遅くまでずっとテストが行われたようです。早く転がるといいですね。

 モーゼスレイクでは現地時間の2月27日(木)、3号機がフライト実施。午前10時19分に離陸し、珍しくモーゼスレイク・グラントカウンティ空港上空を何度かローアプローチ。その後、レウィストン・ネッズパースカウンティ空港へ向かいローパス実施。モーゼスレイクに戻って来てからも再びローアプローチ。今日は低空でのフライトが続いていました。




★現地時間2月26日、3号機が2度のフライト実施

  

現地時間2月26日午前9時27分、3号機がエアボーンしたのちモーゼスレイク近郊を旋回。


その後、いったん35,500ftまで上昇したのち、午前10時59分に戻ってきました。


着陸後はエプロンで機体チェックを受けていたようですね。それからしばらくして、午前11時46分に再び離陸。


2度目の離陸後もしばらく7,500ftでモーゼスレイク近郊を旋回していましたが、その後、高度を上げてモーゼスレイクから離れて行きました。


着陸したのは午後1時22分、2度目の飛行時間は1時間36分でした。

三菱エプロンの10号機は夜を徹しての作業。進捗はどうなんでしょうか?

 現地時間の2月26日(水)、3号機が2度のフライト実施。1度目は午前9時27分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22からエアボーン。離陸後モーゼスレイク近郊を旋回したのち、いったん35,500ftまで上昇し、午前10時59分に戻ってきました。飛行時間は1時間32分。

 このフライトが短かったので、この日は2度目があるだろうと予測していたところ、それからしばらくして、午前11時46分に再び離陸。着陸後はエプロンで機体チェックを受けていたようですね。

 2度目のフライトでも離陸後モーゼスレイク近郊を7,500ftで旋回。その後、高度を上げながらモーゼスレイクを離れ、いつものテストフライトコースを飛んでいました。変更設計前の飛行試験機たちは、今どんな内容をチェックしているのでしょうか。

 いっぽう、設計変更された10号機のほうは、昨日は昼夜にわたり三菱エプロンでチェックを受けていたようです。まもなく2月も終わるこの時期、そろそろ初飛行に向けて地上を転がっても遅くないと思うのですが・・・。いつもながらヤキモキさせられますね。




★現地時間2月25日、3号機が2日連続で36,000ftをフライト

  

現地時間の午前10時36分、3号機がエアボーンしたのち一気に上昇。


そして前日に引き続き36,000ftを飛びながら加減速を続けていましたが、モンタナ州で旋回したのち10,000ftまで降下したところで、これまた昨日とほぼ同じ位置でFlightradar24から消えてしまいました。


30分ほどでFlightradar24に復活しましたが、やはり今日も離陸空港情報が消えてしまいました。


その後も前日とほぼ同じルートを飛行し、午後3時06分に戻ってきました。

今日は朝から10号機が三菱エプロンに出ていたようです。なかなか転がらないですね。

それと気になって仕方ないのが、昨日ヴィクターヴィルに飛んだ1号機。

まさかこの中に入れられたりしないでしょうね。

 現地時間の2月25日(火)、3号機がフライト実施。午前10時36分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22からエアボーン。今日は離陸後モーゼスレイク近郊を旋回しながら上昇し、昨日と同じ36,000ftまで上昇。そして、飛行経路も昨日と類似していて、36,000ftのままで加減速を繰り返しながら、モンタナ州からオレゴン州へ。

 オレゴン州上空でも36,000ftを維持して旋回していましたが、1時間ほど経ったのちに10,000ftまで降下。その後、北へ向かって飛び始めたところで、昨日と同じようにFlightradar24から消えてしまいました。今日も30分ほどで再表示されましたが、離陸空港情報が消えてしまいました。この地域に何かあるのでしょうか?

 いっぽう、昨日24日にヴィクターヴィルに飛んだ1号機のことが気になります。ヴィクターヴィル空港は、サザンカリフォルニア・ロジスティックス空港というのがが現在の正式名称で、使用されなくなった航空機の保管・解体場所、いわゆる「飛行機の墓場」であるのと同時に、南カリフォルニアの航空物流の拠点でもあるようです。

 そこにテストフライトにやって来たとは考えにくく、何かここに来た目的があるはず。こんなときこそ、三菱航空機公式ツイッターアカウントが情報をツイートしてほしいものです。




★現地時間2月24日、1号機と3号機がフライト実施 1号機が着陸したのは飛行機の墓場…まさか?

  

現地時間の2月24日(月)、1号機と3号機がフライト実施。


先に離陸したのは3号機で、現地時間の午前10時46分エアボーン。


今日の3号機は高度36,000ftでオレゴン州上空をフライト。


その後、故意なのか不可抗力なのかトラポン信号が切れて、離陸情報がなくなってしまいました。着陸は午後3時40分なので、飛行時間は4時間54分でした。


1号機は現地時間午後0時49分にエアボーン。


今日の1号機はスペースジェットのエンルート高度である27,000ftで南に向かいフライト。


そして着陸したのはカリフォルニア州のヴィクターヴィル空港。


ヴィクターヴィルって「飛行機の墓場」と呼ばれている空港ですが、まさかここでスクラップに??そんなはずないですよね。

Defenseworld.netのツイート Japan to Manufacture Aircraft Parts in Malaysia(日本がマレーシアで航空機部品を製造)

 現地時間の2月24日(月)、1号機と3号機がフライト実施。先に飛んだのは3号機で、午前10時46分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY22からエアボーン。3号機は15日以来9日ぶりのフライトになりました。

 その後、現地時間の午後0時49分、1号機がエアボーン。今日の1号機はスペースジェットのエンルート高度である27,000ftで南に向かっているので、どこかへのフェリーフライトだとすぐにわかりましたが、着陸したのは何とカリフォルニア州のヴィクターヴィル空港。ここは通称「飛行機の墓場」と呼ばれている空港ですが、まさか?ですよね。

 Defenseworld.netが「Japan to Manufacture Aircraft Parts in Malaysia(日本がマレーシアで航空機部品を製造)」という記事を掲載。以下はその翻訳。

 日本は、マレーシアで航空機産業の人材を育成することに加えて、マレーシアで航空機部品を製造する計画を練っている。実現すれば、アジア諸国との日本初のそのような協力となる。

 今年の夏に締結される可能性のあるこの合意は、中小の日本の部品メーカーの事業拡大を支援することを目指している、と毎日新聞は報じた。この枠組みの下で、日本はマレーシアで日本製の高精度部品を組み立てるサプライチェーンを拡大したいと考えている。

 東京は最近、航空機産業の生産額を2018年の1.8兆円(160億ドル)から2030年までに3兆円(270億ドル)に増やしたいと発表。今後20年間で約40,000機の需要が見込まれ、そのうち約40%がアジア太平洋地域で発生する予定。

 記事のどこにも「三菱スペースジェット用部品」とは書いてありませんが、航空機部品の製造ということは国産ジェット機である三菱スペースジェットしか考えられないし、メディアもスペースジェットの写真を掲載しているので、そう考えるのが自然。

 情報の出どころは日本の毎日新聞となっていますね。日本国内のメディアがこの情報を掲載したのを見たことがありませんが、国内の中小部品メーカーが海外のメーカーと価格競争するために、マレーシアで生産するというのなら、これはありなのかもしれません。いいこととは思えませんが・・・。




★中日新聞Monday経済 「国産ジェット公費500億円 スペースJ、遠のく商用化」

  

2月23日午後10時過ぎに、中日新聞 経済部が「こんばんは。 あす月曜日の朝刊には「Monday経済」が掲載予定です。テーマは国産初のジェット旅客機の #スペースジェット (旧MRJ)。商用化が遠退くなかで、国からの補助金投入の意義も問われています」とツイート。

2月24日朝刊Monday経済、「国産ジェット公費500億円 スペースJ 遠のく商用化」

 中日新聞2月24日朝刊のMonday経済に、「国産ジェット公費500億円 スペースJ 遠のく商用化」という特集記事が掲載されました。実は前夜である2月23日午後10時過ぎに、中日新聞 経済部Twitterが「こんばんは。あす月曜日の朝刊には「Monday経済」が掲載予定です。テーマは国産初のジェット旅客機の #スペースジェット (旧MRJ)。商用化が遠退くなかで、国からの補助金投入の意義も問われています」とツイートしていたので、朝刊が配達されるのを待っていました。

 記事の内容は、三菱スペースジェットが6回目の延期となり、またも商用化が遠のいたという冒頭の定型句で始まり、半世紀ぶりの国産旅客機であるスペースジェット(SJ)は事実上の「国家プロジェクト」で、これまで少なくとも補助金などで約500億円の公費が投じられた。にもかかわらず延期を繰り返す状況に対し、厳しい視線も向けられている。

 中日新聞が調べたところ、2008年から15年までに少なくとも425億円の補助金が交付されていた。内訳は、燃費向上や騒音防止につながる空力設計技術に205億円、先進的な操縦システムに147億円、機体の軽量化につながる炭素素材技術に70億円、故障の検知機能に3億円。経済産業省の担当者は「世界で戦うための技術を身に付けてもらうための補助金で、燃費向上などの目標は達成した」と説明。

 ほかにも08年の事業化前に実施した関連技術の開発に51億円、商用運航の審査を担当する国交省の職員育成にも予算は割かれており、SJ事業に関する公費は500億円規模になっているとみられる。経産省の担当者は、商用化が見通せない現状について、「初めてで苦労するのは当然。補助金を入れながらビジネスとして成功しないことは意外に多い」と語る。

 神戸国際大学の中村教授は、「電力会社や自動車会社にも公費が投じられたことはあるが、大企業でこれだけの補助金を受けながら結果が出ないのは珍しい。公費は「最先端技術」の開発のために交付されたが、大幅に商用化が遅れたことで「SJはもはや最新鋭機とは言いにくい」(航空業界関係者)というのが実態で、中村氏はお荷物になっているのは確か。国としての損失は大きく、なぜ延期が続いているのかを調べるべき時期がきている」と強調する。記者の意図はこんなところでしょうか。




★現地時間2月20日、1号機が3日連続でフライト実施

  

現地時間の2月20日午前11時12分、1号機がRWY4からエアボーン。


しかし、離陸後2,000ftまで上昇したところでエアターンバックを決めたようにUターン。いったん滑走路上空をローパスしたのち、離陸後わずか20分ほどで戻ってきました。


1号機にもADS-Bが搭載されたおかげで、タクシングも確認できるようになりました。

 現地時間の2月20日午前11時12分、1号機がRWY4からエアボーン。しかし、離陸後2,000ftまで上昇したところでエアターンバックを決めたようにUターン。いったん滑走路上空をローパスしたのち、離陸後わずか20分ほどで戻ってきました。

 1号機が飛ぶのは3日連続ですが、代わってほかの3機の飛行試験機が飛ばなくなってしまったので、今は1号機のみでテストフライトを行っているのですが、今日のこのショートフライトが何を意味するのか、ちょっと気になるところです。




★現地時間2月19日、1号機が2日連続で2度のフライト実施

  

現地時間の2月19日午前11時41分、1号機がRWY4からエアボーン。


いつもの空域を順次高度を上げながら飛行したのち、午後1時33分にRWY22にタッチダウン。飛行時間は1時間53分でした。


そしてそのわずか15分後、再び1号機がエアボーン。今度は離陸後いったん12,500ftまで上昇したものの、すぐに降下し高度10,000ft以下でフライト。

 現地時間の2月19日午前11時41分、1号機がRWY4からエアボーン。1号機は前日の2回のフライトに続き、今日も飛行試験を行いました。今日は離陸後順次高度を上げ、38,500ftまで上昇したところで降下を開始。そして現地時間の午後1時33分にRWY22にタッチダウン。飛行時間は1時間53分でした。

 そして着陸後わずか10分ちょっとで、再びRWY4からエアボーン。この日2度目のフライト実施。今度は高度を12,500ft付近で旋回したのち、7,500ft付近まで降下。1度目のフライトとは、明らかに違うプログラムを行っているようでした。

 昨日から名古屋空港に隣接する三菱重工エプロンのブラストフェンス前で、10号機がエンジンランナップを再開。3週間もの間、姿を見せなかった10号機がエンジンを回し、しばらくフライトしていなかった1号機がそれに合わせるかのように飛行試験を再開。この2つは単なる偶然なのか、それとも10号機に入力するデータ収集のために1号機が飛んでいるのか・・・考えすぎでしょうか。




★2月19日、10号機が久しぶりにエンジンランナップ

  

エルクさんのツイート 今朝は久しぶりにMSJ(JA26MJ)が出ています。約3週間ぶりかな?…

MT4692さんのツイート [2/19] SPACE JETが久々に出て来てエンジンテストを行った。

Aki-001さんのツイート 本日のMSJ(旧MRJ)さん…

 日本時間の2月19日、久しぶりに10号機(JA26MJ)が三菱エプロンに出てきて、エンジンランナップを行いました。10号機の目撃情報は確か1月下旬が最後だったと思うので、3〜4週間ぶりということになります。この時期にこれだけの期間、姿を見せなかったということは、ソフトウェアの変更でも受けていたのでしょう。

 今日のエンジンランナップで問題なければ、今度こそ地上走行試験に移ってくれるかも。ただ、三菱エプロンのブラストフェンス前で、あのGTFエンジン特有の恐竜の叫び声のような音を1度も確認していないので、まだ少し先なのかもしれません。




★現地時間2月18日、1号機が2時間52分と1時間25分の2度のフライト実施

  

現地時間の2月18日午前10時31分、1号機がエアボーン。


今日の1号機は高度を変化させながら、2時間52分のフライトを行いました。


その1時間50分後の午後3時16分から午後4時41分まで、この日2度目のフライト実施。

財経新聞・最新ニュースのツイート 三菱・スペースジェット(旧MRJ)が最も恐れるのは「時代のニーズ」(2/3)

財経新聞・最新ニュースのツイート 三菱・スペースジェット(旧MRJ)が最も恐れるのは「時代のニーズ」(3/3)

日本経済新聞 電子版のツイート 三菱重工、「スペースジェット」が生んだ新たなリスク

 現地時間2月18日午前10時31分、1号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーン。1号機が飛ぶのは先週2月14日に続いてのことですが、14日はわずか16分間のチェックフライトだったので、今日が実質的にADS-B搭載などの改修後のファーストフライトということになります。

 今日の1号機はスペースジェットがよく飛んでいる空域を、高度を変化させながら飛んでいたので、改修した機体の性能を確認していたと推測されます。そして着陸して1時間50分後の午後3時16分、この日2度目のフライト実施。今日のフライトの目的は何だったのか、そして1号機が受けた改修内容が知りたいですね。エンジンは日本国内で組み立てたGTFに置き換えたのでしょうか?

 財経新聞が「三菱・スペースジェット(旧MRJ)が最も恐れるのは『時代のニーズ』」という記事を掲載。全3回シリーズで、その2/3と3/3が同一日に投稿されました。

 今回の注目点はYS-11がなぜ失敗したのか。2/3ではアメリカ空軍の輸送機C-5計画が発端で、ロッキード社に敗れたボーイングが「ロッキード社にC-5の民間機型を造られては生き残れない」と急いで作り上げたのがB747ジャンボだったで始まり、日本ではダグラス社のDC-3の後継機を造ることとなって、日本の技術者が「最先端」として採用した方式がYS-11の姿だったと続きます。

 そして第一に注目すべきは、「ターボプロップ双発」のエンジン。YS-11は当時の最先端技術でも「ターボプロップ」エンジンを選定したこと。後にこれが致命傷となる。また、YS-11が商業的に失敗に終わったとされる一番の問題は、国内幹線からボーイング727、737などに追い出されたこと。世界の短距離線でも同じように追い出され、ローカル線にしか使われなかったことが致命傷となった。

 3/3では、さらに踏み込んで分析。純ジェットエンジンとYS-11を比較すると、「スピードが違う」ことを指摘。YS-11の巡行スピードはゼロ戦と大して違いはない。一方で、ボーイング727は現代のジェット旅客機とほぼ同じレベルにあった。これは旅客運航においては商品力でかなわない。

 YS-11は短距離離着陸機であるため、滑走路は短くて済みローカル空港でも使用できたが、問題は沈下率にあった。YS-11のグライダーのような細長い翼は、降下を始めてもなかなか沈まない性能なのだ。それは短距離路線において、巡航高度を目的地近くまで保たないで手前から降下することとなり、燃費では不利になる。

 こうしてYS-11は世界の主流からは取り残され、ローカル線で就航できたのみであった。世界は一気に純ジェット化に進んでいたのだったが、YS-11は開発時点で就航時の「時代のニーズ」を読めていなかった。

 今回の2/3と3/3では、何がYS-11を時代のニーズから取り残されることになったのかを分析。こうして記事を熟読してみると、確かにYS-11は時代の流れに乗り損ねた航空機だったと言えます。スペースジェットは本当に大丈夫なのか、著者の気持ちが伝わってくるようです。

 日本経済新聞の「三菱重工、『スペースジェット』が生んだ新たなリスク」は、いかにも経済新聞らしい内容ですが、三菱重工の会計上の不安についての記事なので、航空機ファンにはあまり興味のない記事でした。




★三菱・スペースジェット(旧MRJ)が最も恐れるのは「時代のニーズ」(1/3)

  

財経新聞・最新ニュースのツイート 三菱・スペースジェット(旧MRJ)が最も恐れるのは「時代のニーズ」(1/3)

 財経新聞が「三菱・スペースジェット(旧MRJ)が最も恐れるのは『時代のニーズ』」という記事を掲載。全3回シリーズの記事で、今回がその1回目。

 三菱重工・スペースジェット(旧MRJ)の初号機納入が6度目の延期となり、また遅れる。2008年3月28日、当時の三菱重工社長であった佃和夫氏が「航空機生産は長年の悲願」と宣言して、2013年には納入開始のスケジュールを目指していた。それが、未だに型式証明が取れず、納入は遅れに遅れている。

 しかし、旅客機開発で遅れが出ることは珍しいことではない。かつてボーイング社が747を開発している時、設計変更を極力抑えるシステム運用で世界を抜き去り、現在の地位を築いている。それほど開発途中での設計変更が必要なのが飛行機なのだ。

 スペースジェットにとって一番恐ろしいことは「時間の経過」だ。「そんなの当たり前じゃないか」と言われてしまいそうだが、飛行機開発にとって、「就航」が予想される時期の「時代のニーズ」を正確に先読みし、それに必要な機能を用意することは大事であり、それが出来ていなければ全く商品価値がなくなってしまうのだ。

 予想しなければならない時代が、半世紀も先のこともある。B747ジャンボは、開発開始から半世紀後に全盛期を迎えている。YS-11があまり売れないで終わってしまった真の原因も、「時代のニーズ」を読み間違えてしまったことだ。YS-11が狙っていた市場はDC-3の後継機だった。

 YS-11開発の当時、戦前の代表的小型旅客機DC-3は世界の空で多数が現役であったが、同時に後継機争いが始まっていた。太平洋戦争後、占領軍(アメリカなど)から禁止されていた飛行機開発を、1956年ごろから日本国内でも再び行いたいとの機運が起こり、研究が始まっていた。

 その当時の常識では、軍用機、つまり輸送機や爆撃機の開発が先行し、そのノウハウを活かして旅客機の開発が後を追うのが通常のことだった。

 前回の「三菱スペースジェット納入が6度目の延期か」もなかなかおもしろい内容でしたが、今回の記事も「なるほど」「確かに」とうなずけるもの。2/3と3/3が楽しみです。




★「三菱スペースジェットで会社がつぶされそう」 進むも地獄、退くも地獄。

  

現地時間の2月14日午後3時46分から午後4時02分までの16分間、1号機がADS-Bを搭載後、初のフライト実施。フライトナンバー「5573」ってどんな意味があるのでしょうか。


そして現地時間の2月15日午前10時10分から午前10時58分まで、3号機がフライト実施。連日飛んでいる3号機ですが、今日は飛行時間が短かったのでもう1回飛ぶかも。


やはりこの日2度目のフライトがありました。現地時間の午後1時39分から午後3時20分まで、3号機が再びフライト実施。今日はパイロットトレーニングでしょうか。

日経ビジネスのツイート  「三菱スペースジェットで会社がつぶされそう」。三菱重工が国産ジェット旅客機の6度目の納入延期を発表。進むも地獄、退くも地獄。

 現地時間の2月14日、1号機がADS-Bを搭載後の初フライト実施。それもフライトナンバーに「5573」という意味不明の数字を使っていました。午後3時46分から午後4時02分までの16分間という短い時間でしたが、昨年の12月9日以来と思われるフライトだったので、かなり大規模な改修を受けたのちのチェックフライトだったのでしょう。

 3号機は今日も午前10時10分から午前10時58分までフライトを行いましたが、最近の長時間フライトに比べると、かなり短いフライトでした。そしてやはりこの日2度目のフライトがありました。現地時間の午後1時39分から午後3時20分まで、3号機が再びフライト実施。今日はパイロットトレーニングでしょうか。

 日経ビジネスが、「三菱スペースジェットで会社がつぶされそう」。三菱重工が国産ジェット旅客機の6度目の納入延期を発表。進むも地獄、退くも地獄。というツイート。このツイートからは「スペースジェット、損失5000億円でも諦められない三菱重工」という記事にリンク。その一部をご紹介します。

 三菱重工は2月6日、開発中の国産リージョナルジェット旅客機「三菱スペースジェット」の納入延期を発表した。納入延期は6度目で、新たな納入予定時期は2021年度以降。同日発表した20年第3四半期決算では、スペースジェットの関連損失は計4964億円になる。

 過去にスペースジェットと同じように納入遅れで累計2500億円超の損失を計上した大型客船は、現在では新規受注を凍結し、香焼工場(長崎市)の売却を決めるなど造船事業の抜本的改革に取り組んでいる。スペースジェットは大型客船以上の損失を計上しながら、足元では70席クラスのフィージビリティー・スタディを実施している。

 事業化が決まれば、さらに開発費用が膨らみ、90席クラスのスペースジェットのように開発遅れによる損失拡大というリスクもさらに大きくなる。そうしたリスクを抱えながらも、スペースジェット事業に力を入れる背景にあるのは、将来の稼ぎ頭が見当たらないことへの不安感。現在の稼ぎ頭である火力発電事業は世界的な脱炭素の動きにさらされ、事業へのマイナス影響は避けられない状態。

 航空機分野では米ボーイング向けに飛行機の胴体や翼などを手掛けており、安定的な利益の源泉ともなっている。しかしこの事業についても、泉澤社長は警戒感を高める。「ティア1(1次下請け)としての立場が未来も盤石かという問題がある。航空機は成長分野の1つで、完成機を手掛けることで事業の幅を広げたい」。この言葉の裏を返すと、スペースジェット事業を諦めれば将来の稼ぎ頭が不在になりかねないということ。

 現在、三菱重工はスペースジェット事業の黒字化のめどを明らかにしていない。三菱重工関係者は「90席の開発費用を回収するだけでも大変なのに、70席クラスの開発まで始めれば、収益貢献はいつになることやら。スペースジェットで会社がつぶされそうだ」と話す。黒字化できなければ、三菱重工の経営を支える柱が見当たらない中で、経営陣は「進むも地獄、退くも地獄」の状況に追い込まれている。

 すごいですね、5000億円もの損失出しても、まだ新型機であるM100を始めようとしているわけですから。本当にスペースジェット事業は将来の稼ぎ頭になるのでしょうか?「スペースジェットで会社がつぶされそうだ」、これが社員の本音でしょうね。




★三菱スペースジェット、客室モックアップ展示 シンガポール航空ショー2020

  

現地時間の2月14日、3号機が10時27分に離陸し、一気に28,000ftまで上昇。


28,000ftはスペースジェットがよく飛ぶのエンルート高度なので、どこかへフェリーフライトかと思ったのですが・・・


高度を維持したままでソルトレークシティ上空で北向きに進路変更。


そしてグレートフォールでレフトターン。


モーゼスレイクに戻ったのちも、6,900ftで旋回飛行継続。


着陸したのは午後3時07分、この日の飛行時間は4時間40分でした。

Aviation Wireのツイート 【YouTube更新】三菱スペースジェット、客室モックアップ展示 シンガポール航空ショー2020

Mitsubishi Aircraft Corporationのツイート Earlier this week we hosted a great interview session between NHK,members from Maintenance Center of ANA, and our Customer Support team. You can view the coverage below.

 現地時間の2月14日、3号機が4時間40分ものロングフライト実施。今日の3号機は10時27分に離陸し、一気に28,000ftまで上昇。28,000ftはスペースジェットがよく飛ぶのエンルート高度なので、どこかへフェリーフライトかと思ったのですが、高度を維持したままでソルトレークシティ上空で北向きに進路変更。フェリーフライトではないことがわかりました。

 その後、グレートフォールまで北上したところでレフトターン。このままモーゼスレイクに戻って着陸すると思っていたのですが、モーゼスレイクに戻ったのちも6,900ftでしばらくの間、旋回飛行継続。結局着陸したのは午後3時07分、この日の飛行時間は4時間40分でした。

 Aviation WireがYouTubeに「三菱スペースジェット、客室モックアップ展示 シンガポール航空ショー2020」という動画を公開。モクアップながら、スペースジェットM100の客室内のイメージが再現されています。しかし正直なところ、どこが旧MRJ90の客席から進化したのか、新しいオーバーヘッドビンはどう改善されたのか、残念ながら判別することはできませんでした。

 英語版とも言える「三菱航空機公式ツイッターアカウント」が「Mitsubishi Aircraft Corporationのツイート Earlier this week we hosted a great interview session between NHK,members from Maintenance Center of ANA, and our Customer Support team. You can view the coverage below.」とツイート。

 三菱航空機の2つの公式ツイッターアカウントの役割分担がよくわかりません。単に名古屋の本社とレントンの北米本社が別々にツイートしているだけに思えます。三菱重工って、よく官僚よりも官僚的と言われますが、何かこのツイッターアカウントひとつをとってみても、官公庁でよく問題になる「縦割り」の弊害が垣間見える気がしています。




★現地時間2月13日、3号機がエバレットをかすめポートランドとシアトルへ

  

現地時間の2月13日、3号機がポートランド国際空港へフライト。


途中、ボーイングの本拠地、エバレット・ペインフィールドをローアプローチ。


その後、午後2時04分にポートランド国際空港を離陸し、8の字を描きながら上昇。


そして現地時間の午後3時、今度はシアトル国際空港着陸。


シアトル国際空港でも着陸後、わずか30分で再び離陸。


現地時間の午後4時25分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港に戻ってきました。

NHK東海NEWS WEB MSJ納入に向け全日空が協力

三菱航空機日本公式ツイッターアカウントも今頃になって、NHKから取材を受けたことをツイートしました。

 現地時間の2月13日、3号機がポートランド国際空港へフライト実施。午前10時46分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港を離陸し、途中、ボーイングの本拠地であるエバレット・ペインフィールドを600ftでローアプローチ。

 エバレットのあとはシアトル近郊を飛び、午後1時31分にポートランド国際空港着陸。飛行試験機がポートランド国際空港に着陸したのはいつ以来でしょうか。その後、午後2時04分にポートランド国際空港を離陸し、午後3時に今度はシアトル国際空港に着陸。

 さきほどのポートランド国際空港では、わずか30分足らずで離陸したので、今度はどうなのかとウォッチしていたところ、やはりここでわずか30分後の午後3時37分に離陸し、モーゼスレイク・グラントカウンティ空港には午後4時25分に戻ってきました。

 NHK名古屋放送局製作の東海NEWS WEBに「MSJ納入に向け全日空が協力」という記事が載りました。ほかのマスコミが一切報じていませんし、納期延期で最も影響を受けているはずのANAが協力というのが実に不思議。

 三菱スペースジェットの初号機の納入先となっているANAは、乗客や乗務員などにとって利便性の高い機体の開発に向け、三菱航空機と連携して、機体の使い勝手などについて検証を進めている。

 ANAは「三菱スペースジェット」を合わせて25機を発注しており、ANAと三菱航空機は、納入に備え、機体の使い勝手などについて検証を進めていて、2月12日には、愛知県豊山町にある三菱航空機の親会社の三菱重工業の格納庫で両社の担当者が機体の設備などを確認した。

 両社では、これまでに整備がしやすくなるよう、エアコンを簡単に取り外すことができるようにしたほか、ドアを縁取るゴムを滑りやすいものにして、女性でもドアの開閉がしやすくなるよう改良したということで、担当者が改善点などをチェックしていた。

 ANAの三澤文良さんは「日々改善を進め、パイロットや整備士にとって、かゆいところに手が届く仕様になってきていると思う」と話していた。三菱航空機はANAのユーザーとしての意見を参考にしながら、乗客や乗務員、整備士にとって利便性の高い機体の開発を急ぐことにしている。

 なんだぁ、この程度の協力は以前から行われていて、いわゆる「ローンチカスタマー」の特権及び義務でもあります。しかし、三菱航空機は旧MRJ90であるM90の客室について、設計を刷新した新型機M100と将来的に同一仕様を選択できるようにする考えを示していることから、少なくともANAは現行設計の客室を選ぶと推測されます。




★三菱航空機はスペースジェット M100に対する航空会社のコミットメントを「数百」持っている

  

現地時間の2月12日も3号機がフライト実施。午前10時40分に離陸し、ワラワラ・リージョナル空港でファイナルアプローチを4回繰り返して、午後0時39分に戻ってきました。


なぜ連日、ワラワラ・リージョナル空港でファイナルアプローチを繰り返しているのか、ほかの3機はどうしているのか知りたいところ。

The Japan Timesのツイート  Mitsubishi Aircraft has 'hundreds' of airline commitments for SpaceJet M100 exec(三菱航空機はSpaceJet M100に対する航空会社のコミットメントを「数百」持っている)

Aviation Wireのツイート シンガポール航空ショー開幕 出張自粛で静かな会場、休憩スペースも

Aviation Wireのツイート 三菱スペースジェット、M90も新客室デザイン採用視野

 現地時間の2月12日も3号機がフライト実施。午前10時40分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港を離陸し、今日もワラワラ・リージョナル空港でファイナルアプローチを4回繰り返して、午後0時39分に戻ってきました。飛行時間は最近では短い、1時間59分でした。

 The Japan Timesが「Mitsubishi Aircraft has 'hundreds' of airline commitments for SpaceJet M100 exec (三菱航空機はSpaceJet M100に対する航空会社のコミットメントを「数百」持っている)」という記事を掲載。

 日本の三菱航空機は、数百機のSpaceJet M100リージョナルジェットを購入するという顧客からの未発表のコミットメントを持っているが、最初の焦点は、それより大きなM90モデルの型式証明取得にあると火曜日に述べた。同社の最大株主である三菱重工業は先週、最初のM90の納期は少なくとも1年遅れて2021年3月以降に延期され、プログラムの6回目の遅れと日本の民間ジェット機の野望への後退を表明した。

 三菱航空機のアレックス・ベラミー最高責任者は、元の設計から約960の変更があったテスト機は、当局に耐空性を証明するために今後数週間で飛行する予定であると述べた。乗組員の警告などの一部の変更は、緊急事態へのパイロットの対応に関する世界的な規制の精査につながったボーイング社の737Maxの2つの致命的な墜落事故の後に行われたと彼は言った。

 彼は「90席のM90はニッチ航空機である可能性が高いと」述べた。「パイロット組合との合意の下で米国の地域航空会社が飛行するには大きすぎるため、2024年頃に就航するために約76席のM100はより人気のあるモデル。M100の成熟と会社の立ち上げを可能にする製品の運用に必要な経験を本当に得ることができる。旅のマイルストーンである」。

 三菱航空機と米国の地域オペレーターであるメサ航空は、9月に覚書を締結し、50機のM100と50機の購入権の確定注文に関する協議を開始した。ベラミー氏は後日公開される他の取引が調印され、できればコミットメントから注文へと固められると述べた。「私たちは多くの航空会社といくつかの契約に署名した。何百もの非常に大きな数だが、到着する前にまだやるべきことがたくさんあるので公開していない」と言った。

 シンガポール・エアショー2020での三菱航空機の動静が伝えられていますが、今回は三菱航空機のアレックス・ベラミー氏がコメントした内容が記事になっていました。この中で新たな情報は、約900の設計変更の一部は、ボーイング社の737Maxの2つの致命的な墜落事故の後に行われたこと。やはりボーイング737Maxシリーズの欠陥問題が、スペースジェットの型式証明取得にも、少なからず影響を及ぼしているようです。

 いっぽう、Aviation Wireは、三菱航空機のアレックス・ベラミー最高開発責任者がM90(旧MRJ90)の客室について、設計を刷新した新型機M100と将来的に同一仕様を選択できるようにする考えを示した。ベラミー氏は、「新しい客室は好評だ。M90も将来的に検討していきたい」と述べ、M90でもM100と同じ客室仕様を選択できるようにしていく考えを示したと報じました。

 旧MRJ90であるM90は、最終的に何機の受注契約が残るかわかりませんが、多くの引き渡しは2022年になってからでしょうから、これからM100と同じデザインおよび機能を取り入れて設計し直して、きっと間に合っちゃうのでしょうね。




★三菱航空機がスペースジェットは待つ価値があると主張

  

現地時間の2月11日午前11時53分、今日も3号機がテストフライトに出発。


途中、ポートランド国際空港に向かったので着陸するのかと思ったのですが、滑走路上空をかすめて飛び去って行きました。


その後、モーゼスレイク近郊を旋回したのち午後3時02分に着陸。飛行時間は3時間09分でした。

Mitsubishi Aircraft insists SpaceJet will be worth the wait
三菱航空機がスペースジェットは待つ価値があると主張

 現地時間2月11日も3号機がテストフライト実施。今日はモーゼスレイク・グラントカウンティ空港を離陸したのち太平洋方面にフライト。ポートランドまで来たところで降下したので、もしやポートランド国際空港に着陸するのではと思いましたが、結局滑走路を少し外れたルートでローパス。ポートランドへは単なるごあいさつ?

 フライトグローバルが「Mitsubishi Aircraft insists SpaceJet will be worth the wait(三菱航空機がスペースジェットは待つ価値があると主張)」という記事を掲載。これはシンガポール・エアショー2020での取材記事のようです。

 三菱航空機はスペースジェット開発の新たな遅れに動じずシンガポールに到着し、M100キャビンモックアップがブースの中心を占め、M200と呼ばれる大型航空機の開発に関心を寄せている。M200は約100人の乗客を乗せ、2024年に予定されている65〜88席のM100の最初の納入から約2年後に到着する。その間、三菱航空機は90席のM90の認証に向けて努力を続けている。

 M100キャビンモックアップには、2x1構成のファーストクラスシートと、さまざまなピッチの2x2エコノミーシートが含まれている。三菱航空機は2019年パリ航空ショーでM100をプロモーションし、米国の主要航空会社のパイロット契約で規定されている76席の航空機の離陸重量制限を満たしている。

 M100の打ち上げで、三菱航空機は数フィート短い69席のMRJ70をキャンセルした。M100を米国の航空会社の最大離陸重量39,000kg(86,000ポンド)に抑えるために、軽量のアルミニウムリチウム胴体スキンをM100およびカーボンファイバーテールコンポーネントに追加し、エンジンパイロンを再設計し、M100に垂直翼端を付けた。垂直チップは効率をいくらか犠牲にするが、翼の構造的サポートが少なくて済むため重量を節約できるとHaroは言う。

 三菱航空機はM100の納期が2024年に始まり、2年後にM200の納入が続くと予想している。M100の航続距離は約1,250nm(2,320km)になると、Haroは言う。しかし、三菱航空機は最初のスペースジェットのバリアントである90席M90を型式証明および納入する必要がある。ショーの少し前に、三菱重工は2021年4月から2022年3月またはそれ以降にM90の納期を予定しており、新たな遅れを発表した。

 Haroは約900件の変更を経て、日米の規制当局と協力して、三菱航空機が認証可能なM90設計に到達したと主張している。M90の最初の飛行は「それほど遠くない」と彼は言う。

 三菱航空機はかなり強気のようですが、これもライバルがいないことからなのでしょう。しかし、今の三菱航空機がM100に続きM200の話をして、真剣に耳を傾けてくれるエアラインが本当にいるのか?1兆円の開発費を回収するに何機売らなくちゃいけないんでしたっけ?応援する気持ちに変わりはありませんが、月産10機まで増やしても年間120機。10年かけても1200機でしょう。先は長いですね。




★“ツチノコジェット”は幻に終わるのか

  

現地時間2月10日お昼ちょうどに3号機がエアボーン。


離陸後30分ほどモーゼスレイク近郊を旋回。


一度35,000ft付近まで上昇して飛行したのち、今日もワラワラ・リージョナル空港でILSアプローチからのミストアプローチもしくはゴーアラウンドを実施。


今日は着陸前1,000ftで表示が切れてしまい、着陸時間が表示されなかったのですが、現地時間の午後4時05分頃にタッチダウン。

Aviation Wireのツイート “ツチノコジェット”は幻に終わるのか 特集・延期6度目の三菱スペースジェット

 現地時間2月10日も3号機がテストフライト実施。モーゼスレイク・グラントカウンティ空港をお昼ちょうどに離陸し、しばらくモーゼスレイク近郊を旋回。その後いったん35,000ftまで上昇してフライトしたのち、今日もワラワラ・リージョナル空港で何度もILSアプローチからのミストアプローチもしくはゴーアラウンドを実施。

 Aviation Wireが「“ツチノコジェット”は幻に終わるのか 特集・延期6度目の三菱スペースジェット」という記事を掲載。一部印象的なところをピックアップ。

 スペースジェットの納期は当初、2013年だった。2008年に開発がスタートし、5年で納入を始める計画が、すでに12年が過ぎて干支も一回りしてしまった。

 三菱航空機はMRJを2019年6月に、機内の広さといった空間をアピールする狙いで三菱スペースジェットと改称した。しかし、ANA社内では未確認生物のツチノコのようだと、「ツチノコジェット」と揶揄されるほど。現在の納期は「2021年度」だが、後半になれば2022年1-3月期になることもあり得る。最初に示された納期から、10年近く遅れることも現実味を帯びてきた。

 ANAグループでスペースジェットを運航予定のANAウイングスでは、スペースジェットがパイロット確保で重要な役割を果たしてきた。延期に次ぐ延期で、他社へ転職する人も出ており、金銭による補償だけで済む問題ではなくなっている。日本航空も32機発注済みで、すべて確定発注だ。納期は2021年を予定しており、6度目の延期でJALも計画通りに受領できないおそれが出てきた。

 現在開発中のM90は、機体の安全性を国が証明する「型式証明(TC)」取得時に使う飛行試験機(通算10号機)の完成が遅れ、1月6日に完成。結果として、2023年に市場投入を目指すM100も計画が遅れる見通し。

 泉澤社長は春先に予定している10号機の初飛行と、モーゼスレイクへのフェリーフライトが、今後のプロジェクト全体の進捗を見極める上で、重要なイベントとの見方を示す。5度目の延期で示していた「2020年半ば」は、10号機によるTC取得試験の開始時期となれば御の字と言ったところ。

 10号機が無事春先に初飛行し、7月開催のファンボロー航空ショー前に米国へ持ち込めれば、世界の航空関係者が集まる場でポジティブな情報を打ち出せそう。一方で、いつまでも明確な納期が打ち出せない場合、いったん契約を白紙にという話題も出かねない。今後スペースジェットが成功を収める上で、2020年半ばが分かれ目になりそう。

 Aviation Wireにしては珍しく厳しい内容。それもそのはず、2008年の開発開始から、すでに12年経過。現在の納期は「2021年度」だが、後半になれば2022年1-3月期になる可能性もあり、最初に示された納期から10年遅れるも現実味では・・・。




★三菱スペースジェット納入が6度目の延期 サプライヤーに待ち続ける体力はあるのか

  

現地時間2月9日午前11時28分、3号機がサンデーフライトに出発。


あれっ、今日はテストフライトではなく、どこかに向かて飛んでいるようです。


どこまで行くのかと思っていましたが、サウス・ダコタの手前で南に旋回し、ユタの山中まで行ったところでUターン。先日の2号機のルートに似ています。


その後、ワイオミング州まで戻ったところでワシントン州目掛けてレフトターン。モーゼスレイクに戻って来たのは午後4時48分。飛行時間は5時間21分でした。

財経新聞・最新ニュースのツイート 三菱スペースジェット納入が6度目の延期 (4) サプライヤーに待ち続ける体力はあるのか

 現地時間2月9日午前11時28分、3号機がサンデーフライトに出発。いつものようにRWY22からエアボーンし左旋回。しかし、今日は飛行高度をぐんぐん上げて、エンルートを飛行するときの27,000ftに到達。その後も高度を維持して東へ一直線。

 どこまで行くのかと思っていましたが、サウス・ダコタ州の手前で南に旋回し、ユタ州の山中まで行ったところでUターン。先日の2号機のルートに似ています。その後、ワイオミング州まで戻ったところでワシントン州目掛けてレフトターン。モーゼスレイクに戻って来たのは午後4時48分。飛行時間は5時間21分でした。

 財経新聞が「三菱スペースジェット納入が6度目の延期 (4) サプライヤーに待ち続ける体力はあるのか」という記事を掲載。タイトルにもあるように、下請けとなる部品供給会社の悲哀をまとめたもので、私も以前から最も気になっていることでもあります。

 スペースジェットの生産は、当初2か月に1機のペースで始まり、2〜3年の習熟期間を経て月産1機体制になるとこれまで伝えられてきた。型式証明が得られて、やっと生産が開始されても、当初2年間で合計12機、生産体制が変わらなければ当初から通算5年間で生産できるのは48機ということになる。

 その後は5年毎に60機を生産するとしても、縮小した現在の受注をこなすだけで25年という歳月が必要になる。逆に言うと、生産体制を拡充させなくては収益事業としての展望は開けないことになる。

 19年の秋、「6度目の納入延期へ向けた調整が行われている」と伝えられた時期に、動いたのは東レだ。炭素繊維で世界シェア第1位の東レは、旅客機の姿勢安定効果のある尾翼向けの部品を、炭素繊維の複合材から部品に加工供給する契約を解消した。

 東レは名古屋の工場に加工のための設備を新設して試験機への供給を行っていたが、度重なる納入延期に直面して、三菱航空機へ部品を供給する設備や人員を確保しておくことに疑問を感じたようだ。部品製造の材料として炭素繊維の供給は継続されるようだが、今後は三菱重工業が自社加工せざるを得なくなった。

 他の協力企業もそれぞれの企業努力を続けながら納入時期を待ち続けている。努力が通用しているうちは問題ないが、マラソンを走っていて見えていたゴールが、あっという間に遥か彼方に移されてしまう事態が再三続くと、気力も体力ももたないのは明白だ。三菱重工業には、上り坂でも下り坂でもブレない、ペースメーカーとしての役割も期待されている。

 まさにこれが私には気がかりなのです。




★「MSJ」6度目の延期、常に自問する三菱重工会長のモノづくり論

  

現地時間2月8日午前11時50分、3号機がテストフライトに出発。 ここ数日は3号機のみがフライトを行っています。


今日はモーゼスレイク近郊を旋回飛行し、午後2時42分にタッチダウン。飛行時間は2時間52分でした。

「MSJ」6度目の延期、常に自問する三菱重工会長のモノづくり論 − ニュースイッチ

 現地時間2月8日午前11時50分、3号機がテストフライトに出発。ここ数日は3号機のみがフライトを行っています。ほかの3機はどうしてしまったのでしょうか。

 今日の3号機はモーゼスレイク近郊を旋回飛行し、途中、モーゼスレイク・グラントカウンティ空港上空を数回通過。それでも、ローアプローチやゴーアラウンドというような高度までは、降下していませんでした。そして、午後2時42分にタッチダウン。飛行時間は2時間52分でした。

 ニュースイッチが「『MSJ』6度目の延期、常に自問する三菱重工会長のモノづくり論」という記事を掲載。もちろん記事の内容は納期延期に関するものなのですが、自社が2020年1月31日に掲載した「宮永俊一『最も大切なことはシンプルで変わらない』」を引用して、このタイトルにしていました。

 ただ、この元記事のタイトルこそ、「宮永俊一『最も大切なことはシンプルで変わらない』」なのですが、記事の中には三菱重工業会長のコメントは一切出てこず、今回の記事の意図するところがよくわからないのです。




★三菱スペースジェット納入が6度目の延期 「YS11」の轍を踏むな!

  

現地時間2月7日午前10時35分、3号機がテストフライトに出発。行先は今日もパスコ・トリ・シティーズ空港のようです。


計器着陸装置のチェックを行っているように思えます。このルートはSTARでしょうか?


その後、パスコから東に50qほどの山間部にあるワラワラという町の「ワラワラ・リージョナル空港」へ向かい、ここではILSのチェックでしょうか。


そして現地時間の午後3時53分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港に戻ってきました。飛行時間は5時間18分でした。

三菱航空機公式ウェブサイト「役員人事のお知らせ」

財経新聞・最新ニュースのツイート 三菱スペースジェット納入が6度目の延期 (3) 「YS11」の轍を踏むな!

NHK おはよう日本のツイート 【経済ニュース】 開発進む国産初のジェット旅客機 「三菱スペースジェット」

 三菱航空機公式ウェブサイトが役員人事を発表。2020年2月6日名古屋発−三菱航空機株式会社はSpaceJet開発の推進及び更なるグローバル戦略の推進に向けた体制強化のため、2020年4月1日付、以下のとおり役員人事を実施致しますと括っています。

 財経新聞・最新ニュースが「三菱スペースジェット納入が6度目の延期 (3) 「YS11」の轍を踏むな!という記事を掲載。今回がシリーズ(3)となりますが、(1)と(2)は同時に掲載したのに、どうして(3)は掲載しないだろうと思っていたのですが、続編は三菱重工決算会見のあとに残してあったのですね。そして今回の記事のハイライトは2つ。

 6度目となる延期を発表した今回は、今までのように具体的な期限を定めず「21年度以降」として、顧客であるANAや国土交通省と十分に協議しながら決定するようだ。21年度は22年3月末までなので、想定される納入時期は2年後である22年の半ばということか。

 「飛べない飛行機」と揶揄されたYS11が型式証明を取得したのは、戦後19年を経過した前回1964年の東京オリンピック直前だった。大難産でようやく誕生したYS11機だったが、各方面で無理を重ねて製造された機体であったため、商業的な成功は得られなかった。

 官民が共同で設立した特殊法人の日本航空機製造は、発足初期から半官半民のマイナス面が露呈する問題を抱え、販売不振のまま赤字が累積する悪循環を脱出できず、1982年に解散の憂き目を見るに至っている。

 「デジャブ(既視感)」を感じるのは切ないが、スペースジェットの度重なる納入延期報道に接するたびに、連想してしまうのは止むを得ないだろう。ピーク時には450機を超えていた受注残が、キャンセルが続いて既に287機にまで縮小している現状では、黒字化は夢物語だ。

 型式証明を取得して商業運航が始まることがゴールではない。収益を計上できない赤字事業のままでは、YS11のつけた轍(わだち)を抜け出せずに、悪夢の再来となってしまう。

 もう1つ、今回の6回目の納期延期に関するNHKの力の入れ方は尋常じゃないですね。最初にスクープとしてすっぱ抜いたのもNHKだったし、こうして看板番組である「おはように日本」で解説までするのですから。でも、さすが国営放送だけあって、非常にわかりやすい解説になっていると思います。




★スペースジェット 崖っぷちの日の丸機

  

現地時間2月6日午前11時34分、3号機がテストフライトに出発。


今日はぐるぐる旋回を続けたと思ったらオレゴン州方面へ。


空港も何もない山中を低空でフライト。何のチェックでしょうか?


そして飛行時間が4時間を軽く超えた現地時間午後3時54分に戻ってきました。

FlightGlobalのツイート Fresh delay hits Mitsubishi’s beleaguered SpaceJet
(新たな遅れが三菱の苦悩スペースジェットを打撃)

Nikkei Asian Reviewのツイート Jet delays drag Mitsubishi Heavy toward first loss in 20 years(ジェット機遅延が20年ぶりの三菱重工の最初の損失へ遅らせる)

中日新聞 2/7朝刊 社説 スペースジェット 崖っぷちの日の丸機

中日新聞 2/7朝刊 スペースJ「21年度以降」 延期発表、三菱航空機の社長交代

中日新聞 2/7朝刊 中部下請け「もう期待ない」 スペースJ、6度目延期

 昨日の三菱重工の決算会見報道はすごかった。マスコミ各社は「それ見たことか」とばかりに、6度目の納期延期と赤字転落、それに三菱航空機の社長交代などを報じていました。

 ただ、すでに6度目の納期延期が既成事実化していたこともあり、それが驚きではなく、やっぱりなと思ってしまうこと自体、スペースジェットは事業としてはすでに破たん状態と言わざるを得ません。

 海外での報道もすごいですが、主なものを2つ掲載します。FlightGlobal Fresh delay hits Mitsubishi’s beleaguered SpaceJet(新たな遅れが三菱の苦悩スペースジェットを打撃)」と、Nikkei Asian Review「Jet delays drag Mitsubishi Heavy toward first loss in 20 years(ジェット機遅延が20年ぶりの三菱重工の最初の損失へ遅らせる)」。

 三菱重工は木曜日に、遅延に悩まされているビジネスジェットプロジェクトのコストが目に見えないまま増え続けているため、3月に終了する年に100億円(9120万ドル)の税引前損失を予測した。

 収益の格下げは、日本の産業グループにとって20年ぶりの年次損失であり、三菱スペースジェットの納入における6回目の遅れも発表。北米市場向けの70席モデルを含めると、開発コストは最大1兆円(91億2,000万ドル)になると予測されている。

 2019年に就任した泉沢誠二社長は記者会見での困難について謝罪し、「完成した航空機でビジネスプロファイルを拡大するという当社の目標は変わりません」と述べた。同社は現在、2013年の当初の計画とは大きく異なり、2021年後半または2022年にジェット機の納入を開始する予定。

 ついに開発コストが1兆円というところまで来ました。この膨大な資金は、三菱重工だからできたことでしょうが、航空機開発ってお金がかかるのですね。

 2月7日の中日新聞朝刊は、3つの関連記事と社説を掲載。地元下請け企業はあきらめムードであること、オオカミ少年になっていて、もう誰も信じてくれないといった表現が目を引きました。




★三菱重工、スペースジェット6度目延期発表 21年度以降に 三菱航空機の水谷社長は会長に

  

NHKニュースのツイート 【速報 JUST IN 】三菱スペースジェット 6回目の納入延期発表 2021年度以降に

日本経済新聞のツイート 三菱重、スペースジェット6度目延期発表 社長が陳謝

Aviation Wireのツイート 三菱スペースジェット、6度目の納入延期 21年度以降に

共同通信公式のツイート 国産ジェット旅客機6度納入延期 三菱航空機、社長は交代

ロイターのツイート 三菱重、スペースジェット事業で4964億円の特別損失計上

日本経済新聞 名古屋編集部のツイート スペースジェットの国産比率は約3割で、中部の航空機関連企業も多く関わっています(崇) 人員や設備見直しへ、SJ6度目延期で部品各社 体力勝負も

産経ニュースのツイート 国産ジェット、6度目の納入延期

ブルームバーグニュース日本語版のツイート 三菱重、「スペースジェット」6回目の納入延期−2021年度以降に

日本経済新聞のツイート 三菱重工が20年ぶり赤字転落 税引き前、航空機で減損

 三菱重工は6日、三菱航空機で開発中の民間航空機「スペースジェット」の納入計画を2020年半ばから21年度以降に延期すると正式発表した。延期は6度目。記者会見で泉沢清次社長は「心配をおかけして申し訳なく思う」と陳謝し、今後の初号機納入計画は「顧客や国土交通省航空局と相談しながら見極めたい」と話した。

 これまでの計画では、今年半ばにスペースジェットの初号機をANAへ引き渡す予定だったが、機体の安全性を国が証明する「型式証明(TC)」取得時に使う飛行試験機(通算10号機)の完成が遅れ、1月6日に完成。泉澤社長は「開発進捗状況からANAへの初号機納入は2021年度以降になると判断した。試験機は春先に初飛行予定で、準備ができ次第米国でのTC飛行試験に投入する」と説明。

 開発を担当する三菱航空機の水谷久和社長は4月1日付で会長に退き、三菱重工常務で米国三菱重工社長の丹羽高興氏が新社長に就く人事を発表した。体制の刷新で開発体制の立て直しを急ぐ。

 三菱重工は同日、スペースジェット事業関連で減損損失を計上したことなどを受け、特別損失として4964億円を計上したと発表。2020年3月期の純利益予想を1100億円から1000億円に引き下げた。税引き前ベースでの予想では、損益を2100億円の黒字から100億円の赤字に修正。売上収益予想も4兆3000億円から4兆1500億円へと引き下げた。

 これが今日発表された情報をカンタンにまとめたものですが、結局のところ、1月24日にNHKはじめ、多くのマスコミが報じた内容どおりだったわけで、1月27日に「決定した事実はない」とまでリリースしたのは何だったのでしょうか。




★現地時間2月5日、3号機がパスコでファイナルアプローチ・チェック

  

現地時間2月5日午前11時11分、3号機がエアボーンし、まるでリバーサルDEPのようなルートで上昇。


この日、向かったのはパスコ・トリ・シティーズ空港。


何度も空港上空を1,700ft前後で通過。まだローアプローチという高度まで降下してないのですが、何のチェックなのでしょうか?


着陸は午後2時53分で、飛行時間は3時間42分でした。

 現地時間2月5日、3号機がテストフライト実施。離陸は午前11時11分で、モーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーンしたのち、いったん北西方向へ飛びながら上昇。その後、空港近くまで戻って来てから離れて行きました。ちょっと違いますが、まるでリバーサルDEPみたいな軌跡を描いていました。

 その後、高度をあまり上昇させずに飛んでいたので、どこに向かうのかと思ったら、パスコ・トリ・シティーズ空港でした。ここでは何度も空港上空を1,700ft前後で通過していたので、おそらくILSによるSTARのチェックではないかと思って見ていました。




★スペースジェット:2020年の不完全なビジョン?

  

三菱航空機日本公式ツイッターアカウントが久しぶりのツイート

Asian Aviationのツイート リンク元記事のタイトルは「SpaceJet: 2020 imperfect vision?(スペースジェット:2020年の不完全なビジョン?)」

 三菱航空機日本公式ツイッターアカウントが久しぶりのツイート。内容は先日、EUホロレイ運輸総局長が三菱スペースジェットの最終組立工場を視察し、製造中の機体の内外を興味深く熱心に見て、「欧州当局とスペースジェットプロジェクトのより良い活動を願う」と述べたというもの。

 もう1つ、Asian Aviationが「Mitsubishi Aircraft “went around the world” in 2019, claiming major milestones and industry recognition for its SpaceJet programme, while also finding a place in its parent company’s developing Commercial Aviation Systems Segment(三菱航空機は2019年に「世界中を飛び回りました」。SpaceJetプログラムの主要なマイルストーンと業界での認知度を主張すると同時に、親会社の開発中の民間航空システムセグメントに位置を見つけました )」とツイート。

 リンク元記事「SpaceJet: 2020 imperfect vision?(スペースジェット:2020年の不完全なビジョン?)」では、イアン・グールド特派員は、日本の製造業者は今後の道のりはまだ不透明だと報告していると続いています。

 どちらも大した話題ではなさそうですが、今日はモーゼスレイクの天候が悪く、テストフライトが行われなかったので記載しておきます。明日13時30分、いよいよ三菱重工の2019年度第3四半期決算発表です。この時、どんな発表をするのか、まさに今日は「嵐の前の静けさ」です。




★現地時間2月3日、2号機がエンルート想定のロングフライト実施

  

現地時間2月3日は2号機がエンルート想定と思われるテストフライトを実施。


そして午後2時過ぎから3号機もフライト。

毎日新聞 経済プレミア編集部のツイート 三菱ジェット6度目の延期「どこで道を間違えたか」がようやくYahoo!ヘッドラインニュースに載りました。

Aviation Wireのツイート 空港施設、北九州空港の三菱スペースジェット用格納庫エプロン竣工

 現地時間2月3月は2号機と3号機がフライト実施。2号機は午前9時51分に離陸し、高度27,000ftから28,000ftの間でクルージング。どこかにフェリーフライトするのかと思ってウォッチしていたのですが、ユタ州とアリゾナ州の州境付近までフライトしたところでUターン。かなり長時間のエンルート想定フライトだったと思われます。

 毎日新聞 経済プレミア編集部「三菱ジェット6度目の延期「どこで道を間違えたか」が、Yahoo!ヘッドラインニュースに載りました。以前の記事は有料だったので、期間限定ではありますが、ようやく記事全文を読むことができるようになりました。記事に新たな情報はありませんでしたが、要約すると以下のようになります。

 MRJの事業化は08年に決定し、同時に三菱航空機が発足した。最初は「日本人の手で国産初のジェット旅客機を飛ばしたい」という意気込みで始まったが、その夢は破れ、経験豊富な外国人技術者の手を借りることで、なんとか型式証明取得まであと少しというところまでこぎ着けたというのが実態。

 三菱航空機の発足当時、社員はおよそ500人。外国人社員はゼロだった。現在は社員1800人のうち外国人社員は約500人まで増えている。日本人技術者による開発に限界を感じ、16年後半から急速に増やした。最新の試験10号機も、外国人技術者の「従来の試験機では型式証明の取得は難しい」という指摘から、900カ所の改良を加えた新しい機体。日本人技術者が中心となってつくったそれまでの試験機とはベースが異なっている。16年末に決断し、5回目の延期を発表してつくられた。

 このころには、「日本初のジェット旅客機は日本人の手で」と語る人は誰もいなくなった。岸チーフエンジニアもかつて「最初から100%型式証明取得を念頭に置いた設計を重ねていればよかった。そうでなく走り出してしまった部分がある」と率直に話したことがある。何度も延期を繰り返す要因は、結局は三菱航空機の発足当初までたどり着くのではないか。

 そもそも、日本に民間航空機製造業が確立されていないなかで、100万点におよぶスペースジェットの部品は7割が外国製だ。外国人技術者の知見を入れ、“先輩”のボーイングやエアバスのノウハウも学ばなければ、どこかで壁に当たってしまうのは必然だった。

 
 もう1つ、Aviation Wireが、「空港施設、北九州空港の三菱スペースジェット用格納庫エプロン竣工」という記事を掲載。

 空港施設が北九州空港に建設していた三菱スペースジェット向け格納庫のエプロンと誘導路が竣工し、2月1日から三菱重工へ提供を開始。北九州空港をスペースジェットの機体整備や飛行試験の拠点として活用を計画している。果たして使用開始はいつになるのでしょうか。




★ついに1号機にもADS-B搭載 現地時間2月2日、2号機と3号機がサンデーフライト

  

現地時間の2月2日は2号機、3号機が同時フライト。そしてモーゼスレイク・グラントカウンティ空港には1号機がTEST1234で現れました。


1号機がADS-Bを搭載して12月8日以来久しぶりにFlightradar24に表示されました。


2号機は現地時間の2月2日午後0時46分に離陸、1時間43分のフライト実施。


3号機は現地時間の2月2日午後0時32分に離陸、1時間52分のフライト実施。

Les Ailes du Québecのツイート Est-ce que Mitsubishi ferait un bon partenaire pour l’A220?(三菱はA220の良いパートナーになるでしょうか?)

 1号機が戻ってきました。ついにADS-Bを搭載したので、これでモーゼスレイク・フライトテストセンターにある4機すべてにADS-Bが搭載完了。1号機の消息があまりになかったので、何らかの機体改修を受けているとは思っていたのですけど、今後、1号機がどのようなテストフライトを行うのか、また1つ楽しみが増えました。

 カナダのLes Ailes du Québecが、「Est-ce que Mitsubishi ferait un bon partenaire pour l’A220?(三菱はA220の良いパートナーになるでしょうか?)という記事を掲載。翻訳してみると、以下のような内容でした。

 昨日、Les Ailes duQuébecのサイトの読者が次のコメントを行いました。「ボンバルディアがA220の株式を売却せざるを得ない場合、どうなりますか?」 それらから三菱またはコマックへの販売?三菱は非常に理にかなっていると思います。

 A220でボンバルディアの株式を購入すると、三菱にとっていくつかの利点があります。SpaceJetM90の認証後、他のバリアントが開発されることが予想されます。その後、M100およびM200のアビオニクススイートをA220のアビオニクススイートと調和させることが可能になります。SpaceJetは、エアバスの航空機ラインとの統合性がはるかに高くなります。パイロットにとって、SpaceJetからA220に切り替えて航空会社のお金を節約することは、それほど複雑ではありません。

 A220に三菱が到着すると、エアバスは長期的に信頼できるパートナーを持つことができます。この日本の巨人は、SpaceJetに対して永続的な忍耐と決意を示しています。その財政的強固さは疑う余地がなく、日本は彼らのチャンピオンをサポートする前に先延ばしにしません。エアバスは、SaceJetを使用して、1円も支払うことなく、ボーイングおよびE2と競合できます。

 産業の観点から見ると、三菱グループの到来はエアバスにとって素晴らしいことでしょう。A320neoファミリーのサプライヤーは、ペースを維持するのが非常に困難です。サプライヤーとして、日本の巨人は追加の生産能力を提供することができます。これはまさにエアバスが今最も必要としているものです。

 実際の合意によると、ボンバルディアとケベックはエアバスのみに株式を売却する必要があります。そのため、A220の新しいパートナーが必要かどうかを判断するのはエアバスです。しかし、三菱はA220にとって非常に良いパートナーになると思います。

 うーん、これは事実を書いたものではなく、仮定をもとに推測したものと思われます。この記事にあるように、本当にエアバスと三菱がボンバルディアを介して緊密になって、エアバスファミリーになったら、三菱スペースジェットM100とM200のコクピットは「サイドスティク」になるのでしょうか?

 また、この記事のツイートに対して、「エアバスはA220の100%を所有します。エアバスは、QCやBBDが株式を他に売却することを許可しません。契約にもあります。しかし、三菱がエアバスと連携して、サブ130機にボーイング+エンブラエルに対抗することを提供すべきであることは明らかです」というリツイートがありました。




★現地時間2月1日、2号機、3号機、4号機が2日連続で同時にフライト

  

現地時間の2月1日は前日に続き、2号機、3号機、4号機が同時フライト。


最初に離陸したのは4号機で、現地時間の午前11時33分に離陸。


それから約40分後の午後0時12分に2号機が離陸。


今日は3号機が最後になりましたが、現地時間の午後1時28分に離陸。


今日最初に着陸したのは2号機で、現地時間の午後2時54分。飛行時間は2時間43分でした。


続いて着陸したのは4号機。着陸時間は現地時間の午後3時28分で、飛行時間は3時間56分でした。


今日もモンタナ州のグレートフォール国際空港で何度もローアプローチを敢行していた3号機は、午後5時09分に戻ってきました。

Mitsubishi: pas d’impact à Boisbriand malgré le retard du SpaceJet M90
(三菱:SpaceJet M90の遅延にもかかわらず、ボワブリアンに影響なし)

 現地時間の2月1日、2号機、3号機、4号機が2日連続で同時フライトを実施。今日最初に飛んだのは4号機で、現地時間の午前11時時33分に離陸。4号機離陸から40分後の午後0時12分に2号機が離陸。今日は3号機のフライトはないのかと思いましたが、午後1時28分に3号機も離陸。

 2日連続で3機同時にフライトが行われるのはうれしいことですが、ただ飛んでいるだけでは意味がないこと。すでに総飛行時間は3,000時間を軽くオーバーしていると報じられているので、JCABの経験不足による対応遅れが指摘されていることもあり、現行飛行試験機でできる確認は、1日も早く完了してほしいものです。

 カナダのLA PRESSEという報道サイトが、「Mitsubishi: pas d’impact à Boisbriand malgré le retard du SpaceJet M90」という記事を掲載。直訳すると「三菱:SpaceJet M90の遅延にもかかわらず、ボワブリアンに影響なし」となり、記事本文の冒頭で、「三菱のSpaceJet M90リージョナルジェットの新しい遅延は、すでに39人を雇用しているボワブリアンに現在設立しているエンジニアリングセンターには影響しません」で始まっています。

 これはせっかくボンバルディア撤退の穴埋めに三菱を誘致したのに、納期延期で雇用が心配という地元の声に反応したものと思います。三菱重工がカナダ・ボンバルディアの買収に動いたのは、ボンバルディアのアフターサービス部門がターゲットと言われていますし、そもそも北米で生産する可能性があるのはM100なので、現在TC取得中の旧MRJ90の遅れは関係ないというのは正しいと思います。




★現地時間1月31日、2号機、3号機、4号機が同時にフライト

  

知らないうちに1月が終わっていて、忘れていましたがカレンダーは今日から2月。


現地時間の1月31日午後0時17分、スポケーン国際空港にナイトステイしていた3号機がエアボーン。


そのわずか20分後の午後0時36分、今度はパスコ・トリ・シティーズ空港から4号機がエアボーン。


そして何と何とそのわずか10分後の午後0時46分、今度はモーゼスレイク・グラントカウンティ空港から2号機がエアボーン。

久しぶりに3機同時フライトになりました。おまけに3機の離陸空港が違うというのも珍しい。


スポケーン国際空港を離陸した3号機はモンタナ州のグレートフォール国際空港で何度もローアプローチを繰り返していました。


一番先に戻ってきたのは4号機で、現地時間の午後3時18分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港に着陸。飛行時間は2時間42分でした。


続いて2号機が戻ってきました。着陸時間は現地時間の午後3時23分で、飛行時間は2時間37分でした。


そして最後になったのがいちばん先に離陸した3号機で、現地時間の午後4時05分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港に着陸。飛行時間は3時間47分でした。

 日本のカレンダーは今日から2月。知らなうちに1月が終わっていて、10号機は1月中の初飛行どころか、地上走行すらありませんでした。

 現地時間1月31日は2号機、3号機、4号機が同時にフライトを実施。最初に飛んだのは3号機で、前日よりナイトステイしていたスポケーン国際空港を午後0時17分に離陸、その後モンタナ州のグレートフォール国際空港へ向かい、ここで何度もローアプローチを何度も繰り返していました。

 続いて離陸したのは4号機で、午後0時36分にパスコ・トリ・シティーズ空港からエアボーン。4号機は本当にパスコに着陸していたのですね。4号機はその後、モーゼスレイク近郊をフライト。そして午後0時46分、今度は2号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港からエアボーン。3機の飛行試験機が別々の空港から離陸したのは珍しいこと。

 着陸は離陸順序と異なり、最初に着陸したのは4号機で、現地時間の午後3時18分、飛行時間は2時間42分。続いて2号機が現地時間の午後3時23分に着陸。飛行時間は2時間37分でした。そして最後まで飛んでいたのは一番先に離陸した3号機で、現地時間の午後4時05分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港に着陸。飛行時間は3時間47分でした。




★6度目の延期は納入時期目標なし?

  

現地時間1月30日午後1時56分から3号機がフライト実施。最近、午後からのフライトが多くなっているようです。 おまけに今日はおとなりのスポケーン国際空港でステイのようです。

中日新聞1/30朝刊・自由席「スペースジェット」

財経新聞のツイート 三菱スペースジェット納入が6度目の延期か ”終わりの見えない戦い”に展望はあるのか (1)

財経新聞のツイート 三菱スペースジェット納入が6度目の延期か ”終わりの見えない戦い”に展望はあるのか (2)

毎日新聞 経済プレミア「三菱ジェット試験10号機を作った『ワールドチーム』」。有料記事なので全文を読めませんが、ちょっと気になる書き出しですね。

 中日新聞1月30日朝刊の「自由席」という小さなコーナーに、木村留美記者が書いたコラムのような記事が載りました。

 2008年に三菱重工によるMRJプロジェクト始動を東京で取材したことに触れ、それから干支が一巡した2020年、当初の計画通りに事業が進んでいればとうに航空会社の運航便として空を飛んでいるはずだったが、いまだに飛んでいないスペースジェットを今度は名古屋で取材。そして、納入の時期は事実上見通せなくなっている。

 「度重なる延期に関係者からは失望の声も聞かれる」。これは直接関連している関係者だけでなく、私たちのようなスペースジェットを応援している航空ファン、そして彼女を含めたマスコミの声を代弁しているように感じました。

 財経新聞という聞き慣れない報道サイトが、「三菱スペースジェット納入が6度目の延期か ”終わりの見えない戦い”に展望はあるのか」という記事を掲載。1月30日に(1)と(2)が公開され、今後(3)が続くようです。

 (1)では今まで5度に渡り、納期延期を繰り返した歴史と、イースタン航空からのキャンセル。メサ航空からの100機の受注協議開始、トランス・ステイツ・ホールディングスからの100機のキャンセルまでを掲載。

 (2)ではトランス・ステイツがキャンセルした理由である「スコープクローズ協約」について言及。まあ、目新しい情報はありませんが、批判的内容でもないので、ここにリンクしていくことにしました。

 (3)ではどんなスペースジェットの展望を記事にしているのか、ちょっぴり興味があるところです。




★現地時間1月29日、4号機がフェアバンクスから帰還、でも着陸空港がなぜかPASCO

  

現地時間の1月29日、4号機がフェアバンクスから帰還。でも、なぜかモーゼスレイク・グラントカウンティ空港ではなく、パスコ・トリ・シティーズ空港に着陸。


今日は3号機も8日ぶりにフライト実施。しかし、こちらもなぜか着陸空港がパスコ。パスコって一体どこ?

で、調べてみました。すると、モーゼスレイクの約100キロ南にありました。

三菱航空機公式ツイッターアカウントが「スペースジェット・モントリオールセンターのVPであるJean-David Scottは、1月31日金曜日にchambremontrealが主催する国際化フォーラムで講演者になります」とツイート。

今度はフランス語で同じ内容をツイート。カナダは英語とフランス語両方が公式母国語ですからね。

航空新聞社WINGのツイート ブラジル、ボーイングとエンブラエルJVを承認 EUは継続評価中もJV設立に大きく前進

Isaac Alexanderさんが「注:三菱航空機の情報源によると、MRJ飛行試験機JA21MJ JA22MJおよびJA24MJは、新しいSpaceJetのカラーリングを受け取りません。 これらは元の三菱リージョナルジェットのカラーリングを保持します」とツイート。

毎日新聞 経済プレミア編集部のツイート 三菱ジェット6度目の延期「どこで道を間違えたか」

 現地時間の29日午後7時11分、フェアバンクスに遠征中の4号機がモーゼスレイクに戻ってきました。フェアバンクス国際空港を離陸したのが午後1時51分、飛行時間は4時間20分でした。結局、フェアバンクスでテストフライトを行ったのは3回。予定通りだったのでしょうか?

 今日は3号機も8日ぶりにフライト実施。離陸時間は午後2時21分、着陸時間は午後4時31分で、飛行時間は2時間10分でした。が、どちらも着陸したのはモーゼスレイク・グラントカウンティ空港ではなく、パスコ・トリ・シティーズ空港になっているのです。調べたところ、パスコはモーゼスレイクの南約100キロにありました。

 三菱航空機公式ツイッターアカウントが、英語とフランス語で「スペースジェット・モントリオールセンターのVPであるJean-David Scottは、1月31日金曜日にchambremontrealが主催する国際化フォーラムで講演者になります」とツイート。カナダは公式母国語に英語とフランス語がある国なので、これはカナダのスペースジェット・モントリオールセンター関係者がツイートしたのかもしれません。

 ボーイングとエンブラエルは1月27日、両社が進めていたジョイント・ベンチャーの設立について、ブラジルの経済防衛行政評議会(CADE)が無条件承認としたことを歓迎する意向を表明した。両社によると、CADEコミッショナーによるレビューが要求されない限り、決定は今後15日以内に最終決定が下される見通しだとしている。

 ブラジル当局の承認により、両社が設立を目指すジョイント・ベンチャーは、米国、中国、日本、南アフリカ、モンテネグロ、コロンビア、そしてケニアといった当局から無条件認可を獲得。ただし、EUは依然として評価を継続している段階にある。ボーイングとエンブラエルは、2018年後半からEUとの間で協議しているという。

 正直なところ、エンブラエルのEジェットもしくはE2ジェットがボーイングに買収されたとして、三菱スペースジェットの売り上げを左右するとは思えません。三菱スペースジェットには実質「ライバル」はおらず、いかに迅速に開発プログラムを完了し、型式証明を取得できるかにかかっていると言っていいでしょう。

 Isaac Alexanderさんが「注:三菱航空機の情報源によると、MRJ飛行試験機JA21MJ JA22MJおよびJA24MJは、新しいSpaceJetのカラーリングを受け取りません。これらは元の三菱リージョナルジェットのカラーリングを保持します」とツイート。

 これはある意味当たり前と言えます。なぜかと言うと、これらの飛行試験機はMRJであり、三菱は900以上の設計変更した機体をスペースジェットと使い分けているからです。3号機はMRJでありながら、単にスペースジェットのデモカラーにされただけ。

 毎日新聞 経済プレミア編集部「三菱ジェット6度目の延期「どこで道を間違えたか」は、記事を読む気にもなりませんが、リンクをここに残しておく意味でペッタンしておきます。




★三菱ジェット、北米シフトで色あせる「国産」

  

現地時間の1月28日午後1時16分から、フェアバンクス遠征中の4号機がフライト実施。4号機がフェアバンクスでテストフライトを行うのはこれが3度目。


その後、モーゼスレイクでも午後2時24分から2号機がフライト実施。

日本経済新聞 電子版のツイート 三菱ジェット、北米シフトで色あせる「国産」

小型機開発のリスクは大きくなっている

社名

最近の動き

エンブラエル
(ブラジル)

次世代機「E2」シリーズの開発負担が重荷に。18年7月に小型機旅客機事業を米ボーイングに売却すると発表

ボンバルディア
(カナダ)

18年7月に中型機「Cシリーズ」の開発会社の持ち株を欧州エアバスに売却。19年6月に小型機「CRJ」事業を三菱重工に売却すすると発表

三菱航空機
(日本)

18年12月に親会社の三菱重工による増資で債務超過を回避。19年6月に70席クラスの開発構想を発表
 
 日本経済新聞が「三菱重工 もがく航空機開発(下)」を掲載。今回のタイトルは「三菱ジェット、北米シフトで色あせる『国産』」で、1月19日、赤羽国土交通相がスペースジェット最終組立工場を視察するなど、日本の航空機産業の育成という使命を帯びる、いわば国家プロジェクトであることから指摘。

 しかし、開発の遅れで「日の丸ジェット」としての看板は色あせつつあり、距離を置く素材・部品メーカーも出始めた。例えば東レ。三菱重工と炭素繊維の新加工技術を用い、主翼など5カ所に導入予定だったが、けんか別れする形で段階的に全供給を取りやめた。三菱側が価格の高さに難色を示したのも一因。

 愛知県のある航空部品会社はいったん専用設備を導入したものの、相次ぐ延期で生産をやめた。同社の役員は「もし他社の案件がなければつぶれていた」と語る。機体の最初の顧客になるはずの全日本空輸(ANA)も、パイロットの育成を中断している状態。

 三菱航空機も部品調達などを含め、今後は海外市場によりシフトする。「見せ球」―。実は現在開発中の90席クラスの機体は、航空会社の内部でこう呼ばれている。「本命」は、三菱航空機が19年6月に計画を発表した70席クラスの新機種というわけだ。

 三菱航空機は今後、小型の70席クラスの事業化に注力するとみられ、90席クラスは商用運航に必要な型式証明を取得するだけで役目を終え、実際には運用されない可能性がある。

 三菱航空機は70席クラスでは米国産部品の採用を広げる方針で、現在3割程度の国産部品比率はさらに下がる可能性が高い。水谷久和社長は北米での機体生産についても、「将来の選択肢としてはあり得る」と明かす。

 勝算がないわけではない。100席未満の小型機の市場は今後20年で約5100機の需要が見込まれる。ライバルの一角であるカナダのボンバルディアは小型機の「CRJ」事業を三菱重工に売却すると発表。現在、明確な大手はブラジルのエンブラエルしかない。70席クラスの事業化が実現すれば巻き返しは可能とみる。

 競合他社も重い開発費負担にあえぐ。新機種開発に失敗したエンブラエルとボンバルディアは、ともに主力機種の事業を米ボーイングや欧州エアバスに売却した。三菱重工のリスク許容度もここ数年で低下し、稼いだキャッシュを航空機事業につぎ込み続けられるかは不透明。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の山崎みえアナリストは「『7回目の延期はもうない』という保証がない。顧客への機体の引き渡しなど具体的な姿が見えてこないと投資家も現実味がわかない」と語る。信頼を少しでも取り戻すには成果を積み上げるしかない。

 渡辺直樹氏、井沢真志氏、池田将氏の3名の記者が担当したこの特集記事、なかなかすばらしい内容でした。




★三菱ジェット納入延期 二重の指揮系統、混乱拍車

  

現地時間の1月27日午後0時17分から、2号機がフライト実施。2号機が飛ぶのは21日以来6日ぶりで、4機の試験機でも22日以来5日ぶり。


その後、フェアバンクスへ遠征中の4号機が、現地時間の午後3時31分から5日ぶりのフライト実施。降雪中の滑走路での離着陸テストでしょうか。

日本経済新聞 電子版のツイート 三菱ジェット納入延期 二重の指揮系統、混乱拍車

記事の解説資料をお借りしました。

 6回目の納期延期のニュースが流れたのが1月24日、三菱重工がそれを否定するリリースを出したのが昨日1月27日。「火のない所に煙は立たぬ」とのことわざもあるように、全く根拠もなく報道各社が記事にするはずはないと思っていましたが、日本経済新聞が「三菱ジェット納入延期 二重の指揮系統、混乱拍車」というタイトルで、「三菱重工 もがく航空機開発(上)」を掲載。

 この記事自体は、組織や技術面で相次ぎ誤算が生じた三菱重工内部の二重の指揮系統問題を取り上げたものですが、この中で「1月24日、昼。東京・丸の内の三菱重工の本社で開かれた「事業推進委員会」。首脳陣が集まり、航空機の開発状況を月1回ほどのペースで確認し合う重要な会議だ。スイス出張から午前中に帰国したばかりの宮永俊一会長も駆け付けた。

 会議では検査作業などの各工程が改めて示されたうえで、「20年半ば」という納入目標に間に合わないことが報告された。6度目の延期が事実上、決まった瞬間だった。

 2月にはスペースジェットの最初の顧客となる予定の全日本空輸(ANA)が中期経営計画を更新する。これ以上、延期決定を先延ばしにすることは許されなかった。諦めムードが漂うなか、2時間の予定の会議は時間前に早々と終わった」と書かれているのです。

 この情報がマスコミに漏れて、NHKなどが一斉に報じたということのようです。ということは、昨日の三菱重工のリリースはいったい何だったのか?いったん当社の発表ではないと否定しておき、あらためて「6度目の納期延期を発表します」でしょうか。この日経記事は、そんな三菱重工へ警鐘を鳴らしているようにも思えます。「中」か「下」かわかりませんが、この記事の続編も非常に興味のあるところです。




★三菱重工がスペースジェット開発スケジュール延期報道を否定するプレス発表

  

Mitsubishi SpaceJetファミリーの開発スケジュールに関する一部報道について−三菱重工

Travel Watchのツイート 三菱スペースジェット、開発スケジュールの延期を否定。「決定した事実はない」

三菱スペースジェットの開発日程、延期した事実はない=三菱重工 - ロイター

 三菱重工が1月27日、「Mitsubishi SpaceJetファミリーの開発スケジュールに関する一部報道について」というプレスリリースを発表。その全文を掲載します。

 1月24日(金)以降、一部報道機関においてMitsubishi SpaceJetファミリーの開発スケジュールに関する報道がありましたが、これは当社及び当社子会社である三菱航空機株式会社(取締役社長:水谷久和、本社:愛知県西春日井郡豊山町)が発表したものではなく、また、開発スケジュールの延期を決定した事実はありません。

 Mitsubishi SpaceJetファミリーについては、現在、型式証明取得に向けての証明活動に全力で取り組むとともに、最新設計案を反映した追加の飛行試験機(10号機)については、1月6日に当社から三菱航空機株式会社への引渡しを完了しています。現在は、県営名古屋空港にて地上試験を実施しており、初飛行に向けた準備を進めている状況です。

 本件に関しまして、今後重要な事項を決定した場合には、速やかにお知らせいたします。という内容。

 このリリースでは24日の報道を「当社及び三菱航空機発表したものではなく、開発スケジュールの延期を決定した事実はありません」と否定しているものの、以前にも一度こんなことがあって、そのときはいったん否定した内容を、あらためて肯定したはず。今回は来月上旬に開く決算記者会見で、どのような発表をするのか。

 また、このリリースを受け、先回記事にしなかった「トラベルウォッチ」と「ロイター」が三菱重工の発表内容を報道。さて、先回、鬼の首を獲ったように報じた日本国営放送はじめ報道機関各社がどう出るか、こちらも興味のあるところです。




★三菱スペースジェット、初号機納入を来年以降に延期へ

  

NHKニュースのツイート 【速報 JUST IN 】三菱スペースジェット納入延期へ 6回目 受注キャンセル懸念も

NHKラジオニュースのツイート 三菱スペースジェット納入延期へ 6回目 受注キャンセル懸念も

NHK WORLD Newsのツイート Sources Mitsubishi won't deliver SpaceJet in 2020(三菱は2020年にSpaceJetを納入できず)

ブルームバーグニュース日本語版のツイート 三菱重工、「スペースジェット」の納入6度目の延期へ

朝日新聞航空部のツイート 三菱スペースジェット、初号機納入を来年以降に延期の方針、写真:1/20 名古屋飛行場(吉)

朝日新聞のツイート スペースジェット、6回目の納入延期へ 販売計画影響も

日本経済新聞 電子版のツイート 三菱重、民間旅客機 納入来年以降に 延期6度目

毎日新聞のツイート 三菱航空機が、開発中の国産初のジェット旅客機「スペースジェット(旧MRJ)」について、今年半ばを目指していた初号機の納期を、来年以降に再延期する方針を固めたことが24日、分かりました。

Aviation Wireのツイート 三菱スペースジェット、6度目の納入延期へ

 ついに6回目の納期延期を発表するようです。すでに既成事実化していたようなものなので、それほどの驚きはありません。今回いちばん迅速に報道したのは国営のNHKなので、その内容を短くまとめておきます。

 三菱航空機が「ことし半ば」としていた「三菱スペースジェット」初号機の納入時期を、来年以降に延期する方針を固め、親会社の三菱重工業が来月上旬に開く去年10月から12月までの決算の記者会見で、明らかにする見通し。

 国産初のジェット旅客機、「三菱スペースジェット」は、ことし半ばの初号機の納入を目指し、機体の安全性を証明する国の「型式証明」を取得するための飛行試験などをアメリカで行っている。

 関係者によると、開発を進める三菱航空機は、設計を変更した新たな試験機の完成が遅れたことや、型式証明を取得する国の審査に時間がかかっていることなどから、初号機の納入を来年以降に延期する方針を固めた。納入延期はこれで6回目となり、当初、計画していた2013年から大幅に遅れることになる。

 「三菱スペースジェット」は、イメージを一新するため、去年、「MRJ」から名前を変えたばかりだが、6回目の延期によって、受注のキャンセルが出ることも懸念され、今後、開発のスピードをあげられるかがこれまで以上に厳しく問われることになる。

 三菱航空機は、開発中の90席クラスの機体とは別に、主力市場のアメリカを中心に需要が見込まれる70席クラスの機体の開発も進めているが、相次ぐ納入時期の延期で今後の開発が順調に進むか、予断を許さない状況が続いている。

 それにしても、今回のNHKの配信の速さはすごかった。おまけにNHKニュースのほか、NHKラジオニュース、NHK WORLD Newsでも早々に配信し、Twitterでツイート。あのブルームバーグですら記事の冒頭で、「NHKによると・・・」と書いているほど。




★三菱重工業<下>スペースジェットは飛ぶのか

  

現地時間1月23日のフェアバンクス国際空港には4号機の表示はありません。

フェアバンクスの週間予報。さすがに寒いですね。

モーゼスレイク・グラントカウンティ空港でも飛行試験機たちは確認できませんでした。

現地時間の1月23日は雨なんですね。


その後、現地時間の午後10時近くになって、3号機がTEST1234で出現。

三菱重工業下スペースジェットは飛ぶのか − 日刊ゲンダイDIGITAL

三菱航空機日本公式ツイッターアカウントが、赤羽国交相が最終組立工場を視察したことを紹介した国交省ホームページの記事へのリンクをツイート。

 日刊ゲンダイDIGITALが「三菱重工業<下>スペースジェットは飛ぶのか」という記事を掲載。内容をざっとまとめると、三菱重工は18年、保有する三菱自株の大半を三菱商事に売却した。重工は国産初のジェット旅客機MRJ(19年6月に三菱スペースジェットに名称を変更)の開発の遅れで業績が悪化。設立母体である三菱自の株式を手放すところまでに追い込まれた。

 航空機生産は長年の悲願」。08年3月、三菱重工社長の佃和夫(現特別顧問)が高らかに宣言して小型ジェット旅客事業は始まった。ところが、13年後半としていたANAへの初号機の納入が5度も延期された。

 三菱航空機の水谷久和社長は19年12月20日の記者会見で、20年半ばの納入について、「厳しい」と述べ、6度目の納入延期を示唆した。そこには、長崎造船所と同じ病理が透けて見える。航空機事業を手掛けるのは、名古屋航空宇宙システム製作所(通称名古屋)。創業の地である長崎造船所と並ぶ「別格の存在」(関係者)だ。造船の長崎が衰退してからは、名古屋が重工の本流に躍り出た。

 名古屋には、東京大学工学部の中でも成績優秀者が集まる航空工学を専攻した技術者が多い。中でも、戦闘機担当がエリート中のエリート。民間航空機は「二軍扱い」(同)。プライドの高さが国産初の小型ジェット機の開発遅れをもたらしたという指摘がある。現状はさらに複雑だ。日本人のエリートの風上に外国人部隊が立ち、両者の「情断」(情報の断絶)が、深く懸念されている。

 三菱スペースジェットは果たして飛ぶのか。失敗したらどうなる。海(造船)、陸(自動車)、空(飛行機)の3連敗となる。

 この記事も、以前の日経ビジネス電子版が掲載した「三菱重工『スペースジェット』に見る改革の難しさ」と同じく、三菱重工の体質について言及したもの。三菱重工の官僚よりも官僚的なところは昔から有名ですし、会社の体質ってそんなカンタンに変わるものでもないですしね。

 もう1つ、三菱航空機日本公式ツイッターアカウントが、1月19日に赤羽国交相がスペースジェット最終組立工場を視察したことを紹介した、国土交通省の広報ページを紹介するツイート。これは国交省のホームページをリンクしたもので、リンクページは国交省がリリースしたものですので、国の公式 な見解とも言えます。




★三菱はSpaceJetの約500件のコミットメントで2019年を終了

  

フェアバンクス国際空港にフェリーされた4号機は、エプロンで極寒気象試験でしょうか。


と思っていたら、現地時間の午後0時28分にエアボーン。


今日はどんなチェックを行っているのでしょうか。

Mitsubishi Ends 2019 With 〜500 Commitments For SpaceJet
(三菱はSpaceJetの約500件のコミットメントで2019年を終了)

順調に納入が進んでいる機体と残念ながらそうでない機体…なごやんさんのツイート

 現地時間の1月22日にモーゼスレイクからアラスカ州のフェアバンクスにフェリーフライトした4号機は、今日はフェアバンクス国際空港のエプロンにいることがFlightradar24で確認できました。そして、現地時間の午後0時28分にエアボーン。ここではエプロンでの極寒気象チェックだけかと思っていたら、しっかりフライトも行うようです。

 FliegerFaustが「Mitsubishi Ends 2019 With 〜500 Commitments For SpaceJet(三菱はSpaceJetの約500件のコミットメントで2019年を終了)という記事を掲載。翻訳してみると・・・

 三菱航空機(MITAC)は、複数の大陸からのM100 SpaceJetsに対する495のコミットメントで2019年を終了したとLNAは確認した。しかし、米国のリージョナル航空であるMesa Airlinesの100を除くすべてが未確認。Mesaは9月にナッシュビルでの年次総会で、米国地域航空会社で50件の確定注文と50件のオプションのコミットメントを発表。

 MITACはコメントしていないが、LNAはコミットメントが北米とヨーロッパからのものであることを理解している。追加のコミットメントがアジアからのものかどうかは不明。日本のANAとJALは、以前はMRJ90と呼ばれていたM90 SpaceJetのキックオフカスタマーで、このモデルは、M100 SpaceJetプログラムが開始されたパリ航空ショーで6月にブランド変更された。こんなところでしょうか。

 三菱エプロンで地上試験中の10号機に、新たな情報はありません。おそらく決められた手順で各部の動作チェックを行っているのでしょう。何せ900か所も変更を受けた機体ですので、1号機の時と同様に、多くの項目を確認する必要があるのだと思います。その手前をトヨタ自動車が購入し、朝日航洋に運航委託している「ホンダジェット」がトーイング。なごやんさんらしい辛口のコメント付き。




★現地時間1月21日、4号機がアラスカ州・フェアバンクスへ

  

現地時間の1月21日午前11時07分、4号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーン。


4号機はカナダ国境を越えて、ブリティッシュコロンビア州を28,000ftで飛行中、一時Flightradar24から消えてしまいましたが、1時間弱のレーダーロストで復活。向かったのはアラスカ州・フェアバンクス。


フェアバンクス国際空港への着陸時間は午後1時29分、飛行時間は3時間22分でした。


そして午後0時06分、今度は3号機がRWY22からエアボーン。


今日の3号機は28,000ftを維持しなから、激しくエアスピードを変化させて飛んでいました。


その後、現地時間の午後3時24分から午後4時33分まで、2号機もフライト実施。

三菱エプロンの10号機は、昨日もエンジン回していたようです。

 現地時間の1月21日午前11時07分、4号機がアラスカ州・フェアバンクスへ向かいました。カナダ国境を越えて、ブリティッシュコロンビア州を28,000ftで飛行中、一時Flightradar24から消えてしまいましたが、1時間弱のレーダーロストで復活。その後、再びカナダ国境を超えてアラスカ州へ。フェアバンクス国際空港への着陸時間は午後1時29分、飛行時間は3時間22分でした。

 いっぽう、3号機も現地時間の午後0時06分に離陸。今日の3号機は28,000ftを維持しなから、激しくエアスピードを変化させて飛んでたので、エンジンストールのチェックでしょうか。さらにその後、現地時間の午後3時24分から午後4時33分まで、2号機もフライト実施。そして10号機のほうは、昨日も三菱エプロンでエンジン・ランナップを実施。転がるのも間もなくのようです。




★現地時間1月20日、2号機と3号機がテストフライト

  

現地時間の1月20日午前10時15分、2号機がモーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーン。


今日の2号機は10,000ftから15,000ftの間を飛び続け、現地時間の午後0時04分に今度は離陸したときと逆向きのRWY22にタッチダウン。


着陸直前に一度、ローアプローチしたのですが、ちょうどその時ハンガーから3号機が出てきました。


そして午後0時ちょうど、3号機も2号機と同じRWY4からエアボーン。


離陸後29,000ftまで上昇したのち、28,000ftから22,000ftの間を上下しながら飛行。時折急降下していたので、ストールのチェックでしょうか。

心配なのは1号機が今年1度も飛んでいないこと。

 現地時間の1月20日、2号機と3号機がフライト実施。先に離陸したのは2号機で、現地時間の1月20日午前10時15分、モーゼスレイク・グラントカウンティ空港のRWY4からエアボーン。今日の2号機は10,000ftから15,000ftの間を飛び続け、現地時間の午後0時04分に今度は離陸したときと逆向きのRWY22にタッチダウン。

 2号機は着陸前に一度、ローアプローチしたのですが、ちょうどその時ハンガーから3号機が出てきました。そして午後0時ちょうど、3号機も2号機と同じRWY4からエアボーン。離陸後3号機は29,000ftまで上昇。その後も28,000ftから22,000ftの間を上下しながら旋回飛行を継続。昨日ロズウェルから帰還したばかりなのに、3号機はがんばってますね。

 目下の心配事は10号機の初飛行がいつになるかということと、2020年になって1号機が1度も飛んでいないこと。Flightradar24の飛行ログに残っているデータでは、最後にフライトしたのは昨年12月9日なので、すでに40日以上飛んでいない可能性があるのです。機体の改修を受けているには少し長すぎる気もするので、1号機の現況が知りたいです。




★現地時間1月19日、2号機と4号機がテストフライト、3号機はロズウェルから帰還

  

現地時間の1月19日、久しぶりにモーゼスレイクでテストフライトが行われました。


2号機が飛んだのを確認できたのは1月11日以来、8日ぶり。2時間39分のフライト実施。


その後、午後1時47分に再び離陸し、空港周辺を周回して23分で着陸。


4号機が飛んだのは13日以来、6日ぶり。今日は約1時間30分のフライト実施。


現地時間の午後2時前、3号機がロズウェルからモーゼスレイクに戻ってきました。ロズウェルでのテストはもう終わりなのでしょうか?

赤羽国交相、国産初のジェット旅客機を視察 − TBS NEWS

土曜日に続き、19日の日曜日も10号機は地上試験を行いました。

そしてそれは日没後も続いて行われたようです。

 現地時間の1月19日、モーゼスレイクでは2号機と4号機がテストフライト実施。そして、ロズウェルに遠征していた3号機がモーゼスレイクに戻ってきました。

 2号機のフライトが確認できたのは、1月11日以来、8日ぶり。午前10時55分に離陸し、午後1時35分までの2時間39分のフライト。その後、午後1時47分に再び離陸し、空港周辺を周回して23分で着陸。4号機は1月13日以来、6日ぶりのフライトで、午前10時47分に離陸し、約1時間30分のフライトを行いました。

 3号機がロズウェル・インターナショナルエアセンターを離陸したのは、現地時間の11時01分で、28,000ftをクルーズして、現地時間の午後2時頃モーゼスレイク・グラントカウンティ空港着陸。飛行時間は約3時間でした。

 ここ1週間ほど、モーゼスレイクには寒波が来ていたようなので、今日は天気が回復してテストフライト再開となったのでしょうか。3号機がロズウェルから戻ってきましたが、これでロズウェルでのテストは終了なのでしょうか?もっと長期間行われるのかと思っていたのですけどね。

 日本では昨日19日(日)、赤羽国交相がスペースジェットを視察。現状について赤羽大臣は、「官民挙げて、早く試験をパスして、テイクオフできるようにしなければならない」と述べ、国が協力していく姿勢を示したと報じられています。今回の訪問の目的がよくわかりませんが、もしかしたら三菱重工がJCABのトップである赤羽国交相に、型式証明早期取得に対する協力要請したのかもしれません。

 このニュースの中で、大臣のうしろに1機のスペースジェットが映っているのですが、これ、MRJのハウスカラーに見えませんか?それも1号機と4号機のバージョン。これが巨大パネルならすごいリアルだし、もし実機だとすると、今さら飛行試験機にMRJカラーを施したことになります。もしかしてANAカラーだった5号機をリペイントしたのでしょうか?だとすると、いよいよあいち航空ミュージアム入りでしょうかね。

 また、国交相が来るからではないと思いますが、昨日も三菱エプロンでは10号機の地上試験が行われたようです。この状況では1月中の初飛行は難しそうですが、1日も早く滑走路を転がる姿を見たいものです。




★土曜日も1日続いた10号機のチェック

  

1月18日土曜日も10号機は地上試験を行いました。Aki-001さんの動画ツイート。

こちらは各アングルからの写真ツイート。Aki-001さんの行動力に敬服。

エルクさんも負けてないですね。ほぼ1日を通しての動画をYouTubeに投稿。

10号機が滑走路を転がる日もそれほど遠くはなさそう。


現地時間の1月18日午前、ロズウエルの3号機がフライト実施。しかし、前日から受信状態がよくなく、30分間ほどしか表示されませんでした。


その後再び現れたのですが、今度はわずか10分ほどで消えてしまいました。


そして現地時間の午後3時19分にこの日2度目と思われるフライト実施。今度は34,000ftで飛び、2時間ちょっと飛んで6,500ftまで降下したところでFlightradar24から消えました。

 三菱航空機のみなさん、がんばってますね。18日土曜日もほぼ1日中、10号機の地上試験を行っていたようです。その様子をAki-001さんとエルクさんが、ずっと追いかけてTwitterにツイートしてくれました。私も仲間に加わりたいのですが、あいにく今はそれをする時間がなく、お二方のツイートを拝見して我慢することにしました。

 ロズウエルの3号機ですが、理由は不明なのですけど、Flightradar24への飛行データ表示が悪くなってしまいました。この地域を飛んでいるほかの航空機はちゃんと表示されているので、飛行高度があまり高くないと電波受信状態がよくないのかもしれません。ADS-Bを搭載している3号機の飛行データが、まるでMLATみたいになってしまいました。




★現地時間1月17日午後、ロズウエルの3号機がアマリロ方面へフライト

  

現地時間の1月17日午後1時18分、3号機がロズウェル・インターナショナルエアセンターを離陸し、テストフライト実施。


今日はアマリロへ向かい、アマリロ・リックハズバンド国際空港上空を4,000ft前後で何度か通過。この高度だとローアプローチではないですね。


その後22,000ftを飛行し、ロズウェル・インターナショナルエアセンターへ戻ってきました。今日は着陸時間が表示されませんでしたが、現地時間の午後4時頃タッチダウン。

1月17日午前中はほとんど動きなし。

午後から三菱航空機のエンジニアが機体チェック。

この動画の撮影時間がわかりませんが、アンコリが点滅しているのでエンジン作動しているものと思われます。

 現地時間の1月17日午後1時18分、ロズウェル・インターナショナルエアセンターから3号機が離陸。16日はフライトを行わなかったと思われるので、15日までのフライトで得たデータをもとに、どこか修正を行ってのフライトでしょうか。

 今日はアマリロへ向かい、6,000ft前後で旋回飛行実施。その後、アマリロ・リックハズバンド国際空港上空を何度か通過し、現地時間の午後4時頃ロズウェル・インターナショナルエアセンターへ戻ってきました。今日は着陸時間が表示されませんでしたが、飛行時間は約2時間40分でした。

 名古屋空港に隣接する三菱エプロンの10号機は、17日午後から機体チェックを実施。日中はエンジンを作動させてはいなかったようですが、夜間に撮影された動画を見ると、アンチコリジョンライトが点滅しているので、エンジン作動は夜になってから行われたと思われます。




★1月17日01時20分頃、Flightradar24に10号機がTEST1234で現る

  

1月17日午前1時20分頃、ブラストフェンス前に駐機している10号機が「TEST1234」でFlightradar24に表示されました。

さらに拡大してみると、間違いなくこの位置にいるのは10号機。

三菱航空機のみなさん、本当にお疲れさまです。

 1月17日午前1時20分頃から47分頃まで、名古屋空港に隣接する三菱重工名古屋航空システム製作所(通称:名航)のエプロン内にあるブラストフェンス前に、10号機(JA26MJ)が出したと思われる「TEST1234」がFlightradar24に表示されました。

 残念ながらまだ、機体情報は何も表示されていないのですが、発信している位置からして、これが10号機(JA26MJ)であることは間違いありません。こんな深夜にもかかわらず、10号機を1日も早く飛ばすためのチェックが続いているということでしょう。関係者のみなさん、本当にお疲れさまです。そして次は、登録レジである「JA26MJ」で表示されるのを楽しみに待つことにします。




★現地時間1月15日、今日もロズウェルの3号機がフライト

  

現地時間の15日午前9時52分、3号機がロズウェル・インターナショナルエアセンターのRWY17を離陸。この滑走路が溝なし滑走路のようです。


今日も北西に飛んで行ったので、またアルバカーキかと思ったら、今日はもう少し北のサンタ・フェ付近を旋回。


その後、高度を34,000ftまで上昇したのち。


ロズウェルに戻ってローアプローチを含め旋回飛行。


今日はRWY3にタッチダウン。


着陸は午後0時47分で、飛行時間は2時間55分でした。

 現地時間1月15日午前9時52分、ロズウェルでフライトテスト中の3号機がRWY17を離陸。Googleマップで見ると、この滑走路のみアスファルト舗装されいるようなので、これが北米で数少ないとされる「溝なし滑走路」のようです。

 離陸後今日も北西に向かって飛んで行ったので、またアルバカーキがと思ってウオッチしていたところ、今日はアルバカーキよりももう少し北のサンタ・フェ付近で旋回飛行。TC取得目標の2020年半ばまでわずかとなったこの時期に、この地域を選んで飛ばす理由があるのでしょうね。三菱航空機日本公式ツイッターアカウントで紹介してほしいです。

 その後、飛行高度を34,000ftに上昇して南東を目指したので、またどこかの空港に行ってローアプローチするのかと思ったのですが、今日は特にほかの空港に向かうことはなく、ロズウエルに戻ってローアプローチと旋回飛行を実施。そして、現地時間午後0時47分にRWY3にタッチダウン。飛行時間は2時間55分でした。




★三菱航空機日本公式ツイッターアカウントがFirst Engine Run Completedをツイート

  

三菱航空機日本公式ツイッターアカウントがFirst Engine Run Completedをツイート。

毎日新聞経済プレミアが1月9日に掲載した記事がYahoo!ニュースで全文読めるようになりました。

1月14日、3連休後再び三菱エプロンのブラストフェンス前に10号機が出されていたようです。この写真はFDA到着便の機内からのものでしょう。

展望デッキからの写真はすでにたくさん公開されているので、このアングルのツイート2つをご紹介。

そして最後に展望デッキからの動画。は何か主脚の所で色々点検作業をしていたように思われましたとコメント。

展望デッキからの夜間撮影。機内に明かりがついているので、夜も作業は続いているのでしょう。


現地時間の14日午前11時46分に3号機が離陸するも、すぐに戻って来てしまいました。


それから約30分後の午後0時31分、さきほどと同じRWY21からエアボーン。


今日もアルバカーキへ飛び、ローアプローチを交え周回飛行。


その後、ロズウェルに戻っていったんローアプローチののちにタッチダウン。


着陸時間は午後3時28分、飛行時間は2時間57分でした。

 三菱航空機日本公式ツイッターアカウントが「First Engine Run Completed.(最初のエンジン作動を完了) 米国での型式証明飛行試験に向け、10号機は現在、名古屋空港にて地上試験を実施中です。初飛行に向け休むことなく準備を続けているチームの皆様、引き続き7、11号機の製造にも従事している皆様、機体の完成をお待ち頂いている皆様に感謝です!とツイート。

 マスコミの報道は相変わらず2020年半ばの納期に間に合うかどうかが中心ですが、もちろんそれには追加の試験機完成が必須であるものの、型式証明を出すのはJCABでありFAAです。ボーイング737MAX問題の直後だけに、審査が厳しくなっていることは否めません。

 そのマスコミ報道の1つ、1月9日に毎日新聞経済プレミアが掲載した「スペースジェット新試験機完成『最終テスト』で米国へ」がYahoo!ニュースに掲載されました。元記事は有料だったのですが、ようやく記事全文を読むことができました。

 この記事で新しい情報というと、初飛行の時期は「できるだけ速やかに行いたいが、1か月後くらいではないか」(三菱航空機広報部)という部分と、設計変更に関する苦労話の部分。

 飛行制御機器を2か所に分散する設計と作業は簡単ではなく、専門の知識を持った技術者にしかできない。ケーブルは約3万本。この設計スキルを持つ技術者は世界でもそう多くはないのだという。実際、10号機の作業も、エアバスの仕事も請け負うフランスの航空部品メーカーに依頼した。三菱航空機に配線専門のチームがつくられ、50人ほどの外国人技術者が設計と配線を行った。

 分散配置で設計をやり直すと決めた16年末、フランスの部品メーカーとの交渉で「設計と設置にかかる時間は2年」とはじき出された。ただ、三菱航空機が自前でやろうとすると「4〜5年はかかる」と見込まれた。16年までに4回の納入延期を繰り返してきた三菱航空機としては、さらに4〜5年は待てない。「2年延長して納期を20年半ばとする」。それが“背に腹は代えられない”三菱航空機としての決断だった。こんなとこでしょうか。

 いっぽう、まもなく10号機が向かうアメリカでは、現地時間の14日、ロズウェルでテスト中の3号機が今日も飛びました。

 現地時間の午前11時46分にロズウェル・インターナショナル・エアセンターのRWY21から離陸。しかし、離陸後何かトラブルでもあったのか、すぐに戻って来てしまいました。そして、約30分後の午後0時31分に再び離陸。

 今日もアルバカーキへ向かい、ローアプローチを交えて周回飛行を実施。なぜ連日アルバカーキへ行くのか正確な意図はわかりませんが、アルバカーキはGoogleマップで見ると山脈に挟まれた谷にある街のようなので、ここは気流の変化が激しいのかもしれません。

 その後、ロズウェルに戻って一度ローアプローチ。そして近郊を旋回したのち、午後3時28分にRWY21にタッチダウン。飛行時間は2時間57分でした。




★現地時間1月13日、3号機がニューメキシコ州とテキサス州をぐるりとフライト

  

現地時間の13日午前7時26分から午後0時33分までの5時間06分、3号機がニューメキシコ州とテキサス州をぐるりと回ってフライト。何だかおもしろい飛行軌跡ですね。

午前7時26分にロズウエル・インターナショナル・エアセンターのRWY17を離陸。

先日に引き続き、ニューメキシコ州の工業都市アルバカーキへ。ここでは4回ローアプローチ実施。

続いて以前4号機が遠征したことのあるアマリロ国際空港上空を通過。

今度はラボックという街へ向かい、ここでも3回ローアプローチ。

そしてロズウェルに戻って旋回したのちにランディング。


今朝は現地時間の午前11時57分に4号機も離陸。


離陸後38,000ftまで上昇したのち10,000ft付近まで降下。飛行速度を激しくアップダウンさせて飛んでいました。

 現地時間の1月13日(月)午前7時26分、3号機がロズウェル・インターナショナルエアセンターのRWY17を離陸。今朝はずいぶんと早く離陸したと思っていたら、アルパカーギ国際サンポート、アマリロ国際空港、ラボックプレストン・スミス国際空港と、次々に移動しながら旋回飛行とローアプローチを続けました。

 この日、各地の空港上空を何度も通過したものの、タッチアンドゴーは1度も行っておらず、機体のチェックというよりは、むしろパイロットの習熟訓練飛行に感じました。これからロズウェルをベースに、どんなテストフライトが行われるのか楽しみ。着陸は午後0時33分で、飛行時間は5時間06分でした。

 その後、ニューメキシコ州と1時間の時差があるワシントン州のモーゼスレイクで、現地時間の午前11時57分に4号機が離陸。この日の4号機は午前11時頃からエプロンにいることがFlightradar24でわかっていたのですが、なかなか離陸しないので気になっていたのです。

 4号機は離陸後38,000ftまで上昇し、テストフライト開始。1時間ほど飛んだところで高度を10,000ft付近まで降下。今日の4号機は高度を下げたのちに飛行速度を激しくアップダウンさせていたので、エンジン制御システムか何かのチェックなのでしょう。




★現地時間1月11日、2号機、3号機、4号機が2度ずつフライト

  

ロズウェルの3号機は現地時間の午前10時11分から午後0時27分まで2時間16分のフライト実施。5,000ft前後で上下しながらずっと飛び続けていたようです。


そして午後2時34分にこの日2度目のフライトに出発。今度はニューメキシコ州の工業都市「アルバカーキ」という都市上空を周回し、午後5時11分に戻ってきました。

モーゼスレイクでは2号機と4号機が同時にフライト。


2号機は現地時間の午前11時08分から午後0時40分まで1時間33分のフライト実施。


4号機は現地時間の午前11時21分から午後0時46分まで1時間26分のフライト実施。

何と今日は2号機と4号機が午後からも同時にフライト。


そして現地時間の午後2時36分から午後4時22分までの1時間46分、4号機がこの日2度目のフライト実施。


その後、現地時間の午後3時01分から31分間、2号機もこの日2度目のフライト実施。

 現地時間の1月11日は、モーゼスレイクでは2号機と4号機、ロズウェルでは3号機のテストフライトが行われました。先に飛んだのはロズウェルの3号機で、現地時間の午前10時11分から午後0時27分まで2時間16分のフライト実施。今日は5,000ft前後で上下しながらずっと飛び続けていたようです。

 その後、午後2時34分からこの日2度目のフライトに出発。今度はいったん25,000ftまで上昇し、アルバカーキという工業都市まで飛び、ここで約1時間の旋回を行ったのち、午後5時11分にロズウエル・インタナショナルエアセンターに戻ってきました。2度目のフライト時間は2時間37分でした。

 モーゼスレイクの2号機と4号機は、ほぼ2機同じタイミングで2度ずつフライトを行ったようで、1回目は2号機が現地時間の午前11時08分から午後0時40分まで1時間33分のフライト、4号機は現地時間の午前11時21分から午後0時46分まで1時間26分のフライトでした。

 そして午後からこの日2回目のフライトが行われ、今度は4号機が先で午後2時36分に離陸し、午後4時22分までの1時間46分、2号機は午後3時01分から午後3時32分までの31分間フライト実施。

 3機の試験機がテストフライトを行ったのは今年初であるのはもちろんこと、3機とも2度ずつフライト実施したというのが過去にもあったのかどうか記憶にないくらいです。これも2020年半ばに型式証明取得という目標達成への努力の証でしょう。

 今日飛んでなく、かつ久しく動静がわからない1号機ですが、Flightradar24は全フライトの飛行データがサーバーに保存されているわけではないので、先日の2号機のように偶然見つけられれば確認できますが、ADS-Bを搭載していない1号機が本当に全く飛んでいないのか、確認のすべがありません。




★1月10日、10号機が三菱エプロンでエンジンテスト

  

1月10日、三菱エプロンで10号機がエンジンテスト実施。

三菱重工公式Twitterが、「三菱航空機は、最終構成の最初の三菱スペースジェットM90であるフリートJA26MJを歓迎しました。M90の型式証明を得るには900以上の設計変更が必要であり、900以上の課題が克服されました」とツイート。


ロズウェルでは現地時間の10日午前10時09分から午後1時10分(日本時間11日午前3時09分から6時10分)、3号機が3時間のフライト実施。今日は6,000ftから4,200ftへの降下を何度も繰り返し行っていました。

 名古屋空港に隣接する三菱重工名古屋航空システム製作所の三菱エプロンのブラストフェンス前に鎮座中の飛行試験10号機(JA26MJ)ですが、昨日1月10日に初めてエンジンテストを行ったもよう。従前までの試験機たちは、ここで機体や燃料タンクのチェックを受けたりして、エンジンテストまでかなりの日数を要していましたが、今回の10号機はあっという間にエンジンを作動させました。

 従前の試験機たちの例を見ると、今後はブラストフェンス前でエンジンの回転数を上げたり下げたりするなど、何日もここでエンジン回していました。10号機を本当に1月中にモーゼスレイクへ送り出す気なら、これらのチェックも今後速やかに実施され、次なるステップである地上走行と初飛行を迎えることになるのでしょう。

 三菱重工公式Twitterが、「三菱航空機は、最終構成の最初の三菱スペースジェットM90であるフリートJA26MJを歓迎しました。M90の型式証明を得るには900以上の設計変更が必要であり、900以上の課題が克服されました」とツイート。注目度の非常に高い最終試験機の完成に対し、今後親会社である三菱重工がどんなコメントをするのか、こちらにも興味があります。




★三菱航空機の水谷社長「できるだけ早く世に出したい」

  

三菱航空機の水谷社長「できるだけ早く世に出したい」5度納入延長のスペースジェット 賀詞交歓会で − 東海テレビニュース

三菱航空機日本公式ツイッターアカウントもこのときの水谷社長の談話をツイート。


現地時間の1月9日午前9時48分から11時12分までの1時間24分、2号機がフライト実施。今日はFlightradar24の飛行ログにも記録が残りました。


ロズウェルでは3号機が現地時間の午前10時35分から午後0時56分までの2時間21分、フライト実施。ここではどんなチェックを行っているのでしょうか?

パリ・エアショー公式ツイッターアカウントが1月8日に祝福のリツイートしたことに対して、三菱航空機公式ツイッターアカウントが「すばらしい写真をありがとう」とお礼のツイート。

 三菱航空機の水谷社長が1月9日、名古屋で開かれた中部経済界のトップが集まる「賀詞交歓会」でインタビューに応じ、スペースジェットは5度にわたる納期延長がありましたが、ようやく今年半ばに初号機を納入する予定です。

 2020年はどんな1年になると見通していますか?との質問に対し、「新年早々、設計変更を反映した10号機が工場を出ましたので、皆さんからご覧になると『やっと工場を出た』というイメージかと思いますけど、われわれにとっては非常に大きな一歩です」。

 今後の納入スケジュールはタイトではないでしょうか?との質問には、「いまの10号機の状況だけからお考えいただいても、少し厳しめの感は否めないと思います。われわれなりにベストを尽くして、できるだけ早く世の中に出させていただきたい」と述べたそうです。

 これはおめでたい「賀詞交歓会」でのコメントなので、この場で後退するようなことばを発するわけはありませんが、私たちだけでなく水谷社長も、そうなってほしいと願っているというのが実際の心境ではないでしょうか。

 これから10号機が向かう予定のモーゼスレイクでは、現地時間の1月9日午前9時48分から11時12分までの1時間24分、2号機がフライト実施。今日はFlightradar24の飛行ログにも記録が残りました。昨日はいったい何だったのでしょう。単なるFlightradar24のサーバーエラーなのでしょうか。

 いっぽう、ニューメキシコ州のロズウェルに遠征中の3号機は、現地時間の午前10時35分から午後0時56分までの2時間21分、フライト実施。素朴な疑問なのですけど、ロズウェル・インタナショナルエアセンターの滑走路がアメリカに数か所しかない溝なし舗装というのは先日の地元メディアの記事でわかりましたが、よほど上空の気流の違いがなければ高度を上げて飛んでしまったら、どこを飛んでも同じのような気がするのですけど・・・




★現地時間1月8日、3号機がニューメキシコ州ロズウェルで飛行試験開始

  

現地時間の1月8日午後0時01分、3号機がロズウェル・インタナショナル・エアセンターを離陸。ロズウェルでは離着陸の飛行データが表示されません。


離陸後1時間ほどは20,000ft以下を飛んだのち35,000ftまで上昇。その後、ロズウェル近郊に戻って15,000ft前後を飛んで、午後4時46分にタッチダウン。飛行時間は4時間45分でした。

そしてモーゼスレイクではこの日、2号機がフライト実施。なぜか飛行ログが残っていないのですが、離陸は午後2時45分頃で、約2時間飛んでいたようです。

名古屋空港の三菱エプロンでは、今日も10号機が機体チェックを受けていました。

今度の週末まで三菱エプロンに出し続けてくれるでしょうか?

三菱航空機公式ウェブサイトの日本語ページに、英語ページでは12月24日に掲載された記事がポスティング。ちょっとタイムラグが大きすぎ。

 昨日モーゼスレイクからロズウェルへフェリーフライトした3号機が、現地時間の1月8日午後0時01分からロズウェルでのテストフライト実施。ロズウェル空港は位置の関係なのか、高度4,000ftくらいからしかFlightradar24に飛行データが表示されないのが残念。

 以前の現地プレスの記事では、三菱航空機が2〜3機の試験機を使う可能性があると報じていましたが、今後さらにモーゼスレイクから試験機が飛んでくるのか、これも興味のあるところです。それが2号機なら、わざわざADS-Bを追加装備したのもうなずけるのですけど。

 三菱航空機公式ウェブサイトの日本語ページに、「米国飛行試験施設(MFC)のメディア向けツアーに関する主要記事」というトピックが追加されました。これは英語ページでは昨年12月24日にすでに掲載された記事の和訳版で、ちょっとタイムラグが大きすぎるのではないかと感じますね。




★1月7日、さっそく10号機が三菱エプロンで地上試験準備、3号機はロズウェルへ

  

三菱航空機日本公式ツイッターアカウントが10号機(JA26MJ)についての正式な報告ツイート。これからもどんどんツイートしてほしいです。

さっそく10号機は三菱エプロンで地上試験の準備に入ったようです。

久しぶりに名古屋空港展望デッキがマスコミで沸きそう。

昨日はあいにく午後から本格的な雨。エンジンスタートはいつでしょうか?

すでにYouTubeに動画をUPされた方もいますね。私も行きたかった。


そして何とパリ・エアショー公式ツイッターアカウントが、三菱航空機公式ツイッターアカウントのツイートをリツイートして祝福。

10号機のスペースジェットカラーですが、コクピットの歌舞伎顔が復活。

こちらが3号機に施されたスペースジェットカラー。


その3号機が現地時間の7日午後、ロズウェルへフェリーフライト。

 1月6日の深夜に最終組立工場から名古屋空港制限エリアを通ってMRJハンガーに移動した10号機(JA26MJ)ですが、すでに7日には三菱エプロンのブラストフェンス前に鎮座。地上試験の準備にかかったようです。昨日はあいにく午後から本格的な雨降りになってしまいましたが、熱心な航空ファンたちが展望デッキから撮影した10号機写真をツイッターにUPしてくれました。

 三菱航空機日本公式ツイッターアカウントも、昨日すぐに10号機(JA26MJ)が加わったことをツイート。その中で「この重要なマイルストーン達成を実現する為に尽力頂いた皆様に感謝します」と、ひとつのステップを上がったことを正式に発表しました。また、パリ・エアショー公式ツイッターアカウントが三菱航空機公式ツイッターアカウントのツイートをリツイートして祝福。

 900か所以上の設計変更を受けた10号機ですが、外観の違いはないのかこれから要チェックです。今わかっていることは、3号機がスペースジェットカラーに再塗装された際になくなってしまった「歌舞伎顔」が復活したことでしょう。そして、次の関心はいつエンジンスタートし、いつ地上を転がるかに移ります。果たして1月中の初飛行はあるのか?




★1月6日深夜、10号機が最終組立工場から名古屋空港内へ

  

2020年1月6日午後11時過ぎ、飛行試験機10号機(JA26MJ)が最終組立工場から出て、構内道路を横切って空港内に移動。

いやーよかった。日経ビジネスの記事はガセだったようです。

この機体には「M90」と描かれています。

中日新聞1月7日朝刊にも記事が掲載されました。

その後、朝日新聞デジタルも動画をツイート。

こちらは地元メーテレのニュース。

最後は産経ニュースで締めくくり。


モーゼスレイクでは現地時間の1月6日午前10時41分から3号機がフライトを実施。この日の3号機はフライトナンバーが3328で飛んでいました。

 1月6日午後11時頃、飛行試験10号機(JA26MJ)が最終組立工場から出て構内道路を横切り、名古屋空港の制限エリア内を通って、三菱エプロンからMRJハンガー(今は何と呼べばいいのでしょうか?)へ移動したようです。

 Twitterにはその際の動画と写真がツイートされ、今朝の中日新聞にはすでに記事になっていました。飛行機マニアがスクープすることは少なくありませんが、中日新聞が記事にしたということは、今回の地上移動について三菱航空機か三菱重工が、事前にプレスリリースしていた可能性が高いですね。

 それにしてもよかった。先日の日経ビジネス記事を読んだときは、いったい10号機はどうなっているのかと思っていました。あの記事は三菱重工のお家事情を泥臭くまとめたものなので、情報自体は取材に基づいているのでしょうが、取材記者に対して関係者がちょっと大げさに答えたのかもしれません。

 いっぽう、モーゼスレイクでは現地時間の1月6日午前10時41分から3号機がフライトを実施。この日の3号機はフライトナンバーが3328で飛んでいました。この4ケタの数字に意味があるのかどうかわかりませんが、私の知りうる限りでは初めてではないかと思います。

 今日の3号機は離陸後30分で34,000ftまで上昇し、飛行速度を最高550ktから最低265ktまで上下させて飛行。その後は順次高度を下げて、午後0時22分にモーゼスレイク・グラントカウンティ空港にタッチダウン。飛行時間は1時間41分でした。




★現地時間1月5日、3号機と4号機がサンデーフライト

  

現地時間1月5日午前10時57分、3号機がRWY22からエアボーン。


離陸後約1時間は高度12,000ftでモーゼスレイク近郊をフライトしたのち、高度を34,000ftまで上昇しスポケーン東へ。


モーゼスレイクに戻ってから2度のゴーアラウンドもしくはミストアプローチを行ったのち、午後2時02分にRWY14Lにタッチダウン。飛行時間は3時間05分でした。


そして3号機が離陸して2時間半ほど経った午後1時29分、今度は4号機が離陸。今日の4号機は高度38,900ftまで上昇。


1時間39分のフライトを行い、午後3時08分にRWY14Lにタッチダウン。

しばらくの間、3号機と4号機のツーショットが見られました。

  現地時間の1月5日、3号機と4号機が今年2度目のフライト実施。先に飛んだのは3号機で、離陸したのは午前10時57、今日はエプロンから外周誘導路を走行し、横風用のRWY22からエアボーン。離陸後12,000ft前後でモーゼスレイク近郊を旋回、今日の軌跡はまるでダッチロールさせているようでした。

 その後高度を上げてスポケーン上空を通過。34,000ftまで上昇したところで再び旋回開始。そして飛行時間が1時間半を過ぎた頃Uターンし再びモーゼスレイク近郊へ。グラントカウンティ空港上空を通過ししたのち、RWY22とRWY32でゴーアラウンドもしくはミストアプローチを敢行し、午後2時02分にRWY14Lにタッチダウン。飛行時間は3時間05分でした。

 4号機が離陸したのは3号機が離陸して2時間半ほど経った午後1時29分で、4号機は高度38,900ftまで上昇、1時間39分のフライトを行い、午後3時08分に着陸。今日の4号機の飛行データに大きな特徴はなく、何らかの機体チェック程度でしょうか。

 今日も3号機と4号機のフライトナンバーは機体レジだったのですが、Flightradar24の飛行ログでは、3号機のみ機体番号による表示がされませんでした。何が違うのかわかりませんが、せっかく機体番号ごとのログが出るようになったと思っていたので残念です。




★現地時間1月4日、4号機が新年初フライト

  

現地時間1月4日午後0時45分、4号機がRWY22からエアボーン。


今日の4号機は離陸後しばらくは13,000ft前後を飛行し、その後いったん31,000ftまで上昇したものの再び高度を下げ、午後2時25分にランディング。


飛行時間はちょっと短めの1時間40分でした。

 現地時間の1月4日、4号機が今年初のフライト実施。離陸したのは午後0時45分で、今日は横風用のRWY22からエアボーン。離陸後13,000ft前後でモーゼスレイク近郊を旋回、その後高度を上げながら南東方面へ飛行。31,000ftまで上昇したところでUターンし、午後2時25分に離陸したのと同じRWY22にタッチダウン。飛行時間はちょっと短めの1時間40分でした。

 今年は例年になく、新年早々にテストフライトが行われていますが、先日の日経ビジネスの衝撃的な記事を読んでからというもの、今モーゼスレイクで行われているテストフライトが、何だか無意味に思えてしまているのです。記事のとおり10号機の完成が遅れ、いや完成せずに、歳月が過ぎたらどうなるのでしょうか?




★現地時間1月3日、3号機が新年初フライト

  

現地時間1月3日午前10時29分、3号機が新年初フライトに出発。


今日はグルグル旋回ではなく、アイダホ・オレゴン・モンタナと直線的に飛行。


着陸は午後2時56分で、飛行時間は4時間27分でした。

 現地時間の1月3日午前10時29分、3号機が新年初のフライトに出発。昨年末に最後に飛んだのも3号機だったので、3号機が昨年の仕事納めと新年の仕事始めを行ったということになります。

 今日の3号機は、離陸後21,000ftまで上昇したのち、南東方面に飛行。そのまま一直線にアイダホ渓谷まで行き、今度はほぼ西向きに進路を変えオレゴンへ。その後飛行高度を22,000ft、23,000ftと少しずつ上げてモンタナへ。飛行時間が4時閣近くなったところでモーゼスレイクへ帰還開始。モーゼスレイク・グラントカウンティ空港への進入は離陸時と逆のRWY4を使用。着陸は現地時間の午後2時56分で、飛行時間は4時間26分でした。

 もう1つ、今日の3号機は4号機に続いて、フライトナンバーがMAJ216から機体レジのJA23MJになり、Flightradar24の飛行ログでもJA23MJとして表示されるようになりました。これが機体側の設定によるものなのか、フライトプランの提出内容によるものなのかは不明ですが、今後2号機がどのように表示されるかで、ある程度判断できるかもしれません。




★三菱重工「スペースジェット」に見る改革の難しさ

  

三菱重工「スペースジェット」に見る改革の難しさ − 日経ビジネス電子版

 日経ビジネス電子版が「三菱重工『スペースジェット』に見る改革の難しさ」という記事を掲載。今まで報道されなかった10号機の現状が記事になっているので、内容を少し短くまとめて記載します。

 その機体はまだ工場にあった。2019年12月中旬、「三菱スペースジェット(19年6月にMRJから改名)」の最終組み立て工場内では白色のボディーに「SPACE JET」と描かれ、主翼に「JA26 MJ」とナンバリングされた機体が鎮座していた。胴体の下には机とパソコンが置かれ、技術者が6人ほど話し合っている。

 この機体こそ、スペースジェットの今後の納入時期を大きく左右する10号機だ。商業運航に必要な「型式証明」を得るための最終試験用に、関係者によると、当初は19年夏に完成する予定だった。今ごろは米国での飛行試験に臨み、20年半ばのANAへの初号機引き渡しに向けた最終局面を迎えていたはずなのに、実際にはまだ愛知県の工場の中だ。三菱重工関係者は打ち明ける。「今のままでは納入延期は避けられない。さらなる問題は、次の納入時期を明言できないことだ」。

 関係者の話を総合すると、手間取ったのは飛行機の内部にはわせる電気配線の組み付けだ。三菱重工と三菱航空機は17年1月に5度目の納入延期を発表したが、この理由が配線だった。今や航空機は電子制御で飛ばすと言っても過言ではなく、スペースジェットの配線数は3万本前後。商業飛行にこぎ着けるには、いかなる状況でもショートしないなどの安全性を立証する必要があるが、従来の試験機ではそれが難しいとの判断があった。

 三菱航空機の最高開発責任者、アレックス・ベラミー氏は「温度や振動、湿度などの要求に対応するため、900カ所以上の改良が必要となった」と説明する。その配線の再設計を終え、いざ機体に実装する段階になって問題が発生した。「配線が機体の収容スペースに入りきらなかった」(関係者)のだ。収容スペースを広げれば済みそうなものだが、それができなかった。機体はすでに造り上げてしまっていたからだ。

 19年12月20日に取材に応じたペラミー氏は「配線を含めて組み立ては完了した」と言うものの、三菱重工のある幹部は「今のスペースジェットはアイーダの悪夢を見ているようだ」とつぶやく。アイーダとは、11年に独アイーダ・クルーズから約1000億円で受注し、長崎造船所で建造していた豪華客船2隻のプロジェクトのことを指す。ここでも納期延期を繰り返し、累計で2540億円の特別損失を招いた。原因は複雑な内装や配管を据え付ける作業が難航したことだった。

 アイーダでも先に船体が完成し、その後に配管や内装を整備しようとした。長年、造船事業を手掛けてきた三菱重工だけに船の外枠造りはお手の物だ。だが、張り巡らせる配管や華麗な内装といった高級ホテルを建てるような作業は経験したことがなかった。ここに三菱重工特有の要因がある。ものづくりに対する過信だ。構造物となる外枠を作れれば、電気配線などは後からでもできる。三菱重工の現場はそう考えがち。配線を施すにしても、構造物の設計変更が必要になる場合はある。

 スペースジェットにも当てはまる。航空機開発に詳しい名古屋大学大学院の林賢吾特任准教授によれば「航空機の開発では、機体を組み立てながら配線するのが一般的」。だが、配線の再設計はしても、機体の設計は特段変更されず、先に造ってしまった。アイーダでは一旦、すべての作業を止め、改めて作業プロセスや納期を整理して仕切り直すことで混乱を収束させた。この苦い経験をスペースジェットに生かしていれば、さらなる遅延を防げたかもしれない。それができなかった要因として挙げられるのが、同社にいまだに残る組織間の高い壁だろう。

 もともと三菱重工では、他メーカーでは工場に当たる「事業所」の力が強かった。生産のみならず、研究開発から人事、総務、経理といった事務部門まで束ね、あたかも1つの会社のように振る舞う。高度成長期なら事業所同士が競い合うことで売り上げを拡大することもできた。だが、そんな時代はとうの昔に過ぎている。異なる事業所で同じような製品を造ることは、もはや無駄にしかならない。

 さらに根深い問題として横たわっているのが、名古屋にはびこるエリート意識だ。三菱航空機のある関係者は商業飛行に不可欠な型式証明を巡って、「担当する国土交通省の作業が遅い。これではいつ取得できるか分からない」などと主張する。だが、開発しているのは人の命を預かる旅客機だ。型式証明を与える国交省からすれば、念には念を入れて審査するのが当然の務めだ。事情に詳しい関係者は「最終試験に使う10号機も完成していないのに、国交省のせいにするのは問題のすり替えだ」と話す。

 名古屋は、東京大学工学部の中で成績優秀者が集まる航空工学を専攻した技術者が多い事業所だ。中でも、戦闘機担当がエリート中のエリート。米ボーイングの一部機体の製造などを請け負う民間機部門の担当は2軍扱いと、事業所内にも序列がある。そんな名古屋の「常識」からすれば、社外の構図も上と下だ。「型式証明の審査を担当する(国交省の愛知県にある出先機関)航空機技術審査センターはおろか、国交省でさえも格下に見ている」と三菱重工の関係者は語る。

 本来であれば、三菱航空機と審査センターは二人三脚で、航空機の安全性を証明しなければならない関係のはず。ましてや民間航空機事業を続ける以上、国交省は永遠のパートナーになる。過度なエリート意識がオールジャパンで取り組むはずの国産小型ジェット旅客機の実用化を遅らせているのであれば、そんなプライドは無用の長物だろう。

 それでも小型ジェット旅客機事業から引くに引けない。関係者によると、すでに開発に6000億円前後をつぎ込んでおり、国の次世代航空機開発に関する補助金の恩恵も受けている。1960年代の「YS11」以来の「日の丸旅客機」の実用化は三菱重工だけでなく、国にとっても悲願だ。90席クラスの機体の需要に黄信号がともる中、70席クラスの開発も急務で「開発費全体の上限は1兆円といった発言も社内で出ている」(三菱重工関係者)。

 ものづくりへの過信、情報共有不足、エリート意識。開発の遅れが会社の未来をも揺るがしているにもかかわらず、古い体質と社員の意識がスペースジェットの開発をさらに遅らせかねない。長い歴史を持つ巨大組織を改革しても、マネジメント次第ですぐに元に戻る。そんな現実を飛べないスペースジェットが映し出している。

 この記事を読むと、10号機の初飛行がいつのことなのか、渡米するのは?型式証明取得は?ANAへ納入は?と、もうすべてが泡と消えそうで怖くなりました。




★いよいよ始まった運命の2020年

  

ついに「2020年」になりました。今年が三菱航空機とスペースジェットにとって、すばらしい年になりますように。

三菱航空機日本公式ツイッターアカウントが「あけおめ」ツイート。

三菱航空機公式ツイッターアカウントも年が明けて「Happy New Year!」ツイート。

Mitsubishi to test aircraft in Roswell(三菱がロズウェルで航空機をテスト)

 いよいよ2020年になりました。三菱重工と三菱航空機にとって、今年がどんな重要な年なのかは十二分に理解していることでしょう。追加の飛行試験機10号機の初飛行と渡米。FAAとJCABからの型式証明取得。そしてANAへの量産機引き渡し。果たしてどこまで実現できるか、三菱航空機の底力を見せてほしいです。

 ロズウェル・デイリー・レコードという地元情報サイトが、「Mitsubishi to test aircraft in Roswell(三菱がロズウェルで航空機をテスト)」という記事を掲載。2020年の「三菱スペースジェット大好き」の初投稿ににふさわしい記事なので、一部を翻訳してご紹介します。

 日本に本社を置き、米国ワシントン州レントンに本社を置く三菱航空機は、ロズウェル航空センターのスタッフに、2020年2月から4月までリージョナルジェットの試験飛行を行うと語った。スコット・スターク航空センター長は、同社が連邦航空局からの認証を求めているため、2、3機の三菱スペースジェットM90が空港で一連の試験を受けると予想されていると述べた。

 「天気の良さ、溝のない滑走路、空域の可用性、AvFlightが提供するFAA管制塔およびサポートサービスはすべて、飛行試験を成功させるために不可欠」とスターク氏は述べている。また、以前の会話で、エアセンターのスタッフは、ロズウェル空港が溝のない滑走路を持っている米国のほんの一握りの1つであると言った。

 スターク氏は、約30人の三菱従業員が今後のテスト中に各ジェット機に同行する予定であると述べた。彼は、航空機会社が以前に3回ロズウェルで飛行試験を実施したと付け加えた。

 連邦航空局によると、新しいタイプの航空機の完全な認証には5〜9年かかる場合がある。スターク氏はここで三菱が使うドル金額を見積もることができないと言ったが、三菱の従業員は航空会社でロズウェルに飛び込むので、エアセンターとAVフライトだけでなく、アメリカン航空にも利益があると言った。

 三菱がロズウェルに戻ってきたとしても、米国海軍は2020年初頭に航空センターで軍事パイロット向けの基本的なパイロットトレーニングを実施しないことを決定した。テキサス州コーパスクリスティの海軍航空基地のパイロット訓練グループには、今年ロズウェルで訓練する予算がないと最近知らされた。
 
 以上がこの記事の大まかな内容ですが、ロズウェル空港はアメリカの海軍航空基地のパイロット訓練用に使われているようです。そして2020年初頭は予算不足で訓練を行わないので、その代わりに三菱航空機がやって来て、ここでお金を落としてくれるので歓迎すると書いてありますね。なるほど、いわゆる地域おこしにスペースジェットが貢献しているわけです。
  

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