太陽王ルイ14世が建てた贅を極めた宮殿。当時の絶対王政の象徴ともいえる歴史的建造物です。工事は50年にも及びここでくり広げられた貴族たちの特権的な生活が、結果的にフランス革命を引き起こしたと言えるでしょう。


朝一番にヴェルサイユに出発
 午前9時のオープンに間に合わせるため、ちょっと早めにアパルトマンを出発。午前8時前にRERの最寄り駅「ポン・デ・アルマ駅」にやってきました。

 ヴェルサイユ宮殿へは、RERのC5線の終点「ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ駅」まで乗ります。パリからの所要時間は約20分。運賃はZONE-4で2.95ユーロ(約400円)。


 最寄のRER駅「ポン・デ・アルマ駅」に駅員がいなかったので、隣の「エッフェル駅」で購入しました。


 「エッフェル駅」を8時15分発の列車に乗ります。C線は行き先が複数あるので、乗り間違えないようにしなくては・・・。


 C線の2階建て車両。小型のメトロ車両と比べると、かなり大型の車両です。


 ヴェルサイユ宮殿までは約20分。朝早いせいか、車内はそれほど混雑していません。

RERに乗ります    セーヌ川左岸を通って

 

  8時35分、終点「ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ駅」に到着。

ヴェルサイユ駅に到着

 エッフェル駅できっぷを買って、「ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ」行きの列車を待ちます。RERはパリ市内を出ると、いくつかの方面に分かれていく路線が多く、このC線も西方面には、C1、C5、C7の3路線があります。その中で「ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ」はC5の終点。

 駅にあるモニターには、次に来る列車がどこ行きなのか表示されていますが、肝心の列車には行き先は書いてないんです。代わりに列車にはニックネームが付いていて、それを見るとわかることはわかるんですけどね。ですから、列車が遅れて到着すると、到着した列車が自分の乗る列車かどうか、ちょっと不安になります。

 8時15分、2階建ての車両が到着。次の列車まで時間があるので、これに間違いないだろうと乗り込みました。約20分の列車の旅スタート。パリを出ると丘陵地帯を走ります。途中SNCFの路線と併走する区間も・・・。約20分で終点
「ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ駅」に到着しました。


豪華絢爛のヴェルサイユ宮殿に到着



 RERの駅から、徒歩約10分で宮殿に到着しました。

宮殿に向かいます

 

ヴェルサイユ宮殿の入場券(何種類かの写真があるようです)
今回は宮殿内観光とオーディオセットで13.5ユーロ(約1,800円)。
マウスポインタを乗せてね♪


この金ピカの門はどうですか

このあたりの大理石の中庭は修復が終わったばかりで、
非常にきれいな状態でした。ちょっときれいすぎるかも・・・。

チケットを買って入場します



 チケットを購入し、宮殿内に入ると、まずあるのが「王室礼拝室」です。毎朝ミサが開かれていたそうです。


 「ヘラクレスの間」の見事なフレスコ画。



 正面には見事な壁画があります。

オーディオセットを借りて    ヘラクレスの間

 午前8時35分、ほぼ20分で終点「ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ駅」に到着しました。ここから宮殿まではゆっくり歩いて10分ほどです。宮殿に到着すると、すでにチケットうりばに列ができていました。本当は日本からヴェルサイユ宮殿公式HPでチケットを購入するつもりでしたが、なぜかHPが閲覧できなかったのです。

 約20分ほど並び、午前9時になったところでチケットうりばが開きました。チケットはいくつかの種類があります。今回庭園に行くかどうかをこの時点で決めていなかったので、宮殿内のみとオーディオセットの組み合わせ(13.5ユーロ・約1,800円)にしました。子供は無料です。

 マダムと私はここに来るのが3度目。いつ見ても豪華絢爛な宮殿に感心させられます。いっぽうで市民がパンを買うのにも困っているのに、こんな贅を尽くしていたのですから、革命になったこともうなずけてしまいます。


 宮殿内のあちこちに、ルイ14世の像が飾られています。


  「メルクリウスの間」です。儀式用の寝室だったそうですが、ルイ14世が逝去した際、ここに1週間安置されたそうです。


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 アポロンの間にある「ルイ16世」の肖像画です。写真をクリックしてね♪


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 「アントワネットと3人の子供」の肖像画です。写真をクリックしてね♪

王妃の寝室

 

 「王妃の寝室」です。ここを歴代3人の王妃が利用したそうです。現在の状態は1980年にアントワネット時代のものに復元されたものだそうです。

 今回はオーディオセットを借りたおかげで、ガイドブックを広げて調べなくても、各部屋に付けられている番号を入力すると、オーディオセットが日本語で解説してくれるので非常に便利です。ただし、今回借りたのは2セット。 子供は無料で入場できますがオーディオセットはありません。オーディオセットのみを借りることも出来ますが、1セット6ユーロ(約800円)とのことでした。

 私が初めて見たときは、まるで映画のセットのようだと思ったことを覚えています。このヴェルサイユ宮殿に限ったことではありませんが、これらの歴史的建造物に触れることができるんです。絵画や像などにもロープなどはありません。それでも誰も傷つけたりしませんから、これは文化の違いなんでしょうね。



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  「鏡の間」です。全長73メートルの回廊で、357枚の鏡がはめ込まれています。写真をクリックしてね♪


  鏡の間から見た庭園。遠くに「グラン・カナル」が見えます。



 「王の寝室」です。謁見や重要な儀式が、ここで行われていたそうです。

鏡の間    王の寝室



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 「戦闘の間」です。たたかいをテーマに描いた画が、たくさん飾られています。写真をクリックしてね♪



 「戴冠の間」です。「ナポレオン1世の戴冠式」などが飾られています。


 ルーブル美術館にも同じ構図の画がありますが、唯一違うところが・・・。マウスポインタを乗せ ると、ルーブルの画になります。

ナポレオン1世の戴冠式

 宮殿内には見学コースが設定してあります。すべての部屋が公開してあるのではないと思いますが、それでもゆっくり歩いて2時間ほどかかります。ベルばらの中でも描かれてる部屋を見るだけでも、あの漫画がいかに実際の歴史をうまく使っているかが伺えますね。

 さて、「戴冠の間」の中には、ナポレオン1世の武勲をたたえる絵画がたくさん集めらているのですが、その中に有名な「ナポレオン1世の戴冠式」があります。ダヴィッドが19世紀に描いたもので同じ構図の画が2枚あり、初版がルーブル美術館に所蔵されています。

 この2枚の画には1ヶ所だけ違いあるのです。これは2枚の画を並べてみないとわからないと思いますので、違いのある部分の拡大写真を用意しました。マウスポインタを乗せるとルーブル所蔵の画になります。違いがおわかりになりましたでしょうか?


プチ・トランに乗って庭園に



 今日はヴェルサイユ宮殿の庭園のすばらしさを満喫するため、「プチ・トラン」に乗ることにします。



  庭園内にいくつか停留所があり、何度でも乗り降り自由になっています。1人6.5ユーロ(約850円)。マウスポインタを乗せてね♪


 宮殿を出発すると、石畳の道をゴトゴトゆっくり走ります。

プチ・トラン@    プチ・トランA    プチ・トランB


「グラン・トリアノン」の次に停車したのが「プチ・トリアノン」

 宮殿の見学を終えたのが午前11時。まずは田舎家方面にプチ・トランで移動します。プチ・トランのりばは宮殿北側の中庭にありました。料金は途中何度でも乗り降りできて、1周6.5ユーロ(約850円)。石畳の道を、ゴトゴトゆっくり走ります。乗客はわが家を除くと2人だけ。こんなに少なくては経営が大変だなぁと思っていたのですが、その理由はプチ・トリアノンに到着してわかりました。

 実はプチ・トリアノンの見学時間がお昼からだったのです。わが家はプチ・トリアノンよりも愛の神殿や田舎家に興味があるので、歩いて見に行くことにしました。以前に来たのはもう15年も前の話。実際のところ、どうやって田舎家に行ったのか覚えていません。結局、田舎家も石垣の中にあって、外からでは見えませんでした。すぐ近くにゲートがあるのですが、やはりここも開くのは正午で、入場料10ユーロが必要。やむを得ず、今歩いてきた道を戻って、プチ・トリアノンまで引き返すことにしたのです。



 プチ・トリアノンやグラン・トリアノンなど庭園内の施設に入れる入場券。マウスポインタを乗せてね♪



 宮殿の入場券と同様に、何種類かの写真があるようです。マウスポインタを乗せてね♪


 ようやく正午に入れた「プチ・トリアノン」。マウスポインタを乗せてね♪

プチ・トリアノン@

 プチ・トリアノンまで戻ったはいいのですが、中に入れるまで30分以上あります。もうやめようかとも思いましたが、今日入らないと2度と来ないかもしれません。そこで30分待って、プチ・トリアノンに入ることにしました。愛の神殿や田舎家がプチ・トリアノンのエリア内にあることを覚えていたら、共通入場券を買ったんですけどね・・・(涙)。

 プチ・トリアノンに入ると、あちらこちらにアントワネットゆかりの飾り物が目に入ります。
入口付近に飾られていたのは、有名なアントワネットの肖像画。それに部屋の中にはアントワネットの胸像もありました。確かアントワネットは胸が大きかったことが自慢だったとか・・・。それほど大きな建物ではありませんが、親子4人が暮らすのには十分だったことでしょう。


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 入口付近に飾られている、有名なアントワネットの肖像画。写真をクリックしてね♪


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 アントワネットの胸像。アントワネットは胸が大きかったことが自慢だったとか・・・。写真をクリックしてね♪



 プチ・トリアノンは2008年に修復を終えたばかりなので、内部は非常にきれいでした



 ここもまるで映画のセットのようです。でも、ここにあるものは実際に使われたもの。

 プチ・トリアノンA



ようやく目的の「王妃の村里」へ



 プチ・トリアノンを出ると、広大な庭園が広がっています。そして、フェルゼンと逢引きをしていた、「愛の神殿」が見えます。


 大理石造りの「愛の神殿」。こんなに目立つところで、本当に浮気していたのでしょうかね?


この彫刻品は、2人の浮気現場を見ていたことでしょう。
 

愛の神殿


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ここが通称「王妃の村里(田舎家)」。
故郷オーストリアの田舎を再現したとか・・・。
写真をクリックしてね♪

田舎家



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 これが「王妃の家」と呼ばれている、田舎家の中でもいちばん大きな建物です。写真をクリックしてね♪



 「水車小屋」。お花がきれいに飾り付けてありました。
 


 「マルルボローの塔」。実際にこの塔に登ったのでしょうか?

 プチ・トリアノンを出ると、さきほど石垣で囲まれていた庭園内に出ることができました。この石垣で囲まれたエリアを「王妃の村里」と呼んでいるようです。プチ・トリアノン関連については、ちょっと事前のリサーチ不足でしたね。知っていれば、最初から共通入場券を買っていましたし、プチ・トリアノンに向かう時間も午後からにしたことでしょう。

 かなり自然のままの庭園内を歩くと、目の前に「愛の神殿」が見えてきました。プチ・トリアノンから愛の神殿までの距離は、わずか数10メートルほど。こんな近くで本当に逢引きをしていたのでしょうかね。おそらく召使いなどはみんな知っていたことでしょう。

 愛の神殿からさらに歩いていくと、目の前に大きな池を中心にした、ちょっと違和感を感じる集落に出ます。ここが「王妃の村里」とか「田舎家」と呼ばれているところです。ここは本当にアントワネットのホームシックを解消するためだけに作られたのでしょうかね。


グラン・カナルで遅い昼食を

 

 グラン・カナルにある、宮殿内唯一のスナックスタンド。 ここでちょっと遅めのお昼ごはんを食べます。

 約1時間のプチ・トリアノン見学を終え、ちょっと遅くなったお昼ごはんを食べるために、「グラン・カナル(大運河)」に移動します。実は宮殿内で食べものを売っているのは、さきほどのプチ・トリアノン横にある「アンジェリーナ」とここしかないのです。アンジェリーナは高そうだったので、こちらを選んだというわけです。

 ここはスナックスタンドなので、売っているものはパンかクレープ、それに飲み物とアイスクリームくらい。ここで「クレープ・ショコラ(3.3ユーロ)」 、「パニーニ」
、「ジャンボン・サンドイッチ(3.3ユーロ)」を注文。これは珍しくビニル袋に入っていました。

 お腹が膨れたところで、プチ・トランに乗って宮殿に戻ることにしました。これだけ宮殿内を移動できたのですから、6.5ユーロのプチ・トランは高くないと思います。午後2時ちょっと過ぎに、ヴェルサイユ宮殿をあとにしたのでした。


 あーちゃんは「クレープ・ショコラ」を 注文。しかしおなかが膨れないと言って、私が食べたパニーニも食べていました。


  私はバゲットにハムを入れて、潰して焼いた「パニーニ」を注文。温かくておいしかったです。
 


 マダムは「ジャンボン・サンドイッチ」を注文。これは珍しくビニル袋に入っていました。
 

遅めのお昼ごはん


 

これが宮殿から見ると、
はるかかなたに見える「グラン・カナル(大運河)」。

グラン・カナル


「アポロンの泉」から見た宮殿。
プチ・トランのおかげでカンタンに来れます。

プチ・トランで戻ります


ヴェルサイユ宮殿には、約5時間滞在しました。

宮殿をあとにします
 


 パリまでの帰りも、往きと同じRERのC線に乗ります。

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